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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


jp1base_setup_cluster(UNIX限定)

〈このページの構成〉

機能

JP1/Baseの論理ホストの動作環境を設定します。クラスタシステムでの環境設定で使用します。環境設定は,実行系,待機系の順に行います。

形式

jp1base_setup_cluster  -h 論理ホスト名
                      [-d 共有ディレクトリ [-a 認証サーバ] [-s] [-v]]

実行権限

スーパーユーザー権限またはJP1/Base管理者権限

実行系の環境設定

論理ホスト名と共有ディレクトリ名の指定が必要です。ほかのオプションについては,必要に応じて指定してください。このコマンドを実行すると,指定した共有ディレクトリに定義ファイルなどがコピーされるため,必ず共有ディスクをマウントしておいてください。

待機系の環境設定

論理ホスト名だけを指定します。実行系で設定した情報を基に動作環境を設定します。なお,待機系の環境設定をする前に,実行系で設定した共通定義情報を待機系にコピーする必要があります。コピーする場合,jbsgetcnfコマンド,およびjbssetcnfコマンドを利用します。

格納先ディレクトリ

/opt/jp1base/bin/

引数

-h 論理ホスト名

環境を設定する論理ホスト名を指定します。

注意事項
  • 論理ホスト名は,hostsファイルやネームサーバに設定し,TCP/IP通信ができるようにしてください。

  • DNS運用の場合は,FQDN(Fully Qualified Domain Name)形式ではないホスト名を指定してください。例えば,jp1v6.soft.hitachi.co.jpの場合は,jp1v6を指定します。

-d 共有ディレクトリ

実行系の環境設定時に使用します。フェールオーバー時に引き継ぐ情報を格納する共有ディレクトリを指定します。共有ディスク上のディレクトリを指定してください。指定した共有ディレクトリで,JP1/Baseの動作に必要な環境設定が行われます。このオプションを指定してコマンドを実行すると,共有ディスク上に次の表に示すディレクトリを作成し,定義ファイルを/etc/opt/jp1base/conf/からコピーします。

ディレクトリ

格納するファイル

共有ディレクトリ/jp1base/conf/

定義ファイル

共有ディレクトリ/jp1base/log/

ログファイル

共有ディレクトリ/event/

イベントサーバ設定ファイル

なお,定義ファイルの内容は,必要に応じて変更してください。

-a 認証サーバ

論理ホストが接続する認証サーバのホスト名を指定します。このオプションを省略した場合,認証サーバの設定は物理ホストの環境設定と同じ認証サーバが指定されます。

-s

論理ホストで認証サーバを実行する場合に指定します。このオプションを指定すると,JP1/Baseの起動時に認証サーバが起動するように設定されます。このオプションを省略した場合,認証サーバを起動しないように設定されます。

-v

このオプションを指定すると,論理ホストの動作環境を設定するときのすべてのメッセージを画面上に表示します。

注意事項

使用例

論理ホスト名をlnode0に,共有ディスク上のディレクトリ名を/shdsk/lnode0に設定した場合の使用例を次に示します。

実行系での環境設定
jp1base_setup_cluster -h lnode0 -d /shdsk/lnode0 -a lnode0 -s

このコマンドを実行すると,論理ホストの環境設定,共有ディスク上に共有ディレクトリと共有ファイルの作成,および認証サーバの設定が行われます。

待機系での環境設定
jp1base_setup_cluster -h lnode0