Hitachi

JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


Jisconv

〈このページの構成〉

機能

順編成ファイルをISAMファイルに変換します。また,ISAMファイルを順編成ファイルに変換します。

このコマンドは,障害が発生したISAMファイルから順編成ファイルに抽出したデータレコードを,ISAMファイルのデータファイルに回復する場合などに使用します。

ISAMファイルに変換する

キー定義ファイルの内容に従って,順編成ファイルをISAMファイルのデータファイルに変換します。このとき,同時にキーファイルを作成します。ただし,ISAMファイルにキーが定義されていない場合,キーファイルは作成しません。

変換元の順編成ファイルと変換先のISAMファイルは,レコード種別が同じでなければなりません。レコード種別の関係を,次の表に示します。

表15‒4 レコード種別の関係(ISAMファイルに変換する場合)

順編成ファイル(変換元)

ISAMファイル(変換先)

固定長

可変長

固定長

×

可変長

×

(凡例)

○:変換する

×:変換しない

レコード長の扱いは,次のようになります。

  • 固定長の順編成ファイルを固定長のISAMファイルに変換する場合

    変換先のキー定義ファイルに定義されているレコード長を,変換元のレコード長と見なして変換します。

  • 可変長の順編成ファイルを可変長のISAMファイルに変換する場合

    変換元の各レコードのレコード長に従って変換します。

    変換元のレコード長が,変換先のキー定義ファイルに定義されているレコード長の範囲に含まれていない場合は,変換元のレコード長を不正と見なし,変換を中止します。

注意事項

順編成ファイルをISAMファイルに変換する際の注意事項を次に示します。

  • 変換先のISAMファイルを,あらかじめ作成しておく必要があります。

  • ISAMファイルに変換する際,ワークファイルを使用します。

順編成ファイルに変換する

ISAMファイルのデータファイルを,順編成ファイルに変換します。変換元のレコードは,データファイル中での物理的な並び順に従って出力されます。データファイル中の削除レコードは,出力されません。

変換元のISAMファイルと変換先の順編成ファイルは,レコード種別が同じでなければなりません。レコード種別の関係を,次の表に示します。

表15‒5 レコード種別の関係(順編成ファイルに変換する場合)

ISAMファイル(変換元)

順編成ファイル(変換先)

固定長

可変長

固定長

×

可変長

×

(凡例)

○:変換する

×:変換しない

レコード長の扱いは,次のようになります。

  • 固定長のISAMファイルを固定長の順編成ファイルに変換する場合

    変換元のキー定義ファイルに定義されているレコード長を,変換先のレコード長と見なして変換します。

  • 可変長のISAMファイルを可変長の順編成ファイルに変換する場合

    変換元のキー定義ファイルに定義されている最小レコード長,および最大レコード長を,変換先の最小レコード長,および最大レコード長と見なして変換します。

形式

Jisconv [-f] -t タイプ [-d dir ワークフォルダ名] ファイル名1 ファイル名2(Windowsの場合)
Jisconv -t タイプ [-T dir ワークディレクトリ名] ファイル名1 ファイル名2(UNIXの場合)

実行権限

Windowsの場合:Administrators権限(WindowsのUAC機能が有効な場合は管理者コンソールから実行)

UNIXの場合:スーパーユーザー権限またはJP1/Base管理者権限

格納先ディレクトリ

Windowsの場合

インストール先フォルダ\bin\

UNIXの場合

/opt/jp1base/bin/

引数

-f

ファイル名2で指定したものと同じファイル名のファイルが存在するとき,上書き確認メッセージを表示しない場合に指定します。なお,このオプションはWindowsだけで使用できます。

-t タイプ

ファイルの変換タイプを,次に示すどちらかで指定します。

SI

順編成ファイルをISAMファイルに変換します。

IS

ISAMファイルを順編成ファイルに変換します。

-d dir ワークフォルダ名

順編成ファイルをISAMファイルに変換する場合,キーファイルをソートするために,ワークファイルを使用します。そのため,ワークファイルを作成するディレクトリを指定します。省略時は,環境変数のtemp,またはtmpで指定されたディレクトリ,またはカレントディレクトリを使用します。なお,このオプションはWindowsだけで使用できます。

-T dir ワークディレクトリ名

順編成ファイルをISAMファイルに変換する場合,キーファイルをソートするために,ワークファイルを使用します。そのため,ワークファイルを作成するディレクトリを指定します。省略時は,/tmp,または/usr/tmpを使用します。なお,このオプションは,UNIXだけで使用できます。

ファイル名1

変換元ファイルのファイル名を指定します。ドライブ,およびディレクトリを省略した場合は,カレントドライブ,およびカレントディレクトリが仮定されます。

Windowsの場合,スペースを含むファイル名を指定する場合は,ダブルクォーテーションマーク(")で囲みます。

UNIXの場合,順編成ファイルからISAMファイルへの変換で,ハイフン(-)を指定した場合は,標準入力を仮定します。

ファイル名2

変換先ファイルのファイル名を指定します。ドライブ,およびディレクトリを省略した場合は,カレントドライブ,およびカレントディレクトリが仮定されます。同じファイル名のファイルが存在する場合,上書きします。

Windowsの場合,スペースを含むファイル名を指定する場合は,ダブルクォーテーションマーク(")で囲みます。

UNIXの場合,ISAMファイルから順編成ファイルへの変換で,ハイフン(-)を指定した場合は,標準出力を仮定します。

戻り値

0

正常終了

1

異常終了