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JP1 Version 11 JP1/Base 運用ガイド


11.1.3 ログファイルトラップの注意事項

〈この項の構成〉

(1) 統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合の注意事項

JP1/Base V11を新規でインストールすると,イベントサーバ設定ファイル(conf)のoptionsパラメーターに「KAJP1037-syslogoff」と「KAJP1037-hntroff」が初期設定されています。このフラグが設定されていない定義ファイルを別のバージョンからリストアした場合や,このフラグを設定していない状態で別のバージョンから上書きインストールした場合,またはこのフラグを削除した場合にはこのオプションが設定されておりません。「KAJP1037-syslogoff」と「KAJP1037-hntroff」が設定されていない状態でログファイルトラップを使用して統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合,転送の失敗が繰り返されることがあります。JP1イベントの転送に失敗した場合,統合トレースログやsyslogファイルに転送失敗のKAJP1037-Eのメッセージが出力されます。統合トレースログやsyslogファイルを監視するために,ログファイルトラップ動作定義ファイルに次のような設定があると,転送失敗のKAJP1037-EのメッセージもJP1イベントに変換されます。

設定例
統合トレースログやsyslogファイルを監視する場合
ACTDEF=<Error>11 "KAJP....-E"
ACTDEF=<Error>11 "-E"
syslogファイルを監視する場合
ACTDEF=<Error>11 "error"

この場合に,JP1/IMのIM構成管理と連携,またはJP1/Baseが提供する構成管理機能を使用していて,転送設定ファイル(forward)を初期設定のまま使用していると,転送失敗のJP1イベントも転送されるため,転送の失敗が繰り返されてしまいます。

この転送の繰り返しを回避するためには,KAJP1037-Eのメッセージをログファイルトラップ機能でトラップしないようにログファイルトラップ動作定義ファイルの設定を変更してください。設定例を次に示します。

設定例1
MARKSTR="KAJP1037-E"
設定例2
ACTDEF=<Error>11 "KAJP....-E"
       !"KAJP1037-E"

(2) JP1/AJSのログファイル監視ジョブを使用する場合の注意事項

JP1/AJSのログファイル監視ジョブを使用する場合は,JP1/Baseのログファイルトラップ管理サービス(デーモン)とイベントサービスを事前に起動してください。JP1/AJSのログファイル監視ジョブは,JP1/Baseのログファイルトラップ機能を使って実行されます。

ログファイル監視ジョブの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」,「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)」,「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)」,および「JP1/Automatic Job Management System 3 運用ガイド」を参照してください。

(3) WindowsでUnicodeファイルを監視する場合の注意事項

ログファイルトラップを使用してWindowsでUnicodeファイルを監視する場合,動作定義の設定や監視対象ファイルの誤りによって,ログファイルトラップの起動は成功しても,ログファイルを正しく監視できないおそれがあります。

WindowsでUnicodeファイルを監視する場合,次の表に示す正しく監視できないケースではエラーが通知されません。そのため,事前にログファイルトラップの動作(条件どおりにフィルタリングできるか)を確認してください。

表11‒1 WindowsでUnicodeファイルを正しく監視できないケースと事前確認の内容

正しく監視できないケース

事前確認の内容

ログファイルトラップ動作定義ファイルのMARKSTRパラメーターおよびACTDEFパラメーターに,基本正規表現を指定している。

ログファイルトラップ動作定義ファイルのACTDEFパラメーターに,運用で使用する拡張正規表現を指定して,条件どおりにフィルタリングできるか確認する。

ログファイルトラップ動作定義ファイルに,Unicodeファイルを指定している。

ログファイルトラップ動作定義ファイルのACTDEFパラメーターに,マルチバイト文字を指定して,条件どおりにフィルタリングできるか確認する。

監視対象ファイルがUnicodeファイルで,jevlogstartコマンド実行時に-gオプションを指定していない。

jevlogstartコマンドに-gオプションを指定してUnicodeファイルを監視しようとしたが,誤ってUnicodeファイルではないログファイルを指定している。