1.4.3 プログラムテストの影響範囲を調査する
プログラムのテストでの影響範囲を確認するときにデータ影響波及分析を使用する手順です。
-
プログラムの修正とデバッグ
修正が必要なデータ項目の例を次に示します。
-
引数,返却値,GLOBAL句やEXTERNAL句などを経由して,ほかのプログラムに不正な値を渡している
-
データ項目を使用する処理(算術演算や条件判断など)が不正な結果になっている
このようなデータ項目の不良をデバッグするときに,データ影響波及分析は,次のように活用できます。
-
不正な値を保持するデータ項目について,影響を与える個所を自動的に検出します。
-
データの流れをソースコードと対応付けてさかのぼりながら,不正な値を格納した原因を調査します。
-
-
テスト個所の検出
プログラムテストでは,主に次のテストを実施します。
-
修正プログラムに対する単体テスト
-
修正プログラムと上位/下位プログラムとの結合テスト
このテストについて,データ影響波及分析は,次のように活用できます。
-
修正個所から影響を受けるソースコードの個所を自動的に検出し,単体テストでのテスト個所の漏れを防止します。
-
修正個所から影響を受ける上位/下位プログラムを自動的に検出し,結合テストでのテスト対象プログラムの漏れを防止します。
-
-
プログラムの保守作業
不良の原因は,次の手順で調査します。
-
不良が顕在化した個所の特定
-
不良の原因になる個所の特定
不良の原因を調査するときに,データ影響波及分析は,次のように活用できます。
-
不良が顕在化した個所に影響を与えるソースコードの個所(影響個所)を自動的に検出します。
-
不良が顕在化した個所からデータの流れをソースコードと対応付けてさかのぼりながら,不良の原因を調査できます。
-
調査の備忘録(メモ)を影響個所のソースコードと対応付けてGUIに記録できます。
-
備忘録(メモ)を調査個所のソースコードとともにCSVファイルに出力して,調査のエビデンスとして利用できます。
-
-
保守ドキュメント作成支援
保守ドキュメントには,次の内容を調査して記載します。
-
他システムとの関連
-
モジュール/プログラム構成
-
プログラムのインタフェース(引数および戻り値)
-
プログラム間で共有するデータの構造および使用方法
-
プログラム内のデータ構造とアルゴリズム
このような内容の調査で,データ影響波及分析機能を次のように活用できます。
-
プログラム間の呼び出し関係を表示して,プログラム構成を調査します。
-
プログラムのインタフェース(引数および戻り値)やプログラム間で共有するデータ項目(GLOBAL句およびEXTERNAL句)など,調査したいデータ項目から影響がある個所を自動的に検出し,ソースファイルの該当個所を参照しながら使用方法などを調査します。
-