COBOL2002 XML連携機能ガイド


1.1 XML連携機能とは

〈この節の構成〉

(1) XMLとは

XML(eXtensible Markup Language)は,World Wide Web Consortium(W3C)によって標準化されている,文章の構造を定義するための言語です。

XMLでは,ユーザがタグと呼ばれる文字列をドキュメントに埋め込んで,データの意味づけをします。このとき,独自のタグをドキュメントに埋め込んで意味づけし,さらに,タグ同士を入れ子にして論理的な階層構造を持つドキュメントを記述できます。

また,XMLドキュメントは,テキスト形式のデータとして作成するのでプラットフォームに依存しません。このため,インターネットを利用した企業間のデータ交換フォーマットなどに利用されています。

図1‒1 XMLの特長

[図データ]

XMLドキュメントは,要素と呼ばれるタグ付きデータの集合から構成されています。おのおのの要素は,要素を意味づけるタグ,要素の内容であるデータ,および要素を修飾する属性から構成されています。

[図データ]

(2) XML連携機能

XML連携機能は,XMLドキュメントにアクセスするCOBOLプログラム(以降,XML対応COBOLプログラムと呼びます)を作成するために使用します。

XML連携機能を使うと,COBOLのデータ項目とXMLドキュメント中のXML要素を対応づけられます。COBOLプログラムでは,XML要素に対応づけられたCOBOLのデータ項目(XMLアクセス用データ定義)を操作することで,XML要素の値を読み込んだり,XML要素に値を書き出したりできます。また,実際のXMLドキュメントへアクセスするには,XML連携機能が生成する副プログラム(XMLアクセスルーチン)を呼び出します。XMLアクセスルーチンは,XML連携機能の実行時ライブラリを使って,XMLドキュメントへアクセスします。

図1-2に,XML連携機能およびXML連携機能の実行時ライブラリの提供する機能について示します。

図1‒2 XML連携機能およびXML連携実行時ライブラリの機能

[図データ]

(3) 処理できるXMLドキュメント

COBOL2002 XML連携機能では,W3Cで勧告されたXML 1.0に従ったXMLドキュメントを処理できます。

ただし,XML連携機能でXMLドキュメントを出力する場合,XMLドキュメント内に文書の型宣言(DOCTYPE宣言)を出力しません。