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COBOL2002 言語 拡張仕様編


15.3.2 アドレスデータ項目の定義

アドレスデータ項目は,アドレス名の内容を一時的に退避したり,プログラム間でアドレス値を受け渡したりする場合に用いる。

〈この項の構成〉

(1) PICTURE句(アドレス操作機能)

アドレスデータ項目のデータ記述項に,PICTURE句を指定してはならない。

【標準仕様との関連】

COBOL2002 言語 標準仕様編」 「9.16.54 PICTURE句

(2) SYNCHRONIZED句(アドレス操作機能)

  1. アドレスデータ項目のデータ記述項にSYNCHRONIZED句を指定すると, 4バイトの領域が4バイト境界に調整されて割り付けられる(64bit版 COBOL2002では,8バイトの領域が8バイト境界に調整されて割り付けられる)。

    SYNCHRONIZED句を指定しないと,バイト境界に割り付けられる。

  2. SYNCHRONIZED句を集団項目に指定したとき,その集団項目に従属するすべてのアドレスデータ項目にこの指定が適用される。

【標準仕様との関連】

COBOL2002 言語 標準仕様編」 「9.16.80 SYNCHRONIZED句

(3) USAGE句のADDRESS指定

形式

[図データ]

機能

アドレスデータ項目であることを指定する。

構文規則

  1. USAGE句のADDRESS指定と同時にPICTURE句,SAME AS句およびTYPE句を指定してはならない。

  2. アドレスデータ項目は次の場所に書ける。

    • 作業場所節

    • 連絡節

    • ファイル節

    • 局所場所節

  3. アドレスデータ項目に関連する条件名が記述できる。ただし,条件名のVALUE句には,表意定数ZEROとNULLだけが書ける。

  4. アドレスデータ項目は,EXTERNAL句やGLOBAL句を指定したレコード記述中に書いてもよい。

  5. アドレスデータ項目のVALUE句には,表意定数NULLだけが書ける。

一般規則

  1. USAGE IS ADDRESS句は,そのデータ項目がアドレスデータ項目であることを指定する。

  2. アドレスデータ項目には,4バイトの記憶領域がとられ,アドレス値(記憶領域の番地)が2進形式で格納される(64bit版 COBOL2002では,アドレスデータ項目には8バイトの記憶領域がとられ,アドレス値が2進形式で格納される)。

【標準仕様との関連】

COBOL2002 言語 標準仕様編」 「9.16.86 USAGE句