6.1 浮動小数点数字定数
COBOLの標準仕様では,数字定数には固定小数点数字定数しかない。このシステムでは,固定小数点数字定数に加えて,浮動小数点数字定数を扱うことができる。
- (備考)
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1984年 CODASYL COBOLには,外部浮動小数点数字項目と浮動小数点数字定数の仕様が入った。
浮動小数点数字定数を表す規則は次のとおりである。
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仮数部E指数部の形式で表す。仮数部,指数部ともに,0〜9の数字,正号(+),負号(-)の文字が使用できる。小数点(.)は仮数部だけに使用できる。
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仮数部は1けた以上16けたまでの数字を含む。指数部は1けた以上2けたまでの数字を含む。
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仮数部,指数部ともに,符号文字を複数個書けない。符号を書くときは,仮数部の符号は仮数部の左端に,指数部の符号は指数部の左端におく。符号がない場合は正とみなされる。
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仮数部には小数点が必ず一つ含まれていなければならない。小数点は,符号文字の左側以外であれば仮数部の任意の文字位置に書いてもよい。
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浮動小数点数字定数の値は,指数部を10の肩にあげたものを仮数部に掛けることによって得られる。値の範囲は絶対値で,10-99〜1099,または0でなければならない。
浮動小数点数字定数の例を次に示す。
- (例)
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浮動小数点数字定数
値
1.2E03
.12E4
それぞれ1.2×103と0.12×104を表す。表現は異なるが値は同じである。
-13.E-2
-13.0×10-2を表す。
3.14E0
3.14×100を表す。
1.2△E△3
誤り。間に空白があるので,1.2と3は固定小数点数字定数,Eは語とみなされる。
12E03
誤り。仮数部に小数点がないので,語の12E03とみなされる。