6.1.1 カバレージ機能の入出力構成と使用するファイル
- 〈この項の構成〉
(1) 入出力構成
カバレージ機能の入出力構成を図6-1,図6-2に示します。
- 注※1
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目的に応じて次の拡張子を使用します。
・固定形式正書法で書かれた原始プログラムをコンパイルする場合
.cbl,.CBL,.cob,.ocb,または環境変数CBLFIXで指定した拡張子
・自由形式正書法で書かれた原始プログラムをコンパイルする場合
.cbf,.ocf,または環境変数CBLFREEで指定した拡張子
- 注※2
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システムによって違いがあります。詳細は,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
図6‒2 カウント情報の表示 - 注※1
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目的に応じて次の拡張子を使用します。
・固定形式正書法で書かれた原始プログラムをコンパイルする場合
.cbl,.CBL,.cob,.ocb,または環境変数CBLFIXで指定した拡張子
・自由形式正書法で書かれた原始プログラムをコンパイルする場合
.cbf,.ocf,または環境変数CBLFREEで指定した拡張子
- 注※2
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システムによって違いがあります。詳細は,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
(2) 使用するファイル
カバレージ機能で使用するファイルを次に示します。
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実行可能ファイル
カバレージ情報の蓄積対象,またはカウント情報の取得対象となる実行可能ファイルです。
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共用ライブラリファイル
カバレージ情報の蓄積対象,またはカウント情報の取得対象となる共用ライブラリファイルです。共用ライブラリについては,「6.4.2 共用ライブラリ」を参照してください。
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プログラム情報ファイル
カバレージ情報の蓄積,またはカウント情報の取得に必要とするプログラムの情報を格納するファイルです。また,蓄積したカバレージ情報を格納するためのファイルでもあります。-CVInfコンパイラオプションを指定してコンパイルしたときに出力されます。
プログラム情報ファイルは,使用するカバレージ機能と同じバージョンのコンパイラで作成されたものでなければなりません。バージョンが異なる場合は,次に示すエラーメッセージが表示されます。
KCCC4436T-E 異なるバージョンでコンパイルされたプログラム情報ファイルのため,対象としません。ファイル(xxxxx)
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カバレージ情報リストファイル(カバレージ情報表示時)
カバレージ表示の実行結果を格納するファイルです。ファイルはテキストファイルです。
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カウント情報リストファイル(カウント情報表示時)
カウント情報の取得結果を格納するファイルです。ファイルはテキストファイルです。
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カバレージ統計情報CSVファイル(カバレージ情報表示時)
ソースファイル単位または翻訳単位に,カバレージ統計情報を出力するファイルです。複数のプログラム情報ファイルに対するカバレージ統計情報を一つのファイルにまとめて出力します。ファイルはCSVファイルです。
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ソースカバレージ情報CSVファイル(カバレージ情報表示時)
原始プログラム1行ごとのカバレージ情報を出力するファイルです。一つのプログラム情報ファイルに対して,ソースカバレージ情報CSVファイルを一つ出力します。ファイルはCSVファイルです。
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実行結果出力ファイル
カバレージ情報の蓄積およびカウント情報の表示で,実行中のメッセージの出力は実行結果出力ファイルに出力されます。次の理由によって,実行結果出力ファイルに出力できない場合については,「7.2.2 プログラムからの連動実行による方法」の「(3) 実行結果出力ファイルにメッセージを出力できないときの処理」を参照してください。
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環境変数CBLTDEXECの値の指定に誤りがあった場合
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結果出力ファイルにエラーが発生し,実行結果出力ファイルが出力できなかった場合
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実行環境が整っていなかったためカバレージ情報の蓄積またはカウント情報の表示ができなかった場合
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- 注意事項
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プログラム情報ファイルは,実行可能ファイルまたは共用ライブラリファイルのあるディレクトリを参照します。任意のディレクトリのプログラム情報ファイルを参照するときは,環境変数CBLPIDIRにディレクトリ名を指定します。
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環境変数CBLPIDIRを指定した場合のプログラム情報ファイルの検索順序は,「(3) 使用する環境変数の指定」を参照してください。
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(3) 使用する環境変数の指定
環境変数は,カバレージを起動する前に設定します。大文字で指定してください。
環境変数 |
概要 |
---|---|
CBLPIDIR |
プログラム情報ファイルがあるディレクトリ名を指定します。 |
CBLTDEXEC |
プログラムからの連動実行を指定します。 カバレージ情報の蓄積の場合については,「7.2.2 プログラムからの連動実行による方法」,カウント情報の表示の場合については,「7.6.2 プログラムからの連動実行による方法」を参照してください。 |
CBLLSLIB |
共用ライブラリファイルのファイル名を指定します。 |
CBLLPATH |
共用ライブラリファイルがあるディレクトリ名を指定します。 |
LD_LIBRARY_PATH※ |
共用ライブラリファイルがあるディレクトリ名を指定します。 |
CBLTDEXTARGET |
-TDInfおよび-CVInfコンパイラオプションがないCOBOLプログラム,またはCOBOLプログラム以外から共用ライブラリが呼ばれる場合,カバレージ情報の蓄積,カウント情報の表示を可能にします。 |
- 注※
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Linuxで有効
プログラムの実行に関するその他の環境変数は,マニュアル「COBOL2002 使用の手引 手引編」を参照してください。
注意事項
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カバレージ情報の蓄積・カウント情報の表示のプログラム情報ファイルを次に示す検索順序で検索します。検索した結果,見つからないときは,プログラム情報ファイルに該当するプログラムはカバレージ情報の蓄積およびカウント情報の表示の対象となりません。
検索順序
(1)環境変数CBLPIDIRで指定したディレクトリ
(2)実行可能ファイルに含まれるプログラムは,実行可能ファイルのあるディレクトリ
共用ライブラリファイルに含まれるプログラムは,共用ライブラリファイルのあるディレクトリ
(3)カレントディレクトリ
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カバレージ情報の表示・カバレージ情報の操作のプログラム情報ファイルがパスの付かないファイル名または,相対パスで指定された場合,次に示すディレクトリを検索します。相対パスが指定されたときは,次に示すディレクトリからの相対パスを検索します。絶対パスが指定されたときは検索しません。
(1)環境変数CBLPIDIRで指定したディレクトリ
(2)カレントディレクトリ
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プログラムが-CVInfコンパイラオプションでコンパイルされていない場合,カバレージ情報の蓄積,表示,操作,およびカウント情報の表示の対象となりません。
カバレージ情報の表示,操作では対象外とするエラーメッセージを出力します。
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カバレージ情報の蓄積の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージ情報の蓄積のためのプログラムを実行しません。
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カバレージ情報の表示の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージの表示をしません。カバレージ情報リストファイルやカバレージ統計情報CSVファイルも出力しません。
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カバレージ情報の操作の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カバレージの操作をしません。
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カウント情報の表示の対象となるプログラム情報ファイルが一つもない場合は,カウント情報の表示のためのプログラムを実行しません。カウント情報リストファイルも出力しません。
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環境変数CBLTDEXECについては,「7.2.2 プログラムからの連動実行による方法」,「7.6.2 プログラムからの連動実行による方法」を参照してください。
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環境変数CBLLSLIB,環境変数CBLLPATH,および環境変数LD_LIBRARY_PATHについては,「6.4.2 共用ライブラリ」を参照してください。