5.2.1 算術演算機能の特徴
算術文(詳細は「5.2.2 算術文」を参照)は,複数個の答えを持つことがあります。これらの文は,次のように書かれたものとして実行されます。
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文の初期評価(添字などの評価)の一部であるすべてのデータ項目の参照を行い,これらのデータ項目に対して必要な計算や結合を行い,括弧の演算の結果を一時的な記憶場所に蓄える文(初期評価の一部である項目を表す規則は,個々の文によって異なる)
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各単一の結果のデータ項目に,この一時的な記憶場所の値を転送したり,結び付けたりする一連の文(これらの文は,複数個の答が並べてあるのと同じ順序で,左から右に書かれているものとみなされる)
算術文の例を次に示します。なお,例中のtempは,任意の一時的な記憶場所を示します。
- (例1)
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(A)と(B)は同じことを表します。
- (A)
ADD a b c TO c d(c) e
- (B)
ADD a b c GIVING temp ADD temp TO c ADD temp TO d(c) ADD temp TO e
- (例2)
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(A)と(B)は同じことを表します。
- (A)
MULTIPLY a(i) BY i,a(i)
- (B)
MOVE a(i) TO temp MULTIPLY temp BY i MULTIPLY temp BY a(i)
算術文については,マニュアル「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「10.8.2 ADD文」,「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「10.8.8 COMPUTE文」,「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「10.8.13 DIVIDE文」,「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「10.8.29 MULTIPLY文」,および「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「10.8.48 SUBTRACT文」を参照してください。