付録H　COBOL85とCOBOL2002のコンパイラオプションの対応

COBOL85のccblコマンドと，COBOL2002のccbl2002コマンドでの，コンパイラオプションの対応関係を，次に示します。

項番	ccblコマンドのオプション名	ccbl2002コマンドのオプション名	機能
1	-Ai	-NumAccept	ACCEPT文に数字項目を指定できるようにする。
2	-B1	-Bin1Byte	1バイトの2進項目を有効にする（PICTURE句の指定で2けたまでは1バイトとして扱う）。
3	-Bb^※1	-BigEndian,Bin	2進データ項目をビッグエンディアン形式で処理する。
3	-Fb^※1	-BigEndian,Float	浮動小数点データ項目をビッグエンディアン形式で処理する。
4	-Bd	-DynamicLink,Call	プログラムの呼び出しで，動的なリンク（ダイナミックリンク）を行う。
4	-Bs	-DynamicLink,IdentCall	一意名指定のCALL文でプログラムを呼び出す場合，動的なリンク（ダイナミックリンク）を行う。定数指定のCALL文は，静的なリンク（スタティックリンク）となる。
5	-C1	-Compile,CheckOnly	コンパイル時，オブジェクトファイル，実行可能ファイルを出力しない。
5	-C2	-Compile,NoLink	コンパイル時，実行可能ファイルを出力しない。
6	-Ci	-NumCsv	CSV編成ファイルで，セルデータを数値として入出力できるようにする。
7	-Cm	-StdMIA,13	MIA1.3仕様の範囲外チェックをする。
	-Cy	-StdMIA,14	MIA1.4仕様の範囲外チェックをする。
	-Cu	-Std85,High	JIS仕様の範囲外チェックをする。
	-Cj	-Std85,High,Obso	JIS仕様の範囲外と廃要素をチェックする。
	-Cv	-Std85,Middle	JIS仕様の中位集合範囲外（上位集合，JIS仕様の範囲外）チェックをする。
	-Cw	-Std85,Low	JIS仕様の下位集合範囲外（中位集合，上位集合，JIS仕様の範囲外）チェックをする。
	-Cr	-Std85,Report	JIS仕様の報告書作成機能をチェックする。
8	-Cs	-MainNotCBL	すべて副プログラムとして作成する。
9	-d	-DebugLine	デバッグ行を有効にする。
10	-Dz	-MinusZero	10進項目で負の符号を持つゼロを正の符号を持つゼロに変換する。
11	-Ec^※2	-Switch,EBCDIC	字類条件をEBCDICに指定する。
	-Ek^※2	-Switch,EBCDIK	字類条件をEBCDIKに指定する。
	−	-Switch,xxxxx,Unprintable^※2	英数字の照合順序を指定したコードに切り替える。また，1バイトで印字できないコードも，照合順序として固有の文字位置に割り付ける（xxxxxには，EBCDICまたはEBCDIKを指定する）。
	−	-Switch,xxxxx,noApplyJpnItem^※2	日本語項目を-Switchオプションの適用対象外とする（xxxxxには，EBCDICまたはEBCDIKを指定する）。
12	-F8	-Cblctr	CBL-CTR特殊レジスタを使用できるようにする。
13	-Gm	-SimMain	主プログラムをシミュレーションする。
13	-Gs	-SimSub	副プログラムをシミュレーションする。
14	-H8	-H8Switch	HITAC8000シリーズの仕様でコンパイルする。
15	-Hd	-IgnoreLCC	行送り制御文字を無視する。
16	-Hf^※5	-V3Rec,Fixed	メインフレーム（VOS3）の固定長レコード形式のプログラムを，VOS3の日本語文字の扱いに合わせてコンパイルする。
16	-Hv^※5	-V3Rec,Variable	メインフレーム（VOS3）の可変長レコード形式のプログラムを，VOS3の日本語文字の扱いに合わせてコンパイルする。
17	−	-V3RecFCSpace	空白に関する機能キャラクタの扱いをメインフレームと同等にする。
18	−	-V3RecEased,QuoteCheck	-V3Recオプション指定時の仕様チェックを緩和する（定数の分離符のチェック）。
18	−	-V3RecEased,WordCheck	-V3Recオプション指定時の仕様チェックを緩和する（語またはPICTURE文字列の制限値のチェック）。
19	-i	-IdentCall	動的なリンクでの呼び出しをシミュレーションする。
20	-K1^※2	-EucPosition	EUC環境下で，見かけ上の文字位置で固定形式正書法の境界を決定するときに指定する。
21	-Ks^※3	-XMAP,LinePrint	書式印刷機能を使用して，順編成ファイルをプリンタに出力する。
22	-M1	-CmAster	1カラム目が'*'の行を注記行とする。
23	-Md	-CmDol	7カラム目が'$'の行を注記行とする。
24	-Mw	-Main,System	先頭の最外側プログラムを主プログラムとして作成する。引数の形式は，システム固有のargc，argv形式とする。
24	-Mh	-Main,V3	先頭の最外側プログラムを主プログラムとして作成する。引数の形式は，メインフレーム（VOS3）形式とする。
25	-Mt	-MultiThread	マルチスレッド対応COBOLプログラムを作成する。
26	-Na^※2	-JPN,Alnum	日本語項目，日本語編集項目，および日本語文字定数をそれぞれ英数字項目，英数字編集項目，および英数字定数として扱う。
	−	-JPN,V3JPN^※2	STRING文，UNSTRING文，INSPECT文を除く日本語項目，日本語編集項目，および日本語文字定数をそれぞれ英数字項目，英数字編集項目，および英数字定数として扱う。
	−	-JPN,V3JPNSpace^※2	-CompatiV3オプション指定時に，日本語項目，日本語編集項目，および日本語文字定数をそのままの属性で扱う。
27	-Nl	-International	インターナショナリゼーション機能を使用するときに指定する。
28	-o	-OutputFile	生成する実行可能ファイル名を指定する。
29	-O0	-Optimize,0	コンパイル時，最適化をしない。
	-O1	-Optimize,1	コンパイル時，文の中で閉じた最適化をする。
	-O2	-Optimize,2	コンパイル時，広域的な最適化をする。
	-O3	-Optimize,3	コンパイル時，広域的な最適化をし，10進項目を2進項目に変換する。
30	−	-SQLDisp^※1	埋め込みSQL文に用途（USAGE句）が表示用（DISPLAY）のデータ項目を指定できるようにする。
31	−	-SQL,ODBC^※1	埋め込みSQL文をODBCで使用できるようにする。
31	−	-SQL,ODBC,NoCont^※1	埋め込みSQL文をODBCで使用できるようにする。SQL構文内の浮動継続指示子を有効としない。
32	-P1	-SrcList,NoCopy	コンパイルリストに情報を出力する。すべてのCOPY文の展開を抑止する。
	-P2	-SrcList,CopySup	コンパイルリストに情報を出力する。プログラムにSUPPRESS指定があるときだけ，COPY文の展開を抑止する。
	-P3	-SrcList,CopyAll	コンパイルリストに情報を出力する。SUPPRESS指定を無視して，すべてのCOPY文を強制的に展開する。
	−	-SrcList,OutputAll	コンパイルリストに情報を出力する。 COPY文のSUPPRESS指定，翻訳指令を無視して，すべての情報を出力する。
	−	-SrcList,xxxxx,NoFalsePath	コンパイルリストに情報を出力するとき，条件翻訳の無効行を出力しない（xxxxxには，CopyAll，CopySup，またはNoCopyを指定する）。
	−	-SrcList,xxxxx,DataLoc	コンパイルリスト（原始プログラムリスト）にデータ項目の相対位置と長さを表示する（xxxxxには，OutputAll，CopyAll，CopySup，またはNoCopyを指定する）。
33	-Rd^※2	-RDBTran	HiRDBによる索引ファイル入出力機能を使用する。
34	-RG	-Profile,Gprof	gprofでのプロファイル用オブジェクトファイルを作成する。
34	-Rp^※2	-Profile,Prof	profでのプロファイル用オブジェクトファイルを作成する。
35	-S1	-StdVersion,1	第1次規格の解釈でコンパイルする。
35	-S2	-StdVersion,2	第2次規格の解釈でコンパイルする。
36	-Sz	-PIC,Std	共用ライブラリに使う位置独立（PIC）コードを作成する場合に指定する。
36	-SZ	-PIC,Expand	-PIC,Stdオプションを指定してリンクエラーになった場合に使用する。
37	-T1	-DebugInf	異常終了時，エラー要約情報を出力する。
	-T2	-DebugInf,Trace	異常終了時，エラー要約情報およびトレースバック情報を出力する。
	-T3	-DebugCompati	実行時に次のチェックをする。添字，指標名の繰り返し回数の範囲外チェックプログラム間整合性チェック
	-T4	-DebugData	データ例外を検出する。
	−	-DebugData,ValueHex	データ例外検知機能でデータ例外が検出された場合，出力されるエラーメッセージにデータ項目の属性と矛盾している格納値を16進数で表示する。
	-T5	-TDInf	テストデバッグ情報を出力する。
	-T6	-CVInf	カバレージ情報を出力する。
	-T7	-DebugRange	添字，指標名の繰り返し回数について，次元ごとの範囲外チェックをする。
	-Tt	-TestCmd,Full	中断点情報，シミュレーション情報のTDコマンドをTDコマンド格納ファイルに出力する。
	-Tb	-TestCmd,Break	中断点情報のTDコマンドをTDコマンド格納ファイルに出力する。
	-Ts	-TestCmd,Sim	シミュレーション情報のTDコマンドをTDコマンド格納ファイルに出力する。
38	-Un	-EquivRule,NotExtend	拡張コード文字と標準コード文字を等価とみなさない。
	-Ue	-EquivRule,NotAny	拡張コード文字と標準コード文字を等価とみなさない。さらに，標準コードの英大文字と標準コードの英小文字も等価とみなさない。
	−	-EquivRule,StdCode	拡張コード文字と標準コード文字を等価とみなさない。さらに，日本語文字定数中に標準コードの空白を書いてもエラーとしない。
39	-v	-Details	コンパイラオプションの詳細情報を出力する。また，一部の環境変数の内容を出力できる。
40	-V3^※5	-CompatiV3	VOS3 COBOL85との互換機能を有効にする。
41	-Va	-CBLVALUE	環境変数CBLVALUEを有効にする。
42	-Vx	-BinExtend	2進データ項目に指定できる初期値を拡張する。
43	-Wl	-Link	リンカに渡すオプションを指定する。
44	-X5	-Comp5	COMP-5を指定できるようにする。
45	-Xb	-DigitsTrunc	転記文で上位けたを切り捨てる。
46	-Xc	-DoubleQuote	引用符（ " ）を分離符とみなしてコンパイルする。
47	-Xe	-TruncCheck,Binary	転記でのデータ切り捨てをチェックする。さらに，送り出し側作用対象が2進項目で，受け取り側作用対象が外部10進項目／内部10進項目のとき，送り出し側作用対象の2進項目は格納可能な最大けた数でチェックする。
47	-Xo	-TruncCheck	転記でのデータ切り捨てをチェックする。
48	-Xr	-SQL,XDM	リレーショナルデータベース（XDM/RD）操作シミュレーション機能を使用する。
49	指定なし	-Help	コマンドのヘルプを出力する。
50	−	-SimIdent	副プログラム（一意名CALL文）をシミュレーションする。
51	−	-Std2002,OutRange	COBOL2002規格仕様をチェックする。
	−	-Std2002,Obso	COBOL2002規格仕様の廃要素をチェックする。
	−	-Std2002,Archaic	COBOL2002仕様の古典的要素をチェックする。
52	−	-Compati85,IoStatus	入出力状態1x，2xに対する処理をUNIX COBOL85と同様にする。
	−	-Compati85,Linage	LINAGE値が不正なときの処理をUNIX COBOL85と同様にする。
	−	-Compati85,Call	CALL文のON EXCEPTION，またはON OVERFLOW指定の無条件文を実行するエラーの条件をUNIX COBOL85と同様にする。
	−	-Compati85,Power	べき乗演算の精度，エラー時の処理をUNIX COBOL85と同様にする。
	−	-Compati85,Syntax	コンパイル時の解釈をUNIX COBOL85と同様にする。
	−	-Compati85,IDParag	見出し部の構文チェックを緩和する。
	−	-Compati85,RsvWord	UNIX COBOL85の予約語と同じ範囲でコンパイルする。
	−	-Compati85,NoPropagate	プログラムへの伝播を抑止し，オブジェクトファイルサイズを縮小する。
	−	-Compati85,All	-Compati85オプションのすべてのサブオプションを仮定する。
53	−	-ErrSup,I	Iレベルエラーの出力を抑止する。
53	−	-ErrSup,W	Wレベルエラーの出力を抑止する。
54	−	-Repository,Gen	コンパイル時，リポジトリファイルだけを出力する。
54	−	-Repository,Sup	リポジトリファイルがすでにある場合，更新しない。
55	−	-RepositoryCheck	翻訳グループ中の定義と外部リポジトリ中の情報に相違があるかどうかをチェックする。
56	−	-Define	コンパイル時に有効となる，翻訳変数名とその値を定義する。
57	−	-OldForm	UNIX COBOL85のオプションを指定する。
58	−	-UniObjGen	シフトJISのCOBOLソースからUnicodeのオブジェクトを生成する。
	−	-UniEndian,Little	シフトJISで記述された日本語文字定数をUTF-16LEに変換する。
	−	-UniEndian,Big	シフトJISで記述された日本語文字定数をUTF-16BEに変換する。
59	−	-V3Spec	VOS3 COBOL85に対するUNIX COBOL2002固有の構文をチェックする。
59	−	-V3Spec,CopyEased	VOS3 COBOL85に対するUNIX COBOL2002固有の構文をチェックする。ただし，COPY文，REPLACE文の一部のエラーチェックをしない。
60	−	-V3ConvtName	VOS3 COBOL85からのソースファイル互換のため，COPY文の原文名定数中の'¥'と'@'を変換する。
61	−	-UscoreStart	先頭が下線のCALL定数を指定できるようにする。
62	−	-LowerAsUpper	定数指定のCALLに指定された英小文字を英大文字に変換してプログラムを呼び出す。
63	−	-Lx64ConventionCheck^※4	Linux(x64)でC言語との連携を行うときに問題となる可能性のあるコードがあるかどうかをチェックする。
64	−	-MaxDigits38^※6	数字項目および数字定数に指定できる最大けた数を18けたから38けたに拡張する。
65	−	-IntResult,DecFloat40^※6	算術演算の中間結果の表現形式を40けたの10進浮動小数点形式にする。
66	−	-VOSCBL,OccursKey	メインフレーム互換機能を有効にする。OCCURS句のKEY IS指定のデータ名の名前の有効範囲を，そのOCCURS句のある記述項または，それに従属する記述項とする。
	−	-VOSCBL,ReportControl	メインフレーム互換機能を有効にする。制御脚書きの印刷中に改ページが起こったとき，ページ頭書きでSOURCE句によって制御用データ項目を参照している場合，その制御用データ項目の値を元の値で参照する。
	−	-VOSCBL,DataComm	メインフレーム互換機能を有効にする。データコミュニケーション機能の通信記述項で，次のどちらかに該当するときの初期値を，メインフレーム（VOS3/VOS1）のXDM/DCCMデータコミュニケーション機能を使用する場合の値とする。通信記述項の句の指定を省略している。通信文の実行前に，通信記述項の句に指定されたデータ名に初期値を設定していない。
67	−	-LiteralExtend,Alnum	英数字定数と定数指定のプログラム名の長さを拡張する。
68	−	-IgnoreAPPLY,FILESHARE	APPLY FILE-SHARE句を覚え書きとみなす。
69	−	-PortabilityCheck,Literal	メインフレームと動作が異なる可能性がある定数にお知らせメッセージを出力する。
69	−	-PortabilityCheck,Numeric	メインフレームと動作が異なる可能性がある数字項目，浮動小数点定数にお知らせメッセージを出力する。
70	−	-SpaceAsZero	外部10進項目中の空白に対して特殊処理を行う。
71	−	-CheckUninitData	データ項目の初期化漏れをチェックする。

（凡例）: −：対応するコンパイラオプションがない
注※1: Linuxで有効です。
注※2: AIXで有効です。
注※3: AIX(32)で有効です。
注※4: Linux(x64)で有効です。
注※5: コンパイラ環境変数CBLV3UNICODEにYESを指定したときだけ有効です。
注※6: AIX(64)，Linux(x64)で有効です。

付録H COBOL85とCOBOL2002のコンパイラオプションの対応

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