COBOL2002 使用の手引 手引編


32.5.13 リスト出力の設定

リスト出力を設定するコンパイラオプションについて,説明します。

〈この項の構成〉

(1) -SrcListオプション

(a) 形式

-SrcList,{OutputAll|CopyAll|CopySup|NoCopy}〔,NoFalsePath〕〔,DataLoc〕
-noSrcList

(b) 機能

コンパイルリストの出力形式を指定するオプションです。このオプションを指定しなかった場合,コンパイルリストは,出力されません。

出力されるリストの内容については,「付録D コンパイルリスト」を参照してください。また,コンパイルリストに関連する翻訳指令については,「2.3.4 コンパイルリストに関連する翻訳指令」を参照してください。

-SrcList,OutputAll

すべての情報を出力します。

原始プログラム中に,COPY文のSUPPRESS指定やLISTING OFF指令がある場合でも,すべてのソースをコンパイルリストに展開します。

-SrcList,CopyAll

SUPPRESS指定を無視して,すべてのCOPY文を強制的に展開します。

-SrcList,CopySup

プログラムにSUPPRESS指定があるときだけ,COPY文の展開を抑止します。SUPPRESS指定がないCOPY文は,すべて展開します。

-SrcList,NoCopy

すべてのCOPY文の展開を抑止します。

-SrcList,xxxxx,NoFalsePath

条件翻訳の無効行を出力しません。

xxxxxには,CopyAll,CopySup,NoCopyのどれかを指定します。

-SrcList,OutputAll,NoFalsePathと指定した場合は,OutputAllサブオプションが有効となり,NoFalsePathサブオプションは無効になります。

-SrcList,xxxxx,DataLoc

コンパイルリスト(原始プログラムリスト)にデータ項目の相対位置と長さ(バイト)を16進数で表示します。相対位置は,データ部のファイル節/作業場所節/局所場所節の各節の先頭からの位置を表示します。

xxxxxには,OutputAll,CopyAll,CopySup,NoCopyのどれかを指定します。

Sレベル/Uレベルのコンパイルエラーが発生した場合は,指定があっても相対位置は表示しません。なお,相対位置の表示については,「付録D.2 リストの見方」の「(4) 相対位置表示時の原始プログラムリスト」を参照してください。

-noSrcList

-SrcListオプションの指定を打ち消します。

(c) 注意事項

NoFalsePathサブオプションまたは,DataLocサブオプションを指定した場合,-noSrcListオプションの指定がないかぎり,NoFalsePathサブオプション,およびDataLocサブオプションの指定は有効となります。

NoFalsePathサブオプション,およびDataLocサブオプションの指定を打ち消すときは,-noSrcListオプションを指定してください。

(例1) NoFalsePathサブオプション,およびDataLocサブオプション指定が打ち消されない場合
ccbl2002 -SrcList,OutputAll,NoFalsePath,DataLoc,-SrcList,CopyAll …
(コンパイル結果)
-SrcList,CopyAll,NoFalsePath,DataLoc
ccbl2002 -SrcList,OutputAll,NoFalsePath -SrcList,CopySup -SrcList,CopyAll,DataLoc 
 
-SrcList,CopySup -SrcList,CopyAll …
(コンパイル結果)
-SrcList,CopyAll,NoFalsePath,DataLoc
(例2)NoFalsePathサブオプション,およびDataLocサブオプション指定が打ち消される場合
ccbl2002 -SrcList,CopySup,NoFalsePath,DataLoc,-noSrcList -SrcList,CopyAll …
(コンパイル結果)
-SrcList,CopyAll

(2) -ErrSupオプション

(a) 形式

-ErrSup{,I|,W}+
-noErrSup

(b) 機能

コンパイル時にIレベルまたはWレベルメッセージの出力を抑止します。

-ErrSup,I

コンパイル時にIレベル(お知らせ)メッセージの出力を抑止します。

-ErrSup,W

コンパイル時にWレベル(警告)メッセージの出力を抑止します。

-noErrSup

-ErrSupオプションの指定を打ち消します。

(c) 注意事項

  • -ErrSup,Wオプションを指定した場合,利用者が注意する必要があるエラー(コンパイラによる解釈の変更や,中間結果けた数制限の適用など)の出力が抑止されます。このため,必要な場合以外は,-ErrSup,Wオプションを指定しないようにしてください。

  • -ErrSupオプションを指定してエラーメッセージの出力を抑止した場合,標準エラーおよびコンパイルリストにも,該当レベルのエラーが出力されません。

  • 抑止されたエラーメッセージは,コンパイルリストに出力されるエラー件数にはカウントされません。

  • コマンドライン上の記述誤りに対するWレベルメッセージは,抑止されません。