COBOL2002 使用の手引 手引編


20.2.9 オブジェクト指向機能でのマルチスレッド対応

マルチスレッド環境下で,複数のスレッドで同時に実行できるCOBOLプログラムのことを,マルチスレッド対応COBOLプログラムといいます。

ここでは,オブジェクト指向機能を使用したマルチスレッド対応COBOLプログラムの特徴について説明します。マルチスレッド対応COBOLプログラムについては,「26 マルチスレッド環境での実行」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) マルチスレッド環境下でのメソッドの実行

オブジェクト指向機能を使用したマルチスレッド対応COBOLプログラムのスレッド呼び出しの対象は,プログラム定義および他言語のプログラムです。メソッドはスレッド呼び出しの対象とはなりません。マルチスレッド環境下でメソッドが実行されるのは,スレッド起動後に,プログラム定義から呼び出される場合だけです。

この場合,END METHODによってメソッド処理が終了すると,COBOL実行環境を終了しないで,呼び出し元に制御を返します。

また,スレッド実行中にSTOP RUN文が実行されると,実行中のスレッドを終了します。

(2) マルチスレッド環境下でのファクトリデータ

マルチスレッド環境下のファクトリデータは,スレッド単位に存在するデータです。データの存在するスレッドだけで参照したり更新したりできます。ほかのスレッドからこのデータを参照したり更新したりすることはできません。