COBOL2002 使用の手引 手引編


9.1 報告書作成機能の概要

一般に,事務計算で作成する報告書には,次のような幾つかの特徴があります。

報告書の一般的な特徴
  • 報告書は,計算機のラインプリンタのミシン目ごとに区切られたページの集まりから成る。

  • 報告書には,全体の表紙と裏表紙が付く。

  • 各ページの上部や下部にはページの見出しが付く。

  • 報告書の本文は,文章や図形で何か出来事を記述したものではなく,同じ形式のデータ(レコード)が縦に並んだものである。

  • データは,データ中の幾つかの項目(キーデータ項目,制御用データ項目)に従って,昇順または降順に順序正しく並んでいる。

  • 制御用データ項目の値が変化すると制御の切れ目(コントロールブレーク)となり,小計,中計,大計などの報告実行を作成する。

このような形式と内容を持った報告書を,COBOLの通常の句や文を組み合わせて作成する場合,手間が掛かります。このためCOBOLには,通常の入出力機能とは別に,報告書作成機能が用意されています。

報告書作成機能は,定形的な報告書作成の手続きを,手続き部の文を組み合わせて指定するのではなく,データ部の記述項で指定します。

なお,このシステムでは,報告書作成機能(INITIATE/GENERATE/TERMINATE文)で作成した報告書は,AFTER ADVANCING指定のWRITE文で順ファイル(報告書ファイル)にレコードとして出力されます。

なお,報告書機能の文法規則については,マニュアル「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「13 報告書作成機能」を参照してください。