8.2.5 印刷文書名称
COBOL2002の印刷機能では,印刷出力結果を一度スプールに登録します。スプールに登録する際の印刷文書名称は,COBOL2002が独自に定めるデフォルトの印刷文書名称と,ユーザが指定した印刷文書名称の2種類があります。ここでは,それぞれの文書名称について説明します。
(1) デフォルトの印刷文書名称
COBOL2002の印刷機能では,デフォルトの印刷文書名称として,次の規則に基づいて印刷文書名称を作成します。
- 形式
実行ファイル名△△△FNAM-ファイル名
- 実行ファイル名
-
印刷をする実行可能ファイルの名称です。絶対パスでの名称指定の場合でもパス名は表示されず,拡張子.exeが削除された実行可能ファイル名称が表示されます。
- ファイル名
-
COBOLプログラム中のSELECT句で指定したファイル名称です。
- △
-
1バイトの空白を示します。
表示される印刷文書名称の例を,次に示します。
- (例)実行可能ファイル名:SAMPLE.exe
: ENVIRONMENT DIVISION. : SELECT SAM-FILE ASSIGN TO SYS001 :
- 表示される印刷文書名称
-
SAMPLE△△△FNAM-SAM-FILE
(2) ユーザ指定の印刷文書名称
スプールに登録される印刷文書名称は,次のどちらかの方法で変更できます。
-
COBOLプログラム中に印刷文書名称を指定する方法
-
実行時環境変数で印刷文書名称を指定する方法
(a) COBOLプログラム中に印刷文書名称を指定する方法(APPLY FORMS-NAME句)
環境部のAPPLY FORMS-NAME句に,スプールに登録する印刷文書名称を設定します。
APPLY FORMS-NAME句については,マニュアル「COBOL2002 言語 拡張仕様編」 「25.2.3(2) APPLY FORMS-NAME句」を参照してください。
- (例)
: ENVIRONMENT DIVISION. : INPUT-OUTPUT SECTION. FILE-CONTROL. SELECT A-FILE ASSIGN TO SYS000. : I-O-CONTROL. APPLY FORMS-NAME TO DOCNAME ON A-FILE. : DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 DOCNAME PIC X(9) VALUE 'FORMNAME1'. :
- 表示される印刷文書名称
-
FORMNAME1
(3) 実行時環境変数で印刷文書名称を指定する方法(環境変数CBLF_ファイル名)
実行時環境変数CBLF_ファイル名を使用して,スプールに登録される印刷文書名称を指定できます。
- 形式
CBLF_ファイル名=印刷文書名称
- ファイル名
-
SELECT句で指定したファイル名と対応します。指定したファイル名の中にハイフン(-)があった場合は,下線(_)に置き換えた名称となります。
- 印刷文書名称
-
スプールに登録したい印刷文書名称を,任意の文字列で指定します。
(4) 注意事項
-
印刷文書名称の変更は,GDIモード印刷,およびESC/Pモード印刷の場合だけ適用されます。
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システムが認識できない形式の印刷文書名称を指定した場合,印刷開始時にエラーとなります。
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APPLY FORMS-NAME句と環境変数CBLF_ファイル名の両方を指定した場合,CBLF_ファイル名に指定した印刷文書名称が有効となります。
-
印刷文書名称には,1,024バイト以内の文字列を指定してください。また,印刷文書名称には英数字,または日本語の文字列を指定してください。ただし,印刷文書名称として指定できる長さと文字列は使用するプリンタによって異なります。
なお,印刷文書名称に指定された文字列の途中にNULL(X'00')が含まれている場合,NULL以降の文字列は出力されません。