COBOL2002 ユーザーズガイド


8.1 プリンタアクセスの種類と概要

〈この節の構成〉

(1) 印刷モード

COBOLプログラムからプリンタにアクセスするには,次の3種類の方法があります。

GDIモード印刷

GDIモード印刷は,Windows固有の印刷モードです。

GDIモード印刷では,出力先のプリンタ種別を意識しないでプリンタ出力できます。また,次のような印刷制御ができます。

  • CHARACTER TYPE句を指定して,行データの印刷を制御できます。これによって,行の途中で文字サイズや文字間隔を変えるなど,細かな印刷制御ができます。

  • プリンタや印刷するファイル単位に印刷書式を作成できます。印刷書式ごとに1ページ内の行数や文字フォントサイズを指定できます。

ESC/Pモード印刷

ESC/Pモード印刷は,プリンタ固有の印刷モードでプリンタに出力するモードです。CHARACTER TYPE句での行データの印刷制御はできませんが,エスケープシーケンス文字列という機能コードを使用することで,文字の打ち出し位置,文字間隔,行間隔などを細かく操作できます。このため,定型帳票への印刷などで,ほかの印刷モードで対処できない場合に有効です。

ただし,ESC/Pモード印刷を使用した場合,エスケープシーケンス文字列を意識した出力をする必要があるため,プログラムの移植性が損なわれることがあります。

XMAP3による印刷(Windows(x86) COBOL2002で有効)

XMAP3と連携してプリンタ出力する印刷モードです。書式オーバレイやCHARACTER TYPE句での行データ印刷制御など,XMAP3の機能を使用して印刷できます。

(2) プリンタアクセスで使用できるファイル編成

プリンタアクセスで使用できるファイル編成は,順編成ファイルまたはテキスト編成ファイルです。ただし,印刷モードによっては,使用できるファイル編成に制限があります。

各印刷モードで使用できるファイル編成について,次に示します。

印刷モード

順編成ファイル

テキスト編成ファイル

GDIモード印刷

ESC/Pモード印刷

XMAP3による印刷

×

(凡例)

○:使用できる

×:使用できない

順編成については,マニュアル「COBOL2002 言語 標準仕様編」 「5.1.7(1) 順編成」を,テキスト編成については,マニュアル「COBOL2002 言語 拡張仕様編」 「2.1 テキスト編成」を,それぞれ参照してください。