1.2.1 文書管理モデルの概要

サンプルWebアプリケーションの文書管理では,次の3種類のオブジェクトを使用します。

これらのオブジェクトを使用して実現するモデルについて説明します。文書管理モデルの詳細については,「3. 文書管理モデル」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 階層構造を持つフォルダに文書を関連付けて管理する
(2) 文書またはフォルダにプロパティを設定して管理する
(3) 文書のバージョンを管理する
(4) 文書のバージョンを対象に全文検索を実行する
(5) 文書またはフォルダに対してアクセス制御を実行する

(1) 階層構造を持つフォルダに文書を関連付けて管理する

文書をフォルダに格納するイメージで管理できます。サンプルWebアプリケーションで扱うフォルダは,ルートフォルダを頂点とした階層構造を持っています。サンプルWebアプリケーションで扱う文書またはフォルダは,必ずどれか一つのフォルダに関連付けられて管理されます。

フォルダの下位には,複数の文書またはフォルダを関連付けられます。ただし,一つの文書またはフォルダの上位に複数のフォルダに関連付けることはできません。

(2) 文書またはフォルダにプロパティを設定して管理する

文書またはフォルダには,プロパティを設定して管理できます。このプロパティは,一覧の画面などで文書やフォルダの情報として表示されるほか,文書やフォルダを検索する時に,検索条件のキーとしても使用できます。

(3) 文書のバージョンを管理する

文書のコンテンツを更新する時に,古いバージョンを破棄しないで新しいバージョンを追加して更新します。これによって,新しいコンテンツで古いコンテンツを上書きしてしまうのではなく,一連の複数のバージョンの履歴を残して文書を管理できます。これを,文書のバージョン管理といいます。

(4) 文書のバージョンを対象に全文検索を実行する

文書はバージョンごとにコンテンツを持つことができます。そして,各バージョンに対応した全文検索インデクスを持つことができます。これによって,最新のバージョンのコンテンツだけでなく,古いバージョンのコンテンツも対象にした全文検索を実行できます。

全文検索を実行する時には,カレントバージョンのコンテンツだけを対象にするか,または全バージョンのコンテンツを対象にするかを選択できます。

(5) 文書またはフォルダに対してアクセス制御を実行する

文書またはフォルダに対してアクセス権を設定して,アクセスするユーザを制御できます。