3.1.1 文書
サンプルWebアプリケーションで扱う文書は,次のような機能を持っています。
- 複数のバージョンを持ち,バージョン管理ができます。
- バージョンの分岐はできません。例えば,バージョン1の文書に対する次バージョン(バージョン2)の文書は一つだけ作成できます。
- 個々のバージョンを削除できます。ただし,すべてのバージョンを削除することはできません。必ず一つのバージョンを持つ必要があります。
- 一つのバージョンに一つのファイルをコンテンツとして登録できます。
- バージョンごとのコンテンツを対象に,全文検索が実行できます。全文検索を実行するために必要な全文検索インデクスは,文書の作成時またはチェックイン時に作成できます。
- チェックアウト中の文書に対しては,参照処理,チェックアウトのキャンセルまたはチェックインだけができます。ほかの更新処理(プロパティの更新,アクセス権の更新,オブジェクトの削除またはバージョンの削除)はできません。
- プロパティを設定して管理できます。
なお,文書は必ずどれかのフォルダの下位に関連付けられて管理されます。また,個々のバージョンを直接操作することはできません。バージョンを直接操作すると,正しくアクセス制御ができません。
- <この項の構成>
- (1) 文書の構成
- (2) 文書のバージョン管理
(1) 文書の構成
文書は,バージョニングオブジェクト(一連のバージョンを統括する文書空間オブジェクト)とバージョンオブジェクト(個々のバージョンを表す文書空間オブジェクト)から構成されています。
バージョニングオブジェクトおよびバージョンオブジェクトは,それぞれプロパティを持っています。
文書の構成を次の図に示します。
図3-1 文書の構成
![[図データ]](figure/zu030100.gif)
(2) 文書のバージョン管理
文書のバージョン管理について説明します。
文書のバージョンを管理するためには,文書を更新する時に,チェックアウトとチェックインという操作をします。なお,最新のバージョンのことを,カレントバージョンといいます。
- チェックアウト
- チェックアウトとは,文書のバージョンの追加を予約することです。チェックアウトした文書に対しては,ほかのユーザによる更新操作が抑止されます。
- チェックアウト中の文書に対して,チェックアウトしたユーザおよびセキュリティ管理者が実行できる更新操作は,次のとおりです。
- このほか,セキュリティ管理者は,自分がチェックアウトしている文書の一覧と自分以外のユーザがチェックアウトしている文書の一覧を参照できます。プロパティやアクセス権を更新したり,文書のバージョンを削除したり,再度チェックアウトしたりすることはできません。
- なお,チェックアウトしたユーザ以外で,セキュリティ管理者ではないユーザは,すべての更新処理が実行できません。
- チェックイン
- チェックインとは,チェックアウトして予約した仮のバージョンをカレントバージョンとして確定することです。
文書をバージョンアップする場合の操作の流れを次に示します。
- 文書をチェックアウトします。
- ダウンロードしたコンテンツを編集します。
コンテンツを編集しない場合,この手順は不要です。
- 文書をチェックインします。