3.3.4 文書のプロパティバージョンオブジェクトのプロパティ

バージョンオブジェクトには,次に示すプロパティが設定されています。

<この項の構成>
(1) バージョン名
(2) 作成日時
(3) 作成者ID
(4) 作成者名
(5) 更新日時
(6) 更新者ID
(7) 更新者名
(8) 所有者ID
(9) 所有者名
(10) コメント
(11) プライマリグループID
(12) プライマリグループ名
(13) ACFlag
(14) 共有ACL
(15) チェックアウト日時
(16) チェックアウトユーザID
(17) チェックアウトユーザ名
(18) 登録文書ファイル名
(19) 登録文書ファイルサイズ
(20) 登録文書のレンディションタイプ
(21) バージョン番号
(22) バージョニングOIID

(1) バージョン名

それぞれのバージョンの名前が設定されるプロパティです。省略はできません。

バージョン名は,サンプルWebアプリケーションを操作するユーザがオブジェクトを識別するためのプロパティですが,重複する名前を付けることもできます。システムがバージョンを識別するためには,バージョンIDが使用されています。

バージョン名は,文書を新規に作成する時および文書をチェックインする時にだけ設定できます。デフォルトでは,バージョン番号と同じ値が設定されます。

(2) 作成日時

バージョンの作成日時を表すプロパティです。文書を新規に作成した時または文書をチェックアウトした時に設定されます。

1970年1月1日0時からの通算秒を表す整数値が設定されます。

(3) 作成者ID

バージョンを作成したユーザを表すプロパティです。ユーザIDが設定されます。

文書を新規に作成した時または文書をチェックアウトした時に設定されます。チェックアウトしたユーザのユーザIDは,バージョン作成者IDともいいます。

(4) 作成者名

バージョンを作成したユーザを表すプロパティです。ユーザIDに対応する表示用ユーザ名が設定されます。

文書を新規に作成した時または文書をチェックアウトした時に設定されます。チェックアウトしたユーザ名は,バージョン作成者名ともいいます。作成者IDとの対応は,LDAP対応のディレクトリサービス上で管理されています。

なお,バージョンを作成したあとでLDAP対応のディレクトリサービス上のユーザIDと表示ユーザ名の対応が変更された場合,作成者IDと作成者名の整合性は保証されません。

(5) 更新日時

バージョンに対して更新処理を実行した日時を表すプロパティです。文書を新規に作成した時,または文書をチェックインした時に設定されます。

1970年1月1日0時からの通算秒を表す整数値が設定されます。

(6) 更新者ID

バージョンに対して更新処理を実行したユーザを表すプロパティです。ユーザIDが設定されます。文書を新規に作成する時には,作成者IDと同じ値が設定されます。文書をチェックインする時には,文書をチェックインしたユーザを表す値が設定されます。

(7) 更新者名

バージョンに対して更新処理を実行したユーザを表すプロパティです。ユーザIDに対応する表示用ユーザ名が設定されます。文書を新規に作成する時には,作成者名と同じ値が設定されます。文書をチェックインする時には,文書をチェックインしたユーザを表す値が設定されます。更新者IDとの対応は,LDAP対応のディレクトリサービス上で管理されています。

なお,更新処理を実行したあとで,LDAP対応のディレクトリサービス上でユーザIDと表示ユーザ名の対応が変更された場合,更新者IDと更新者名の整合性は保証されません。

(8) 所有者ID

所有者IDには,文書を新規に作成した時にバージョニングオブジェクトに設定された値と同じ値が設定されます。

(9) 所有者名

所有者名には,文書を新規に作成した時にバージョニングオブジェクトに設定された値と同じ値が設定されます。

(10) コメント

各バージョンに対して,任意の文字列を設定できます。空文字列も設定できます。各バージョンのコメントは,バージョンコメントともいいます。

(11) プライマリグループID

バージョンが作成された時に,空文字列が設定されます。

(12) プライマリグループ名

バージョンが作成された時に,空文字列が設定されます。

(13) ACFlag

バージョンが作成された時に,すべて「フルコントロール」が設定されます。

(14) 共有ACL

バージョンは共有ACLをバインドしないため,設定されません。

(15) チェックアウト日時

文書をチェックアウトした日時を表すプロパティです。バージョニングオブジェクトのチェックアウト日時と同じ値が設定されます。1970年1月1日0時からの通算秒を表す整数値が設定されます。

文書をチェックアウトした時に値が設定され,チェックインまたはチェックアウトの取り消し時に0が設定されます。仮のバージョン以外のバージョンでは,0が設定されています。

(16) チェックアウトユーザID

文書をチェックアウトしたユーザを表すプロパティです。バージョニングオブジェクトのチェックアウトIDと同じ値が設定されます。文書をチェックアウトした時に作成される仮のバージョンに対して設定されます。

仮のバージョン以外のバージョンのチェックアウトIDには,空文字列が設定されています。

(17) チェックアウトユーザ名

文書をチェックアウトしたユーザを表すプロパティです。バージョニングオブジェクトのチェックアウト名と同じ値が設定されます。文書をチェックアウトした時に作成される仮のバージョンに対して設定されています。

仮のバージョン以外のバージョンのチェックアウト名には,空文字列が設定されます。

(18) 登録文書ファイル名

各バージョンのコンテンツとして登録されているファイルのファイル名を表すプロパティです。文書を新規に作成した時,または文書をチェックインした時に設定されます。空文字列も設定できます。

(19) 登録文書ファイルサイズ

カレントバージョンのコンテンツとして登録されているファイルのサイズを表すプロパティです。単位はバイトです。文書作成時および文書のチェックイン時に設定されます。

(20) 登録文書のレンディションタイプ

各バージョンのコンテンツとして登録されているファイルのレンディションタイプを表すプロパティです。文書作成時および文書のチェックイン時に設定されます。ファイルの拡張子がレンディション定義ファイルに指定されている場合は,指定した値が設定されます。ファイルの拡張子がレンディション定義ファイルに指定されていない場合で,コンテキストパラメタのapp.default.renditionTypeに指定されているときは,app.default.renditionTypeの値が設定されます。

なお,ファイルの拡張子がレンディション定義ファイルに指定されていない場合で,コンテキストパラメタのapp.default.renditionTypeにも指定がないときは,レンディションタイプが設定されません。

(21) バージョン番号

バージョンの番号を表すプロパティです。文書の新規作成またはチェックインによってバージョンを確定する時に設定されます。文書作成時には「1」が設定されます。それ以降は,チェックインごとに「前バージョンのバージョン番号+1」の値が設定されます。

(22) バージョニングOIID

そのバージョンを所有する文書のOIIDを表すプロパティです。つまり,バージョニングオブジェクトのOIIDを表します。133バイトの文字列で構成されるOIIDのうち,最後の16バイトの値が設定されます。

バージョンが作成された時に設定されます。