付録C DocumentBroker Version 5へのバージョンアップ手順

ここでは,DocumentBrokerVersion 3以前のバージョンから,DocumentBrokerVersion 5へバージョンアップする手順について説明します。バージョンアップ時には,HiRDBを起動させておいてください。HiRDBの起動方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

<この節の構成>
(1) 手動による定義などの修正
(2) メタ情報用のテーブルを定義します
(3) メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta)を実行します
(4) メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します
(5) 実行環境の情報の登録コマンド(dbjregenvid)を実行します
(6) DocumentBroker Version 3のメタ情報を削除します

(1) 手動による定義などの修正

次の表に示す項目について,手動での定義の修正が必要となります。

表C-1 手動で定義の修正が必要な項目

Version3以前の定義ファイル種類設定項目エントリVersion 5のプロパティファイルプロパティ
DocumentSpace構成定義ファイル(docspace.ini)サービス文書空間SerialId文書空間構成定義プロパティファイル(docspace.properties)DocSpaceId
ユーザ認証ユーザ認証UserAuthenticationUserAuthentication
LDAP設定LdapHostLdapHost
LdapPortLdapPort
UOCライブラリの設定UOCLibraryUOCClass
ユーザ情報の検索検索条件LdapPrefixDnLdapPrefixDn
LdapUserIdLdapUserId
LdapUserRootLdapUserRoot
LdapUserScopeLdapUserScope
LdapUserClassLdapUserClass
LdapUserFilterLeftLdapUserFilterLeft
LdapUserFilterRightLdapUserFilterRight
検索オプションLdapUserTimeoutLdapUserTimeout
LdapUserCaseLdapUserCase
グループ情報の検索ディレクトリエントリからの検索LdapGroupLdapGroup
LdapGroupRootLdapGroupRoot
LdapGroupScopeLdapGroupScope
LdapGroupClassLdapGroupClass
LdapGroupIdLdapGroupId
LdapGroupFilterLeftLdapGroupFilterLeft
LdapGroupFilterRightLdapGroupFilterRight
LdapGroupMemberLdapGroupMember
ユーザの属性値からの検索LdapGroupFromUserAttrLdapGroupFromUserAttr
LdapGroupIdFromUserAttrLdapGroupIdFromUserAttr
LdapGroupIsDnFromUserAttrLdapGroupIsDnFromUserAttr
LdapGroupIdAttrFromUserAttrLdapGroupIdAttrFromUserAttr
ユーザのDNからの検索LdapGroupFromUserDnLdapGroupFromUserDn
LdapGroupIdFromUserDnLdapGroupIdFromUserDn
検索オプションLdapGroupTimeoutLdapGroupTimeout
LdapGroupCaseLdapGroupCase
ディレクトリサービスに対するバインド方法ディレクトリサービスに対するバインド方法LdapBindUserDNLdapBindUserDN
LdapBindPasswordLdapBindPassword
データベース接続するデータベースの設定DbTypeDbType
HiRDB接続設定PdHostConnectorName
PdNamePortリソースアダプタの設定
PdUserリソースアダプタの設定(User)
コネクションプールの設定DBConnectionPoolCountリソースアダプタの設定(MaxPoolSize)
DBConnectionPoolOverリソースアダプタの設定(RequestQueueEnable)
DBConnectionPoolWaitTimeOutリソースアダプタの設定(RequestQueueTimeout)
リファレンスファイル文書の格納ReferenceStorageModeReferenceStorageMode
ReferenceDirDivideNumReferenceDirDivideNum
BLOBデータBLOBデータの設定BlobSubstrMode未サポート
データサイズの設定BlobSubstrThreshold未サポート
BLOBデータの取得先BlobGettingMethod未サポート
セキュリティ定義ファイル(docaccess.ini)セキュリティ管理者SecurityAdminSecurityAdmin
ユーザ権限定義ファイルの名称UserPermDefFileUserPermDef
オブジェクトの所有者に対するパーミッションDefaultACFlagOwnerDefaultACFlagOwner
グループに対するパーミッションDefaultACFlagGroupDefaultACFlagGroup
すべてのユーザに対するパーミッションDefaultACFlagEveryoneDefaultACFlagEveryone
ユーザ権限定義ファイルSubject:SubjectType:パーミッション文字列Subject=SubjectType:パーミッション文字列
プロパティマッピング定義ファイル未サポート
動作環境定義ファイル(conf.properties)アプリケーショントレースアプリケーショントレース情報出力先APTracePath動作環境定義ファイル(docbconf.properties)APTracePath
トレースレベルAPTraceLevelAPTraceLevel
アプリケーショントレースファイルのファイルサイズの上限APTraceSizeAPTraceSize
アプリケーショントレースファイルのファイルの数APTraceNumberAPTraceNumber
アプリケーションエラーログファイルのファイルサイズの上限APErrorLogSizeAPErrorLogSize
アプリケーションエラーログファイルのファイルの数APErrorLogNumberAPErrorLogNumber
クライアント共用トレーストレース情報出力先PromptOutputPromptOutput
クライアント共用トレースファイル出力先ディレクトリTracePathLogPath
クライアント共用トレースファイルのファイルサイズの上限TraceSizeTraceSize
クライアント共用トレースファイルのファイルサイズの上限TraceNumberTraceNumber
環境変数トレース出力先ディレクトリ_HIEDMS_TRACE_DIRLogPath
切り替えファイル数_HIEDMS_TRACE_NUMTraceNumber
ファイルサイズ_HIEDMS_TRACE_SIZETraceSize
トレースレベル_HIEDMS_TRACE_LEVELTraceLevel

次の定義ファイルは,廃止となりました。

また,次の表に示すエントリは廃止となりました。

表C-2 廃止となったエントリ

定義ファイル種類設定項目エントリ
DocumentSpace構成定義ファイル(docspace.ini)文書空間の共通定義文書空間の数Count
ORBおよびBOAのオプションDocSpaceOrbBoaOption
VisiBrokerプロパティDocSpaceVBProperty
エラーログErrLogFileCount
ErrLogFileSize
サービスプロセス設定Process
SessionMax
SessionTimeOut
ProcessOrbBoaOption
ProcessVBProperty
ユーザ認証LDAP設定LdapClientLib
HiRDBコネクションプールの設定DBConnectionPoolDynamic
DBConnectionPoolTiming
DBConnectionScope
HiRDB Text Search Plug-inの設定PdTSPluginOwner
アクセスログアクセスログの設定AcLogUse
AcLogLevel
AcLogFileCount
AcLogFileSize
メタ情報共有メモリの設定XdkShmemManage
XdkShmemSize
ファイル分割転送機能データ転送サイズの設定FtpBufferSize
複数の実行環境サーバの選択SelectServerInMultiServer
オブジェクト操作VariableArray型のプロパティでの要素のチェックVArrayElementCheck
オブジェクト操作時のエラーチェックのフラグErrChkFlagOfObjectOperation
オブジェクト操作時の動作のフラグEnbFncFlagOfObjectOperation
DocumentBroker Life Cycle SuiteWorkCoordinator連携の設定LifeCycleSuiteConnection
動作環境定義ファイル(conf.properties)デフォルトの文書空間識別子DefaultDocSpaceId
オブジェクトを操作したときの動作EnableFunctionFlag
文書空間で使用する文字コード種別DocSpaceCharacterSet
環境変数DOCBROKERDIR
トレース保存日数_HIEDMS_TRACE_DAYS
保存日数_HIEDMS_TRACE_DAYS_CLT
ファイル転送_HIEDMS_FTPDIR
_HIEDMS_FTPMODE
_HIEDMS_FTPORBBOA_OPTION
_HIEDMS_FTPVB_PROPERTY
_HIEDMS_CON_TIMEOUT
EDMLckWatcher_HIEDMS_LCKINF_DIR
_HIEDMS_LCKWATCH_TIME
EDMUsrView_HIEDMS_USRVIEW_TIMEOUT
_HIEDMS_EXCEPTION_FILTER
DBJ_CONF_PATH

(2) メタ情報用のテーブルを定義します

DocumentBrokerのメタ情報用のテーブルやインデクスを作成します。テーブルやインデクスは,テーブル定義用のSQLファイルを使用して作成します。

(a) SQLファイルの編集

メタ情報用のテーブルやインデクスは,次に示すSQLファイルを編集して作成します。

UNIXの場合
/opt/DocBroker/Platform/sql/createmetatable_hirdb.sql
Windowsの場合
<インストールディレクトリ>¥DocBroker¥Platform¥sql¥createmetatable_hirdb.sql

SQLファイル中の文字列を,テキストエディタを使用して書き換えます。

テーブルやインデクスを作成するためにSQLファイルの書き換えが必要な文字列,および書き換える内容を次の表に示します。

表C-3 SQLファイルの書き換えが必要な内容

書き換えが必要な文字列書き換える内容
(META)2.5.3 ユーザLOB用RDエリアの容量の見積もり」で見積もりしたDocumentBrokerのメタ情報を格納するユーザ表用RDエリア名に書き換えします。
(METAINDEX)2.5.3 ユーザLOB用RDエリアの容量の見積もり」で見積もりしたDocumentBrokerのメタ情報を格納するユーザインデクス用RDエリア名に書き換えします。
(b) SQLファイルの実行

編集したSQLファイルを入力ファイルとして,HiRDBでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して定義します。HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

(3) メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta)を実行します

DocumentBroker Version 3のメタ情報を,DocumentBroker Version 5のメタ情報として登録するするために,メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta -v)を実行します。メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta)の使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。

(4) メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します

メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta)で出力したメタ情報をデータベースに登録するために,メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します。このとき,-fオプションに「(3) メタ情報の出力コマンド(dbjprintmeta)を実行します」で出力したディレクトリを指定します。メタ情報の初期設定コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。

(5) 実行環境の情報の登録コマンド(dbjregenvid)を実行します

複数の実行環境を登録していた場合,dbjinitmetaを実行した環境以外で実行環境の登録コマンド(dbjregenvid -r)を実行します。実行環境の登録コマンド(dbjregenvid)の使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。

(6) DocumentBroker Version 3のメタ情報を削除します

DocumentBroker Version 3のメタ情報を削除するために,次に示すSQLファイルを入力ファイルとしたデータベース定義文を入力ファイルとして,HiRDBでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して定義を追加します。

UNIXの場合
/opt/DocBroker/Platform/sql/dropemetatable_v3_hirdb.sql
Windowsの場合
<インストールディレクトリ>¥sql¥dropemetatable_v3_hirdb.sql

HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。