3.8.2 データベースシステムの設定手順

ここでは,DocumentBrokerでデータベースシステムを使用するための設定手順について説明します。なお,データベースシステムの設定は,システム管理者が実行してください。また,データベースを設定するユーザに対しては,あらかじめCONNECT権限およびスキーマ定義権限を付与しておいてください。

DocumentBrokerで使用できるデータベースはHiRDBです。したがって,ここで説明するデータベースシステムの設定手順は,HiRDBを使用する場合の設定手順です。また,データベースシステムを設定する前に,HiRDBの環境設定とデータベースシステムを設定するために必要なファイルを作成しておいてください。HiRDBの環境設定については「3.5.2 HiRDBの環境設定」を,必要なファイルについては「4. 環境設定で必要なファイル」を参照してください。

DocumentBrokerで使用するデータベースシステムの設定手順を次に示します。設定中は,HiRDBを起動させておいてください。HiRDBの起動方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。

<この項の構成>
(1) コマンド用環境設定ファイルを編集します
(2) 文書空間識別子を生成する
(3) メタ情報用のテーブルを定義します
(4) メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します
(5) メタ情報の追加コマンド(dbjaddmeta)を実行します
(6) DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(dbjcrtsql)を実行します
(7) データベース定義ユティリティを実行します

(1) コマンド用環境設定ファイルを編集します

DocumentBrokerのコマンド用環境設定ファイルを環境に合わせて編集します。コマンドはjavaで作成し,javaコマンドから呼び出すバッチファイル形式で提供しています。

次のファイルで各コマンド共通で設定する環境変数を指定できます。

Windowsの場合
dbjcmdconf.bat
UNIXの場合
dbjcmdconf

指定できる環境変数と設定値を次の表に示します。

表3-8 指定できる環境変数と設定値

環境変数設定値
DOCB_JAVA_CMD実行するJavaコマンドのパスを指定します。
DOCB_JVM_ARGSJavaVMの起動オプションを指定します。特に値を指定しない場合は,javaコマンドのデフォルト値となります。
DOCB_CLASSPATH設定されている値をクラスパスに追加します。
複数の値を指定したい場合は,Windowsの場合「;」(セミコロン)で,UNIXの場合「:」(コロン)で区切りで指定してください。
注意

Windowsの場合の指定例を次に示します。

set DOCB_JAVA_CMD=c:¥propgram files¥Hitachi¥cosminexus¥jdk¥bin¥java.exe
set DOCB_JVM_ARGS=
set DOCB_CLASSPATH=C:¥win32app¥hitachi¥hirdb_s¥CLIENT¥UTL¥pdjdbc2.jar

UNIXの場合の指定例を次に示します。

export DOCB_JAVA_CMD=/opt/Cosminexus/jdk/bin/java
export DOCB_JVM_ARGS=
export DOCB_CLASSPATH=/opt/HiRDB_S/client/lib/pdjdbc2.jar

(2) 文書空間識別子を生成する

文書空間識別子生成コマンド(dbjgenguid)を実行して,文書空間識別子を生成します。コマンドの詳細については,「dbjgenguid(GUIDの生成)」を参照してください。

生成した文書空間識別子を,文書空間構成定義ファイルのDocSpaceIdプロパティに設定してください。

(3) メタ情報用のテーブルを定義します

DocumentBrokerのメタ情報用のテーブルやインデクスを作成します。テーブルやインデクスは,テーブル定義用のSQLファイルを使用して作成します。

(a) SQLファイルの編集

メタ情報用のテーブルやインデクスは,次に示すSQLファイルを編集して作成します。

UNIXの場合
/opt/DocBroker/Platform/sql/createmetatable_hirdb.sql
Windowsの場合
<インストールディレクトリ>¥DocBroker¥Platform¥sql¥createmetatable_hirdb.sql,または<インストールディレクトリ>¥DocBroker¥Developer¥sql¥createmetatable_hirdb.sql

SQLファイル中の文字列を,テキストエディタを使用して書き換えます。

テーブルやインデクスを作成するためにSQLファイルの書き換えが必要な文字列,および書き換える内容を次の表に示します。

表3-9 SQLファイルの書き換えが必要な内容

書き換えが必要な文字列書き換える内容
(META)メタ情報用のテーブルを格納する「ユーザ表用RDエリア」の名称
(METAINDEX)メタ情報用のインデクスを格納する「ユーザインデクス用RDエリア」の名称
(b) SQLファイルの実行

編集したSQLファイルを入力ファイルとして,HiRDBでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して定義します。HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

(4) メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します

メタ情報をデータベースに登録するために,メタ情報の初期設定コマンド(dbjinitmeta)を実行します。メタ情報の初期設定コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。動作環境メタ情報ファイルは,この時点で作成されます。

(5) メタ情報の追加コマンド(dbjaddmeta)を実行します

作成した定義情報ファイルを入力ファイルとして,メタ情報の追加コマンド(dbjaddmeta)を実行することで,サブクラスおよびプロパティを追加します。定義情報ファイルについては,「4.9 定義情報ファイル」を参照してください。

メタ情報の追加コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。この時点で,動作環境メタ情報ファイルも更新されます。

(6) DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(dbjcrtsql)を実行します

RDエリア定義情報ファイルを入力ファイルとして,DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(dbjcrtsql)を実行し,データベース定義文を出力します。さらに,ユーザが追加するプロパティにインデクスを定義する場合は,インデクス情報ファイルも入力ファイルとして指定してください。RDエリア定義情報ファイルについては「4.10 RDエリア定義情報ファイル」を,インデクス情報ファイルについては「4.11 インデクス情報ファイル」を参照してください。DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。また,全文検索機能を利用する場合のデータベース定義文の内容については,「3.8.3 全文検索機能を使用する場合に出力されるデータベース定義文」を参照してください。

(7) データベース定義ユティリティを実行します

データベース定義文を入力ファイルとして,HiRDBでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して定義を追加します。HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。