DocumentBrokerは,基幹業務での文書管理システムの構築を支援します。この文書管理システムによって膨大な量の文書として蓄積されているデータを扱うことができるとともに,文書管理を基幹業務プロセスの一環として組み込むことで業務の効率を高めます。この節では,DocumentBrokerを使用した文書管理システムの導入時に検討していただきたいことについて説明します。
- 適用業務の分析
- 文書管理システムを適用する基幹業務の性質についての分析が必要です。検索機能を充実させたシステムが必要な業務か,手書きの書類を大量にデータとして登録する業務か,文書のライフサイクル管理が必要な業務か,異なる業務間の連携が必要な業務か,などといった基幹業務の性質について分析してください。
- 文書に付加する情報の検討
- 対象の文書の分析結果を基にして,管理する文書に付加する情報を検討します。この作業では,管理する文書を種類ごとに分類して,それぞれに必要な付加情報を検討します。例えば,製品の設計ドキュメントを管理する場合は,「設計者名」,「開発完了予定日」,「特許情報」などの情報をあわせて管理することを検討します。なお,DocumentBrokerでは,「文書」は「クラス」に相当し,「付加情報」は「プロパティ」に相当します。したがって,ここでは,管理する文書の種類ごとにサブクラスを作成するとともに,文書の種類ごとに必要な付加情報については,各サブクラスにプロパティを追加していきます。
- 文書の管理方法の検討
- DocumentBrokerでは,文書の管理方法によって,使用するオブジェクトが異なります。例えば,文書のバージョンを管理する場合はバージョン付き文書を,フォルダ機能を使用して文書をまとめて管理する場合はフォルダを使用して,フォルダに具体的でわかりやすい名称を付けるためのプロパティを追加することが考えられます。関連づけの種類ごとに,サブクラスを追加して,そのサブクラスを基にフォルダを作成していくような運用も考えられます。このように,文書の管理方法に合わせて,作成するオブジェクトについて検討し,管理方法に合わせたクラスおよびプロパティを効果的に定義する必要があります。
- 文書管理に使用するオブジェクトとオブジェクトの構成については,マニュアル「DocumentBroker Version 5 概説」を参照してください。
- また,クラスおよびプロパティの追加については,「2.2 追加するクラスおよびプロパティの検討」を参照してください。
- 文書空間で使用する文字コード種別の分析
- 文書管理システムで使用する文字コード種別を分析し,文書空間で使用する文字コード種別を選択します。
- 文字コード種別は,文書の付加情報やファイル名に使用する文字コード種別に応じて,Shift-JISまたはUTF-8を選択してください。
- 文書空間で使用する文字コード種別の検討については,「2.3 文書空間で使用する文字コード種別の検討」を参照してください。