DocumentBrokerで扱うオブジェクトは,オブジェクト指向に基づいて作成されるため,あるクラスを基に作成されるオブジェクトは,そのクラスのインスタンスとして扱われ,クラスからすべてのプロパティを継承します。すなわち,あるクラスを基に作成したオブジェクトは,同じ種類のオブジェクトであり,同じプロパティが付加されることになります。
幾つかのクラスは,文書の種類や管理方法に合わせてサブクラスを追加できます。DocumentBrokerが提供するクラスやユーザが追加したサブクラスには,必要に応じてプロパティを追加できます。プロパティには,文書に共通的に追加すると便利な情報やその文書に固有の情報など,ユーザがオブジェクトの管理情報として保持したい情報を設定できます。また,追加したプロパティをキーにしてオブジェクトを検索できます。オブジェクトをどのように管理するか,どのように検索するかを考慮して,必要なサブクラスを作成し,管理情報として利用できるプロパティや検索のキーになるようなプロパティを追加して,プロパティの値を設定する必要があります。
DocumentBrokerで管理する文書はその種類ごとに分類できます。例えば,ある製品の購入を勧めるためのプレゼンテーション資料を管理する場合,プレゼンテーション資料作成用のサブクラスを定義して,そのサブクラスに対して,必要なプロパティを追加するような運用が考えられます。プレゼンテーション資料作成用に定義したクラスと文書の作成例を次の図に示します。
図2-1 プレゼンテーション資料作成用に定義したクラスと文書の作成例
この図では,プレゼンテーション資料作成用に追加定義したサブクラスに,次に示すプロパティを追加しています。
このクラスを基に作成した文書(プレゼンテーション資料)は,共通のプロパティを持ちます。プロパティに値を入れることによって,それぞれの文書の内容をプロパティから判別したり,文書の検索性を向上させたりできます。