付録B.5 NNMiは何を解析するのか?
NNMiはSNMPプロトコルを使用して管理対象ノードから情報を,SNMPエージェント(管理対象ノードで稼働しているプロセスで,管理機能を提供する)を使用して取得します。SNMPエージェントは,管理対象ノード上のインタフェースおよびポートを管理し,1つ以上のノードと関連づけが可能です。
SNMPエージェントに関連づけられた可能なNNMiステータスカテゴリの一覧を次に示します。
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不明−適用不可。
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使用不可−適用不可。
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危険域−SNMPエージェントはSNMPクエリーに応答しません。
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警戒域−適用不可。
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注意域−適用不可。
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正常域−SNMPエージェントはSNMPクエリーに応答します。
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ステータスなし−SNMPエージェントはポーリングされません。
IPv4アドレスは,ICMPに応答するルーティング可能なアドレスです。IPv4アドレスは,通常はノードに関連づけされます。NNMiは,ノードのステータスを次のように報告します。
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不明−適用不可。
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使用不可−このIPv4アドレスに関連づけられたインタフェースは管理できないまたは使用不可にされています。
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危険域−IPv4アドレスはICMPクエリーに応答しません(デバイスをpingします)。
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警戒域−適用不可。
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注意域−適用不可。
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正常域−IPv4アドレスはICMPクエリーに応答します。
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ステータスなし−IPv4アドレスはポーリングされません。
インタフェースとは,ノードをネットワークに接続するために使用する物理的なポートです。NNMiはインタフェースのステータスを次のように報告します。
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不明−インタフェースに関連づけられたSNMPエージェントは,SNMPクエリーに応答しません。不明は,NmsApaサービスが,ifAdminStatusとifOperStatusを測定できないため,稼働状況を判定できないことを示します。
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使用不可−インタフェースは管理できません(ifAdminStatus=down)。
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危険域−インタフェースは操作できません(ifOperStatus=down)。
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警戒域−適用不可。
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注意域−適用不可。
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正常域−インタフェースは操作可能です(ifOperStatus=up)。
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ステータスなし−インタフェースはポーリングされていません。
ノードとは,NNMiがスパイラル検出プロセスの結果として見つけ出すデバイスです。ノードには,インタフェース,ボード,およびポートを含むことができます。ノードは,次の2つのカテゴリに分けることができます。
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ネットワークノード:スイッチ,ルーター,ブリッジおよびハブなどのアクティブデバイス
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エンドノード:UNIXサーバーやWindowsサーバーなど
NNMiは通常はネットワークノードを管理し,ノードステータスを次のように報告します。
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不明−ノードに関連したSNMPエージェントはSNMPクエリーに応答せず,ポーリングしたIPv4アドレスはICMPクエリーに応答しません。これは,NNMiがノードを管理できないことを示します。
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使用不可−適用不可。
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危険域−次のどれかになります。
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ノードは,隣接解析の決定によって停止しています。
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ノードは重要とマークされており,管理が困難です(ノードにNNMiサーバーからアクセスできません)。
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ノードはアイランドであり(近隣ノードがない),そのため管理が困難です。
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NmsApaサービスは,ノードが停止しているか,または着信接続が停止しているかを判定できません。
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警戒域−次のどれかになります。
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ノードに関連づけられたSNMPエージェントは,SNMPクエリーに応答しません。
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ノード内の1つ以上のインタフェースが停止しています。
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ノード上の1つ以上のIPv4アドレスがICMPに応答していません。
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注意域−適用不可。
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正常域−ノードのSNMPエージェント,ポーリングしたインタフェース,およびポーリングしたIPv4アドレスは稼働しています。
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ステータスなし−ノードのSNMPエージェント,すべてのインタフェース,およびすべてのIPv4アドレスはポーリングされていません。
接続はレイヤー2物理接続とレイヤー3ネットワーク接続です。NNMiは,転送データベース(FDB)表をほかのネットワークデバイスから読み取り,CDPやEDPなどの検出プロトコルをサポートするデバイスを使用することで,接続情報を検出します。NNMiは接続のステータスを,次のように報告します。
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不明−接続のすべてのエンドポイントが不明なステータスを持っています。
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使用不可−接続のどれか1つのエンドポイントが使用不可です。
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危険域−すべてのエンドポイントは操作できません。
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警戒域−エンドポイントのどれか1つが停止しています。
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注意域−エンドポイントは,不明だが危険でないステータスを持っています。
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正常域−すべてのエンドポイントは,操作可能です。
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ステータスなし−どれか1つのエンドポイントがポーリングされません。
ノードグループはノードの論理的コレクションで,ポーリング設定を分離するために使用します。管理者は,ノードタイプのグループ化を作成します。例えばルーターなど一部のノードは業務上絶対不可欠であるため,これらのルーターはより頻繁にポーリングするのがよいでしょう。そのためには,重要なルーターが入ったノードグループを定義して,これらのグループによって短いポーリングサイクルを設定します。
NNMiは,ノードグループのステータスを次のように報告します。
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不明−グループ内のすべてのノードが不明なステータスを持っています。
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使用不可−適用不可。
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危険域−グループ内のすべてのノードが危険なステータスを持っています。
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警戒域−グループ内の1つ以上のノードが危険なステータスを持っています。
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注意域−ノードは,不明だが危険でないステータスを持っています。
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正常域−グループ内のすべてのノードが正常なステータスを持っています。
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ステータスなし−グループ内のすべてのノードがステータスを持っていません。