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JP1 Version 10 JP1/Cm2/Network Node Manager i セットアップガイド


17.6.2 HAクラスタ内のNNMiをメンテナンスする

〈この項の構成〉

(1) NNMiの起動と停止

NNMiをHA下で実行している場合は,HAのメンテナンスが目的の指示がないかぎり,ovstartコマンドやovstopコマンドは,使わないでください。通常のオペレーションでは,HA製品の適切なコマンドまたはNNMiのHAコマンド(nnmhastartrg.ovplnnmhastoprg.ovpl)を使って,HAリソースグループの起動や停止を行います。

(2) クラスタ環境でNNMiのホスト名やIPアドレスを変更す

(a) 仮想ホスト名の変更

HA設定の完了後にNNMiの仮想ホスト名を変更することはできません。仮想ホスト名を変更するには,NNMiのHA設定を解除し,新しい仮想ホスト名でHA設定をし直してください。

(b) 仮想IPアドレスの変更

NNMi HAリソースグループの仮想IPアドレスを変更するには,アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。

  1. NNMi HAリソースグループを停止する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>

    • UNIXの場合

      /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>

    リソースグループの停止を待たずにプロンプトが返ってくるため,HAクラスタソフトの管理コンソールやコマンドを使用してリソースグループの停止を確認してください。

  2. 新しいIPアドレスを使うように,クラスタ設定を変更する。

    • Windowsの場合

      クラスタの管理コンソールでIPアドレスリソースの設定を変更します。リソースグループを開き,<resource_group>-ipをダブルクリックしてパラメータタブを選択し,新しいIPアドレスを入力します。

    • UNIXの場合

      /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhargconfigure.ovpl NNM <resource_group> -set_value <resource_group>-ip Address <new_IP_address>

      (VCSまたはSCSの場合)haconf -dump -makeroを実行してHAクラスタに設定変更を反映させます。

  3. NNMi HAリソースグループを起動する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>

    • UNIXの場合

      /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>

    リソースグループの起動を待たずに,プロンプトが返ってくるため,HAクラスタソフトのコマンドを使用してリソースグループの起動を確認してください。

  4. NNMiを正常に起動できたことを確認する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%bin\ovstatus -c

    • UNIXの場合

      /opt/OV/bin/ovstatus -c

(c) 物理ホスト名の変更

手順については,「20.5 NNMi管理サーバーのホスト名またはドメイン名を変更する」を参照してください。

(d) 物理IPアドレスの変更

手順については,「20.4 スタンドアロンのNNMi管理サーバーのIPアドレスを変更する」を参照してください。

(3) フェイルオーバーを行わせないようにNNMiを停止する

NNMiのメンテナンスを行う必要がある場合は,アクティブなクラスタノードのNNMiを,パッシブなクラスタノードへフェイルオーバーさせないように停止できます。アクティブなクラスタノードで次の手順を実行します。

  1. NNMiを前提としている関連製品がある場合,まず関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にする。

  2. 17.6.1(1) NNMiをメンテナンスモードにする」に従って,HAリソースグループをメンテナンスモードにする。

  3. NNMiを停止する。

    ovstop -c

(4) メンテナンス後にNNMiを再起動する

フェイルオーバーしないようにNNMiを停止した場合は,次の手順を実行して,NNMiとHA監視を再起動します。

  1. NNMiを起動する。

    ovstart -c
  2. NNMiを正常に起動できたことを確認する。

    ovstatus -c

    すべてのNNMiサービスで,[実行中]状態が表示される必要があります。

  3. 17.6.1(2) NNMiのメンテナンスモードを解除する」に従って,HAリソースグループのメンテナンスモードを解除する。

  4. NNMiの関連製品を停止またはメンテナンスモード相当の状態にしていた場合は,元の状態に戻す。

(5) HA構成のNNMiのバックアップ

(a) オンラインバックアップ

オンラインバックアップを行う場合は,アクティブなクラスタノードで共有ディスクにアクセスできることを確認してから,通常のバックアップ手順を実施してください。

(b) オフラインバックアップ

HA構成のNNMiのオフラインバックアップデータを取得する場合は,次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「17.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。

  1. HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

    • UNIXの場合

      /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

  2. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  3. NNMiを停止する。

    ovstop -c
  4. HA製品の操作で共有ディスクがオンラインであることを確認する。オフラインであればオンラインに変更する。

  5. 共有ディスクにアクセスできることを確認したあと,nnmbackup.ovplコマンドを実行してオフラインバックアップを実施し,バックアップデータを取得する。

  6. NNMiを起動させる。

    ovstart -c

    NNMiの起動が完了するのを待ちます。

  7. NNMiサービス起動後,メンテナンスモードを解除する。

(6) HA構成のNNMiのリストア

バックアップデータをリストアするときは次の手順を実施します。手順に記載しているメンテナンスモードについては「17.6.1 NNMiをメンテナンスモードにする」を参照してください。

注意事項

シングル構成のNNMiで取得したバックアップデータをクラスタ構成のNNMiにリストアしないでください。

  1. クラスタとして正常に動作し,NNMiがHA構成に設定されている状態にする。

    例えば,ハードウェア障害などでシステムの一部または全体が失われた場合,NNMiがHA構成として動作できる状態にシステムを復旧してください。

  2. リストアを実施するノードをアクティブなクラスタノードにする。

  3. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  4. リストアを実施する。

    • nnmbackup.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合

      nnmrestore.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。

    • nnmbackupembdb.ovplコマンドで取得したバックアップデータの場合

      nnmrestoreembdb.ovplコマンドを使用してリストアを実施してください。

      注意事項

      別ノードで取得したバックアップデータを使用して,nnmrestore.ovplコマンドでリストアを実行する場合は,別ノードのライセンスが適用されないよう,-licオプションを付与しないでください。

  5. NNMiを起動する。

    ovstart -c
  6. メンテナンスモードを解除する。

  7. nnmrestore.ovplコマンドでのリストアを行う場合は,残りすべてのノードで手順2.〜手順6.を実施する。

    この手順は各ノードのローカルディスク上の設定ファイルを同じ状態にするために行います。同じバックアップデータを使ってリストアを行ってください。

    なお,nnmrestoreembdb.ovplコマンドでのリストアは共有ディスク上のデータベースへのリストアを行うため,任意の1つのノードだけで実施してください。

(7) ロケールの変更

HA 構成構築後,ロケールを変更したい場合は次の手順を実施してください(HP-UX,Solarisの場合だけ)。

  1. NNMi HAリソースグループを停止する。

    /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastoprg.ovpl NNM <resource_group>

    上のコマンドを実行後,HA クラスタソフトのコマンドを使用してリソースグループの停止を確認してください。

  2. 次のコマンドを実行する。

    /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -config NNM -set HA_LOCALE <LANG>

    <LANG>は下記のどちらかを指定してください

    • HP-UX HPSGの場合:ja_JP.SJIS またはja_JP.eucJP

    • Solaris VCSまたはSolaris SCSの場合:ja_JP.PCK またはja_JP.eucJP

  3. NNMi HAリソースグループを起動する。

    /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhastartrg.ovpl NNM <resource_group>

    HA クラスタソフトのコマンドを使用してリソースグループの起動を確認してください。

  4. NNMi を正常に起動できたことを確認する。

    /opt/OV/bin/ovstatus -c

(8) データベースの初期化

  1. HAクラスタ内のアクティブなクラスタノードを特定する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%misc\nnm\ha\nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

    • UNIXの場合

      /opt/OV/misc/nnm/ha/nnmhaclusterinfo.ovpl -group <resource_group> -activeNode

  2. アクティブなクラスタノードをメンテナンスモードにする。

  3. 共有ディスクにアクセスできることを確認する。

  4. nnmresetembdb.ovplコマンドを引数なしで実行して,データベースを初期化する。

    • Windowsの場合

      %NnmInstallDir%bin\nnmresetembdb.ovpl

    • UNIXの場合

      /opt/OV/bin/nnmresetembdb.ovpl

  5. ovstatus -cを実行し,NNMiサービスが起動していることを確認する。

  6. メンテナンスモードを解除する。