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JP1 Version 10 JP1/Cm2/Network Node Manager i セットアップガイド


11.5.2 静的NATでの通信

〈この項の構成〉

(1) 静的NAT環境での管理アドレスのICMPポーリングの管理

NAT環境では,ファイアウォールによって,NNMiがノードのIPアドレス(プライベートIPアドレス)を使用してNATノードとのやり取りがブロックされます。これを解決するには,NATアドレス(パブリックIPアドレス)を使用してNNMiと通信します。

NAT環境では,ノードの管理アドレスが,ノードでホストされるIPアドレスと異なることがあります。NNMiがNAT環境でノードを検出できるようにするには,NATアドレスを検出シードとしてNNMiに追加する必要があります。NNMiは,このNATアドレスがノードのipAddressTableに存在しなくても,それを通信に使用します。

NNMiはこの機能を提供することで,誤ったノード停止中インシデントの生成を回避し,根本原因分析をより正確にします。

(2) NAT環境での管理アドレスのICMPポーリングの概要

(a) NAT環境の管理アドレスのICMPポーリング

NNMiでは,NAT環境に存在するノードも含めてすべてのノードのICMP管理アドレスポーリングが自動的に有効になります。NNMiはNAT環境で次のように動作します。

  • [管理アドレスICMPの状態]フィールドが次のフォームおよびテーブルビューに表示されます。

    • [ノード]フォーム

    • [SNMPエージェント]フォーム

    • [SNMPエージェント]テーブルビュー

  • NNMiは,管理アドレスICMP状態の表示場所とSNMPエージェントステータスの判断方法を変更します。

管理アドレスICMPおよびIPアドレスの状態ポーリングアクションを次の表に示します。NNMiは,ICMP管理アドレスポーリング設定およびICMP障害ポーリング設定に対応して,これらのアクションを実行します。

表11‒1 ICMP設定および結果の状態ポーリング

ICMP管理アドレスポーリング

ICMP障害ポーリング

管理ICMPアドレス状態

IPアドレス状態

有効

無効

ポーリング

ポーリングなし

有効

有効

ポーリング

ポーリング

無効

無効

ポーリングなし

ポーリングなし

無効

有効

ポーリングなし

ポーリング

注※ デフォルトの設定

SNMPエージェントと管理アドレスICMPの応答のためにAPAが判断するSNMPエージェントステータス,および生成されるインシデントの変化を次の表に示します。APAは,管理アドレスのICMPポーリングで,結論とインシデントの生成時に,管理アドレスICMP応答とSNMPエージェント応答を考慮します。

表11‒2 SNMPエージェントステータスの判断および生成されるインシデント

SNMPエージェント応答

管理アドレスICMP応答

SNMPエージェントステータス

生成されるインシデント

応答

応答

正常域

なし

応答

無応答

警戒域

そのほかのネットワークの問題で,生成されるインシデントは次のとおりです。

  • なし

  • AddressNotResponding

無応答

応答

危険域

SNMPAgentNotResponding

無応答

無応答

危険域

そのほかのネットワークの問題で,生成されるインシデントは次のとおりです。

  • なし

  • NodeDown