4.1 検出の概念
ルーターとスイッチだけを検出するNNMiのデフォルト動作によって,ネットワーク管理を最も重要なデバイスに集中させることができます。つまり,最初にネットワークの基幹をターゲットにします。一般に,末端ノード(例えばパソコンやプリンタ)を管理対象にするのは,それらを重大リソースと見なすのでないかぎり避けるべきでしょう。例えば,データベースやアプリケーションサーバーがクリティカルなリソースとして考えられます。
NNMiで検出するデバイスを管理してNNMiトポロジに加えるには,幾つかの方法があります。ネットワークをどのように構成するかやNNMiで何を管理するかによって,検出構成を単純にしたり,複雑にしたり,その間の適当なレベルに設定したりできます。
- 注意事項
-
NNMiは,デフォルトでの検出を実行しません。各種のデバイスがNNMiトポロジに現れる前に,検出の事前設定をする必要があります。
検出された各ノード(物理または仮想ホスト)は,NNMiがそのノードを能動的に管理しているかどうかに関わらず,ライセンスの限度までカウントします。所有しているNNMiライセンスの数は,検出方法にも影響を及ぼします。
多数のノードを検出する設定については,NNMiヘルプを参照してください。
ステータス監視の考慮事項も,選択肢に影響を及ぼします。State Pollerは,デフォルトではNNMiが検出したデバイスに接続したインタフェースしか監視しません。ネットワークの幾つかの領域ではこのデフォルト設定を変更できるため,担当する範囲の先にあるデバイスの検出をすることも可能になります(State Pollerの詳細については,「5. NNMiステータスポーリング」を参照してください)。
NNMiには,次の2つの基本的な検出設定モデルがあります。
-
リストベース検出−NNMiに,リストのシードによってどのデバイスをデータベースに追加し,監視するかを明示的に指定します。
-
ルールベース検出−NNMiに,ネットワークのどの領域とデバイスタイプをデータベースに追加するかを指定します。各領域の開始アドレスを指定することで,NNMiに定義済みのデバイスを検出させます。
リストベース検出とルールベース検出を自由に組み合わせて,NNMiの検出対象を設定できます。初回の検出によってこれらのデバイスがNNMiトポロジに追加され,スパイラル検出でネットワークが日常的に再検出されるため,トポロジは常に最新の状態が維持されます。
NNMiでは,テナントを使用して重複アドレスドメインを含むネットワークに対応します。重複アドレスドメインは,ネットワーク管理ドメインの静的ネットワークアドレス変換(NAT),動的ネットワークアドレス変換(NAT),またはポートアドレス変換(PAT)領域内に存在することがあります。そのようなネットワークの場合,NNMiはシード検出を使用して重複アドレスドメインを異なるテナントに配置します。詳細については,NNMiヘルプを参照してください。
- 注意事項
-
マルチテナントを設定する場合は,ネットワーク検出を開始する前に,テナントを設定してください。
- 〈この節の構成〉