jirmvmmigrate

機能

仮想ホストをマイグレーションするコマンドです。ホットマイグレーションとコールドマイグレーションを選択して実行できます。コールドマイグレーションの実行後,仮想ホストの電源が入ります。

実行時の前提条件

形式

jirmvmmigrate -type {hot | cold}
             -res 仮想ホストのリソース名
             -desthv 移動先仮想化ソフトウェア名
             [-pool 移動先リソースプール名] [-datastore データストア名]
             [-i 仮想ネットワークデバイス設定情報ファイル名]
             [-wait] [-q]

注※ コールドマイグレーションの場合は,省略できません。

引数

-type {hot | cold}

マイグレーション種別を指定します。

-res 仮想ホストのリソース名

移動する仮想ホストのリソース名を指定します。

-desthv 移動先仮想化ソフトウェア名

移動先の仮想化ソフトウェア名を指定します。

-pool 移動先リソースプール名

-desthvオプションに指定した仮想化ソフトウェアから構成されているリソースプール名を指定します。移動対象の仮想ホストと移動先に指定できるリソースプールの対応については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」のマイグレーションについての説明を参照してください。

このオプションを省略した場合,-desthvオプションに指定した仮想化ソフトウェア名がリソースプール名として指定されます。そのため,リソースプールに仮想化ソフトウェアを指定する場合は,このオプションを省略してください。ただし,このオプションに明示的に仮想化ソフトウェアを指定したい場合は,-desthvオプションと同じ仮想化ソフトウェア名を指定してください。

-datastore データストア名

移動先のデータストア名を指定します。-desthvオプションに指定した仮想化ソフトウェア配下のデータストア名を指定してください。VMware上の仮想ホストをコールドマイグレーションする場合は必ず指定してください。ホットマイグレーションの場合,およびVMware以外の仮想ホストをコールドマイグレーションする場合,このオプションに指定した値は無視されます。

-i 仮想ネットワークデバイス設定情報ファイル名

移動先の仮想ネットワークデバイスの設定を定義する仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルを絶対パス形式で指定します。このオプションは,コールドマイグレーションの場合,必ず指定します。ホットマイグレーションの場合,このオプションに指定した値は無視されます。

仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルについては,「仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルの形式」を参照してください。

-wait

仮想ホストのマイグレーション処理の完了を待って,コマンドを終了する場合に指定します。このオプションを省略した場合は,マイグレーションの処理要求をしたあとすぐにコマンドが終了し,処理結果は表示されません。

-q

非対話形式でコマンドを実行するときに指定します。コマンドを自動実行する場合など,ユーザーの確認を省略したいときに使用します

 
注※
仮想化ソフトウェア名,およびリソースプール名は,次の規則に従って指定してください。
  1. jirminfolistコマンドの出力結果の仮想化構成ツリーパス(VMMTREEPATH)に出力される形式で指定してください。
  2. セパレータには「/(スラッシュ)」を使用してください。
  3. パス表記の先頭および末尾にはセパレータ「/(スラッシュ)」を使用しないでください。
例:「vCenter管理/VMC-1/POOL-1」,「vCenter管理/ESX-5/POOL3」

仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルの形式

仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルは,複数の仮想ネットワークデバイスの設定をCSV形式で記述します。ファイル名は任意です。仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルに設定できる項目を,次の表に示します。

表1-25 仮想ネットワークデバイス設定情報項目一覧

項目説明
ネットワーク名移動対象の仮想ホストが保持するネットワーク名。
移動先仮想ネットワークデバイス名ネットワーク名に指定したネットワークが接続する,移動先の仮想化ソフトウェアに設定されている仮想スイッチ名。

それぞれの項目は,この表の順番で,仮想ホストが保持するネットワークの数分定義してください。

仮想ネットワークデバイス設定情報ファイルの記述例を次に示します。

#JP1/IT Resource Management - Manager
#ネットワーク名,移動先仮想ネットワークデバイス名
"Network Adapter 1",vsw01
"Network Adapter 2",vsw02

このコマンドに指定するマイグレーション種別および仮想化ソフトウェア種別ごとに,指定できるオプションを次の表に示します。

なお,表中の「-」(無効)のオプションを指定した場合,指定値を無視して処理が続行されます。エラーにはなりません。

表1-26 マイグレーション種別および仮想化ソフトウェア種別ごとに,指定できるオプション

オプションホットマイグレーションコールドマイグレーション
VMwareHyper-VVMwareHyper-V
-type
-res
-desthv
-pool
-datastore
-i
-wait
-q
(凡例)
○:必ず指定する。
△:任意で指定する。
-:無効になる。

注意事項

戻り値

0正常終了
1引数不正
2JP1/ITRM ServiceまたはJP1/ITRM DB Serviceが起動していない
8メモリ不足
12通信エラー
16実行権限がない
19ユーザー問い合わせで処理を中止した
35同時に実行できるコマンドの数を超えている
130[Ctrl]+[C]キーを押してコマンドを中止した
106指定した仮想ホストが存在しない
136指定した移動先のリソースプールが存在しない
140指定した移動先の仮想化ソフトウェアが存在しない
141指定した移動先のデータストアが存在しない
145コマンド実行エラー(エラーの詳細はメッセージで確認)
254重複しているリソース名を指定した
255その他のエラー

使用例1

稼働している仮想ホスト「hostA」を仮想化ソフトウェア「VMMX/DATACENTERX/VMC1/vmX」にホットマイグレーションする場合(処理が完了するのを待ってコマンド終了する場合)

jirmvmmigrate -type hot -res hostA -desthv VMMX/DATACENTERX/VMC1/vmX -wait -q

使用例2

停止している仮想ホスト「hostB」を仮想化ソフトウェア「VMMX/DATACENTERX/VMC1/vmY」にコールドマイグレーションする場合

jirmvmmigrate -type cold -res hostB -desthv VMMX/DATACENTERX/VMC1/vmY -datastore data_storeS -i C:¥migrate_network1.csv -q