jirmimageimport
機能
仮想化ソフトウェアに構築した仮想ホストの情報に基づいて,JP1/ITRMのライブラリ格納フォルダへ仮想イメージテンプレートおよびデプロイに必要な情報を作成するコマンドです。このコマンドは,JP1/ITRMのライブラリ管理機能を使用するための準備をする場合に使用します。ただし,HVMの場合は,仮想イメージテンプレートはJP1/SC/DPMで管理され,DPMシナリオ情報として格納されます。
実行時の前提条件
形式
Hyper-Vの場合
jirmimageimport -t hyp
[-d ライブラリ格納フォルダ名]
-n 仮想イメージテンプレート名
-v 仮想ホスト名
-f SCVMMが動作するホストの完全修飾ドメイン名
-u SCVMMが属するドメインへログインするためのドメイン名付きユーザー名
-p SCVMMが属するドメインへログインするためのパスワード
VMwareの場合
jirmimageimport -t vmw
[-d ライブラリ格納フォルダ名]
-n 仮想イメージテンプレート名
-h vCenterのデータセンター-仮想ホストの親ノード
-v 仮想ホスト名
-hip 仮想ホストが動作している仮想化ソフトウェアのIPアドレス
-vip vCenterのIPアドレス
-u vCenterへログインするためのユーザー名
-p vCenterへログインするためのパスワード
[-o vCenterのポート番号]
HVMの場合
jirmimageimport -t hvm
[-d ライブラリ格納フォルダ名]
-n 仮想イメージテンプレート名
-hip 仮想ホストが動作している仮想化ソフトウェアのIPアドレス
-lpar テンプレートLPAR番号
-wip Webサーバ for DPMのIPアドレス
[-wport Webサーバ for DPMで使用しているWebサービスのポート番号]
-dpmip 管理サーバ for DPMのIPアドレス
-dpmpass 管理サーバ for DPMのパスワード※
-sn シナリオ名
[-sharename 複製用情報ファイル格納フォルダの共有名]
-mac 複製用情報ファイル作成時に入力した仮MACアドレス
-shareuser 複製用情報ファイル格納フォルダのユーザー名
-sharepass 複製用情報ファイル格納フォルダのパスワード
-disk LPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズ
-os {RHEL | WIN2003 | WIN2008}
引数
-t {hyp | vmw | hvm}
仮想化ソフトウェアを指定します。指定した仮想化ソフトウェアが管理している,仮想ホストの仮想イメージテンプレートが,JP1/ITRMのライブラリに追加されます。
-d ライブラリ格納フォルダ名
仮想イメージテンプレートを格納するJP1/ITRMのライブラリの格納フォルダ名を,絶対パス形式で指定します。ライブラリ格納フォルダ名は,仮想イメージテンプレート名と合わせて176バイト以内になるように指定します。省略した場合は,ユーザー設定プロパティファイル(jp1itrm.properties)の指定キーCO.templateFilePathの値が設定されます。プロパティの値が不正な場合,エラーで終了します。
-n 仮想イメージテンプレート名
仮想イメージテンプレートの名称を25バイト以内の半角文字列で指定します。指定できる文字を次に示します。
-v 仮想ホスト名
-tオプションにhypまたはvmwを指定した場合に,仮想ホストの名称を指定します。指定した仮想ホストの仮想イメージテンプレートが,JP1/ITRMのライブラリに追加されます。
-f SCVMMが動作するホストの完全修飾ドメイン名
-tオプションにhypを指定した場合に,SCVMMが動作するホストの完全修飾ドメイン名(例:scvmm.scvmmdomain.com)を指定します。
-u SCVMMが属するドメインへログインするためのドメイン名付きユーザー名,またはvCenterへログインするためのユーザー名
SCVMMが属するドメインへログインするためのドメイン名付きユーザー名,またはvCenterへログインするためのユーザー名を指定します。
-tオプションにhypを指定した場合は,SCVMMが属するドメインへログインするためのドメイン名付きユーザー名を指定します。SCVMMとライブラリサーバの両方にアクセスできるユーザー名をドメイン名¥ユーザー名の形式で指定します。
なお,ここで指定するドメイン名は-vオプションで指定した仮想ホストのOSユーザーが属するドメイン名ではありません。
-tオプションにvmwを指定した場合は,vCenterへログインするためのユーザー名を指定します。
-p SCVMMが属するドメインまたはvCenterへログインするためのパスワード
-uオプションで指定したユーザーのパスワードを指定します。
-h vCenterのデータセンター-仮想ホストの親ノード
-tオプションにvmwを指定した場合に,次に示す書式で仮想ホストを特定するパスを指定します。
-hip 仮想ホストが動作している仮想化ソフトウェアのIPアドレス
-tオプションにvmwまたはhvmを指定した場合に,仮想ホストが動作している仮想化ソフトウェアのIPアドレスを,0~255の半角数字とピリオド(.)で指定します。
-vip vCenterのIPアドレス
-tオプションにvmwを指定した場合に,vCenterのIPアドレスを,0~255の半角数字とピリオド(.)で指定します。
-o vCenterのポート番号
-tオプションにvmwを指定した場合に,vCenterへの接続先HTTPSポート番号を,0~65535の範囲で指定します。このオプションを省略した場合,ポート番号には443が設定されます。
-lpar テンプレートLPAR番号
-tオプションにhvmを指定した場合に,テンプレートLPARのLPAR番号を指定します。
-wip Webサーバ for DPMのIPアドレス
-tオプションにhvmを指定した場合に,Webサーバ for DPMのIPアドレスを,0~255の半角数字とピリオド(.)で指定します。
-wport Webサーバ for DPMで使用しているWebサービスのポート番号
-tオプションにhvmを指定した場合に,Webサーバ for DPMで使用しているWebサービスのポート番号を,0~65535の範囲で指定します。このオプションを省略した場合,ポート番号には8080が設定されます。※
-dpmip 管理サーバ for DPMのIPアドレス
-tオプションにhvmを指定した場合に,管理サーバ for DPMのIPアドレスを,0~255の半角数字とピリオド(.)で指定します。
-dpmpass 管理サーバ for DPMのパスワード※
-tオプションにhvmを指定した場合に,管理サーバ for DPMのパスワードを指定します。
-sn シナリオ名
-tオプションにhvmを指定した場合に,管理サーバfor DPMに登録されているDPMディスク複製OSインストール機能で使用するリストア用のシナリオ名を58文字以内で指定します。
-sharename 複製用情報ファイル格納フォルダの共有名
-tオプションにhvmを指定した場合に,複製用情報ファイル格納フォルダの共有名を80文字以内で指定します。このオプションを省略した場合,共有名にはDeployが設定されます。
-mac 複製用情報ファイル作成時に入力した仮MACアドレス
-tオプションにhvmを指定した場合に,複製用情報ファイル作成時に入力した仮MACアドレスを「xx-xx-xx-xx-xx-xx」の形式で指定します。
-shareuser 複製用情報ファイル格納フォルダのユーザー名
-tオプションにhvmを指定した場合に,複製用情報ファイル格納フォルダにアクセスするためのファイル共有のユーザー名を指定します。
-sharepass 複製用情報ファイル格納フォルダのパスワード
-tオプションにhvmを指定した場合に,複製用情報ファイル格納フォルダにアクセスするためのファイル共有のパスワードを指定します。
-disk LPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズ
-tオプションにhvmを指定した場合に,テンプレートにするLPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズを指定します。例えばLUのサイズが30ギガバイトの場合,次の形式で指定します。
-os {RHEL | WIN2003 | WIN2008}
-tオプションにhvmを指定した場合に,仮想ホストのOSを指定します。
注意事項
このコマンドは,Hyper-VまたはVMwareの場合,容量の大きいファイルを転送するため,コマンドの実行に時間が掛かります。転送に掛かる時間は,ファイルのサイズやネットワーク帯域によって異なります。目安としては10ギガバイトのファイルの場合,30分程度です。ただし,HVMの場合,仮想イメージテンプレートファイルはJP1/SC/DPMで管理され,容量の大きいファイルは転送されないため,長い時間は掛りません。
Hyper-VまたはVMwareの場合,転送の経過時間が,目安となる時間と比較した上で,異常に長い場合は,障害が発生しているおそれがあります。-dオプションで指定したフォルダに格納されたファイルのサイズを監視し,転送中のファイルサイズが増えない場合は,障害が発生していると判断できます。
コマンドを実行すると,ファイル転送の開始時刻および終了時刻が次のように表示されます。
KNAR83006-I 2010/08/18 13:30:25 仮想イメージテンプレートファイルの転送を開始します。
KNAR83007-I 2010/08/18 13:30:45 仮想イメージテンプレートファイルの転送が完了しました。
KNAR84006-I 2010/08/18 13:30:25 仮想イメージテンプレートファイルの転送を開始します。
KNAR84007-I 2010/08/18 13:30:45 仮想イメージテンプレートファイルの転送が完了しました。
また,VMwareの場合,コマンドで指定する仮想ホストは,VMware管理クライアントの[ホストおよびクラスタ]のツリーに存在している必要があります。vCenterで仮想イメージテンプレート化された仮想ホストは指定できません。
戻り値
0 | 正常終了 |
2 | システム環境不正 |
3 | Administrators権限で実行していない |
4 | 引数不正 |
5 | 指定したフォルダが存在しない,またはパスが不正 |
12 | 指定したライブラリ格納フォルダ名と仮想イメージテンプレート名の合計が176バイトを超えている |
16 | Administrators権限で実行していない |
97 | コマンドを待機系サーバで実行している |
98 | [Ctrl]+[C]キーを押してコマンドを中止した |
99 | その他エラー(外部コマンド呼び出しの引数不正や,メモリ不足によるシステムエラーなど) |
101 | 指定したテンプレート名が25バイトを超えている |
102 | 指定したテンプレート名はすでに存在する |
103 | ユーザー名またはパスワードが不正 |
104 | 指定した仮想ホストの電源状態が不正 |
105 | タイムアウトが発生 |
106 | 指定した仮想ホスト名が見つからない |
107 | vCenterのデータセンターから仮想ホストの親ノードまでのパスが不正 |
108 | 指定した仮想化環境管理ソフトウェアと通信できない |
110 | 指定した仮想化ソフトウェアとの接続に失敗 |
111 | 仮想イメージテンプレートの作成に失敗 |
112 | vCenterまたはSCVMMのAPIでエラーが発生 |
113 | PowerShellがインストールされていない |
115 | すでにjirmimageimportコマンドが実行中 |
116 | 指定した仮想ホスト名と同一の仮想ホストが,共有ライブラリ上に重複して存在する |
117 | 次の状態になっている
|
118 | 指定した仮想ホストにネットワークアダプタが存在しない |
119 | 指定した仮想ホストにハードディスクが存在しない |
120 | ユーザー設定プロパティファイル(jp1itrm.properties)に指定したライブラリ共有名が存在しない |
121 | FTPによるファイル転送に失敗 |
122 | SCVMMおよびHyper-Vで管理するゲストOSではない仮想ホストが指定された |
123 | チェックポイントまたはスナップショットを持つ仮想ホストが指定された |
124 | ユーザー設定プロパティファイル(jp1itrm.properties)に指定したライブラリ共有名と同名のライブラリ共有が複数存在する |
125 | 指定したWebサーバfor DPMの設定に失敗 |
126 | 指定した管理サーバfor DPMの情報の取得に失敗 |
127 | シナリオが存在しない |
128 | 複製用情報ファイル格納フォルダにアクセスできない |
129 | 指定したHVMからの情報の取得に失敗 |
130 | 指定したシナリオ名が58文字を超えている |
131 | 指定した共有名が80文字を超えている |
132 | 複製用情報ファイルが存在しない |
134 | 共有ネットワークアダプタ,共有FCアダプタ以外が接続されている構成から除外されたテンプレートが作成された |
135 | 引数で指定したOS種別と複製用情報ファイルのOS種別が異なっている |
136 | 複製用情報ファイル格納フォルダへの接続に失敗 |
137 | ファイルのコピーでエラーが発生 |
138 | HvmShコマンドが見つからない |
139 | コマンドラインfor DPM が見つからない |
140 | 管理サーバ for DPMのパスワードが間違っている※ |
141 | 管理サーバ for DPMのパスワードをチェックするときに使用するグループ名がすでに存在している |
142 | 管理サーバ for DPMのパスワードをチェックするときに使用するグループ名がすでに存在し,かつ端末情報の削除に失敗 |
143 | 指定したLPARが見つからない |
144 | DPMの更新モードの取得に失敗 |
145 | 指定したLPARに占有ネットワークアダプタが割り当てられている |
146 | 指定したLPARに占有FCアダプタが割り当てられている |
147 | 指定したLPARに共有ネットワークアダプタが存在しない |
148 | 指定したLPARに共有FCアダプタが存在しない |
149 | 指定したHVMからの情報の取得中に予期しないエラーが発生した |
150 | 管理サーバ for DPMのパスワードをチェックするときに使用するMACアドレスを持つ端末情報がJP1/SC/DPMにあった |
使用例1
vCenterが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合
図1-1 vCenter上の構成イメージ
jirmimageimport -t vmw -d E:¥itrm¥template -n windows2003template
-h DataCenter/Folder/ESXServer -v vm01 -hip xxx.xxx.xxx.2 -vip xxx.xxx.xxx.1 -u user01 -p password
使用例2
vCenterが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合(VMware ESXサーバがクラスタ構成のとき)
図1-2 vCenter上の構成イメージ(クラスタ構成の場合)
jirmimageimport -t vmw -d e:¥itrm¥template -n windows2003template
-h DataCenter/Cluster -v vm01 -hip xxx.xxx.xxx.2 -vip xxx.xxx.xxx.1
-u user01 -p password
使用例3
vCenterが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合(VMware ESXサーバがクラスタ構成ではなく,VMware ESXサーバ配下にプールが存在する場合)
図1-3 vCenter上の構成イメージ(クラスタ構成ではなく,配下にプールが存在する場合)
jirmimageimport -t vmw -n windows2003template
-h DataCenter/Folder/ESXServer/Pool -v vm01
-hip xxx.xxx.xxx.2 -vip xxx.xxx.xxx.1 -u user01 -p password
使用例4
vCenterが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合(VMware ESXサーバがクラスタ構成で,VMware ESXサーバクラスタ配下にプールが存在する場合)
図1-4 vCenter上の構成イメージ(クラスタ構成で,クラスタ配下にプールが存在する場合)
jirmimageimport -t vmw -n windows2003template
-h DataCenter/Cluster/Pool -v vm01 -hip xxx.xxx.xxx.2 -vip xxx.xxx.xxx.1
-u user01 -p password
使用例5
SCVMMが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合
図1-5 SCVMM上の構成イメージ
jirmimageimport -t hyp -d e:¥itrm¥template -n windows2003template
-v vm01 -f scvmm.scvmmdomain.com -u scvmmdomain.com¥user03 -p password
使用例6
HVMが管理する仮想ホストの仮想イメージテンプレートを,JP1/ITRMのライブラリへ追加する場合
図1-6 HVM上の構成イメージ
jirmimageimport -t hvm -d e:¥itrm¥template -n ws2008template01 -hip 11.111.111.11 -lpar 1 -wip 11.111.111.33 -wport 8080 -dpmip 11.111.111.22 -dpmpass passwd01 -sn Scenario01 -sharename Deploy -mac ff-ff-ff-ff-ff-ff -shareuser admin02 -sharepass passwd02 -disk 30GB -os WIN2008