JP1/IT Resource Management - Manager 運用ガイド
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デプロイ,退避,復元,コールドマイグレーションのタスク実行中にサービス(JP1/ITRM Service)を停止したり,エラーが発生した後の回復処理が失敗した場合は一時生成物が残った状態でタスクが失敗します。また,jirmimageimportコマンドでエラーが発生した場合も一時生成物が残る場合があります。
この場合は,JP1/ITRM上でタスクが実行されていないことを確認したあと,次に示す手順で復旧が必要です。なお,一時生成物が残った状態で同じ操作を繰り返すと,一時生成物が重複するために操作が失敗するおそれがあります。復旧手順を実施したあと,必要に応じて再度実行してください。
- <この項の構成>
- (1) 操作対象がvCenterの場合
- (2) 操作対象がSCVMMの場合
- (3) 操作対象がHVMの場合
(1) 操作対象がvCenterの場合
- jirmimageimportコマンド
JP1/ITRMの仮想イメージテンプレート格納フォルダ配下に一時生成物が格納されている場合があります。仮想イメージテンプレート格納フォルダで,jirmimageimportコマンドを実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。
- デプロイ
VMware ESXに一時生成物が格納されている場合があります。VMware管理クライアント上でデプロイの実行時に指定した仮想ホストを確認し,存在する場合は操作対象の仮想ホストを削除してください。
- 退避
JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダ配下に一時生成物が格納されている場合があります。VMware管理クライアント上で退避の実行時に指定した仮想ホストを確認し,存在する場合は退避操作に指定した仮想ホストは継続して使用できます。JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにて,退避を実行した時間に作成されたフォルダを探し,その中のOVFパッケージファイル名が「仮想ホスト名.ovf」となっていることを確認し,退避を実行した時間に作成されたフォルダが存在する場合は削除してください。
- 復元
VMware管理クライアント上で復元の実行時に指定した退避イメージを使った仮想ホストの登録状況を確認し,登録が完了している場合は復元操作でVMware ESXへ登録した仮想ホストは使用できます。この場合は,JP1/ITRMの退避イメージ管理にて退避イメージを確認し,存在する場合は削除してください。
- コールドマイグレーション
JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダ配下に一時生成物が格納されている場合があります。VMware管理クライアント上でコールドマイグレーションの実行時に指定した仮想ホストを確認し,次のどれかの対処にてコールドマイグレーション操作で作成された一時生成物を削除してください。
(a) コールドマイグレーションの実行時に指定した仮想ホストが操作前のVMware ESXに存在する場合
コールドマイグレーション操作に指定した仮想ホストは継続して使用できます。JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにて,コールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダを探し,その中のOVFパッケージファイル名が「仮想ホスト名.ovf」となっていることを確認し,コールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダが存在する場合は削除してください。
(b) コールドマイグレーションの実行時に指定した仮想ホストが操作前および移動先のVMware ESXに存在しない場合
仮想ホストが退避イメージ格納フォルダに退避されていますが,移動先のVMware ESXへの復元中に中止されています。次の手順を実施して,コールドマイグレーションに失敗した仮想ホストを復旧してください。
- VMware 管理クライアントから「OVFテンプレートのデプロイ」を実行する。
- JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにて,コールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダを探し,その中のOVFパッケージファイル(仮想ホスト名.ovf)を指定する。
- 「OVFテンプレートのデプロイ」のウィザードに従い,コールドマイグレーション前の仮想ホストの構成になるように各項目を指定する。
- 「OVFテンプレートのデプロイ」の完了後,VMware 管理クライアントでコールドマイグレーション前の仮想ホストの構成になっていることを確認する。
- VMware管理クライアントから仮想ホストを起動する。
- 仮想ホストのOSが起動したことを確認したあと,JP1/ITRMから仮想ホストに対して再収集を実施する。
- JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダから,手順2で探したフォルダを削除する。
(c) コールドマイグレーションの実行時に指定した仮想ホストが移動後のVMware ESXに存在する場合
コールドマイグレーション操作で移動した仮想ホストは使用できます。この場合は,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにて,コールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダを探し,その中のOVFパッケージファイル名が「仮想ホスト名.ovf」となっていることを確認し,コールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダが存在する場合は削除してください。
(2) 操作対象がSCVMMの場合
- jirmimageimportコマンド
JP1/ITRMの仮想イメージテンプレート格納フォルダ配下に一時生成物が格納されている場合があります。仮想イメージテンプレート格納フォルダで,jirmimageimportコマンドを実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。
- デプロイ(SCVMM管理コンソール上に次に示すデータが残されていた場合)
デプロイを実行した時間に追加されたデータを確認し,次に示すデータが残されていた場合は削除してください。追加された時間は,SCVMM管理コンソールから該当のデータの追加日時を確認します。
| データの種類 |
名前 |
内容 |
- ハードウエアプロファイル
- ゲストOSプロファイル
- テンプレート
|
仮想ホスト名称_UID※ |
SCVMM管理コンソールの機能ボタンで[ライブラリ]を選択し,ライブラリのリストから,種類・名前のオブジェクトを探します。見つけたオブジェクトから右クリックメニューを開き,[削除]を選択します。 |
| バーチャルハードディスク |
仮想ホストのVHD名_UID※.vhd |
| 応答ファイル |
ad_itrmsysp_仮想ホスト名称_UID※.inf,
ad_itrmsysp_仮想ホスト名称_UID※.xml |
| バーチャルマシン |
(なし) |
SCVMM管理コンソールの機能ボタンで[バーチャルマシン]を選択し,バーチャルマシンのリストから,JP1/ITRM操作時に指定した仮想ホスト名と同名のオブジェクトを探します。見つけたオブジェクトから右クリックメニューを開き,[削除]を選択します。 |
- 注※
- UIDは,JP1/ITRMが内部で割り当てた20文字〜30文字のユニークな文字列です。
- (例)-7633cb2d12cb98a92ee-3c23
- デプロイ(ライブラリ共有(共有フォルダ)内に次に示すデータが残されていた場合)
ライブラリ共有の共有パスをファイルシステム上から開き,次に示す名前のフォルダを削除します。この操作は,エクスプローラのフォルダオプションから,「隠しファイル,隠しフォルダー,および隠しドライブを表示する」を選択して隠しフォルダを表示できるように設定してから実施します。
名前:__ITRM__仮想化ソフトウェアのFQDN__仮想ホスト名称
- 退避
退避操作が中止された場合,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダの配下に一時生成物が格納されている場合があります。SCVMM管理コンソール上で退避の実行時に指定した仮想ホストを確認し,次のどちらかの対処にて退避操作で作成された一時生成物を削除してください。
- Hyper-V上に仮想ホストが存在する場合
- SCVMM管理コンソールから仮想ホストが起動できることを確認したあと,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにて,退避を実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。SCVMM管理コンソールで仮想ホストの状態が「移行は失敗しました」となっていて,起動できない場合は,SCVMM管理コンソール上で仮想ホストを修復してから起動してください。
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストが存在する場合
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストがある場合,Hyper-V上に仮想ホストを展開する必要があります。手順については,「9.5.4(15) SCVMM管理下の仮想ホストの退避に失敗した場合に仮想ホストがHyper-Vから削除される」を参照してください。SCVMM管理コンソールから仮想ホストが起動できることを確認したあと,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダで,退避を実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。
- 復元
復元操作が中止された場合,SCVMMライブラリ上に一時生成物が格納されている場合があります。SCVMM管理コンソール上で復元の実行時に指定した退避イメージを使った仮想ホストの登録状況を確認し,次のどれかの対処にて復元操作で作成された一時生成物を削除してください。
- Hyper-V上に仮想ホストが存在し,状態が「実行中」または「停止済み」の場合
- SCVMM管理コンソール上で仮想ホストの状態を確認し,状態が「実行中」または「停止済み」となっていて,仮想ホストがHyper-V上にある場合は仮想ホストを削除しないで,SCVMMの管理コンソールから必要に応じてネットワークアダプタの接続先を設定し,仮想ホストのOSが起動することを確認した後,JP1/ITRM - Managerから仮想ホストに対して再収集を実施してください。再収集できたら,JP1/ITRM上の退避イメージ管理画面から復元に使用した退避イメージを削除します。
- Hyper-V上に仮想ホストが存在し,状態が「移行は失敗しました」の場合
- SCVMM管理コンソール上で仮想ホストの状態を確認し,状態が「移行は失敗しました」となっていた場合は仮想ホストを削除し,もう一度JP1/ITRMの退避イメージから復元を実施してください。
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストが存在する場合
- 仮想ホストがライブラリサーバ上にある場合は,SCVMM管理コンソール上で仮想ホストを削除し,もう一度JP1/ITRMの退避イメージから復元を実施してください。
- SCVMMライブラリ内およびHyper-V上に仮想ホストが存在しないで,ライブラリ共有(共有フォルダ)に次に示すデータが残されていた場合
- ライブラリ共有の共有パスをファイルシステム上から開き,次に示す名前のフォルダを削除します。
- 名前:ITRM_仮想ホスト名-数値
- コールドマイグレーション
コールドマイグレーション操作が中止された場合,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダの配下,またはSCVMMライブラリ上に一時生成物が格納されている場合があります。SCVMM管理コンソール上でコールドマイグレーションの実行時に指定した仮想ホストを確認し,次のどれかの対処にてコールドマイグレーション操作で作成された一時生成物を削除してください。
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストが存在する場合
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストがある場合,Hyper-V上に仮想ホストを展開する必要があります。手順については,「9.5.4(16) SCVMM管理下の仮想ホストに対するコールドマイグレーションに失敗した場合に仮想ホストがHyper-Vから削除される」を参照してください。
- SCVMMライブラリ内およびHyper-V上に仮想ホストが存在しない場合
- SCVMMライブラリ内に仮想ホストがない場合,Hyper-V上に仮想ホストを展開する必要があります。手順については,「9.5.4(16) SCVMM管理下の仮想ホストに対するコールドマイグレーションに失敗した場合に仮想ホストがHyper-Vから削除される」を参照してください。
- マイグレーション元のHyper-V上に仮想ホストが存在する場合
- SCVMM管理コンソールから仮想ホストが起動できることを確認したあと,JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダで,退避を実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。SCVMM管理コンソールで仮想ホストの状態が「移行は失敗しました」となっていて,起動できない場合は,SCVMM管理コンソール上で仮想ホストを修復してから起動してください。
- マイグレーション先のHyper-V上に仮想ホストが存在し,状態が「実行中」または「停止済み」の場合
- 仮想ホストを削除しないで,SCVMMの管理コンソールから必要に応じてネットワークアダプタの接続先を設定し,仮想ホストのOSが起動することを確認したあと,JP1/ITRMから仮想ホストに対して再収集を実施してください。再収集後,JP1/ITRM上の退避イメージ管理画面から復元に使用した退避イメージを削除します。
- マイグレーション先のHyper-V上に仮想ホストが存在し,状態が「移行は失敗しました」の場合
- JP1/ITRMの退避イメージ格納フォルダにてコールドマイグレーションを実行した時間に作成されたフォルダが存在することを確認してください。
- 存在する場合は,SCVMM管理コンソール上から状態が「移行は失敗しました」の仮想ホストを削除してください。手順については,「9.5.4(16) SCVMM管理下の仮想ホストに対するコールドマイグレーションに失敗した場合に仮想ホストがHyper-Vから削除される」を参照してください。
(3) 操作対象がHVMの場合
- jirmimageimportコマンド
JP1/ITRMの仮想イメージテンプレート格納フォルダ配下に一時生成物が格納されている場合があります。仮想イメージテンプレート格納フォルダで,jirmimageimportコマンドを実行した時間に作成されたフォルダを確認し,存在する場合は削除してください。
- デプロイ
デプロイ時に新規に作成されたLUやホストグループが残っていることがあります。AdapterMessage.logを参照して,次のメッセージが出力されているか確認してください。出力されているメッセージによって対処が異なります。
- メッセージKNAR54278-I「LUの作成に成功しました。(URL={0}, Name={1}, LU番号={2})※」
- メッセージKNAR54280-I「ホストグループの作成に成功しました。(URL={0}, Name={1}, ホストのWWPN={2}, ストレージのポート名={3}, ホストグループID={4})※」
- メッセージKNAR54278-Iが出力されている場合
- 仮想ホストのLUが作成されました。SMI-Sプロバイダーから手動で仮想ホストのLUを削除してください。
- メッセージKNAR54280-Iが出力されている場合
- 仮想ホストのホストグループが作成されました。SMI-Sプロバイダーから手動で仮想ホストのホストグループを削除してください。なお,ストレージのホストグループ名は,SMI-SプロバイダーがHitachi Device Managerの場合,「HCMDxxxx」が自動で設定されます(xxxxは16 進数の英数字)。
- どちらのメッセージも出力されていない場合
- LUおよびホストグループは作成されていません。仮想ホストのLUとホストグループを手動で削除する必要はありません。
- 注※
- LU番号およびホストグループIDは,SMI-Sプロバイダーのバージョンによって10進数または16進数表記になります。メッセージに出力される内容については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager メッセージ」を参照してください。
- 削除
デプロイ時に新規に作成された仮想ホストのLUおよびホストグループが削除されていないことがあります。AdapterMessage.logのメッセージを参照して,次のメッセージが出力されているか確認してください。出力されているメッセージによって対処が異なります。
- メッセージKNAR54282-I「LUの削除に成功しました。(URL={0}, Name={1}, LU番号={2})※」
- メッセージKNAR54284-I「ホストグループの削除に成功しました。(URL={0}, Name={1}, ホストのWWPN={2}, ストレージのポート名={3}, ホストグループID={4})※」
- どちらのメッセージも出力されていない場合
- 仮想ホストのLUおよびホストグループは削除されていません。SMI-Sプロバイダーから,手動で仮想ホストのLUとホストグループを削除してください。
- メッセージKNAR54282-Iだけ出力されている場合
- 仮想ホストのLUは削除されていますが,ホストグループは削除されていません。SMI-Sプロバイダーから,手動で仮想ホストのホストグループを削除してください。
- どちらのメッセージも出力されている場合
- 仮想ホストのLUとホストグループは削除されています。仮想ホストのLUとホストグループを手動で削除する必要はありません。
- 注※
- LU番号およびホストグループIDは,SMI-Sプロバイダーのバージョンによって10進数または16進数表記になります。メッセージに出力される内容については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager メッセージ」を参照してください。
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