ここでは,レポートを活用したITリソースの最適化について説明します。
jirmreportコマンドで出力したリソース使用量(時間推移)レポート(CSV形式ファイル)を活用すると,システム内のITリソースの予約状況や使用状況を把握できます。また,予約状況や使用状況から,リソース不足に陥ってしまう仮想ホストや,リソースが余ってしまう仮想ホストを特定したり,仮想化ソフトウェアの負荷を平準化または仮想化ソフトウェア上の仮想ホストをまとめたりできます。このように,使用実績に応じてITリソースを最適化することで,マシンの予算削減を検討できます。
例として,次の3つについて説明します。
- 予約時と実績時のリソース量の値がかけ離れている仮想ホストの利用者に,予約の見直しを促す
- 仮想化ソフトウェアの負荷の偏りをなくし,負荷を平準化する
- 負荷が低い仮想化ソフトウェア上の仮想ホストをまとめ,仮想化ソフトウェアのリソースに空きを作る
- 参考
- この節では,出力例のデータを基にCPU使用量に着目してITリソースを最適化する手順を説明します。CPU使用量以外にも,メモリ使用量,ディスク読み込み転送速度,ディスク書き込み転送速度,ネットワーク平均パケット送受信量に着目して分析できます。データの値,名称,どの項目に着目するかなどは,実際の環境に合わせて読み変えてください。
- レポートを活用してITリソースを最適化する場合の前提条件
- ディスク読み込み転送速度,ディスク書き込み転送速度,およびネットワーク平均パケット送受信量では,複数の物理ディスクにわたる仮想ホストや,複数の仮想スイッチに接続されている仮想ホストなど,複雑な構成を組んだ環境の場合,仮想ホスト上の仮想デバイスの性能値と仮想化ソフトウェア上の物理デバイスの性能値の関係を正確に取得できません。
- クラスタ種別(DRSクラスタ,DPMクラスタ,HAクラスタ,非クラスタ)を意識した情報を取得できません。そのため,リソースグループで同一のクラスタ種別を管理する,クラスタと非クラスタを分けるなど,区別して運用してください。
- <この節の構成>
- 6.2.1 予約時と実績時のリソース量の値がかけ離れている仮想ホストの利用者に,予約の見直しを促す
- 6.2.2 仮想化ソフトウェアの負荷の偏りをなくし,負荷を平準化する
- 6.2.3 負荷が低い仮想化ソフトウェア上の仮想ホストをまとめ,仮想化ソフトウェアのリソースに空きを作る