4.4.2 仮想ホストをスケールアップする

ここでは,仮想ホストをスケールアップする手順を説明します。

■流れ
大まかな手順を次に示します。太字の部分がJP1/ITRMで実施する作業です。
  1. ITリソース利用者から連絡されたスケールアップの要件を確認する。【必須】
  2. 現在提供している仮想ホストがスケールアップできるかどうか確認する。【必須】
    スケールアップできる場合とできない場合によって,このあとの手順が異なります。
スケールアップできる場合
  1. スケールアップの期間を確保するために,仮想ホストの保守期間を予約する。【必須】
  2. 現在提供している仮想ホストをスケールアップする。【必須】
  3. スペックが要求されたとおりに変更できているか,リソース管理画面の[システム]タブで確認する。【必須】
  4. スケールアップを画面で確認できたら,スケールアップが完了したことをITリソース利用者に連絡する。【必須】
スケールアップできない場合
  1. 代替となるリソースプールにマイグレーションして,スケールアップする。【必須】
  2. スペックが要求されたとおりに変更できているか,リソース管理画面の[システム]タブで確認する。【必須】
  3. スケールアップを画面で確認できたら,スケールアップが完了したことをITリソース利用者に連絡する。【必須】
<この項の構成>
(1) 仮想ホストがスケールアップできるかどうか確認する
(2) スケールアップの期間を確保するために,仮想ホストの保守期間を予約する
(3) 現在提供している仮想ホストをスケールアップする
(4) リソース管理画面の[システム]タブで確認する
(5) 代替となるリソースプールにマイグレーションして,スケールアップする

(1) 仮想ホストがスケールアップできるかどうか確認する

■操作

  1. [リソース管理]タブを選択する。
  2. [リソース管理メニュー]から,仮想ホストが所属している業務グループを選択する。
  3. リソース一覧エリアで仮想ホストがある仮想化ソフトウェアを選択し,詳細情報エリアで[スケジュール]タブを選択する。
  4. [スケジュール]タブで提供予定のCPUやメモリを確認して,仮想ホストをスケールアップできる余裕があるか確認する。

(2) スケールアップの期間を確保するために,仮想ホストの保守期間を予約する

スケールアップの期間を確保するために,仮想ホストの保守期間を予約します。予約の手順については,同様の操作手順である「4.1.2 要件に合致するホストの予約状況を確認し,提供可能な物理ホストまたは仮想ホストを予約する」を参照してください。

(3) 現在提供している仮想ホストをスケールアップする

現在提供している仮想ホストをスケールアップします。

■流れ
大まかな手順を次に示します。太字の部分がJP1/ITRMで実施する作業です。
  1. 現在提供している仮想ホストの仮想化ソフトウェアが起動しているか確認する。【必須】
  2. 仮想ホストを停止する。【必須】
  3. 仮想ホストのスペックを変更する。【必須】
  4. 仮想ホストを起動する。【必須】
  5. スケールアップした仮想ホストの動作を確認する。【必須】
(a) 仮想ホストを停止する

仮想ホストを停止する手順については,「7.5 仮想ホストを停止する」を参照してください。

(b) 仮想ホストのスペックを変更する

仮想ホストのスペックを変更します。

■操作の前に

仮想ホストのスペックを変更する場合,次の前提条件があります。

■操作

  1. [リソース管理]タブを選択する。
  2. [リソース管理メニュー]から,仮想ホストが所属している業務グループを選択する。
  3. リソース一覧エリアで仮想ホストを選択し,[アクション]メニューから[リソース操作]-[設定変更]を選択する。
  4. [サーバの設定変更]画面で,仮想ホストのスペックを変更する。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
  6. 確認のダイアログボックスで[はい]ボタンをクリックする。

■設定項目

[サーバの設定変更]画面
仮想ホストのCPUおよびメモリを変更する画面です。
[図データ]便利メモ
jirmvmconfigコマンドでも仮想ホストのスペックを変更できます。jirmvmconfigコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。
(c) 仮想ホストを起動する

仮想ホストを起動する手順については,同様の操作手順である「7.6 仮想ホストを起動する」を参照してください。

(d) 仮想ホストの動作を確認する

スケールアップが完了したら,仮想ホストの動作を確認します。仮想ホストの動作を確認する手順については,同様の操作手順である「4.1.4 仮想ホストの動作を確認する」を参照してください。

(4) リソース管理画面の[システム]タブで確認する

仮想ホストのスペックが変更できたら,リソース管理画面の[システム]タブで,ホストの仮想化ソフトウェア上のCPUやメモリなどの情報を参照して,スペックが要求されたとおりに変更できているか確認します。[システム]タブの表示手順については,同様の操作手順である「4.4.1(1) 物理ホストがスケールアップできるかどうか確認する」を参照してください。

(5) 代替となるリソースプールにマイグレーションして,スケールアップする

現在提供している仮想ホストがスケールアップできない場合,まずスケールアップ可能なリソースプールを確認し,マイグレーション先を決めます。続いて,決定したリソースプールにマイグレーションしてスケールアップします。

■流れ
大まかな手順を次に示します。太字の部分がJP1/ITRMで実施する作業です。
  1. スケールアップ可能なリソースプールを確認し,マイグレーション先を決める。【必須】
  2. 仮想ホストのOSがLinuxの場合,ネットワーク設定を特定のNICに固定する設定を解除する。【必須】
  3. マイグレーション先の仮想化ソフトウェアが起動しているか確認する。【必須】
  4. 現在提供している仮想ホストを停止する。【必須】
  5. 仮想ホストをリソースプールへマイグレーションする。【必須】
  6. ネットワーク環境が変更になった場合,仮想ホストのネットワークドライバなどを変更する。【任意】
  7. マイグレーション先の仮想ホストのスペックを変更する。【必須】
  8. 仮想ホストを起動する。【必須】
  9. スケールアップした仮想ホストの動作を確認する。【必須】
  10. 仮想ホストのOSがLinuxの場合,必要に応じてネットワーク設定を特定のNICに固定できるように設定する。【任意】
(a) スケールアップ可能なリソースプールを確認し,マイグレーション先を決める

性能情報や稼働状況を画面で,スケールアップ可能なリソースプールを確認し,マイグレーション先を決めます。画面で確認する方法については,「5.2.2 性能情報を画面で確認する」および「5.3.2 稼働状況を画面で確認する」を参照してください。

(b) 仮想ホストのOSがLinuxの場合,ネットワーク設定を特定のNICに固定する設定を解除する。

仮想ホストのOSがLinuxの場合,ネットワーク設定を特定のNICに固定する設定がされていないことを確認します。設定されていた場合は,解除してください。

手順については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の管理対象となるホストの設定についての説明を参照してください。

(c) 仮想ホストを停止する

仮想ホストを停止する手順については,「7.5 仮想ホストを停止する」を参照してください。

(d) 仮想ホストを代替となるリソースプールへマイグレーションする

仮想ホストを停止させたら,代替となるリソースプールへマイグレーションします。

マイグレーションの手順については,「6.3 仮想ホストをマイグレーションする」を参照してください。

■操作

  1. [リソース管理]タブを選択する。
  2. [リソース管理メニュー]から,仮想ホストが所属している業務グループを選択する。
  3. リソース一覧エリアで仮想ホストを選択する。
  4. [アクション]メニューから[リソース操作]-[コールドマイグレーション]を選択する。
  5. 代替となるリソースプールを選択し,[OK]ボタンをクリックする。
  6. 確認のダイアログボックスで[はい]ボタンをクリックする。
(e) マイグレーション先の仮想ホストのスペックを変更する

仮想ホストのマイグレーションが完了したら,スペックを変更します。スペックを変更する手順については,同様の操作手順である「4.4.2(3)(b) 仮想ホストのスペックを変更する」を参照してください。

(f) 仮想ホストを起動する

仮想ホストを起動する手順については,同様の操作手順である「7.6 仮想ホストを起動する」を参照してください。

(g) 仮想ホストの動作を確認する

スケールアップが完了したら,仮想ホストの動作を確認します。仮想ホストの動作を確認する手順については,同様の操作手順である「4.1.4 仮想ホストの動作を確認する」を参照してください。

(h) 仮想ホストのOSがLinuxの場合,必要に応じてネットワーク設定を特定のNICに固定できるように設定する

仮想ホストのOSがLinuxの場合,必要に応じてネットワーク設定を特定のNICに固定できるように設定してください。手順については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager 設計・構築ガイド」の管理対象となるホストの設定についての説明を参照してください。