9.5.5 ITリソースの利用状況の確認に関するトラブルの対処方法
(1) リソース情報,ユーザー情報,ロール情報,構成情報,予約情報,またはタスク情報を更新したが,異なった更新内容が表示される
- 要因
- 情報を更新した時刻と同時刻に,別のユーザーが同じ情報を更新しています。
- 対処
- 正しい情報を入力して,再度更新してください。
(2) VMクラスタやプールの性能情報が収集されない
- 要因
- VMクラスタまたはプールの下に,稼働している仮想ホストが存在しません。
- 対処
- VMクラスタまたはプールの下に稼働している仮想ホストがない場合,性能情報は収集されません。
(3) 性能情報や稼働情報は更新されるが,構成情報が更新されない
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- ITリソースのホスト名が更新されています。
- ITリソースの情報収集に使用した探索範囲が削除されています。
- 対処
- 要因に応じて対処してください。
- ITリソースのホスト名を探索時のホスト名に戻してください。
- 古い情報を削除し,再度ITリソースを探索してください。
- 探索範囲を追加し,再度探索してください。
(4) [システム]タブに「認証エラーのため,データが最新ではない可能性があります。」というメッセージが表示される,または,JP1イベントとして「探索処理中に情報を取得できなかったリソースがあります。」というメッセージが表示される
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- ITリソースにログインするユーザー名またはパスワードが変更されています。
- 探索時と異なる認証プロトコルのOSが起動しています。
- ITリソースに設定されていた認証情報が削除されています。
- 対処
- 要因に応じて対処してください。
- 新しいユーザー名とパスワードを,[認証情報の編集]画面で設定してください。
- 探索時のOSに戻してください。または古い認証プロトコルの情報を削除し,OSに対応した認証プロトコルの情報を入力して,再度探索してください。
- ITリソースの認証情報を追加し,再度探索してください。
(5) [ドライブ]タブにディスク使用量に関する警告が出ている
- 要因
- 監視テンプレートのしきい値を超えています。
- 対処
- 設定画面の[設定メニュー]-[監視テンプレート管理]をクリックして,しきい値を確認してください。
(6) HP-UXまたはAIXのホストから,CPU使用率に関する警告やエラーのイベントが頻繁に発生する
- 要因
- HP-UXまたはAIXの監視テンプレートのしきい値が,ホストの環境と合っていません。
- 対処
- HP-UXまたはAIXの場合,性能情報の収集間隔ごとに3秒間のCPU使用率の平均値を収集しているため,CPU使用率が大きくなることがあります。
- ホストの環境に合わせて,しきい値を見直してください。
(7) HVMとLPARの結線(トポロジー)に失敗する
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- 共有NICが定義されていません。
- 共有NICが各LPARに接続されていません。
- 各LPARの管理LANが,共有NICを使用していません。
- 対処
- 共有NICをそれぞれのLPARに接続してください。また,LPARの管理LANは,共有NICを使用してください。なお,同じLPAR内で占有NICと共有NICを混在できます。
(8) SANとストレージの結線(トポロジー)に失敗する
- 要因
- FCスイッチがカスケード接続されているため,情報を正しく取得できていないおそれがあります。
- 対処
- カスケード接続されているすべてのFCスイッチを管理対象に設定してください。
(9) [システム]タブや,性能情報を表示する画面(リソース管理画面の[パフォーマンス]タブや性能レポート)で,HBAの性能情報を取得できない
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- HBAのファームウェアのバージョンが古いです。
- HBAのドライバのバージョンが古いです。
- 対象のホストのOSがWindows Server 2003の場合,FCinfoがインストールされていません。
- 対処
- 要因に応じて対処してください。
- HBAのファームウェアのバージョンをアップデートしてください。
- HBAのドライバのバージョンをアップデートしてください。
- FCinfoをインストールしてください。
(10) Windowsのシステム情報とJP1/ITRMで表示するプロセッサが異なる
- 要因
- Windows Server 2003に含まれるシステムファイルが原因の不具合です。
- 対処
- 回避策については,Microsoft社のサイトを参照してください。
(11) Linuxサーバをリブートしたら,[タスク]タブにリブートのエラーが出力された
- 要因
- Linuxでfsck全ファイルスキャンが実行されて,起動に時間が掛かっています。
- 対処
- 接続先のLinuxで次のコマンドを実行して,値が負になっていることを確認してください。
tune2fs -l “デバイス名
- 負になっていない場合は,値を負に変更してください。
(12) IPスイッチのリソース名が表示されない
- 要因
- IPスイッチのホスト名(Name)を設定していません。
- 対処
- IPスイッチ側で,ホスト名を設定してください。
(13) ストレージのネットワークアドレスが表示されない
- 要因
- FCスイッチがJP1/ITRMの管理対象に設定されていません。
- 対処
- ストレージに接続したFCスイッチを管理対象に設定してください。
(14) Windowsの性能情報が取得できない
- 要因
- パフォーマンスカウンタが壊れています。
- 対処
- コマンドプロンプトから,次のコマンドを実行すると回復することがあります。
lodctr /R
(15) ネットワークで接続されていないITリソース同士が,トポロジービューでは結線されて表示される
- 要因
- JP1/ITRMでは,各ITリソースから取得したネットワークアドレスを基にトポロジービューが表示されます。このため,物理的に接続されていないITリソースでも,ネットワークアドレスが同じ場合は,トポロジービューでは接続されて表示されます。なお,ネットワークアドレスは,IPアドレスとサブネットマスク論理積を取ったものです。IPアドレスとサブネットマスクの設定により,この事象が発生する場合があります。
- 対処
- ネットワークアドレスが同じITリソースを区別して管理する場合,同一のネットワークを含むITリソースは,別の業務グループに所属させるなどして対応してください。
(16) JP1/ITRMに表示されるポート数が,ストレージ,FCスイッチ,およびIPスイッチに装備されているポート数と異なる
- 要因
- JP1/ITRMに表示されるポート数は,次の理由によって物理的なポート数と一致しないことがあります。
- ストレージのポート数は,IPネットワークに接続できるiSCSIポート数と,SANに接続できるWWNを持つFCポート数の合計です。
ただし,FCポートのうち,外部ストレージ接続専用およびリモートコピー専用のポートは含みません。
- FCスイッチのポート数は,使用できないポートを含みます。
- IPスイッチのポート数は,VLANを設定した論理的なポートを含みます。
- 対処
- ITリソースのポートの設定を確認してください。
(17) IPスイッチからのリンクアップ,リンクダウンのトラップを受信しない
- 要因
- トラップ待ち受けポート(デフォルトは162)が,ほかのプログラムで使用されています。
- 対処
- トラップ待ち受けポートを,使用されていないポートに変更するか,ポートを使用しているプログラムのポートを変更してください。
(18) 仮想ネットワークアダプタ(Master,Vlan)の状態が不明状態になり,性能情報が表示されない
- 要因
- 使用しているPROSetのバージョンが古いおそれがあります。
- 対処
- PROSetのバージョンを確認してください。
(19) タイムアウトが発生して,ホストから情報が取得できない
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- 対象のホストに障害が発生しています。
- 対象のホストでWMIやSSHなどの必要なサービスが起動していません。
- 対象のホストを構成する要素が多過ぎます。
- 対象のホストに負荷が掛かっています。
- 対象のホストとの通信に負荷が掛かっています。
- 対処
- 要因に応じて対処してください。
- 障害が発生した要因を取り除いて,再実行してください。
- 必要なサービスが起動しているか確認してください。
- タイムアウトが発生したホストを構成する要素を確認してください。
- ホストの負荷を下げてから,再実行してください。
- ホストとの通信の負荷を下げてから,再実行してください。
(20) SSH接続のホストから正しい情報が取得できない
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- 対象のホストのOSがLinuxの場合,ログインシェルにbash,tcsh以外が設定されています。
- 対象のホストのOSがLinuxの場合,sudoの設定が誤っています。
- 対象のホストのOSがHP-UXの場合,ログインシェルにsh以外が設定されています。
- 対象のホストのOSがAIXの場合,ログインシェルにksh以外が設定されています。
- 対象のホストのOSがHP-UXまたはAIXの場合,RBACの設定が誤っています。
- 対処
- 要因に応じて対処してください。
- ログインシェルが正しいか確認し,誤っている場合は修正してください。
- sudoまたはRBACの設定が正しいか確認してください。
(21) JP1/ITRMの[システム]タブで表示しているストレージのポート数が実際のFCのポート数よりも少ない,または,HVMの[デプロイ設定]画面で選択できるストレージの利用ポートが実際のFCのポート数よりも少ない
- 要因
- 次の要因が考えられます。
- ストレージのすべてのコントローラが,ネットワークに接続されていないおそれがあります。
- Hitachi Device Managerにストレージを登録する際,すべてのコントローラのIPアドレスを設定していないおそれがあります。
- 対処
- ストレージのすべてのコントローラをネットワークに接続し,Hitachi Storage Navigator Modularなどの管理ソフトウェアで,コントローラにIPアドレスを設定してください。その上で,Hitachi Device Managerで管理しているストレージのすべてのコントローラのIPアドレスを設定してください。
(22) JP1/ITRMの[ドライブ]タブにDPプールの情報が表示されない,または,HVMのデプロイを実行する場合に表示される[ストレージ選択]画面にDPプールが表示されない
- 要因
- ストレージ装置内にLUが1つも存在していないおそれがあります。
- 対処
- ストレージ装置内に少なくとも1つ以上のLUがある状態にしてください。
(23) AIXの構成情報に表示したIPアドレスが,管理対象のAIXに設定した値と異なる
- 要因
- 管理対象のAIXに作成されたWPARの情報を表示しているおそれがあります。
- 対処
- WPARを管理するAIXは管理対象にできません。管理対象のAIXにあるWPARを非稼働にしてから,JP1/ITRMでAIXの構成情報を再収集してください。
(24) 管理対象のITリソースがAIXで,HDLMを使用している環境のとき,HDLMが管理するデバイスの性能や状態を取得できない
- 要因
- HDLMが管理するデバイスの情報を取得するための権限がないおそれがあります。
- 対処
- 探索に使用する[認証情報の編集]画面から次のどちらかの設定をし,再収集をしてください。
- root権限のユーザーを指定する。
- 一般ユーザーを指定している場合,パスワードのほかにrootパスワードも指定する。