利用者に提供する複数の仮想ホストをデプロイする場合,仮想イメージテンプレートを使用することをお勧めします。よく利用する項目をあらかじめ仮想イメージテンプレートに設定しておくことで,同じ項目を何度も入力することなく,仮想ホストをデプロイできます。仮想イメージテンプレートは,設定画面の[仮想イメージテンプレート管理]エリアで追加,編集,削除して管理できます。
テンプレート名,CPU,ユーザースクリプトなどの項目を設定して,仮想イメージテンプレートを作成します。仮想イメージテンプレートは,[仮想イメージテンプレート追加]画面でライブラリに追加できます。
図2-32 仮想イメージテンプレートの追加
仮想ホストの構築時に実行するユーザースクリプトは,仮想イメージテンプレートに含まれるミドルウェアを初期設定するためのものです。ユーザースクリプトは,仮想ホスト上で実行されます。ユーザースクリプトを使用する場合は,動作を十分に確認してから実行してください。
JP1/ITRMでは,ユーザースクリプトの実行中の状態や,実行後の結果を表示できません。実行結果を確認したい場合は,ユーザーがプログラムから確認してください。
ユーザースクリプトを指定する場合は,次の点に注意してください。
なお,ユーザースクリプトのファイルとして指定できるファイルはOSによって異なります。
OSがWindowsの場合,Windowsのコマンドをユーザースクリプトとして指定するときは,cmdコマンドを使用してコマンドを指定してください。
OSがLinuxの場合,Linuxのnohupコマンドを使用してユーザースクリプトを指定してください。このコマンドを使用すると,仮想ホストの接続を切断してもユーザースクリプトが実行されます。ユーザースクリプトの実行結果を確認する必要はないので,仮想ホストの接続を切断しても問題ありません。
nohupコマンドの仕様では,リダイレクトしない場合,標準出力および標準エラー出力にログファイル(nohup.out)を出力します。しかし,JP1/ITRMでのユーザースクリプトでは,内部でリダイレクトしているためログファイルを出力しません。ログファイルを出力したい場合は,ユーザースクリプトにリダイレクトを付けて実行するか,ログファイルを出力するユーザースクリプトを実行してください。
ユーザースクリプト実行時に標準エラー出力にメッセージが出力されると,JP1/ITRMでメッセージを解析します。その結果,ユーザースクリプトが実行失敗と判定されても,処理を中断しないでユーザースクリプトが実行されます。ユーザースクリプトが実行失敗と判定されるのを避けるため,ユーザースクリプトでは,標準エラー出力を出力しないようにしてください。標準エラー出力が出力される場合は,リダイレクトしてください。
OSがLinuxの場合で,ユーザースクリプトを指定するときは,ASCIIコードの制御文字以外の0x20~0x7eの範囲で文字を使用してください。
ユーザースクリプトは,OSユーザーのシェル環境を使用して実行されます。そのため,「?」や「*」のようにシェル環境が特別な意味と解釈する文字は,スクリプトファイルのパスに指定できません。
指定できない例を次に示します。
CPUのデフォルト値,CPU占有種別など,作成した仮想イメージテンプレートの情報を[仮想イメージテンプレート詳細]画面で編集します。
図2-33 仮想イメージテンプレートの編集
仮想イメージテンプレートは,必要に応じて削除できます。仮想イメージテンプレートを削除すると,データベースに保存されている仮想イメージテンプレートの情報が削除されます。