7.5.2 項目ごとの設定

探索ウィザードを使用しない場合,探索条件を個別に設定します。また,探索ウィザードで設定した内容を変更する場合も,同様の方法で設定します。

個別に設定できる項目を次に示します。

項目ごとに設定する手順を次に示します。

  1. [設定]タブをクリックする。
    設定画面が表示されます。
  2. [設定項目一覧]エリアの[探索条件設定]をクリックする。
    [探索条件設定]エリアが表示されます。
  3. 変更する項目の[編集]ボタンをクリックする。または,新規で認証情報または探索範囲を設定する場合は,それぞれの項目の追加ボタンをクリックする。
    それぞれの項目を設定するための画面が表示されます。
  4. 設定または変更する項目の内容を指定して,[OK]ボタンをクリックする。

手順3で設定する項目について,次に示します。

なお,探索によってITリソースを管理対象に設定後,探索範囲に設定する[認証情報]を変更した場合は,変更後の[認証情報]を反映させるために,再度,探索を実行してください。

<この項の構成>
(1) 探索スケジュール
(2) 探索完了の通知
(3) 認証情報
(4) 探索範囲

(1) 探索スケジュール

探索スケジュールは,[探索時刻設定]画面で設定します。[探索スケジュール]にチェックを入れて,次の項目を設定してください。

表7-2 [探索時刻設定]画面で設定する項目

設定する項目説明
[開始時刻]探索を開始する時刻を指定します。
[繰り返し単位]探索する頻度として,次のうちどれかを指定します。
  • [日単位]
  • [週単位]
  • [月単位]
[繰り返し内容]探索する内容を指定します。指定できる内容は,[繰り返し単位]で選択した項目ごとに異なります。

(2) 探索完了の通知

探索完了の通知先は,[探索完了の通知設定]画面で設定します。設定後,[テストメール送信]ボタンをクリックすると,探索結果が正常に通知されるかどうか,テストメールを送信して確認できます。

表7-3 [探索完了の通知設定]画面で設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[探索完了の通知先]探索結果の通知先を指定します。該当するユーザーIDをチェックして,メールアドレスを入力してください。
[通知元][通知元アドレス]通知元のアドレスを指定します。
[メールサーバ(SMTPサーバ)の設定][ホスト名]SMTPサーバのホスト名を指定します。
[ポート番号]SMTPサーバのポート番号を指定します。
[セキュリティ保護の接続]接続方法として,次のうちどれかを指定します。
  • [指定なし]
  • [SSL]
  • [TSL]
[SMTP認証を使用する]SMTPサーバ管理者のユーザー認証を使用する場合,チェックを入れます。
[ユーザー名]SMTPサーバ管理者の認証で要求されるユーザー名を入力します。[SMTP認証を使用する]にチェックが入っている場合は,必ず指定してください。
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]ユーザー名のパスワードを変更する場合,チェックを入れます。
[パスワード]パスワードを入力します。[パスワードを変更する場合はチェックしてください]にチェックが入っている場合は,必ず指定してください。
[パスワード確認]パスワードを再入力します。[パスワードを変更する場合はチェックしてください]にチェックが入っている場合は,必ず指定してください。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。

(3) 認証情報

認証情報は,[認証情報の編集]画面,または新規で認証情報を追加する場合は[認証情報の追加]画面で設定します。認証情報が使用されている場合,認証情報を削除できません。認証情報で設定する項目は,プロトコルで指定した内容によって異なります。

管理対象とするITリソースと指定するプロトコルの対応は次の表のとおりです。

表7-4 管理対象とするITリソースと指定するプロトコルの対応

管理対象とするITリソース指定するプロトコル備考
WindowsWMI
LinuxSSH
HP-UXSSH
AIXSSH
Hyper-VWMI
SCVMMWMI
VMwareVMware
vCenterVMwarevCenterを探索する場合は,WMIプロトコルとVMwareプロトコルを含む認証情報を指定してください。
HVMHVM
Hitachi AMS/WMS/SMSシリーズHitachi StorageまたはSMI-S WBEMHVMで使用するHitachi AMSシリーズの場合はSMI-Sを,それ以外の場合はHitachi Storageを指定してください。
また,HVMで使用するHitachi AMSシリーズの場合,接続先はストレージの管理IPアドレスではなく,Hitachi Device ManagerのIPアドレスを指定してください。
SANRISE9500VSMI-S WBEM接続先はストレージの管理IPアドレスではなく,Hitachi Device ManagerのIPアドレスを指定してください。
Hitachi USP V/VMSMI-S WBEM
Hitachi VSPSMI-S WBEM
HUSシリーズSMI-S WBEM
他社製ストレージSMI-S WBEM接続先は,管理対象とするストレージ用のCIMサーバです。詳細は,それぞれの管理対象となるストレージのドキュメントを参照してください。
FCスイッチSMI-S WBEM
IPスイッチSNMP
(凡例)
-:特になし。

なお,JP1/ITRMは,それぞれのプロトコルで複数のIPアドレスに順次接続を試みます。そのため,ファイアウォールなどのセキュリティシステムから,ポートスキャンを受けたと見なされることがあります。このとき,次の内容を確認してください。

これらの内容を満たしていれば,問題ありません。

プロトコルごとに設定する項目について,次に示します。

WMIを指定した場合に設定する項目
プロトコルでWMIを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。

表7-5 WMIを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ユーザーID]※1ホストへログインする管理者のユーザーIDを入力します。
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]※2パスワードを変更する場合はチェックを入れます。
[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]認証情報でパスワードを指定しない場合は,チェックを入れます。
[パスワード]ホストへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを入力します。[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]のチェックが外れている場合は,必ず指定してください。
[パスワード確認]ホストへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを再入力します。[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]のチェックが外れている場合は,必ず指定してください。
[ドメイン名]所属するドメイン名を指定します。
SCVMMを探索する場合は,ドメイン名を必ず指定します。ドメイン名の指定がない場合,その認証情報はSCVMMの探索には使用されません。また,指定する際はFQDNドメイン名(例:SCVMMのFQDNがscvmm.scvmmdomain.comの場合,scvmmdomain.com)を指定してください。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※1
ローカルまたはドメインの管理者権限を持つユーザーを入力します。
注※2
[認証情報の追加]画面では表示されません。

参考
JP1/ITRMがSCVMMを認証するためには,SCVMMがインストールされているWindowsおよびWMIが,JP1/ITRMのアクセスを認証する必要があります。どちらの認証も成功した場合,JP1/ITRMはSCVMMを認証します。
SSHを指定した場合に設定する項目
プロトコルでSSHを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。

表7-6 SSHを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ユーザーID]OSへログインする管理者のユーザーIDを入力します。
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]パスワードを変更する場合はチェックを入れます。
[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]認証情報でパスワードを指定しない場合は,チェックを入れます。
[パスワード]OSへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを入力します。[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]のチェックが外れている場合は,必ず指定してください。
[パスワード確認]OSへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを再入力します。[空のパスワードを指定する場合はチェックしてください]のチェックが外れている場合は,必ず指定してください。
ポート番号OSのポート番号を指定します。
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]パスワードを変更する場合はチェックを入れます。
[ルートパスワード]root権限を持っている管理者のパスワードを入力します。
[ルートパスワード確認]root権限を持っている管理者のパスワードを再入力します。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※
[認証情報の追加]画面では表示されません。

参考
SSHを使用するITリソースは,JP1/ITRMからの接続をユーザーIDおよびパスワードを使用して認証します。SSHの認証情報の設定には,次の3とおりがあります。
一般ユーザーで認証する場合
認証後の情報取得で,一部のコマンドの実行にroot権限が必要です。そのため,管理対象となる物理ホストや仮想ホストに対して,事前に設定を実施する必要があります。詳細については,「6.2.5 Linux・HP-UX・AIXを管理対象にするための設定」を参照してください。
なお,ユーザーIDには,rootユーザー以外を指定してください。
rootユーザーで認証する場合
root権限で情報が取得されるため,管理対象となる物理ホストや仮想ホストに対して,事前に設定は不要です。
なお,ユーザーIDには,rootユーザーを指定してください。
一般ユーザーの認証情報および[ルートパスワード]を指定して認証する場合
[ルートパスワード]を指定する場合,ユーザー認証後に[ルートパスワード]を使って,rootユーザーに昇格します。root権限で情報が取得されるため,管理対象となる物理ホストや仮想ホストに対して,事前に設定は不要です。
なお,ユーザーIDでは,rootユーザー以外を指定してください。また,[ルートパスワード]および[ルートパスワードの確認]についても指定してください。
Hitachi Storageを指定した場合に設定する項目
プロトコルでHitachi Storageを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。Hitachi AMS/WMS/SMSシリーズの認証情報を設定する場合に選択します。ただし,HVMで使用するHitachi AMSシリーズの場合は,Hitachi StorageではなくSMI-S WBEMを指定してください。

表7-7 Hitachi Storageを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ユーザーID]ストレージへログインする管理者のユーザーIDを入力します。※2
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]※1パスワードを変更する場合はチェックを入れます。※2
[パスワード]ストレージへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを入力します。※2
[パスワード確認]ストレージへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを再入力します。※2
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※1
[認証情報の追加]画面では表示されません。
注※2
Hitachi AMS/WMS/SMSシリーズの認証機能が設定されている場合は,必ず指定してください。認証機能が設定されていない場合は,指定しないでください。

SMI-S WBEMを指定した場合に設定する項目
プロトコルでSMI-S WBEMを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。FCスイッチやSMI-Sストレージの認証情報を設定する場合に選択します。また,HVMで使用するHitachi AMSシリーズの場合に選択します。

表7-8 SMI-S WBEMを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ユーザーID]※1
SANRISE9500V,Hitachi USP V/VM,Hitachi VSP,HUS,およびHitachi AMSシリーズの場合
Hitachi Device Managerの管理者のIDまたはJP1/ITRM用のユーザーIDを入力します。※3
他社製ストレージの場合
機器へログインする管理者のユーザーIDを入力します。
※4
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]※2パスワードを変更する場合はチェックを入れます。※4
[パスワード]※1
SANRISE9500V,Hitachi USP V/VM,Hitachi VSP,HUS,およびHitachi AMSシリーズの場合
Hitachi Device Managerの管理者のパスワードまたはJP1/ITRM用のパスワードを入力します。※3
他社製ストレージの場合
機器へログインする管理者のユーザーIDのパスワードを入力します。
※4
[パスワード確認]※1
SANRISE9500V,Hitachi USP V/VM,Hitachi VSP,HUS,およびHitachi AMSシリーズの場合
Hitachi Device Managerの管理者のパスワードまたはJP1/ITRM用のパスワードを入力します。※3
他社製ストレージの場合
機器へログインする管理者のユーザーIDのパスワードを再入力します。
※4
[SSL]プロトコルの送信種別について,次のうちどちらかを指定します。
  • [https]
  • [http]
[ポート番号][SSL]で指定した項目によって,機器のポート番号が自動で入力されます。ポート番号が異なる場合は,手動で入力し直してください。
[ネームスペース]※5
Hitachi VSP,HUSシリーズの場合
「root/smis/smis15」を指定します。
SANRISE9500V,Hitachi USP V/VMの場合
「root/smis/smis13」,「root/smis/smis14」,または「root/smis/smis15」を指定します。
Hitachi AMSシリーズの場合
「root/smis/smis14」または「root/smis/smis15」を指定します。
他社製ストレージの場合※6
SMI-S WBEM認証用の名前空間を指定します。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※1
入力する文字列については,それぞれの管理対象となるITリソースのドキュメントを参照してください。ただし,管理対象となるITリソースの設定によっては,設定が不要な場合があります。
注※2
[認証情報の追加]画面では表示されません。
注※3
JP1/ITRM用のユーザーは,Hitachi Device Manager上に作成しておく必要があります。JP1/ITRM用のユーザーの作成については,「6.2.8(1)(e) Hitachi Device Managerの設定」を参照してください。
注※4
SANRISE9500V,Hitachi USP V/VM,Hitachi VSP,Hitachi AMSシリーズ,およびHUSシリーズの認証情報を設定する場合,必ず設定してください。
注※5
同一のHitachi Device Managerでは,異なるネームスペースを設定しないでください。
注※6
SMI-Sのプロトコルバージョン1.5に対応しています。管理対象のCIMサーバにSMI-Sで接続するためのネームスペースについては,管理対象となるITリソースのドキュメントを参照してください。

SNMPを指定した場合に設定する項目
プロトコルでSNMPを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。

表7-9 SNMPを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ポート番号]IPスイッチのポート番号が自動で入力されます。ポート番号が異なる場合は,手動で入力し直してください。
[コミュニティ名]SNMPコミュニティ名を指定します。
(凡例)
○:必ず指定する。

参考
SNMPのバージョン1を実装して,SNMPが動作していることを確認してください。
VMwareを指定した場合に設定する項目
プロトコルでVMwareを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。

表7-10 VMwareを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
[ユーザーID]VMwareへログインする管理者のユーザーIDを入力します。
ドメインユーザーを使用する場合は「ドメイン名¥ユーザーID」の書式で指定します。
詳細はVMwareのドキュメントを確認してください。
[パスワードを変更する場合はチェックしてください]パスワードを変更する場合はチェックを入れます。
[パスワード]VMwareへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを入力します。
[パスワード確認]VMwareへログインする管理者のユーザーIDのパスワードを再入力します。
[SSL]プロトコルの送信種別について,次のうちどちらかを指定します。
  • [http]
  • [https]
[ポート番号][SSL]で指定した項目によって,機器のポート番号が自動で入力されます。ポート番号が異なる場合は,手動で入力し直してください。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※
[認証情報の追加]画面では表示されません。

参考
vCenterとの認証の場合,vCenterがインストールされているWindowsに対してJP1/ITRMから認証したあと,vCenterと認証をします。そのため,探索する前に,vCenterがインストールされているWindowsのWMIおよびVMwareが認証されるように設定してください。
HVMを指定した場合に設定する項目
プロトコルでHVMを指定した場合に設定する項目について,次の表に示します。

表7-11 HVMを指定した場合に設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]認証情報の名称を指定します。
(凡例)
○:必ず指定する。

参考
HVMは,IPアドレスでJP1/ITRMからのアクセスを認証します。ITリソース管理サーバのIPアドレスをHVMに登録し,HVMに登録されたIPアドレスと,ITリソース管理サーバのIPアドレスが一致するように設定してください。
[ポート番号]には,あらかじめ623が指定されています。任意で変更できません。
HVMはHvmShコマンドで接続します。
HvmShコマンドは,HVMへの接続に使用するポート番号/プロトコルとして,623/UDPポートまたは23250/TCPポートをバージョンによって指定できます。ただし,JP1/ITRMの画面には,固定値の623/UDPポートが表示されます。
HvmShコマンドが使用するポート番号/プロトコルの変更については,マニュアル「HVM管理コマンド(HvmSh)ユーザーズガイド」を参照してください。その上で,HvmSh.exeと同じフォルダに初期ファイルを格納してください。

(4) 探索範囲

探索範囲は,[探索範囲の編集]画面,または新規で探索範囲を設定する場合は[探索範囲の追加]画面で設定します。

表7-12 [探索範囲の編集]画面または[探索範囲の追加]画面で設定する項目

設定する項目説明設定の要否
[名称]IPアドレスの範囲設定の名称を指定します。
[開始IPアドレス]探索する範囲の開始となるIPアドレスを指定します。
[終了IPアドレス]探索する範囲の終了となるIPアドレスを指定します。
[Pingによる探索]探索中に探索先のホストからの返信の有無や,返信にどのくらい時間が掛かっているかなどを調べる手段として,Pingを使用するかどうか,次のうちどちらかを指定します。
  • [有効]
  • [無効]
[認証情報]探索対象にする認証情報の種類について,次のうちどちらかを指定します。
  • [すべて]
    すべての認証情報を探索対象にします。
  • [選択]
    選択した認証情報を探索対象にします。
(凡例)
○:必ず指定する。
△:必要に応じて指定する。
注※
0.0.0.0,255.255.255.255,マルチキャストアドレス,およびブロードキャストアドレスは指定しないでください。