2.5 ITリソースの状態管理

ここでは,ITリソースの状態管理について説明します。JP1/ITRMでは,ITリソースを次の2つの状態で管理しています。

管理状態
ITリソースがJP1/ITRMによって管理されているかどうかを示す状態です。
監視状態
管理されているITリソースが監視されているかどうかを示す状態です。

管理状態の分類を次の表に示します。

表2-12 管理状態の分類

管理状態の分類説明
初期状態JP1/ITRMで発見されていない状態です。
発見探索によって発見された状態です。JP1/ITRMの管理対象ではないため,リソース管理画面には表示されず,割り当て予約もできません。発見されたITリソースは,管理対象または管理対象外にして,JP1/ITRMで管理するかどうかを指定してください。
未処理発見の状態から管理対象,または管理対象外への登録がされない状態で次回の探索がされると,状態が発見から未処理へ遷移します。
JP1/ITRMの管理対象ではないため,リソース管理画面には表示されず,割り当て予約もできません。発見されたITリソースは,管理対象または管理対象外にして,JP1/ITRMで管理するかどうかを指定してください。
管理対象JP1/ITRMの管理対象になっている状態です。ITリソースを管理対象にすることで,予約,監視など,JP1/ITRMの操作の対象になります。
手動追加
手動で管理対象に設定された状態です。割り当て予約はできますが,監視の対象にはなりません。探索の結果,発見されると,管理対象の状態に遷移します。
デプロイ
デプロイが実行されている状態です。監視の対象にはなりません。このため,割り当て予約もできません。探索の結果,発見されると,管理対象の状態に遷移します。
管理対象外JP1/ITRMの管理対象外になっている状態です。特定のITリソースだけを管理したい場合に,管理対象外に手動で設定してください。例えば,コンピュータだけを管理したい場合に,発見されたIP機器(IP電話など)は「管理対象外」にしてください。管理対象外のITリソースは,次回以降の探索で発見されません。
削除待ち削除待ちのITリソースとして追加された状態です。
削除待ちのITリソースは,30日後に自動的に削除され,初期状態に遷移します。
仮想ホスト削除タスクによって削除待ちに遷移したITリソースは,管理対象に設定することはできません。

なお,管理対象を削除待ちに変更した場合には,「監視対象から除外されました。」というイベントが発行されます。

監視状態の分類を次の表に示します。

表2-13 監視状態の分類

監視状態の分類説明
監視JP1/ITRMの管理対象で,情報収集や監視の対象になっている状態です。
監視状態のITリソースからは,次の情報を収集します。
  • 情報収集(接続状態,認証状態)
  • 障害監視(コンポーネント)
  • 性能監視(ディスクの空き容量,性能)
監視停止管理対象で,割り当て予約やITリソースに対する操作はできますが,メンテナンスのために,一時的に次の情報収集や監視の対象になっていない状態です。
  • 情報収集
  • 障害監視
  • 性能監視

なお,監視から監視停止に変更した場合には,「監視が停止されました。」というイベントが発行されます。

管理状態と監視状態の遷移を次の図に示します。

図2-10 管理状態と監視状態の遷移

[図データ]

それぞれの状態ごとに,割り当て予約および監視を実行できるかどうかが異なります。状態ごとの割り当て予約,および監視の実行可否を次の表に示します。

表2-14 状態ごとの割り当て予約および監視の実行可否

状態割り当て予約監視
初期状態××
発見,未処理××
管理対象監視発見されたリソース
デプロイ××
監視停止発見されたリソース×
手動追加×
管理対象外××
削除待ち××
(凡例)
○:実行できる。
×:実行できない。
注※
監視状態としては監視に分類されますが,デプロイ処理が完了するまでの間は監視することはできません。

割り当て予約の詳細については,「2.8 ITリソースの割り当て予約」を参照してください。

なお,管理状態および監視状態は,jirmstatuschangeコマンドでも変更できます。jirmstatuschangeコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。