6.10 構築時のトラブルシューティング
(1) ポート番号重複のエラーメッセージ(KNAR04292-E,KNAR04402-E)が出力される
- 要因
- 指定したポート番号が,ほかで使用しているポート番号と重複しています。
- 対処
- 次のポート番号が,ほかで使用しているポート番号と重複していないかどうかを確認してください。
- インストーラーで指定したポート番号
- セットアップで指定したポート番号
- Servicesファイルに記載されているJP1/ITRMのポート番号
- JP1/ITRMのデフォルトのポート番号
- 確認後,アンセットアップを実行して,重複しないポート番号を指定して再度セットアップを実行してください。
(2) セットアップ時またはアンセットアップ時に,ファイアウォールの例外リストの登録または解除に失敗する
- 要因
- Windowsのファイアウォールのサービスが起動していません。
- 対処
- Windowsのファイアウォールのサービスが起動しているかを確認してください。
- セットアップの場合は,アンセットアップを実行して,再度セットアップを実行してください。
- アンセットアップの場合は,再度アンセットアップを実行してください。
(3) ディスク容量不足のエラーメッセージ(KNAR04281-E,KNAR04293-E)が出力される
- 要因
- データベースディレクトリのディスクの空き容量が不足しています。
- 対処
- 指定したデータベースの規模に必要なディスクの容量を確保してください。
- そのあと,アンセットアップを実行して,再度セットアップを実行してください。
(4) コマンド同時実行のエラーメッセージ(KNAR04400-E,KNAR04409-E)が出力される
- 要因
- 同時に実行できないJP1/ITRMのコマンドが実行されています。
- 対処
- 実行中のJP1/ITRMのコマンドの実行完了を確認してください。
- 確認後,アンセットアップを実行して,再度セットアップを実行してください。
(5) セットアップ時またはアンセットアップ時に,プロパティ値取得失敗のエラーメッセージ(KNAR04285-E)が出力される
- 要因
- プロパティ名に対応するプロパティが設定されていません。または,ユーザー設定プロパティファイルにアクセスできません。
- 対処
- ユーザー設定プロパティファイルにメッセージに出力されたプロパティ名が設定されているか,またはユーザー設定プロパティファイルにアクセスできるかを確認してください。プロパティ名が設定されていない場合は,設定してからコマンドを再実行してください。
- セットアップの場合は,アンセットアップを実行して,再度セットアップを実行してください。
- アンセットアップの場合は,再度アンセットアップを実行してください。
- クラスタ環境でセットアップする場合は,共有フォルダにユーザー設定プロパティファイルが格納されます。
(6) UUID重複のメッセージ(KNAR55060-E)が出力される
- 要因
- 仮想ホストのUUIDが重複しています。
- 対処
- 次の手順を実行してください。
- vCenterから,重複した仮想ホストの設定情報(vmxファイル)を削除する。
- 重複した仮想ホストのディスク情報(vmdkファイル)を使用して,仮想ホストを再度構築する。
- JP1/ITRMから,仮想ホストの情報を再収集する。
(7) HVMまたはHVM上のLPARの探索が失敗する,またはHVMへのデプロイ時にDPMがタイムアウトで失敗する
- 要因
- JP1/ITRMからBladeSymphonyへのネットワーク構成に,問題があるおそれがあります。
- 対処
- pingコマンドを実行して,JP1/ITRMからBladeSymphonyに接続できるかを確認し,通信に支障がある場合は問題を解消してください。
- HVMのBSMx IP AddressまたはHVM CLIx IP Addressに,JP1/ITRMのIPアドレスを登録してください。
- BladeSymphony BS2000の場合
- HVMおよびLPARのそれぞれの通信が,次に示すLANポートへ,LAN配線で接続していることを確認してください。
- JP1/ITRMからHVMへの通信
JP1/ITRMから,BladeSymphony BS2000のマネージメントモジュールの管理LANポートへ接続されている。
- JP1/ITRMからLPARへの通信
JP1/ITRMから,BladeSymphony BS2000のLANスイッチモジュールのLANポートへ接続されている。
- BladeSymphony BS2000のシステム構成の詳細は,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。
- BladeSymphony BS320の場合
- HVMおよびLPARのどちらの通信も,JP1/ITRMからBladeSymphony BS320のLANスイッチモジュールのLANポートへ,LAN配線で接続していることを確認してください。
- BladeSymphony BS320システム構成の詳細は,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。
(8) HVMの探索は成功するが,モデル名が空白になり,その後ネットワークアダプタの状態が正常および異常を示すイベントが繰り返し報告される
- 要因
- HVMとHvmShのバージョンが,サポートされていない組み合わせになっているおそれがあります。
- 対処
- HVMとHvmShを組み合わせた各バージョンのサポート状況については,BladeSymphonyサポートサービスへお問い合わせください。
(9) HVM上のLPARに割り当てたFCアダプタで,リンクアップおよびリンクダウンを繰り返し,LUへの読み書き性能が低下しデプロイが失敗する
- 要因
- デプロイに指定したストレージのFCポートのコネクションタイプが,Loopに設定されているおそれがあります。
- 対処
- デプロイに指定したストレージのFCポートのコネクションタイプを,AutoまたはPoint-to-Pointに設定してください。ストレージのFCポートに対するコネクションタイプの設定については,ストレージのマニュアルを参照してください。
(10) HVM上のLPAR起動時に,LPARに割り当てたFCアダプタがLUNセキュリティについてのエラーを出力する
- 要因
- FCスイッチで,LPARのFCポートに対して,ストレージのFCポートを2つ以上含めたゾーニングを設定しているおそれがあります。
- 対処
- HVMへのデプロイでは,デプロイ対象のLPARに割り当てるLUに対して,LUNセキュリティを設定します。そのため,LUNセキュリティのエラーを抑止するために,FCスイッチでLPARのFCポートに対して,ストレージのFCポートが1つになるようゾーニング設定を見直してください。
- FCアダプタのエラーの詳細については,マニュアル「HITACHI Gigabit Fibre Channel アダプタ ユーザーズガイド」を参照してください。
(11) jirmimageimportコマンドで仮想イメージテンプレートを作成したときに,メッセージKNAR83037-Eが出力される
- 要因
- HVMとHvmShのバージョンが,サポートされていない組み合わせになっているおそれがあります。
- 対処
- HVMとHvmShを組み合わせた各バージョンのサポート状況については,BladeSymphonyサポートサービスへお問い合わせください。
(12) デプロイ時に,メッセージKNAR55705-E「HVM操作処理中にHvmShコマンドでエラーが発生しました。(HVM IPアドレス={0},LPAR番号={1},LPAR名={2},HVMインターフェース=set LPARSFC lpar=16 slotno=0 portno=0 vfcid=7,終了コード=0x01040000,エラー詳細情報=The combination of parameters is invalid.)」が出力されて,デプロイが失敗する
- 要因
- メッセージKNAR55705-EのHVMインターフェースにslotno=0が表示された場合,HVMとHvmShのバージョンがサポートされていない組み合わせになっているおそれがあります。
- 対処
- HVMとHvmShを組み合わせた各バージョンのサポート状況については,BladeSymphonyサポートサービスへお問い合わせください。
(13) 管理対象のITリソースがLinuxで,DISKマルチパスをDevice-Mapper-Multipathで構成している場合に,[パフォーマンス]タブにDISKマルチパスを構成するディスクの性能が表示されない
- 要因
- [ドライブ]タブにはDISKマルチパスを構成するディスクに作成したファイルシステム使用の状況が表示されるが,[パフォーマンス]タブにDISKマルチパスを構成するディスクの性能が表示されない場合は,Device-Mapper-Multipathのオプションuser_friendly_namesにyesが設定されていないおそれがあります。
- 対処
- 管理対象となるLinuxのDevice-Mapper-Multipathの設定ファイルである/etc/multipath.confを参照して,user_friendly_namesにyesが設定されていることを確認してください。user_friendly_namesにyesが設定されていない場合は,yesを設定してください。
- また,設定項目がない場合,次に示す定義を追加してください。
defaults {
user_friendly_names yes
}
(14) AIXの構成情報にファイルシステムの情報が表示されない
- 要因
- 管理対象のAIXがWPARのため,情報を取得できていないおそれがあります。
- 対処
- WPARを管理対象にすることはできません。JP1/ITRMの管理対象から削除してください。
(15) JP1/ITRM ServiceまたはJP1/ITRM Web Serviceが起動できない
- 要因
- 上書きインストール後に,-rオプションを指定したjirmsetupコマンドを実行していない。
- 対処
- -rオプションを指定してjirmsetupコマンドを実行する。
(16) AIXの管理対象ホストに対して一般ユーザーで認証していて,認証情報に指定したユーザーにファイルシステムのマウントポイントに対する権限がない場合,[ドライブ]タブのファイルシステムおよび[パフォーマンス]タブのディスク空き容量に該当するファイルシステムが表示されない
- 要因
- /usr/bin/dfコマンドに対するRBACの設定が正しくないおそれがあります。
- 対処
- RBACの設定が正しいか確認してください。AIXのRBACの設定については,「6.2.5(6) 必要なコマンドの登録」の「(c) AIXの場合」を参照してください。