6.5.5 HVMの設定

仮想イメージテンプレートを使用するための,HVMの設定手順について次に示します。

なお,仮想イメージテンプレート化した仮想ホストはsysprep.exeで初期化されるため,テンプレート化したあと,継続して使用できません。テンプレート化したあとも継続して使用する場合は,あらかじめ複製を作成しておいてください。また,テンプレート作成時に,テンプレートにするLPARに割り当てられたシステムディスクのLUのサイズの情報が必要となります。

<この項の構成>
(1) テンプレートを作成する準備
(2) ディスク複製の準備
(3) テンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル,リストアシナリオファイル,ディスク複製用情報ファイルの作成
(4) 仮想イメージテンプレート配置
(5) 仮想イメージテンプレートの動作確認

(1) テンプレートを作成する準備

  1. HVMのBSM IP AddressまたはHVM CLI IP AddressにITリソース管理サーバのIPアドレスを登録する。
    詳細については,マニュアル「BladeSymphonyユーザーズガイド」を参照してください。
  2. JP1/SC/DPMのディスク複製OSインストール機能を使用するための前提条件を満たしていることを確認する。
    詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。
  3. 仮想イメージテンプレート化する仮想ホストが次の条件をすべて満たしているか確認する。
    • 共有ネットワークアダプタが1つ以上接続されている
    • 共有FCアダプタが1つ以上接続されている
    • ハードディスクが1つだけ接続されている
    • 接続されているディスクはシステムディスクである
    • 仮想ホストに占有ネットワークアダプタが割り当てられていない
    • 仮想ホストに占有FCアダプタが割り当てられていない
    なお,仮想イメージテンプレート化する仮想ホストに接続されたアダプタのうち,ネットワークアダプタおよびFCアダプタ以外は,仮想イメージテンプレートに反映されません。
  4. ユーザースクリプトを仮想ホスト上に配置する。

(2) ディスク複製の準備

マスタコンピュータのセットアップやSysprepの実行など,ディスク複製の準備をします。詳細は,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。

仮想ホストのネットワークアダプタの情報を設定している場合は,次の設定個所を空にしてから,Windowsの場合は[DNSサーバのアドレスを自動的に取得する],Linuxの場合は[DNS情報をプロバイダから自動取得]に設定してください。

(3) テンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル,リストアシナリオファイル,ディスク複製用情報ファイルの作成

JP1/SC/DPMから,DPMディスク複製OSインストール機能で使用するテンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル,リストアシナリオファイル,ディスク複製用情報ファイルを次のとおり作成します。

テンプレートにする仮想ホスト(マスタコンピュータ)のバックアップイメージファイル
JP1/SC/DPMのバックアップ機能を用いて作成します。
ディスク単位で作成します。パーティション単位のイメージファイルには対応しません。
リストアシナリオファイル
[シナリオファイルの作成]画面で[バックアップ/リストア]タブを選択して,[リストア開始条件]の[ユニキャストでデータを送信する]をチェックします。
ディスク複製用情報ファイル
次の表に示す項目を設定します。

表6-23 ディスク複製用情報ファイルの設定項目

画面項目設定値
[基本情報]画面[OS種別]仮想イメージテンプレートのOS種別を選択する。
[対象マシン]
  • Windows Server 2003の場合
    [Auto Detect]
  • Windows Server 2008の場合

[インストールパス]
  • Windows Server 2003の場合
    WINDOWS
  • Windows Server 2008の場合

[パーティション][新規パーティション],および[全領域]をチェックする。
[コンピュータの役割]画面[コンピュータ名]デプロイ時に設定できるため任意で指定する。
[Administratorのパスワード]デプロイ時に設定できるため任意で指定する。
[ドメイン]
[ワークグループ]
ドメイン指定の場合に,デプロイ時にデプロイ先仮想ホストが使うドメイン認証のためのユーザー情報を入力する。
[ネットワーク設定]画面[MACアドレス]デプロイ時に設定できるため任意で指定する。
ただし,ディスク複製用情報ファイルのファイル名として使用するため,FF-FF-FF-FF-FF-FFなど実際のLPARで使用するMACアドレスと重複しない値を入力する。
このファイル名はjirmimageimportコマンドの引数に指定する。
[コンポーネント設定]画面[NICの設定]デプロイ時に設定できるため任意で指定する。
(凡例)
-:該当しないため非活性。

詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager」を参照してください。

(4) 仮想イメージテンプレート配置

jirmimageimportコマンドを実行して,仮想イメージテンプレートをJP1/ITRM内の仮想イメージテンプレート格納フォルダに配置します。テンプレートとなるLPARの電源がOFFであること確認して,jirmimageimportコマンドを実行してください。コマンド実行後,仮想イメージテンプレートが正しく配置されているか確認してください。jirmimageimportコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

なお,仮想イメージテンプレート作成後に管理サーバ for DPMのパスワード,複製情報ファイル格納用フォルダのファイル共有のユーザー名,またはパスワードを変更した場合,そのテンプレートを使用するとデプロイに失敗します。この場合,「イメージ名」(フォルダ名)を元の仮想イメージテンプレートと同じにして,仮想イメージテンプレートを作成し直してください。

また,Webサーバ for DPMが更新モードのときに,jirmimageimportコマンドを実行するとエラーになります。更新モード以外のときに,jirmimageimportコマンドを実行してください。

注※
JP1/SC/DPMのバージョンが09-10以降の場合,deployment_userアカウントのパスワードになります。詳細については,マニュアル「JP1/ServerConductor/Deployment Manager リファレンスガイド」を参照してください。

(5) 仮想イメージテンプレートの動作確認

仮想イメージテンプレート化する仮想ホストを削除する前に,作成した仮想イメージテンプレートを使用してデプロイを実行し,デプロイが成功することを確認してください。正常にデプロイできない場合,jirmimageimportコマンドで指定したLUのサイズと実際のLUのサイズが一致しているかを確認して,一致していないときは仮想イメージテンプレートを作成し直してください。