ここでは,ネットワークデバイスを管理対象とする場合の設定について説明します。JP1/ITRMで管理できるネットワークデバイスの種類は,IPスイッチおよびFCスイッチの2つです。
IPスイッチを管理対象にする場合の設定について説明します。
トラップ受信機能を使用する場合,トラップ待ち受けで使用するポート(デフォルトは162)をほかのプログラムで使用しないよう設定してください。
トラップ待ち受けで使用するポートは,ユーザー設定プロパティファイル(jp1itrm.properties)の「AD.SnmpController.receiveTrapPort」で変更できます。
JP1/ITRMでは,次の表に示す条件をすべて満たすIPスイッチを管理対象とします。
表6-18 管理対象とするIPスイッチの条件
条件 | 説明 |
---|---|
SNMPv1 | SNMPのバージョン1を実装して,SNMPが動作状態であることを示します。 |
MIB-II | RFC1213で定義されるsystem,interfacesなどのMIB情報を実装して,JP1/ITRMで設定するコミュニティにRead権限があることを示します。 |
Bridge MIB | RFC1493で定義されるMIB情報を実装して,JP1/ITRMで設定するコミュニティにRead権限があることを示します。 |
ポート数3以上 | ifTypeがethernet-csmacd(6),iso88023-csmacd(7),propVirtual(53)のどれかであるifEntryの数が3つ以上あることを示します。 |
これらの条件を満たせば,IPスイッチ以外のITリソースもIPスイッチと判定され,管理対象となります。
また,トラップ受信機能を使用する場合,次に示す条件を満たすように設定してください。
IPスイッチを管理対象とする場合,次のノード情報が必要です。
FCスイッチを管理対象にする場合の設定について説明します。
SMI-Sのバージョンおよび使用する機能について,次の表に示します。
表6-19 SMI-Sのバージョンおよび使用する機能
項目 | 説明 |
---|---|
SMI-Sのバージョン | 1.0以降 |
使用する機能 |
|
FCスイッチを管理対象にするためのネットワーク構成について,次の図に示します。
図6-3 FCスイッチを管理対象にするためのネットワーク構成
SMI-Sは,CIMサーバおよびCIMクライアントで構成されます。JP1/ITRMはCIMクライアントとなり,クライアントAPIを利用して,CIMサーバからノードの情報を取得します。このため,事前にCIMサーバの環境構築が必要になります。
FCスイッチを管理対象とする場合に必要なノード接続情報を指定します。指定する内容について,次の表に示します。なお,ノード接続情報で接続するノードは,FCスイッチのノードそのもの,またはFCスイッチを管理するCIMサーバをまとめてCIMサーバと定義しています。
表6-20 FCスイッチを管理対象にする場合に必要なノード接続情報
必要な情報 | 説明 | 指定の要否 |
---|---|---|
IPアドレス | CIMサーバに接続するIPアドレス(IPv4)を指定します。 例えば,BrocadeのFCスイッチを管理する場合は,Brocade SMI AgentがインストールされているサーバのIPアドレスを指定します。 | ○ |
ネームスペース | CIMサーバに接続するために必要なネームスペースを指定します。ネームスペースとは,CIMクラスおよびインスタンス(オブジェクト)を分類するユニットです。 同じ名前のCIMクラスが,異なるネームスペースにある場合,それぞれ別のCIMクラスとして管理されます。ベンダおよびモデルから,適切なネームスペースを指定してください。 ネームスペースは,SMI-Sプロバイダーを入手したときに同梱されているドキュメントに記載されているものを指定してください。 例えば,BrocadeのFCスイッチを管理する場合は,固定で「root/brocade1」を指定します。 | ○ |
SSL有無 | CIMサーバとの接続方法をtrueまたはfalseで指定します。
| ○ |
ポート番号 | CIMサーバがCIMクライアントを待ち受けるときのTCPポート番号を指定します。 省略した場合,SSL有無で指定した内容に応じて,次に示すデフォルトのTCPポート番号を使用します。
| △ |
ユーザーID | CIMサーバに接続するためのアカウントを指定します。 アカウントには,FCスイッチの管理API,またはSMI-Sプロバイダーで設定したユーザーIDが該当します。※ | △ |
パスワード | ユーザーIDを指定した場合に指定します。 | △ |