6.2.7 Hyper-Vを管理対象にするための設定
(1) WMIのインストール
Hyper-Vを管理するためには,WMIが必要です。Hyper-Vを動作させるWindows ServerにWMIが導入されていない場合,インストールしてください。
なお,WMIは,Hyper-Vのバージョンに依存しません。
(2) ドメインの設定
管理対象とする仮想化ソフトウェアにHyper-Vがある場合,管理対象へのDCOM接続とWMI名前空間への接続のためHyper-VでWindows認証が行われる必要があります。認証にはユーザーIDとパスワードが必要です。また,仮想化ソフトウェアに接続するユーザーのドメインによっては,ドメイン名(ホスト名)が必要な場合もあります。
ドメイン名(ホスト名)の指定の要否を次の表に示します。
表6-13 ドメイン名(ホスト名)の指定の要否
ITリソース管理サーバログオン | 仮想化ソフトウェア接続 | ドメイン指定 |
---|
ローカル権限 | ローカル権限 | × |
ローカル権限 | ネットワークドメイン権限 | ○ |
- (凡例)
- ×:ドメイン名(ホスト名)の指定が不要である。
- ○:ドメイン名(ホスト名)の指定が必要である。
(3) OSのセキュリティの設定
Windows ファイアウォールおよびDCOMを次のように設定してください。
- Windows ファイアウォールの設定
条件によって,Windowsのファイアウォールを有効にする必要があります。詳細については,「6.2.4(3) OSのセキュリティの設定」を参照してください。
- DCOMの設定
Hyper-Vを管理する際,WindowsのDCOMを設定します。そのため,ITリソース管理サーバおよび管理対象ホストは,DCOMを有効に設定してください。設定手順については,「6.2.4(3) OSのセキュリティの設定」を参照してください。
(4) Windows Server 2008のUAC機能の設定
(5) Hyper-V上で仮想ホストをデプロイ,ホットマイグレーションする場合の設定
- デプロイ前の設定
デプロイ先のHyper-Vで動作する仮想ホストに対してJP1/ITRMのホットマイグレーション操作を使用する場合は,デプロイ前にデプロイ先Hyper-Vをクラスタ構成にしておき,クラスタ共有ボリューム(Cluster Shared Volume)を使用し,仮想ホストを配備してください。
- デプロイ時の設定
デプロイ時は,仮想スイッチを作成して,ネットワークを設定してください。デプロイ先は,Hyper-Vホストを指定します。デプロイ時に,参加するドメインは設定できません。JP1/ITRMからドメインの参加を選択した場合,ワークグループWORKGROUPが設定されます。
- デプロイ後の設定
JP1/ITRMからSCVMM上の仮想ホストをホットマイグレーションするには,SCVMMのライブマイグレーション機能を使用します。そのためJP1/ITRMからのホットマイグレーションを実行する前に,SCVMMで操作対象となる仮想ホストにライブマイグレーションを使用するための設定が完了している必要があります。
(6) Hyper-Vを管理対象にする準備の注意事項
- Hyper-Vの「バーチャルマシンパス」指定時の注意事項
Hyper-Vでは仮想ホストの保存先を「バーチャルマシンパス」として複数指定できますが,JP1/ITRM - Managerではそのうちの先頭の1つだけを仮想ホストの保存先として使用します。十分な空き容量を持つ保存先がバーチャルマシンパスに指定されていないと,復元・コールドマイグレーション・デプロイなどの操作に失敗する原因となります。
- Hyper-Vで管理するゲストOSの注意事項
Hyper-Vで管理する仮想ホストのゲストOSは,SCVMMおよびHyper-VがサポートしているOSである必要があります。サポート対象のゲストOS一覧については,リリースノートを参照してください。