2.12.1 レポートの種類

JP1/ITRMでは,指定したリソースグループや業務グループ単位でレポートを出力できます。レポートの種類は,レポート画面に出力する場合とjirmreportコマンドで出力する場合で異なります。レポート画面とjirmreportコマンドで出力できるレポートの内容を次の表に示します。

表2-37 レポート画面とjirmreportコマンドで出力できるレポートの内容

レポートの種類出力の可否
レポート画面jirmreportコマンド
リソース状態レポート
イベントレポート
性能レポート
割り当てレポート
予約状況・予約実績一覧レポート
リソース使用量レポート
リソース使用量(時間推移)レポート
(凡例)
○:出力できる。
△:一部の情報を出力できる。
-:出力できない。

次に,それぞれのレポートについて説明します。

注意
ホーム画面,リソース管理画面,レポート画面,jirmreportコマンドによって,割り当ての対象となるITリソースの条件や割り当てられているとして扱うITリソースの条件は,異なります。割り当てできるITリソースの条件および割り当てられているとして扱うITリソースの条件については,「付録I 割り当てできるITリソースの条件,および割り当てられているとして扱うITリソースの条件」を参照してください。
それぞれの画面については,次の個所を参照してください。
<この項の構成>
(1) リソース状態レポート
(2) イベントレポート
(3) 性能レポート
(4) 割り当てレポート
(5) 予約状況・予約実績一覧レポート
(6) リソース使用量レポート
(7) リソース使用量(時間推移)レポート

(1) リソース状態レポート

ITリソースごとに,稼働状況や性能情報に基づいたリソースの状態を表示できます。

現在のリソース状態,期間中のリソース状態,およびリソース状態ランキングが,レポート画面のレポート表示エリアに表示されます。

現在のリソース状態
不明,警告などITリソースの状態に分類して,ITリソースの件数を表示できます。
リソース状態レポートは,認証状態,性能などリソースの状態種別で分類されます。
分類レポートは,サーバ,ストレージなどのデバイス種別や,HITACHI,VMware,Inc.などのベンダで分類されます。

図2-50 レポート表示エリア-現在のリソース状態

[図データ]
期間中のリソース状態
指定した期間内で,ITリソースを利用できた期間,異常,警告などの割合が表示できます。
サーバ,ストレージなどのデバイスの種別や,HITACHI,VMware,Inc.などのベンダで分類されます。

図2-51 レポート表示エリア-期間中のリソース状態

[図データ]
リソース状態ランキング
指定した期間内で,リソースの状態の割合が多いホストを順に表示できます。リソースの状態は,異常,警告,または正常から選択できます。

図2-52 レポート表示エリア-リソース状態ランキング

[図データ]

(2) イベントレポート

イベントの件数や,エラーイベントが多いホストを表示できます。

イベント発生状況,およびイベント発生ランキングが,レポート画面のレポート表示エリアに表示されます。

イベント発生状況
指定した期間内に発生したイベントの件数が,エラー,警告,および正常の状態ごとに表示できます。
サーバ,ストレージなどのデバイスの種別や,HITACHI,VMware,Inc.などのベンダで分類されます。

図2-53 レポート表示エリア-イベント発生状況

[図データ]
イベント発生ランキング
指定した期間内で,イベント重要度の件数が多いホストを順に表示できます。イベント重要度は,エラー,重要,またはすべてから選択できます。

図2-54 レポート表示エリア-イベント発生ランキング

[図データ]

(3) 性能レポート

収集した性能情報を表示できます。

現在の性能状態,期間中の性能状態,および性能ランキングが,レポート画面のレポート表示エリアに表示されます。

現在の性能状態
不明,異常などITリソースの状態ごとにITリソースの件数が表示できます。
デバイスの種別や,HITACHI,VMware,Inc.などのベンダで分類されます。

図2-55 レポート表示エリア-現在の性能状態

[図データ]
期間中の性能状態
指定した期間内の性能状態が,異常,警告,および正常のITリソースの件数を表示できます。
デバイスの種別や,HITACHI,VMware,Inc.などのベンダで分類されます。

図2-56 レポート表示エリア-期間中の性能状態

[図データ]
性能ランキング
指定した期間内で,性能情報の値が高いホストを順に表示できます。
性能情報は,CPU使用率,メモリ使用率,ディスクI/O性能,FCインターフェース使用率,IPインターフェース使用率から選択できます。
なお,ITリソースの種類によって,累計値を取得できるものと瞬間値しか取得できないものがあります。このため,瞬間的に負荷が高いITリソースが,ランキングの上位に表示されることがあります。

図2-57 レポート表示エリア-性能ランキング

[図データ]

(4) 割り当てレポート

割り当てレポートでは,物理ホストおよび仮想ホストが割り当てられた実績および予定を表示できます。割り当てレポートの表示例を次の図に示します。

物理ホスト割り当て実績,物理ホスト割り当て予定などが,レポート画面のレポート表示エリアに表示されます。

物理ホスト割り当て実績1
指定した期間内で,総ホスト数,割り当て済みホスト数,CPU使用率,およびメモリ使用率の実績を,物理ホストの対象OSごとに表示できます。
CPU使用率およびメモリ使用率は,割り当て済みホストの使用率の平均値です。

図2-58 レポート表示エリア-物理ホスト割り当て実績

[図データ]
物理ホスト割り当て予定1
指定した期間内で,総ホスト数,および割り当て済みホスト数の予定を,物理ホストの対象OSごとに表示できます。

図2-59 レポート表示エリア-物理ホスト割り当て予定

[図データ]
仮想化ソフトウェア割り当て実績12
指定した期間内で,業務グループまたはリソースグループに属する仮想化ソフトウェアのリソースを,予約されている,または占有リソースグループに属する仮想ホストがどれくらい使用したか表示できます。総性能,割り当て性能,および使用率の実績を表示できます。
グラフに表示する性能情報は,CPUまたはメモリです。
総性能とは,業務グループに関連づけられたリソースグループに登録されている仮想化ソフトウェアのリソース量の合計です。
割り当て性能とは,総性能の対象となる仮想化ソフトウェア上で動作するすべての仮想ホストのリソース量のうち,予約されている,または占有リソースグループに属する仮想ホストの予約スペックの合計です。総性能の対象ではない仮想化ソフトウェア上で動作する仮想ホストは対象外です。
使用率とは,割り当て済み性能を1とした場合の仮想化ソフトウェアの使用率です。

図2-60 レポート表示エリア-仮想化ソフトウェア割り当て実績

[図データ]
仮想化ソフトウェア割り当て予定12
指定した期間内で,業務グループまたはリソースグループに属する仮想化ソフトウェアのリソースを,予約されている,または占有リソースグループに属する仮想ホストがどれくらい使用するか表示できます。総性能,および割り当て性能の量の予定を表示できます。
グラフに表示する性能情報は,CPUまたはメモリです。
総性能とは,業務グループに関連づけられたリソースグループに登録されている仮想化ソフトウェアのリソース量の合計です。
割り当て性能とは,総性能の対象となる仮想化ソフトウェア上で動作するすべての仮想ホストのリソース量のうち,予約されている,または占有リソースグループに属する仮想ホストの予約スペックの合計です。総性能の対象ではない仮想化ソフトウェア上で動作する仮想ホストは対象外です。

図2-61 レポート表示エリア-仮想化ソフトウェア割り当て予定

[図データ]
物理ホストCPU使用率ランキング3
指定した期間内で,物理ホストのCPU使用率の平均値を物理ホストのOSごとに表示できます。
CPU使用率の平均値は,上位または下位の順で表示できます。

図2-62 レポート表示エリア-物理ホストCPU使用率ランキング

[図データ]
物理ホストメモリ使用率ランキング3
指定した期間内で,物理ホストのメモリ使用率の平均値を物理ホストのOSごとに表示できます。
メモリ使用率の平均値は,上位または下位の順で表示できます。

図2-63 レポート表示エリア-物理ホストメモリ使用率ランキング

[図データ]
仮想化ソフトウェアCPU使用率ランキング3
指定した期間内で,仮想化ソフトウェアのCPU使用率の平均値を表示できます。
仮想化ソフトウェアのCPU使用率の平均値は,上位または下位の順で表示できます。

図2-64 レポート表示エリア-仮想化ソフトウェアCPU使用率ランキング

[図データ]
仮想化ソフトウェアメモリ使用率ランキング3
指定した期間内で,仮想化ソフトウェアのメモリ使用率の平均値を表示できます。
仮想化ソフトウェアのメモリ使用率の平均値は,上位または下位の順で表示できます。

図2-65 レポート表示エリア-仮想化ソフトウェアメモリ使用率ランキング

[図データ]
注※1
これらのレポートは,割り当て可否に関係なく,JP1/ITRMの管理対象となるすべてのITリソースが対象となります。ホーム画面およびリソース管理画面では,その時点で割り当てできるITリソースだけを対象に情報が表示されるため,これらのレポートの割り当ては,ホーム画面およびリソース管理画面とは扱いが異なります。
注※2
手動で仮想ホストを管理対象に設定した場合,どの仮想化ソフトウェア上で動作するかわからないため,JP1/ITRMが発見するまではレポートの対象外です。
注※3
リソースグループに登録され,さらにそのリソースグループが業務グループに関連づけられている物理ホストまたは仮想化ソフトウェアだけです。
リソースグループに登録されていない物理ホストまたは仮想化ソフトウェアはレポートに表示されません。また,リソースグループに登録されていても,業務グループに関連づけられていない物理ホストまたは仮想化ソフトウェアは,業務グループ単位でレポートを表示した場合に表示されません。ただし,現在関連づけを解除していても,指定したレポート表示期間中に業務グループと関連づけられていた場合はレポートに表示されます。

なお,割り当てレポートのうち,次のレポートはjirmreportコマンドでも出力できます。

詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」のjirmreportコマンドの説明を参照してください。

(5) 予約状況・予約実績一覧レポート

指定した期間より前に完了している予約や,指定した期間内に実行予定の予約などの情報が出力できます。予約IDごとに,開始日時,終了日時,状態,予約しているすべてのITリソースのスペックなどを確認できます。

予約状況・予約実績一覧レポートは,jirmreportコマンドで出力できます。詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

(6) リソース使用量レポート

ITリソースの使用量の履歴が出力できます。管理対象となっているすべてのITリソースが対象になります。ITリソースごとに,状態,CPU使用率,メモリ使用率,ディスク空き容量などを確認できます。

リソース使用量レポートは,jirmreportコマンドで出力できます。詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。

(7) リソース使用量(時間推移)レポート

管理状態である仮想化ソフトウェアおよび仮想ホストの性能履歴の一覧を,1時間ごとに過去31日間分出力できます。CPU使用率,メモリ使用率などを確認できます。

リソース使用量(時間推移)レポートは,jirmreportコマンドで出力できます。詳細については,マニュアル「JP1/IT Resource Management - Manager リファレンス」を参照してください。