SCVMMで設定する内容について説明します。
(a) 設定内容
SCVMMはWindows Server上で動作するため,次の内容をHyper-Vと同じように設定にしてください。
- 前提バージョン
詳細については,「付録E.3 仮想化環境管理ソフトウェア」を参照してください。
- WMIの動作環境の設定
詳細については,「6.2.7(1) WMIのインストール」を参照してください。
- OSのセキュリティの設定
詳細については,「6.2.7(3) OSのセキュリティの設定」を参照してください。
- ドメインの設定
SCVMMの管理サーバが属するドメインおよびITリソース管理サーバが属するドメインは,お互いドメイン認証できるようにしてください。設定例を次に示します。
- 信頼関係を結ぶドメインが参照しているDNSサーバで[DNS マネージャー]を起動する。
- [DNS マネージャー]のコンソールツリーの[条件付フォワーダー](Windows 2003の場合は[フォワーダ])を右クリックして,[新規条件付フォワーダー]を選択する。
- [新規条件付フォワーダー]で[DNS ドメイン]および[マスター サーバーの IP アドレス]に信頼先ドメインのDNSサーバを設定する。
- 信頼関係を結ぶドメインのドメインコントローラで[Active Directory ドメインと信頼関係]を起動する。
- [Active Directory ドメインと信頼関係]のコンソールツリーのドメイン名を右クリックして,[プロパティ]を選択する。
- [信頼]タブの[新しい信頼]ボタンをクリックして,[新しい信頼ウィザード]を起動して,ウィザードに従って,ドメインの信頼関係を結ぶ。
- メンテナンスモード
仮想化ソフトウェアがメンテナンスモードでないことを確認してください。
これらの条件,設定に加えて,SCVMMのVMMサーバとVMM管理者コンソールを同じ物理ホストにインストールしてください。
また,次の名称にシングルクォーテーション('),ダブルクォーテーション("),バッククォーテーション(`),およびドルマーク($)の記号を使用しないでください。
- フォルダ名
- ファイル名
- ライブラリ共有名
- 仮想ホストの名称
- 仮想ネットワーク名
- 仮想NIC名などのSCVMMやHyper-Vで設定できるすべての項目の名称
- SCVMM,SCVMMのライブラリサーバおよびHyper-Vのホスト名
- コンピュータ名
- ドメイン名
(b) Enable-PSRemotingの実行
SCVMMをインストールしたサーバが,JP1/ITRMからの要求を受け付けるようにするため,SCVMMをインストールしたサーバ上で次の操作を実施してください。
- スタートメニューから[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[PowerShell]を選択する。
- PowerShell上でEnable-PSRemotingを実行する。
Enable-PSRemotingの詳細については,Microsoftのホームページを参照してください。
(c) シェルの同時使用数を設定
管理対象のSCVMMサーバで,シェルの同時使用数を設定します。SCVMMをインストールしたサーバ上で次の操作を実施してください。
- スタートメニューから[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[PowerShell]を選択する。
- PowerShell上で次のコマンドを実行する。
Set-Item WSMan:¥localhost¥Shell¥MaxShellsPerUser xxx※
- 注※
- xxxは,JP1/ITRM - Managerで管理するVM数+JP1/ITRM - Manager以外でPowerShellを利用する場合の同時利用数を示します。
シェルの同時使用数を500件に設定する場合のコマンドの実行例を次に示します。
C:¥PS> Set-Item WSMan:¥localhost¥Shell¥MaxShellsPerUser 500
(d) ライブラリサーバ上の設定
ライブラリサーバを次のように設定してください。
- ライブラリサーバ上にFTPサーバを設置すること。
FTPの承認規則の設定では,次に示す内容を指定してください。
- コンテンツのアクセス許可
- 「すべてのユーザー」を指定してください。
- アクセス許可
- 読み取り属性および書き込み属性を与えてください。
- FTPサーバのパス
- FTPサーバのルート直下の「jp1itrm※」という名称の仮想ディレクトリに,ライブラリサーバ上の共有フォルダ(ライブラリ共有)の物理パスを指定してください。
- 注※
- 仮想ディレクトリの名称は,ユーザー設定プロパティファイルで変更できます。
- 指定キー名は,AD.FtpVirtualDirectoryName.Scvmmです。デフォルト値は, jp1itrmです。
- JP1/ITRM - Managerに使用させるライブラリ共有を指定すること。
ライブラリサーバ上の共有フォルダ(ライブラリ共有)の物理パスを,「jp1itrm※」という共有名で指定してください。
- 注※
- 共有名は,ユーザー設定プロパティファイルで変更できます。
- 指定キー名は,AD.libraryShareName.Scvmmです。デフォルト値は,jp1itrmです。
(e) 統合サービスをインストール
SCVMMおよびHyper-Vで管理する仮想ホストをシャットダウンするには,ゲストOS上にHyper-Vの統合サービスをインストールする必要があります。
(f) SCVMMの設定時の注意事項
管理対象のSCVMMサーバにSCVMMのセキュリティパッチ,ホットフィックス,ロールアップパッケージを適用する場合,パッチ適用後に管理下のライブラリサーバ,Hyper-Vサーバに対してSCVMM管理コンソールからエージェントの更新を実施してください。
エージェントの更新をしなかった場合,JP1/ITRM - Managerから該当するHyper-Vサーバ,ライブラリサーバを管理できなくなります。