JP1/NETM/DM Clientが出力するメッセージの言語環境として,言語種別と時刻(タイムゾーン)を設定します。これらは,環境変数LANGおよびTZに設定します。設定例を次に示します。
LANG=ja_JP.SJIS
TZ=JST-9
export LANG TZ
なお,この項目はOSがLinux以外の場合,デフォルトで日本語環境が設定されています。OSがLinuxの場合は,デフォルトで英語環境が設定されています。デフォルトとは異なる環境に変更する場合に設定してください。また,syslogへのメッセージ出力は英語で出力され,出力する言語を変更することはできません。
資源保管庫に格納できる1グループ当たりのパッケージ数は,環境変数MAXRSCに次のように設定します。
MAXRSC=グループ内のパッケージ数の上限
パッケージ数の上限は,256~5,000個の範囲で指定します。MAXRSCで値を指定しない場合は,1グループ当たりのパッケージ数の最大値に256個が仮定されます。
中継システムまたはエンドWSの場合,システム構成を自動登録するには,環境変数SYSCNSに次のように設定します。「export SYSCNS」などの記述は必要ありません。
SYSCNS=YES
サンプルファイルには「#SYSCNS=YES」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。
なお,次のどれかに該当する場合,この項目の設定は不要です。どれにも該当しない場合は設定することを推奨します。
中継システム,配布先システムのセットアップ後に自動登録を設定すると,システム構成は配布管理システムに通知されません。この場合,システム構成を自動登録するには,次の作業を実行してください。
配布管理システムへの処理結果の送信に失敗したとき,送信を再試行する回数を設定します。処理結果送信の再試行回数は,次のように設定します。「export SNDCNT」などの記述は必要ありません。なお,設定ファイルのWorkstationTypeに「CLIENT」を設定している場合,この項目は設定しないでください。
SNDCNT=処理結果送信の再試行回数
再試行回数は,0~9の範囲で指定します。指定を省略すると,送信が完了するまで再試行します。送信の再試行は,エンドWSの場合は1分間隔,それ以外の場合はJP1/NETM/DM Clientの設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で実施します。
再試行回数を超えると,KDDM0541-Wメッセージをsyslog,および基本機能のMAIN.LOGFログファイルに出力します。要因を取り除いたあと,以下のどちらかを実行してください。その場合の再試行も,1分間隔,またはJP1/NETM/DM Clientの設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で実施します。値に2以上を指定すると,試行回数となります。
組み込み日時に達したパッケージを監視する時間間隔を,環境変数GFAUTOに次のように設定します。「export GFAUTO」などの記述は必要ありません。
GFAUTO=監視時間間隔
監視時間間隔は,分単位で1~32,757の範囲で指定してください。指定を省略すると,日時指定組み込みの監視は実行されません。
設定した値はシステムの再起動後に有効になります。監視時間間隔を長く設定すると,指定された組み込み日時と実際に組み込まれる日時の差が大きくなりますので,注意してください。
ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバ起動失敗時リトライ回数,およびリトライ間隔を次のように指定します。
BINDRETRY=リトライ回数
BINDRETRYINTERVAL=リトライ間隔
リトライ回数は,1~256回の範囲で指定します。値を省略した場合は,20が仮定されます。リトライ間隔は,1~300秒の範囲で指定します。値を省略した場合は,60秒が仮定されます。
中継システムとクライアントの通信中の時間を監視します。この監視時間は,次のように指定します。
COMWAT=監視時間
監視時間は,0~2,147,483,647秒の範囲で指定します。値に0を指定すると,監視は行われません。値を省略した場合は,60秒が仮定されます。
JP1/NETM/DM Clientが標準出力へのメッセージ出力に失敗したときは,コンソールにメッセージを出力します。このメッセージを抑止するには,次のように指定します。
CONSOLEMSG=NO
サンプルファイルには「#CONSOLEMSG=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export CONSOLEMSG」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定されます。
この設定が未設定の場合,コンソールロックによりJP1/NETM/DM Clientの処理が滞る場合があるため,設定しておくことを推奨します。
設定している場合にも,基本機能のメッセージログファイルやsyslogファイルにメッセージの内容は出力されます。
保管庫へパッケージを保管時に,同一パッケージが保管済みの場合は「保管済み」をログ出力するには,次のように指定します。
KPMSG=YES
設定値がひな形で提供されていますので,この行をコメントとしている先頭の「#」を削除し,設定値を有効にしてください。「export KPMSG」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「NO」が仮定されます。
ソケットによるTCP/IP通信常駐サーバの機能停止を検出する時間を設定するには,次のように指定します。
SOCKETLOOP=検出時間
検出時間は300~65,535秒の範囲で指定します。値を省略した場合は,300秒が仮定されます。
上位システムを変更した場合でも,元の上位システムから受信した定期実行指令は,そのまま配布先システムに残ります。その場合にも,現在の上位システムから受信した定期実行指令だけが実行されるよう,設定されています。
どの上位システムから受信したかに関係なく,すべての定期実行指令を実行させるには,次のように指定します。
REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC=NO
サンプルファイルには「#REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export REGULARJOB_NOSERVER_NOEXEC」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定され,設定ファイルのManagingHostで指定した上位システムの定期実行指令だけを実行します。
クライアントWSの上位中継システムがVersion 7i以前のWindows版JP1/NETM/DM SubManagerの場合は,この設定項目に「YES」を指定できません。
デフォルトでは,次のパス名は資源登録および収集時に使用できません。
これらのパス名を使用できるようにするには,次のように指定します。
PROHIBITPATH=NO
サンプルファイルには「#PROHIBITPATH=NO」と記述されているので,先頭の「#」を削除して設定値を有効にしてください。「export PROHIBITPATH」などの記述は必要ありません。値を省略した場合は「YES」が仮定され,上記のパス名は資源登録および収集に使用できなくなります。
他社ソフトウェアを配布すると,インストール情報が他社ソフトウェアインストールログファイル(ISVSOFT.LOGF)に出力されます。このファイルのサイズは,次のように設定します。
MAXSIZE_ISV_LOGF=他社ソフトウェアインストールログファイルのサイズ
サイズは10,240~2,097,152キロバイトの範囲で指定します。指定を省略すると,10,240キロバイトが仮定されます。
ISVSOFT.LOGFファイルのサイズが設定値を超えると,既存の情報はバックアップファイルISVSOFT.LOGF.bakに出力され,新しい情報がISVSOFT.LOGFに出力されます。
JP1/NETM/DMでは,システム内の通信で使用する送信用と受信用のソケットバッファサイズをそれぞれ設定しています。送受信用ソケットバッファサイズの設定を解除するには,次のように指定します。
OSがAIXの場合,この設定は必ず設定してください。
設定の解除は,ご使用の環境で性能検証を実施して,性能劣化がないことを確認したあとで実施してください。なお,送受信用ソケットバッファサイズの設定には0(設定の解除)以外の値を指定しないでください。
送受信用ソケットバッファサイズのデフォルト値は,32,768バイトが設定されています。設定を解除した場合は,OSのデフォルト値に従います。HP-UX以外のデフォルト値は,次のチューニングパラメータに該当します。
OS | 用途 | チューニングパラメータ |
---|---|---|
Solaris | 送信用 | tcp_xmit_hiwat |
受信用 | tcp_recv_hiwat | |
AIX | 送信用 | tcp_sendspace |
受信用 | tcp_recvspace | |
Linux | 送信用 | /proc/sys/net/ipv4/tcp_wmem または/proc/sys/net/core/wmem_default |
受信用 | /proc/sys/net/ipv4/tcp_rmem または/proc/sys/net/core/rmem_default |
システム構成の自動登録機能で通知する自システムのホスト名を,次のように指定します。
DMHOSTNAME=ホスト名
ホスト名には,アドレス解決できるホスト名を指定してください。ホスト名は,半角の英数字,ハイフン,アンダーバー,およびピリオドを用いた32文字以内の文字列で指定します。指定を省略した場合や指定値が不正の場合は,hostnameコマンドで求められるホスト名が仮定されます。
この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。
システム構成の自動登録機能で通知する自システムのIPアドレスを次のように指定します。
DMIPADDR=IPアドレス
IPアドレスには,通信可能なIPアドレスを指定してください。
指定を省略したときは,次のように処理されます。
この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。
Windows版JP1/NETM/DM Managerでホスト識別子を使用する設定にした環境では,クライアントのホスト名,IPアドレスが重複しても,ホスト識別子を使用してジョブを中継できます。ホスト識別子を使用してジョブを中継するには,次のように指定します。
CLIENT_KEY=HOSTID
指定を省略すると,08-10より前のバージョンのJP1/NETM/DM SubManagerと同様に,クライアントのホスト名,IPアドレスが重複しない環境を前提として,ホスト名またはIPアドレスを使用してジョブを中継します。新規にJP1/NETM/DM Clientを導入する場合は,この項目を設定してください。既存環境でホスト識別子を使用する設定にした場合は,必ずrdssysmigコマンドを実行して,中継システム上のシステム構成を移行してください。
この設定は,実行中の指令がないことを確認してから変更してください。
システム構成からクライアントを削除するときに,中継システムにある削除対象のクライアントあての指令を削除できます。削除対象のクライアントあての指令を削除するには,次のように指定します。
CLIENT_CMD=DELETE
指定を省略すると,削除対象のクライアントあての指令を削除しません。
rdsregularプロセスの生存確認を行う時間間隔を次のように指定します。
PROCESSCHKINTERVAL=監視時間間隔
監視時間間隔は,秒単位で0~65,535の範囲で指定します。0を指定すると,rdsregularプロセスの監視は行われません。値を省略した場合は,10秒が仮定されます。監視間隔には,10秒の誤差があります。
下位システム起動時に,JP1/NETM/DMのシステム構成を使用してアドレス解決するには,次のように指定します。この場合,OSによるアドレス解決は行いません。
RESOLVE_BY_SYSCNS=YES
指定を省略すると,OSによりアドレス解決します。この場合,JP1/NETM/DMのシステム構成によるアドレス解決は行いません。
下位システムから通知ファイルを受信した時点で,上位システムに送信するには,次のように指定します。指令の実行結果をすぐに確認したい場合に指定してください。
SEND_RESULT=IMMEDIATE
指定を省略した場合や,本指定による送信に失敗した場合は,設定ファイルのWatchTimeofStatusに指定した時間間隔で定期送信します。
システムの変更を検知し,システム情報およびソフトウェア情報を上位システムに自動通知するには,次のように指定します。
REALTIME_INVENTORY=YES
指定を省略した場合は「NO」が仮定され,システムの変更を検知しません。
この指定を「YES」にする場合は,あわせて次の指定をする必要があります。
EnableMultiServer NO
SYSCNS=YES
FILESET_MANAGEMENT=YES (AIXの場合だけ)
AIXで,ソフトウェア情報の他社ソフトウェアをファイルセット単位で通知するには,次のように指定します。
FILESET_MANAGEMENT=YES
指定を省略した場合は「NO」が仮定され,パッケージ単位で通知します。この指定は,AIXの場合だけ有効です。
この指定を変更すると,ファイルセットとパッケージの情報が混在します。混在させたくない場合は,配布管理システム上のソフトウェア情報を削除してから,設定を変更してください。
システム構成を自動登録する際,システム情報およびソフトウェア情報も上位システムに通知するには,次のように指定します。
INVENTORY_UPLOAD=YES
指定を省略した場合は「NO」が仮定され,システム情報およびソフトウェア情報を通知しません。また,REALTIME_INVENTORYが「YES」の場合,この指定は無視されます。
この指定を「YES」にする場合は,あわせて次の指定をする必要があります。
EnableMultiServer NO
SYSCNS=YES
メッセージ通知ジョブで配布されたメッセージの言語種別を,次のように指定します。
MSG_REPORT_LANG=ja_JP.UTF-8
指定を省略した場合は,OSの定義ファイルの環境変数LANGの値が仮定されます。
この指定は,Linuxの場合だけ有効です。
メッセージ通知ジョブで配布されたメッセージを表示するメッセージダイアログの起動間隔を,次のように指定します。
MSG_DISPLAY_INTERVAL=メッセージダイアログの起動間隔
起動間隔は,秒単位で0~2,147,483,647の範囲で指定します。値を省略した場合は,5秒が仮定されます。
この指定は,Linuxの場合だけ有効です。
パッケージ名などのパッケージ情報には日本語を入力できます。このため,配布管理システムおよび配布先システムと言語環境が異なる場合でもパッケージ名などが文字化けしないように資源登録システム,配布先システムで次のように指定します。
CONVERT_CHARSET=SJIS
この指定は次の場合に有効です。
この機能で変換される項目は次のとおりです。
パッケージング時,次のパッケージ情報を資源登録システムの言語環境からシフトJISコードに変換します。
資源配布時,次のパッケージ情報をシフトJISコードから配布先システムの言語環境に変換します。
収集属性の登録時,次の収集資源情報を資源登録システムの言語環境からシフトJISコードに変換します。
資源収集時,次の収集資源情報をシフトJISコードから配布先システムの言語環境に変換します。
また,次の収集資源情報は配布先システムの言語環境からシフトJISコードに変換します。
この指定を省略した場合,日本語入力可能なパッケージ属性情報および収集属性情報の変換は行われません。
この機能はJP1/NETM/DM Client 09-50以降でのみサポートしています。
JP1/NETM/DM Clientの処理で使用する作業用一時ディレクトリのパス名を変更する場合は,次のように指定します。
DMTMPDIR=作業用一時ディレクトリのパス名
作業用一時ディレクトリのパス名には,空白を除く半角英数字を128文字まで指定することができます。指定を省略した場合や存在しないディレクトリを指定した場合,次のディレクトリが仮定されます。
この設定はJP1/NETM/DM Client 09-50-03以降でのみサポートしています。09-50-02以前のバージョンでは,作業用一時ディレクトリとして/tmpを使用します。
システム起動時組み込み,およびシステム停止時組み込みの処理に時間がかかることでOSの起動および停止が遅延することを回避するために,システム起動時およびシステム停止時組み込みを強制停止することができます。システム起動時組み込みおよびシステム停止時組み込みを強制停止するには,強制停止までの時間を次のように指定します。
FORCESTOP_WAITTIME=強制停止待ち時間
強制停止待ち時間は,分単位で0~1440の範囲で指定してください。0分を指定すると,強制停止は行われません。指定を省略した場合や指定値が不正の場合は0分が仮定され,強制停止は行われません。
強制停止が行われた場合,画面上にプロセスを強制停止したことを知らせるメッセージが表示されることがあります。
この設定はJP1/NETM/DM Client 09-50-03以降でのみサポートしています。