ここでは,Microsoft Office Project 2003用のテンプレートを例として,テンプレートをカスタマイズする手順を説明します。なお,カスタマイズするときに変更が必要な個所には,コメントとして「以下の定義(処理)を変更して利用してください」と記述されています。変更個所を探す際の目安にしてください。
下記の四つのプロパティの値を変更する手順を次に示します。
テンプレートでは,これらのプロパティを設定する処理は,MAINセクションにコメントとして書かれています。そのため,プロパティを変更する場合は,該当個所のコメントを表す記号を削除する必要があります。プロパティの値は,パッケージ情報ツールを使って,JP1/NETM/DMのグローバル変数に定義します。
プロパティを変更する場合の手順を次に説明します。
テンプレートでは,MSIファイルと同じディレクトリにある,TransformList.mstという名称のファイルをトランスフォームとして利用するように定義されています。トランスフォームの設定を変更したい場合は,次のようにしてください。
(1),(2)の変更以外に,コマンドラインに指定するオプションやプロパティを追加・変更したい場合は,DEFINEセクションおよびMAINセクションを変更して,実行したいコマンドラインを定義してください。
テンプレートをカスタマイズしてほかのソフトウェアをインストールするためのAITファイルを作成する場合は,インストールするソフトウェアのパッケージ情報をテンプレートのPACKAGE_INFOセクションに指定します。PACKAGE_INFOセクションを変更するには,パッケージ情報ツールを使用すると便利です。パッケージ情報ツールの使用方法については,「2.5 PACKAGE_INFOセクションを生成する」を参照してください。
Windows Installerに対応したソフトウェアの場合,「インストールプログラム名」にはMSIファイルの名称を指定します。パッケージングするディレクトリからの相対パスで指定してください。
MSIEXECコマンドのコマンドラインに指定するオプションやプロパティは,インストールするソフトウェアによって異なります。そのソフトウェアのコマンドラインに合わせて,DEFINEセクションやMAINセクションに変更を加えてください。また,トランスフォームのファイル名や格納ディレクトリについても,インストールするソフトウェアに合わせて変更してください。
AITファイル中でMSIEXECコマンドを使う場合は,DMPWINISコマンドの引数にMSIEXECコマンドのコマンドラインを指定してください。DMPWINISコマンドの使用例を次に示します。
図E-5 DMPWINISコマンドの使用例
インストールの実行結果(成功/失敗)はDMPWINISコマンドが取得し,クライアントに結果を通知します。インストールが成功すると0が,失敗すると0以外の値が通知されます。AITファイル中に実行結果を通知する処理を記述する必要はありません。ただし,DMPWINISコマンドの起動成功/失敗は,AITファイルで結果を通知してください。
AITファイルでDMPWINISコマンドを使っている場合,AITファイル中のAIT_PostMessageを使って送信する結果通知コードには,16進数で01~29またはD0~FFを使用してください。これ以外の値は,JP1/NETM/DMが予約しています。