4.19 dcmrtry.exe(ジョブの再実行)
(1) 機能
配布管理システムで,パラメタファイルに指定されたジョブを再実行します。
(2) 形式
dcmrtry.exe [再実行対象キー]
/i パラメタファイル名 /o 結果出力ファイル名
[/LC {ON|OFF}]
(3) 引数
- 再実行対象キー
再実行するジョブの実行状態を指定します。キーは,コマンド名の直後に指定してください。「ERROR」,「WAIT」,および「PENDING」は,任意に組み合わせて指定できます。組み合わせて指定する場合は,キーとキーの間をスペースで区切ってください。省略した場合は「ERROR」が仮定されます。
- ERROR
エラーになったジョブを再実行します。
- WAIT
実行待ちのジョブを再実行します。
- PENDING
一時的に通信エラーになったジョブを再実行します。
- /i
パラメタファイルのフルパスを指定してください。
dcmcollコマンド(/s指定なし),dcminstコマンド(/s指定なし),dcmjexeコマンド,またはdcmsuspコマンド(/s指定なし)の結果出力ファイルを,パラメタファイルとして使用することもできます。
- /o
結果出力ファイルのフルパスを指定してください。コマンドが正常終了すると,結果出力ファイルには指定したパラメタファイルと同じ内容が出力されます。
- /LC
タスクスケジューラやJP1/AJSを使用してコマンドをバックグラウンドサービスとして実行している場合にWindowsをログオフしても,コマンド処理を継続するかどうかを「ON」または「OFF」で指定します。
- ON
Windowsをログオフしても,コマンド処理を継続します。
- OFF
Windowsをログオフすると,コマンド処理を強制終了します。
この引数は,次に示すOSでコマンドをサービスから実行した場合に,有効となります。
- Windows NT 4.0
- Windows 2000
- Windows XP
- Windows Server 2003(Windows Server 2003 (IPF)を除く)
コマンドプロンプトからコマンドを実行する場合は,フォアグラウンドプログラムとして実行されるため,「/LC ON」を指定しないでください。
Windowsをログオフしてもコマンド処理を継続するかどうかは,レジストリでも設定できます。レジストリでの設定については,次の個所を参照してください。
- JP1/NETM/DM Managerで実行する場合
マニュアル「構築ガイド」の「4.6 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Manager)」
- JP1/NETM/DM Client(中継システム)で実行する場合
マニュアル「構築ガイド」の「5.4 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Client(中継システム))」
なお,/LCでの指定と,レジストリでの設定の組み合わせで,動作が異なります。詳細については,「4.28 レジストリ設定とログオフオプションによるログオフ時のコマンドの動作」を参照してください。
(4) パラメタファイルの指定内容
dcmrtryコマンドでのパラメタファイルの指定内容を次の表に示します。このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は,コマンドの引数で指定することはできません。
表4-18 パラメタファイルの指定内容(dcmrtryコマンド)
パラメタファイルの指定内容 | 内容 | 指定の有無 | コマンドの引数 |
---|
タグ | パラメタ |
---|
JOB_ATTRIBUTE | job_generator | ジョブ名称 | × | - |
jobno | ジョブ番号 | ◎ | - |
job_folder | ジョブ格納フォルダパス | × | - |
unsuspended | 中断中の配布の有無 | × | - |
- (凡例)
- ◎:必ず指定する ×:不要(指定しても無視される)
- -:コマンドの引数では指定できない
(5) リターンコード
dcmrtryコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード | 意味 | 対処 |
---|
0 | ジョブの再実行が開始された。 | なし。 |
1 | パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式が不正。 | パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。 |
2 | パラメタファイルに不正な値が指定されている。 | パラメタファイルの値を確認してください。 |
3 | 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 | 配布管理システムのバージョンを確認してください。 |
4 | 結果出力ファイルをオープンできない。 | 結果出力ファイルの指定を確認してください。 |
5 | クライアント,配布管理システム間の通信に失敗した。 | 配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。 |
12 | そのほかのエラーが発生した。 | イベントログを参照してください。 |
また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。
(6) 注意事項
- パラメタファイルには,dcmcollコマンド(/s指定なし),dcminstコマンド(/s指定なし),dcmjexeコマンド,またはdcmsuspコマンド(/s指定なし)の結果出力ファイルに出力されたジョブ番号を指定してください。
- 再実行するジョブのジョブ番号が不明な場合,dcmrtryコマンドは実行できません。配布管理システムの[ジョブ実行状況]ウィンドウで,該当するジョブ名のジョブを再実行してください。
- IDジョブの場合は,すでに待機中となっているID管理中継に対しても再実行要求を行い,ID管理中継では,再実行対象キーの指定に関わらずクライアントの実行結果からエラーとなっているクライアントへの再実行指示を,実行されていないクライアントへはジョブの受信を促します。
- 削除中のジョブについては再実行されません。
(7) 実行例
dcminstコマンドで実行したジョブのうち,実行待ちまたはエラーになったジョブを再実行する例を次に示します。
(a) パラメタファイルの作成
dcminstコマンドの結果出力ファイルに出力されたジョブ番号を,次のようにパラメタファイルに指定します。
なお,dcminstコマンドの結果出力ファイルが保存されている場合は,このファイルをパラメタファイルとして指定できます。
JOB_ATTRIBUTE{
job_generator= NETM_INSTALL_2003_12_11_13_34_36
jobno= JB03121113315383
job_folder= ¥
}
(b) コマンドの実行
dcminstコマンドを実行したときの,結果出力ファイルがC:¥Dmbat¥out.txtに保存されている場合,コマンドは次のように指定してください。
dcmrtry.exe WAIT ERROR /i C:¥Dmbat¥out.txt /o C:¥temp¥retryout.txt