付録C.4 サポートする機能一覧

クライアントのマシンがPDAの場合,JP1/NETM/DM Clientで収集できる情報やJP1/NETM/DM Clientで使用できる機能に制限があります。ここでは,Windows CE版JP1/NETM/DM Clientで使用できる機能,およびWindows CE版JP1/NETM/DM ClientをインストールしたPDAに対して上位システムから実行できる機能について説明します。

次の機能は使用できません。

<この項の構成>
(1) Windows CE版JP1/NETM/DM Clientで使用できる機能
(2) 上位システムから実行できる機能
(3) 取得できるシステム情報
(4) ドライブ文字の指定方法

(1) Windows CE版JP1/NETM/DM Clientで使用できる機能

JP1/NETM/DM Clientの機能のうち,Windows CE版JP1/NETM/DM Clientで使用できる機能を表C-1~表C-3に示します。

表C-1 クライアント基本機能

機能名項目内容使用の可否
システム構成情報運用キーホスト名の運用
IPアドレスの運用
ホスト識別子の運用
システム構成の自動登録新規インストール時のシステム構成自動登録
設定変更時のシステム構成自動登録
システム構成の削除
ネットワーク関連接続形態LAN
WAN×
自動ダイヤリング×
ポーリング
形態
手動ポーリング
定期ポーリング(起動時1回)×
定期ポーリング(一定間隔)×
定期ポーリング(1日1回設定時刻)×
定期ポーリング(1日1回起動時)×
マルチポーリングホットスタンバイ(障害時に待機の中継システムに切り替え)
マルチホスト(複数の中継システムへのポーリング)
接続対象JP1/NETM/DM Manager(PC)
JP1/NETM/DM SubManager(PC)
JP1/NETM/DM Manager(UNIX)×
JP1/NETM/DM SubManager(UNIX)×
サーバからの
起動要求
TCPプロトコルによる起動要求×
UDPプロトコルによる起動要求×
複数LAN接続対応ネットワークアダプタが複数存在する環境での運用×
接続先の自動設定実行要求の送信による接続先の自動設定×
上位接続先情報ファイル(dmhost.txt)による接続先の自動設定×
IDID登録(GUI)ユーザによるIDへの登録×
IDジョブIDジョブの実行制御
クライアント制御常駐/非常駐切替クライアントが常駐する/しないの切り替え×
ジョブ制御ユーザ主導によるジョブ実行(GUI)
ユーザによるジョブの保留・キャンセル×
インベントリ情報の自動通知更新されたインベントリ情報の上位システムへの自動通知×
クライアントの起動・終了クライアントマネージャ(GUI)によるクライアントの起動・終了×
スタートアップ移行[スタートアップ]グループのプログラムを[NETM_DM_Pスタートアップ]フォルダに移動×
一般ユーザ権限一般ユーザ権限でのクライアント操作×
PCの再起動インストール後のクライアントPCの自動再起動×
差分通知の抑止ジョブのインストール/収集待ち通知の抑止×
クライアント制御クライアント制御によるリモート起動とシャットダウン×
障害関連ログ出力ログファイル
イベントビューア×
リトライ処理接続時,通信エラー時のリトライ
ジョブ実行失敗の場合のリトライ×
未送信通知ファイルの送信×
ダンプ機能プロトコルダンプ
デスクトップ関連処理中ダイアログ処理中ダイアログの表示
ダイアログのカスタマイズ×
サーバ主導の処理中ダイアログの表示×
バックアップ/リストアバックアップリモートインストール前に旧バージョンをバックアップ×
リストアバックアップした旧バージョンをリストア×
配布方法分割配布分割されたパッケージの受信×
マルチキャスト配布マルチキャスト配布されたジョブの受信×
圧縮圧縮方式互換モード圧縮圧縮×
解凍×
高圧縮圧縮×
解凍
ジョブの中断・再開中断ジョブの中断×
再開ジョブの再開×
中断中の配布中断中のジョブ配布×
システム監視とアラート通知システム監視ハードウェアの異常を監視×
アラート通知ハードウェアの異常を上位システムに通知×
ローカルシステムビューアクライアント情報の表示とシステム監視の条件設定×

(凡例)○:使用できる ×:使用できない

注※
Windows CE版JP1/NETM/DM Clientの場合のマルチポーリングは,ポーリングのしかたがJP1/NETM/DM Clientとは異なります。詳細については,「付録C.8 Windows CE版JP1/NETM/DM Clientでのマルチポーリング」を参照してください。
 

表C-2 インストールとセットアップ

機能名項目内容使用の可否
インストールInstallShieldInstallShieldスクリプトによるインストール制御×
コンポーネントのインストールクライアントのインストール対象ファイルをコピー
サブコンポーネントサブコンポーネント単位のインストール×
システム構成の自動登録インストール終了時にシステム構成を自動登録
アンインストールコンポーネントインストールしたファイルを削除
サブコンポーネントサブコンポーネント単位のアンインストール×
システム構成の削除通知アンインストール開始時にシステム構成の削除通知を発行
セットアップセットアップ上位接続先の設定
詳細設定
セットアップの保護パスワードによるセットアップ情報の保護×

(凡例)○:使用できる ×:使用できない


 

表C-3 コマンド

機能名内容使用の可否
バックアップファイルの確認dmpbklstコマンド×
バックアップファイルの削除dmpbkdelコマンド×
リストアの再試行dmprcvryコマンド×

(凡例)×:使用できない


(2) 上位システムから実行できる機能

Windows CE版JP1/NETM/DM ClientをインストールしたPDAに対して,上位システムから実行できる機能について表C-4~表C-7に示します。

なお,Windows CE版JP1/NETM/DM Client用にパッケージを作成する場合,Windows版のバージョン07-00以降のパッケージャを使用してください。

表C-4 ソフトウェアの配布機能(リモートインストール)

機能名項目内容使用の可否
PUSH型リモートインストールサーバ主導によるリモートインストール×
ユーザ主導(ポーリング)によるリモートインストール
オフラインインストールネットワークを介さないインストール×
PULL型クライアントインストールパッケージセットアップマネージャ(GUI)×
インストール
方法
自動×
手動×
配布設定システム条件上書インストールの可否
ハードディスクの空き容量×
CPU種別×
コプロセッサ有無×
実メモリ容量×
ユーザ利用可能メモリ容量×
GDIシステムリソース容量×
OSバージョン×
ドライブ(A~Z)×
ドライブ(1~9)
ディレクトリ1
ソフトウェア
条件
指定パッケージのインストール状態×
指定パッケージのバージョンチェック×
アイコン作成アイコン,ショートカットの作成×
外部プログラム起動2インストール直前に起動パスの指定
外部プログラム用詳細設定外部プログラムの時間監視
外部プログラムの処理結果の取得
処理結果エラー時の取り扱い
インストール直後に起動パスの指定
外部プログラム用詳細設定外部プログラムの時間監視
外部プログラムの処理結果の取得
処理結果エラー時の取り扱い
インストールエラー時に起動×
外部プログラム監視時間
パッケージ種別日立プログラムプロダクト(標準仕様)×
日立プログラムプロダクト(Groupmax関連)×
日立プログラムプロダクト(InstallShield対応)×
日立プログラムプロダクト(クライアント自身の配布)
日立プログラムプロダクト(OpenTP1)×
差分パッケージ×
他社ソフトウェア×
ユーザデータ
インストール方法3GUIインストールモード×
バックグラウンドインストールモード×
インストールタイミング通常インストール
システム起動時インストール×
システム停止時インストール×
インストール日時指定日時のインストール実行×

(凡例)○:使用できる ×:使用できない


注※1
インストール先ディレクトリのパスの合計は半角64文字以内です。
注※2
外部プログラムのパスを指定する場合,次に示す注意事項があります。
  • 指定できるパスの長さには次の制限があります。パスの長さは,パスと引数の合計になります。
    インストール直前の
    外部プログラム
    インストール直後の外部プログラム
    ありなし
    あり直後+直前のパスの合計が半角62文字以内半角60文字以内
    なし半角64文字以内パスの指定は不要
  • パッケージャまたはリモートインストールマネージャから外部プログラムのパスを指定する場合は,パスの長さがチェックされません。
  • Windows CE版JP1/NETM/DM Client用にパッケージを作成し,かつ外部プログラムのパスに仮想ドライブ文字(例:1:¥)を使う場合は,外部プログラムのパス全体を「"」で囲んでください。
(例)
"1:¥temp¥abc.exe"
"1:¥temp¥abc.exe" /引数(ユーザ指定)
注※3
指定しても無視されます。「バックグラウンドインストールモード」が仮定されます。

 

表C-5 インベントリ情報の管理機能

機能名項目内容使用の可否
ハードウェアインベントリシステム情報すべてのハードウェア情報の取得
変更部分のハードウェア情報だけ取得×
レジストリ収集レジストリ収集項目の転送×
レジストリ情報の送信×
ユーザインベントリユーザ情報設定ユーザ情報設定ダイアログ(GUI)×
ユーザ情報取得ユーザ情報設定項目の転送×
ユーザ情報の送信×
ソフトウェア情報JP1/NETM/DMでインストールしたソフトウェアを検索JP1/NETM/DMによって配布されたソフトウェアの検索×
すべてのソフトウェアを検索デフォルトリストによる検索×
ユーザ指定の検索リストによる検索×
検索対象ディレクトリの指定×
適用されているパッチの情報,および適用されていないパッチの情報の取得×
「アプリケーションの追加と削除」のソフトウェアを検索[アプリケーションの追加と削除]または[プログラムの追加と削除]で表示されるソフトウェアだけの検索×
ファイルを検索検索対象ディレクトリ/ファイルの指定×
検索除外ディレクトリ/ファイルの指定×
全検索結果の通知×
検索結果の差分通知×
ソフトウェア情報管理配布パッケージの管理
ソフトウェア検索結果の管理×
ファイル検索結果の管理×
Microsoft Office製品とウィルス対策製品の管理×
実行制御実行間隔毎日実行×
毎週実行×
毎月実行×
実行日時実行日時の指定×
実行タイミングシステム稼働中実行
システム起動時実行×
システム停止時実行×
情報収集方法オフラインマシンからのインベントリ取得×

(凡例)○:使用できる ×:使用できない

注※
システム情報として取得できる情報については,「(3) 取得できるシステム情報」を参照してください。

 

表C-6 ファイル収集機能(リモートコレクト)

機能名項目内容使用の可否
リモートコレクト収集対象1リモートコレクトの対象として設定したファイルまたはディレクトリ
収集ファイル格納ディレクトリリモートコレクトしたファイルをどのディレクトリに格納するかを指定
収集タイミング2クライアント稼働中×
クライアント起動時×
圧縮指定3圧縮有無×
クライアントでの外部プログラム起動4収集直前
収集直後
収集エラー時×
許可リモートコレクト許可サーバの設定×

(凡例)○:使用できる ×:使用できない


注※1
収集対象のパスを指定する場合は,次の点に注意してください。
  • パッケージャまたはリモートインストールマネージャから外部プログラムのパスを指定する場合は,パスの長さがチェックされません。
  • 指定できるパスの長さは半角63文字以内です。64文字以上を指定した場合は先頭から63文字が有効となります。
  • 収集対象ファイルまたはディレクトリは一つだけ指定できます。複数指定した場合,先頭の指定だけ有効になります。
注※2
指定しても無視されます。「クライアント稼働中」が仮定されます。
注※3
指定しても無視されます。「圧縮なし」が仮定されます。
注※4
外部プログラムのパスを指定する場合は,次の点に注意してください。
  • パスの長さは,パスと引数の合計になります。収集前および収集後共に半角63文字以内で指定してください。
  • パッケージャまたはリモートインストールマネージャから外部プログラムのパスを指定する場合は,パスの長さがチェックされません。
  • Windows CE版JP1/NETM/DM Client用にパッケージを作成し,かつ外部プログラムのパスに仮想ドライブ文字(例:1:¥)を使う場合は,外部プログラムのパス全体を「"」で囲んでください。
(例)
"1:¥temp¥abc.exe"
"1:¥temp¥abc.exe" /引数(ユーザ指定)

 

表C-7 クライアントの管理機能

機能名内容使用の可否
クライアントへのメッセージ通知管理者からクライアントへメッセージを通知する×
ソフトウェアの稼働状況の監視ソフトウェアの稼働監視×

(凡例)×:使用できない


(3) 取得できるシステム情報

Windows CE版JP1/NETM/DM ClientをインストールしたPDAから取得できるシステム情報を,次の表に示します。

表C-8 Windows CE版JP1/NETM/DM Clientから取得できるシステム情報

取得できるシステム情報取得の可否
クライアントバージョン
コンピュータ名
マシン種別×
OS
OSファミリー名×
OSバージョン
OSサブバージョン×
OSビルド番号/OSパッチ情報
OSライセンス情報×
WMI×
Windows Installer×
MBSA×
Windows Update Agent×
ドメイン種別×
会社名
所有者名
CPUタイプ
コプロセッサ
CPUクロック数×
プロセッサ数
実メモリ容量1
利用可能ユーザメモリ容量2
利用可能システムリソース容量×
製造元×
モデル×
ドライブの種類×
空きハードディスク容量
全ディスク容量
ビデオドライバ×
ビデオチップ×
VRAM容量×
画面情報
ネットワークアダプタ×
サブネットマスク×
デフォルトルータアドレス×
MACアドレス×
コンピュータの説明×
インターネットエクスプローラバージョン×
IEパッチ情報×
ドメイン/ワークグループ×
ログオンユーザ名×
ユーザフルネーム×
ユーザの説明×
OSシリアルナンバー×
ロケール
OSの言語
現在のタイムゾーン
OSインストール日時×
最終起動日時×
ブートデバイス×
Windowsディレクトリ×
システムディレクトリ×
CPU外部クロック数×
メモリスロットの容量×
物理メモリの空き容量×
仮想メモリの全容量×
仮想メモリの空き容量×
ページファイルの容量×
マシンUUID×
マシンシリアルナンバー×
BIOS製造元×
BIOSリリース日時×
BIOSバージョン×
BIOSバージョン(SMBIOS)×
AMTファームウェアバージョン×
プライマリバス種別×
セカンダリバス種別×
キーボード×
マウス×
マウスのボタン数×
ファイルシステム×
ハードディスクのモデル×
ハードディスクの容量×
ハードディスクのインターフェース×
ハードディスクのパーティション数×
CD-ROMドライブ×
モニタ種別×
サウンドカード製造元×
サウンドカード製品名×
IPアドレス
プライマリDNSサーバアドレス×
セカンダリDNSサーバアドレス×
DHCP×
DHCPサーバアドレス×
DHCPリース期限日時×
DHCPリース取得日時×
WINSサーバアドレス×
プリンタ名×
プリンタドライバ×
プリンタ用紙サイズ×
プリンタ種別×
プリンタ共有名×
プリンタサーバ名×
プリンタポート×
モニタの電源を切る(AC)×
モニタの電源を切る(DC)×
プロセッサ調整(AC)×
プロセッサ調整(DC)×
ハードディスクの電源を切る(AC)×
ハードディスクの電源を切る(DC)×
システムスタンバイ/スリープ(AC)×
システムスタンバイ/スリープ(DC)×
システム休止状態(AC)×
システム休止状態(DC)×

(凡例)○:取得できる ×:取得できない

注※1
リモートインストールマネージャのシステム情報に表示される実メモリ容量は,NPD-20JWLのプログラム実行用メモリの値です。プログラム実行用メモリの値は,プログラム切り替えボタンから[設定]-[コントロールパネル]を選択し,[システム]の[メモリ]を選択して表示される画面で確認できます。
注※2
リモートインストールマネージャのシステム情報に表示される利用可能ユーザメモリ容量は,実メモリ容量中でユーザが実際に利用できる値が表示されます。

(4) ドライブ文字の指定方法

Windows CEには,「C:」「D:」など,英字のドライブ文字の概念がありません。したがって,外部記憶装置に対応するドライブにデータをインストールするには,JP1/NETM/DMで使用している「1:」,「2:」などの仮のドライブ文字を使用してください。

次にWindows CEでのドライブの指定方法を示します。

(a) 仮のドライブ文字を指定する方法

Windows CEのクライアントでは,仮のドライブ文字を指定すると次のように認識されます。

仮の
ドライブ文字
Windows CEでのディレクトリ表示されるディレクトリ名
1:オブジェクトストア¥
2:マルチメディアカードまたはSDカードMMC_SD Card
3:PCカードまたはCFカードメモリ カード
注※
NPD-20JWLでは,マルチメディアカードおよびSDカードのスロットが共通のため,どちらか一つを使用できます。また,PCカードとCFカードも,どちらか一つを使用できます。

通常,NPD-20JWLにマルチメディアカードまたはSDカードを差し込むと,「MMC_SD Card」の名称でディレクトリが作成されます。しかし,NPD-20JWLの利用者がすでに「MMC_SD Card」というディレクトリを作成したあとにマルチメディアカードまたはSDカードを差し込んだ場合,名称が「MMC_SD Card」にならないことがあります。このような場合は,上の表のとおりに認識されないことがあります。