4.16 dcmpkput.exe(パッケージのバックアップからの復元)
(1) 機能
バックアップファイルからパッケージを復元し,指定したキャビネットに保管します。
(2) 形式
dcmpkput.exe [/C キャビネット識別ID] /i 入力先ディレクトリ
[/of 入力ファイル名] [/f] [/LC {ON|OFF}]
(3) 引数
- /C
バックアップから復元したパッケージを保管するキャビネットの識別IDを指定します。指定したキャビネットが存在しない場合は,自動的に作成されます。キャビネット識別IDを指定しない場合は,元のキャビネットに保管されます。
- /i
dcmpkgetコマンドで指定した出力先ディレクトリのフルパスを指定します。入力先ディレクトリにネットワークドライブは指定できません。
- /of
dcmpkgetコマンドで作成したバックアップファイル名を指定します。/ofにはワイルドカード(*)が使用できます。省略すると「dcmpkget」で始まるすべてのバックアップファイルを対象にします。
/iで指定したディレクトリに,複数のバックアップファイルが存在している場合,以下のような指定方法で,ディレクトリ下のすべてのバックアップファイルを指定することもできます。
dcmpkput.exe /i C:¥temp¥pkg /of *
- /f
指定したキャビネットに同じパッケージがあった場合に上書きします。この引数を指定しない場合は,上書きしないで,リターンコード5を返します。
- /LC
タスクスケジューラやJP1/AJSを使用してコマンドをバックグラウンドサービスとして実行している場合にWindowsをログオフしても,コマンド処理を継続するかどうかを「ON」または「OFF」で指定します。
- ON
Windowsをログオフしても,コマンド処理を継続します。
- OFF
Windowsをログオフすると,コマンド処理を強制終了します。
この引数は,次に示すOSでコマンドをサービスから実行した場合に,有効となります。
- Windows NT 4.0
- Windows 2000
- Windows XP
- Windows Server 2003(Windows Server 2003 (IPF)を除く)
コマンドプロンプトからコマンドを実行する場合は,フォアグラウンドプログラムとして実行されるため,「/LC ON」を指定しないでください。
Windowsをログオフしてもコマンド処理を継続するかどうかは,レジストリでも設定できます。レジストリでの設定については,次の個所を参照してください。
- JP1/NETM/DM Managerで実行する場合
マニュアル「構築ガイド」の「4.6 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Manager)」
- JP1/NETM/DM Client(中継システム)で実行する場合
マニュアル「構築ガイド」の「5.4 レジストリの設定(JP1/NETM/DM Client(中継システム))」
なお,/LCでの指定と,レジストリでの設定の組み合わせで,動作が異なります。詳細については,「4.28 レジストリ設定とログオフオプションによるログオフ時のコマンドの動作」を参照してください。
(4) リターンコード
dcmpkputコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード | 意味 | 対処 |
---|
0 | パッケージの復元が成功した。 | なし。 |
1 | dcmpkgetコマンドの結果出力ファイルをオープンできない,またはファイル形式に誤りがある。 | 結果出力ファイルのパス,またはファイル形式を確認してください。 |
2 | コマンドの引数に不正な値が指定されている。 | コマンドの引数の設定値を確認してください。 |
3 | 配布管理システムへの接続でエラーが発生した。 | 配布管理システムのバージョンを確認してください。 |
4 | 指定したバックアップファイルが存在しない。 | バックアップファイルのパスを確認してください。 |
5 | すでにパッケージが存在する,またはキャビネットにこれ以上のパッケージを登録できない。 | キャビネット内のパッケージ名,およびパッケージ数を確認してください。 |
12 | そのほかのエラーが発生した。 | イベントログを参照してください。 |
また,JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。
(5) 注意事項
- 複数のパッケージを指定してこのコマンドを実行したとき,途中でパッケージの復元に失敗すると,dcmpkputコマンドはパッケージの復元処理を中止します。その際,障害発生時のリターンコードを返します。
- UNIX版パッケージのバックアップを復元する場合,復元先にはキャビネット種別がWS用の,既存のキャビネットを指定してください。キャビネット種別がPC用のとき,およびキャビネットが存在しないときは復元できません。
(6) 実行例
dcmpkgetコマンドで取得したバックアップファイルからパッケージを復元する例を次に示します。
C:¥Dmbat¥backupに取得したすべてのバックアップファイルを,キャビネット識別ID「01」のキャビネットに復元する場合は,次のように指定します。
dcmpkput.exe /C 01 /i C:¥Dmbat¥backup /of *