EURが提供する帳票フォーム自体をユーザ環境に合わせてカスタマイズすることもできます。例えば,システム情報を出力する帳票では,マシンをホスト名とIPアドレスの組み合わせで区別しています。しかし,ホスト名とIPアドレスが単なる通番であるなど,意味を持たない名称やアドレスが付けられているユーザ環境では,マシンを正しく区別することができないため,インベントリ情報を厳密に管理できません。このような場合,帳票をカスタマイズすると便利です。
EURのプログラム「EUR Professional Edition」と,JP1/NETM/DMのユーザインベントリ情報の取得機能を使用して,マシンを実際の使用者名で区別する帳票の作成方法を説明します。ここではシステム情報サマリ一覧を例にカスタマイズしていますが,ほかの帳票でも同じようにカスタマイズできます。
- マシンの使用者名を取得する。
JP1/NETM/DMから「ユーザインベントリ情報の取得」ジョブを実行して,マシンの使用者名を取得してください。
ユーザインベントリ項目に使用者の項目を設定すれば,その情報をシステム情報と一緒にCSV形式ファイルに出力することができます。ユーザインベントリ情報の取得手順については,マニュアル「運用ガイド1」の「3.3 ユーザインベントリ情報を取得する」を参照してください。
ここでは,マシンの使用者の項目名(ラベル名)を「使用者」として説明します。
- CSV形式ファイルを出力する。
JP1/NETM/DMの[CSV出力ユティリティ]を起動して,[テンプレートの選択]ダイアログボックスで「ユーザ管理情報」を選択してください。
「ユーザ管理情報」テンプレートには,手順1.で設定した「使用者」の項目とシステム情報の両方が一つのCSV形式ファイルに出力されます。
図F-7 [テンプレートの設定]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/fub0200.gif)
- 帳票定義ファイルを開く。
EUR Professional Editionを起動し,[ファイル]メニューから[開く]を選択して,[ファイルを開く]ダイアログボックスの[ファイルの種類]に「フォームシートファイル(*.fms)」を選択して,システム情報サマリ一覧ファイルの帳票定義ファイル(SystemSummary.fms)を開きます。
- CSV形式ファイルを指定する。
手順2.で出力したCSV形式ファイルをEUR Professional Editionにマッピングデータファイルとして読み込んでください。
EUR Professional Editionの[表示]メニューから[マッピングデータウィンドウ]を選択して,[マッピングデータ]ウィンドウをアクティブにします。
[データ]メニューから[データファイル指定]を選択して,[データファイルの指定]ダイアログボックスでCSV形式ファイルを指定して,CSV形式ファイルを読み込みます。
このとき,[データのプロパティ]ダイアログボックスの[区切り情報]パネルで,「1行目のデータをフィールド名として扱う」チェックボックスを必ずオンにしてください。
図F-8 [データのプロパティ]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/fub0210.gif)
- フィールド定義を再作成する。
システム情報サマリ一覧の帳票定義ファイルは,[CSV出力ユティリティ]でシステム情報テンプレートに出力したCSV形式ファイルのフィールド定義で作成されています。そのため,ユーザ管理情報テンプレートで出力したCSV形式ファイルを読み込むためには,フィールド定義を再作成する必要があります。
EUR Professional Editionの[表示]メニューから[マッピングデータウィンドウ]を選択して,[マッピングデータ]ウィンドウをアクティブにし,[データ]メニューから[フィールド定義]を選択してください。
[フィールド定義]ダイアログボックスの[自動作成]ボタンをクリックすると,フィールド定義が再作成されます。
図F-9 [フィールド定義]ダイアログボックス
![[図データ]](figure/fub0220.gif)
[フィールド定義]ダイアログボックスの[フィールド名称]に「使用者」が追加されていることを確認してください。また,すべてのフィールドの[種別]が文字列になっていることも確認してください。
- 項目名を変更する。
EUR Professional Editionの[帳票]ウィンドウを選択して,[帳票]ウィンドウをアクティブにします。ツールボックスの矢印アイコンをクリックして,選択モードにしてから,[文字]のチェックボックスだけをオンにしてください。
図F-10 [帳票]ウィンドウのツールボックス
![[図データ]](figure/fub0230.gif)
[帳票]ウィンドウの「ホスト名称」の項目をダブルクリックして,項目の名称を「使用者氏名」に変更します。
図F-11 項目名の変更
![[図データ]](figure/fub0240.gif)
- 項目を変更する。
項目名を変更したら,その項目名のすぐ下のデータ部分を削除してください。
図F-12 項目データの削除
![[図データ]](figure/fub0250.gif)
[マッピングデータ]ウィンドウの「使用者」項目の1行目のデータを,[帳票]ウィンドウの削除した部分にドラッグ&ドロップします。
図F-13 項目データのコピー
![[図データ]](figure/fub0260.gif)
ドロップしたら,アイテムを適当に整形し,アイテムに[繰り返し指定]を設定します。
図F-14 [繰り返し指定]の設定
![[図データ]](figure/fub0270.gif)
以上で,ホスト名から使用者によるマシンの管理帳票が完成します。