4.20 dcmstat.exe(ジョブの実行状況の取得)

ジョブの実行結果を取得するdcmstatコマンドについて説明します。このコマンドは,JP1/NETM/DM ManagerおよびJP1/NETM/DM Client(中継システム)の配布管理システムで実行できます。

<この節の構成>
(1) 機能
(2) 形式
(3) 引数
(4) パラメタファイルの指定内容
(5) リターンコード
(6) 注意事項
(7) 実行例

(1) 機能

配布管理システムで,パラメタファイルに指定されたジョブの実行状態を取得します。ジョブの実行状況は,リターンコードで判別します。

ジョブの実行状態リターンコード
ジョブがすべて正常終了した。0
一部のジョブがエラーとなった。30
ジョブは実行中。31
ジョブは実行中で,一部のジョブがエラーとなっている。32
ジョブは削除中で,一部のジョブが削除完了待ちとなっている。33

JP1/NETM/DM Managerの配布管理システムで,ジョブの実行状態を指定して,その実行状態にあるホストの数を調べます。リターンコードの値から10,000を引いた値が,指定した実行状態にあるホストの数です。

(2) 形式

dcmstat.exe [ジョブ実行状態] /i パラメタファイル名 [/LC {ON|OFF}]

(3) 引数

(4) パラメタファイルの指定内容

dcmstatコマンドでのパラメタファイルの指定内容を次の表に示します。このコマンドで使用するパラメタファイルの内容は,コマンドの引数で指定することはできません。

表4-19 パラメタファイルの指定内容(dcmstatコマンド)

パラメタファイルの指定内容内容指定の有無コマンドの引数
タグパラメタ
JOB_ATTRIBUTEjob_generatorジョブ名称×
jobnoジョブ番号
job_folderジョブ格納フォルダパス
unsuspended中断中の配布の有無×
(凡例)
◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)
-:コマンドの引数では指定できない
注※
省略した場合は,ルートフォルダ以下のすべてのフォルダまたはファイルを検索して,ジョブの実行状況を表示します。

(5) リターンコード

dcmstatコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。

コード意味対処
0ジョブがすべて正常終了した。なし。
1パラメタファイルをオープンできない,またはファイル形式が不正。パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。
2パラメタファイルに不正な値が指定されている。パラメタファイルの値を確認してください。
3配布管理システムへの接続でエラーが発生した。または,JP1/NETM/DM Client(中継システム)で実行状態を指定した。配布管理システムのバージョンを確認してください。実行状態を指定した場合は,配布管理システムがJP1/NETM/DM Managerかどうか確認してください。
5クライアント,配布管理システム間の通信に失敗した。配布管理システムのセットアップで,通信環境の設定を確認してください。
12そのほかのエラーが発生した。イベントログを参照してください。
30少なくとも一部のジョブがエラーになった。なし。
31ジョブは実行中で,エラーのジョブは検知されていない。なし。
32ジョブは実行中で,一部のジョブがエラーとなっている。なし。
33ジョブは削除中で,一部のジョブが削除完了待ちとなっている。なし。

また,ジョブの実行状態を指定した場合は,指定したジョブの実行状態にあるホストの総数+10,000がリターンコードとして返ります。

JP1/Baseと連携してJP1/NETM/DMのユーザを管理している場合は,「1.3.3 コマンドを実行するための設定」も合わせて参照してください。

(6) 注意事項

(7) 実行例

dcmjexeコマンドで実行した「伝票ファイル0001収集」ジョブの実行状況を取得する例を次に示します。

(a) パラメタファイルの作成

dcmjexeコマンドの結果出力ファイルに出力されたジョブ番号を,次のようにパラメタファイルに指定します。

なお,dcmjexeコマンドの結果出力ファイルが保存されていれば,このファイルをパラメタファイルとして指定できます。

** dcmjexe output -> dcmstat input

JOB_ATTRIBUTE{
job_generator= 伝票ファイル0001収集
jobno= JB03121113315383
job_folder= ¥バッチ定義
}

(b) コマンドの実行

dcmjexeコマンドを実行したときの結果出力ファイルが,C:¥Dmbat¥out.txtに保存されている場合,次のようにコマンドを指定してください。

dcmstat.exe /i C:¥Dmbat¥out.txt

dcmstatコマンドを実行すると,特定の状態のホスト数を調査できます。例えば,起動失敗のホスト数,および中断指示があったホスト数を調べる場合は,次のように指定してください。

dcmstat.exe CLT_NOTREADY SUSPENDED /i C:¥Dmbat¥out.txt