8.2.2 差分指定のバックアップ
差分バックアップはコマンド実行時に日時を設定する必要がないため,監査ログのバックアップを自動化できる利点があります。JP1/AJS2と連携したり,Windowsのタスクスケジューラを利用したりすることで,差分バックアップを自動化することができます。
前回のバックアップからコマンド実行の前日までの監査ログをバックアップします。指定した差分の監査ログは指定したフォルダ下に出力されます。なお,監査ログのバックアップファイル名はシステムで自動的に付与されます。
差分バックアップでは,差分として前回実行日時からコマンド実行の前日までの期間のデータベースの監査ログをバックアップするもので,前回実行日時からコマンド実行の前日までの期間のデータベースの差分をバックアップするものではありません。
また,admexportコマンドに引数を指定して,差分バックアップを初期化することもできます。再度,運用開始からの監査ログのバックアップを取得し直す場合などに指定します。差分バックアップを初期化すると,次回の差分バックアップでの出力ファイル名は初回のバックアップファイル名に戻ります。
差分バックアップを指定した場合のadmexportコマンドの実行例を,次に示します。
- 実行例1
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2007/4/1に運用を開始し,毎月10日,20日,30日に監査ログを,「C:\www\jp1netmaudit\backupdata」フォルダ配下にバックアップする場合
admexport -d -b C:\www\jp1netmaudit\backupdata
- バックアップ取得期間(実行結果)
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1回目(2007/4/10):2007/4/1 00:00:00から2007/4/9 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00001.csv)
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2回目(2007/4/20):2007/4/10 00:00:00から2007/4/19 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00002.csv)
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3回目(2007/4/30):2007/4/20 00:00:00から2007/4/29 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00003.csv)
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- 実行例2
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2007/4/1に運用を開始し,毎月10日,20日,30日に監査ログを,「C:\www\backup」フォルダ配下にバックアップしたあと,2007/5/6に差分バックアップを初期化して,再度2007/4/1から2007/5/5までの監査ログを,「C:\www\jp1netmaudit\backupdata」フォルダ配下にバックアップする場合
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毎月10日,20日,30日に監査ログをバックアップします。
admexport -d -b "C:\www\jp1netmaudit\backupdata"
- バックアップ取得期間(実行結果)
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1回目(2007/4/10):2007/4/1 00:00:00から2007/4/9 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00001.csv)
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2回目(2007/4/20):2007/4/10 00:00:00から2007/4/19 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00002.csv)
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3回目(2007/4/30):2007/4/20 00:00:00から2007/4/29 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00003.csv)
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2007/5/6に差分情報を初期化します。
admexport -d -r -y
差分情報を初期化すると,次回の差分バックアップでの出力ファイル名は初回のバックアップファイル名(adm00001.csv)に戻ります。差分情報を初期化したあと,出力先フォルダを変更しないで差分バックアップを実行する場合は,取得した監査ログのバックアップファイルを移動または削除するか,出力先フォルダ名を変更してください。
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2007/5/6に再度,差分バックアップを実行します。
admexport -d -b "C:\www\jp1netmaudit\backupdata"
- バックアップ取得期間(実行結果)
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(2007/5/6):2007/4/1 00:00:00から2007/5/5 23:59:59までの監査ログをバックアップ(ファイル名:adm00001.csv)
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admexportコマンドの詳細については「12. コマンド」の「admexport(監査ログのバックアップ)」を参照してください。