2.4 公開ジョブネットの監視

Definerで業務監視を許可した公開ジョブネットは,Clientユーザーが監視できます。Clientユーザーは,監視を許可されている公開ジョブネットについて,最新世代の実行状態と遅延状態,および詳細情報を知ることができます。また,保存世代情報(前回世代の実行結果または状態)や次回の実行開始予定を確認できます。

Clientによる公開ジョブネットの監視機能について説明します。

<この節の構成>
(1) アイコンによる実行状態の監視
(2) 詳細情報の確認

(1) アイコンによる実行状態の監視

監視を許可されている公開ジョブネットの実行状態を,アイコンの色と表示される状態名で監視します。また,JP1/AJS3でジョブネットの遅延監視を設定している場合,遅延の有無を監視アイコン右下の遅延マークの有無で確認できます。

公開ジョブネットを監視する画面を次の図に示します。

図2-24 公開ジョブネットの監視

[図データ]

Clientでの状態名は,JP1/AJS3の状態名とは一部異なります。

監視アイコンの表示色,Clientで表示される状態,およびJP1/AJS3上の状態の関係を次の表に示します。

表2-4 表示色と実行状態

監視アイコンの表示色Clientでの状態名業務グループの表示優先度※1JP1/AJS3上での状態名
異常検出1異常検出実行中※4
警告検出警告検出実行中※4
異常終了2
  • 異常検出終了※4
  • 異常検出終了-WR
  • 繰り越し未実行
  • 順序不正
  • 閉塞
警告終了警告検出終了※4
  • 中断※4
  • 強制終了※4
  • 強制終了-WR
  • 監視打ち切り終了
黄色保留※23保留中※4
実行4
  • 実行中※4
  • 起動条件待ち※3
正常終了5
  • 正常終了※4
  • 監視中断
  • 監視正常終了
  • 監視未起動終了
実行6開始時刻待ち※4
その他
注※1
業務グループの表示優先度とは,業務グループの状態を決定するために公開ジョブネットの状態を分類して付けられた優先度です。数字が小さいほど優先度は高くなります。業務グループの状態には,配下の公開ジョブネットのうち,優先度の最も高い状態を持つ公開ジョブネットの状態が表示されます。
注※2
前回の実行結果が存在するルートジョブネットの場合,JP1/AJS3上の状態が「保留中」になっても,監視画面に表示されるClientでの状態名には,前回の結果が表示されます。
注※3
起動条件付きのルートジョブネットを監視している場合,起動条件の監視中は,起動条件の成立とは関係なく常に「起動条件待ち」状態の実行世代が監視対象になります。
注※4
ルートジョブネットが再実行された場合は「-R」がついて表示されます。

 

また,監視画面から監視アイコンをドラッグアンドドロップしてデスクトップにはり付けることで,デスクトップ上で公開ジョブネットを監視することもできます。デスクトップ上の監視アイコンをダブルクリックすると,Clientを活性化して,その監視アイコンのある階層をデスクトップの最前面に表示させることができます。

監視アイコンをデスクトップにはり付けた状態のイメージを,次の図に示します。

図2-25 監視アイコンのデスクトップはり付け

[図データ]

監視画面,またはデスクトップ上で監視している公開ジョブネットが次の状態に遷移すると,監視アイコンがアニメーション表示になり,アラート音が鳴り出します。

これによって,公開ジョブネットに異常が発生したことを即時に知ることができます。特に,デスクトップ上に監視アイコンをはり付けておけば,JP1/AJS3の業務監視以外の作業をしている場合でも,監視アイコンのアニメーションとアラート音で公開ジョブネットでの異常の発生にすぐに気づくことができます。

また,公開ジョブネットに次の遅延状態が発生した場合,監視アイコンの右下に遅延マークが表示されるため,遅延状態の有無を容易に確認できます。

遅延マーク付きの監視アイコンを次の図に示します。

図2-26 遅延マーク付きの監視アイコン

[図データ]

注意事項
表示される情報は定期的に更新されるため,表示されている状態が最新の状態ではない場合があります。
更新間隔はServerの環境設定で設定できます。詳細については,「3.8.1(4) Serverの内部動作の設定(tuningタグ)」のwatch-intervalタグの説明を参照してください。
補足事項
Windowsの「デスクトップの表示」機能を使用してデスクトップに表示されているすべてのウィンドウを最小化した場合,デスクトップに作成してあるショートカットアイコンは残ったままになりますが,監視アイコンはClientの画面と共に最小化されます。再度「デスクトップの表示」機能を使用してウィンドウを表示するか,またはClientの画面を再度表示すると,監視アイコンも表示されます。

(2) 詳細情報の確認

監視している公開ジョブネットの最新世代情報,次回開始予定,保存世代情報(前回世代の実行結果または状態),およびJP1/AJS3上のジョブネット名や属しているスケジューラーサービスなどの詳細情報を監視画面で確認します。また,Definerでガイドの表示を設定してある場合,ガイドを参照できます。

監視している公開ジョブネットに異常が発生した場合は,この情報を基にJP1/AJS3 - Viewなどを使用して対処してください。

詳細情報を確認するときの画面を次の図に示します。

図2-27 詳細情報の確認

[図データ]

なお,[状態(詳細)]には,公開ジョブネットの状態が「Clientでの状態名JP1/AJS3での状態名)」の形式で表示されます。

注意事項
保存世代情報を表示したい場合は,公開ジョブネットのジョブネット定義で保存世代数を2以上に設定してください。保存世代数を1に設定している場合,[保存世代情報]は「なし」と表示されます。