3.7.3 ログサイズを見積もる
Serverが出力するログファイルのサイズの見積もり式について説明します。ログファイルの情報は,障害発生時にどのような操作や処理が原因なのかを調査するときに使用します。調査に必要な分だけの情報がログファイルに残っていないと,原因を特定するのに時間が掛かってしまいます。そのため,実行する処理の運用形態に応じて,できる限り適切なログファイルのサイズを見積もっておいてください。
Serverが出力するログファイルには,次のものがあります。
- Windowsイベントログ
- 統合トレースログ
- Serverログ
- 操作ログ
JP1/AJS3 - User Job Operationでは,Serverログおよび操作ログについての見積もりが必要です。ログファイルの見積もり方法について説明します。
- <この項の構成>
- (1) Serverログのサイズを見積もる
- (2) 操作ログのサイズを見積もる
(1) Serverログのサイズを見積もる
Serverログのサイズの見積もりについて説明します。
Serverログには,Serverで発生したシステム障害や警告などの情報が,プロセスおよびコマンド別に出力されます。詳細については「12.2.1(3) Serverログ」を参照してください。
デフォルトのログサイズと面数を次の表に示します。
表3-7 Serverログのデフォルトのサイズと面数
項番 | プロセス・コマンド名 | プロセス・コマンド | ログファイル名 | デフォルトのサイズ (メガバイト) | デフォルトの面数 |
---|
1 | JP1/AJS3 - User Job Operationサービスプロセス | jpujoservice | serverservice{1|2}.log | 1 | 2 |
2 | Server監視プロセス | java | processwatcher{1|2}.log | 1 | 2 |
3 | Serverプロセス | java | remotecommand{1|2}.log | 1 | 2 |
4 | 公開ジョブネット定義適用コマンド | jpujoloaddef | jpujoloaddef{1|2}.log | 1 | 2 |
5 | 環境設定適用コマンド | jpujoloadcfg | jpujoloadcfg{1|2}.log | 1 | 2 |
6 | ユーザー一括設定コマンド | jpujosetuser | jpujosetuser{1|2}.log | 1 | 2 |
必要となるServerログの容量は,Clientユーザー数やClientの接続数,公開ジョブネット数などによって大きく異なります。必要に応じてServerログの適切な容量を見積もり,拡張してください。
Serverログの見積もり手順を次に示します。なお,ここではServerプロセスの出力するログについて説明します。ほかのプロセスおよびコマンドの出力するログファイルは,通常,Serverプロセスの出力するログに比べて小さくなります。
- 1日に必要なServerログファイルのサイズを見積もる。
見積もり式を次に示します。
1日分のServerログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
= 1日のServerへのログイン回数 / 1024 + 1日の公開ジョブネットの実行回数※ / 1024
- 注※
- 実行回数とは,Serverに接続するClientで次の操作をした回数のことです。
- ・すぐに実行
- ・あとで実行
- ・実行中止
- ・予約の取り消し
- ・予約の変更
- 何日分のログを保存するかを検討する。
- 保存日数および面数を考慮して,一つのServerログファイルに必要なサイズを見積もる。
一つのServerログファイルに必要なサイズは,次のようにして計算します。
一つのServerログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
= 1日分のServerログファイルのサイズ(単位:メガバイト)×保存日数 / 面数
- デフォルトの設定を見直す。
Serverログファイルのサイズを拡張するには,Serverの環境設定ファイルの設定値を変更します。詳細については,「6.1 Serverの環境設定」を参照してください。
Serverログの見積もり例を次に示します。
- (例)
- 1日にServerに100人がログインし,それぞれが10回ずつ公開ジョブネットを実行すると仮定すると,1日の公開ジョブネットの実行回数は100人×10回で1,000回になります。1日に必要なログファイルのサイズは次の式で計算します。
-
- 1日分のServerログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
- = 100 / 1024 + 1000 / 1024
-
- 面数はデフォルトの2面だと仮定すると,10日分のServerログを保存する場合,一つのServerログファイルのサイズは次の式で計算できます。
-
- Serverログファイルの最大サイズ(単位:メガバイト)
- = ( 100 / 1024 + 1000 / 1024 )×10日 / 2面 ≒ 5.37
-
- したがって,この場合はServerログファイルのサイズを6メガバイトに変更します。
(2) 操作ログのサイズを見積もる
操作ログのサイズの見積もりについて説明します。
操作ログには,DefinerユーザーおよびClientユーザーがする操作のうち,記録する必要のある重要な操作についての監査情報が出力されます。詳細については,「12.2.1(4) 操作ログ」を参照してください。
デフォルトのログサイズと面数を次の表に示します。
表3-8 操作ログのデフォルトのサイズと面数
項番 | ログファイル名 | デフォルトのサイズ (メガバイト) | デフォルトの面数 |
---|
1 | admujolog{1|2}.log | 1 | 2 |
必要となる操作ログの容量は,Clientユーザー数,Clientの接続数,公開ジョブネット数などによって大きく異なります。必要に応じて操作ログの適切な容量を見積もり,拡張してください。
操作ログの見積もり手順を次に示します。
- 1日に必要な操作ログファイルのサイズを見積もる。
見積もり式を次に示します。
1日分の操作ログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
= {1日のログイン回数×2 +1日の公開ジョブネットの実行回数※1 + 1日の公開ジョブネットの定義操作回数※2}×0.35 / 1024
- 注※1
- 実行回数とは,Clientで次の操作をした回数のことです。
- ・すぐに実行
- ・あとで実行
- ・実行中止
- ・予約の取り消し
- ・予約の変更
- 注※2
- 定義操作回数とは,Definerで次の操作をした回数のことです。
- ・ユーザーの定義
- ・ユーザーグループの定義
- ・公開ジョブネットの定義
- 何日分のログを保存するかを検討する。
- 保存日数および面数を考慮して,一つの操作ログファイルに必要なサイズを見積もる。
一つの操作ログファイルに必要なサイズは,次のようにして計算します。
一つの操作ログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
= 1日分の操作ログファイルのサイズ(単位:メガバイト)×保存日数 / 面数
- デフォルトの設定を見直す。
操作ログファイルのサイズを拡張するには,Serverの環境設定ファイルの設定値を変更します。詳細については,「6.1 Serverの環境設定」を参照してください。
操作ログの見積もり例を次に示します。
- (例)
- 1日にServerに100人がログインし,それぞれが10回ずつ公開ジョブネットを実行すると仮定すると,1日の公開ジョブネットの実行回数は100人×10回で1,000回になります。また,1日の定義操作回数を10回とすると,1日に必要なログファイルのサイズは次の式で計算します。
-
- 1日分の操作ログファイルのサイズ(単位:メガバイト)
- = ( 100×2 + 1000 + 10 )×0.35 / 1024
-
- ログファイルの面数はデフォルトの2面と仮定すると,1か月分(30日分)の操作ログを保存する場合,操作ログファイルの最大サイズは次の式で計算できます。
-
- 操作ログファイルの最大サイズ(単位:メガバイト)
- = { ( 100×2 + 1000 + 10 )×0.35 / 1024 }×30日/ 2面 ≒ 6.20
-
- したがって,この場合は操作ログファイルのサイズを7メガバイトに変更します。