JP1/AJS3 - Web Operation Assistantは,監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBまたはHiRDBの場合,状態取得時にJP1/AJS3 - Web Operation Assistant内のHiRDBクライアントを使用して,監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBまたはHiRDBサーバに接続します。
HiRDBクライアントの動作環境は,クライアント環境定義によってカスタマイズできます。JP1/AJS3 - Web Operation Assistant内のHiRDBクライアントが参照するクライアント環境定義は,RDB接続定義ファイル(RDBINF.conf)で設定できます。
- <この項の構成>
- (1) RDB接続定義ファイルのセットアップ手順
- (2) RDB接続定義ファイル
- (3) RDB接続定義ファイル定義時の注意事項
(a) RDBINF.conf.modelの内容
RDB接続定義ファイルのモデルファイルの内容を次に示します。
[OBSERVE_HOSTNAME]
GETSTATUSMODE=
OBSERVESRVTYPE=
[OBSERVE_HOSTNAME:OBSERVE_SCHEDULERSERVICENAME]
PDSERVICEPORT=
PDSERVICEGRP=
PDFESHOST=
PDSRVTYPE=
PDCLTRCVPORT=
PDCLTRCVADDR=
(b) RDB接続定義ファイルの形式
RDB接続定義ファイルには,パラメーターとクライアント環境定義を設定します。RDB接続定義ファイルの記述形式を次に示します。
JP1/AJS3 - Web Operation Assistantが同時に複数の監視先に接続する場合,監視先ごとに設定してください。
![[図データ]](figure/zu031000.gif)
(c) RDB接続定義ファイルのパラメーター一覧
ここでは,監視先スケジューラーサービスのパラメーターの内容を説明します。
監視先の指定方法を次に示します。
表3-4 監視先の指定方法(RDBINF.conf)
パラメーター | 内容 | 備考 |
---|
OBSERVE_HOSTNAME | 監視先ホスト名を指定します。 | 検索条件設定フレームで指定された監視先のホスト名と同じ値を指定します。 監視先ホストをFQDN名で指定する場合は,FQDN形式のホスト名を指定してください。 |
OBSERVE_SCHEDULERSERVICENAME | 状態取得時に参照するスケジューラーサービス名を指定します。 | 検索条件設定フレームで指定された監視先のサービス名と同じ値を指定してください。英字は大文字と小文字が区別されます。 |
監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBの場合に設定するクライアント環境定義の内容を次に示します。監視先スケジューラーサービスのデータベースにHiRDBを使用する場合は,HiRDBのマニュアルを参照してください。
表3-5 RDB接続定義ファイルのパラメーター一覧(RDBINF.conf)
パラメーター | 内容 |
---|
GETSTATUSMODE | 監視先への状態取得モードを指定します。 |
OBSERVESRVTYPE | 監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバのサーバ種別(WSまたはPC)を指定します。 |
PDSERVICEPORT | 監視先の組み込みDBサーバ上の,クライアント接続用ポート番号を指定します。 |
PDSERVICEGRP | ajs2を指定します。 |
PDSRVTYPE | 監視先の組み込みDBサーバの,サーバ種別を指定します。 |
PDCLTRCVPORT | JP1/AJS3 - Web Operation Assistantサーバ上の,クライアントの受信ポート番号を指定します。 |
PDCLTRCVADDR | JP1/AJS3 - Web Operation AssistantホストのIPアドレスまたはホスト名を指定します。 |
(d) RDB接続定義ファイルの設定内容
●パラメーターの設定内容
RDB接続定義ファイルで設定する,パラメーターの設定内容を次に示します。
- GETSTATUSMODE={0|1}
- 状態取得モードを指定します。
- 0
- 従来と同様の状態取得モードにします。
- 1
- 大規模運用時に,運用規模全体サイズに依存しないようにし,性能低下を抑制できる状態取得モードにします。
- 監視先スケジューラーサービスのデータベース種別が組み込みDBまたはHiRDB(ただしVersion 7以降)の場合に指定してください。「1」を指定した場合は,OBSERVESRVTYPEパラメーターを必ず設定してください。
- デフォルトは「0」です。
- OBSERVESRVTYPE={WS|PC}
- 監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバのサーバ種別を指定します。この指定値は,GETSTATUSMODEパラメーターに「1」を指定した場合だけ有効です。
- WS
- 監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバがHP-UX,Solaris,AIXで稼働する場合に指定します。
- PC
- 監視先の組み込みDBサーバまたはHiRDBサーバがLinuxまたはWindowsで稼働する場合に指定します。
- 注意事項
- GETSTATUSMODEパラメーターに「1」を指定し,OBSERVESRVTYPEパラメーターを指定しない場合は,JP1/AJS3 WOA Web ApplicationServerサービス起動時にエラーが発生して,状態取得できないため必ず指定してください。
- サーバ種別の指定が監視先ホストのサーバ種別と異なる場合,ユニットの状態が正常に取得できないため,サーバ種別は正しく指定してください。
●クライアント環境定義の設定内容
RDB接続定義ファイルで設定する,クライアント環境定義の設定内容を次に示します。
- PDSERVICEPORT=クライアント接続用ポート番号 [,待機系のクライアント接続用ポート番号]
- ~〈符号なし整数〉((5001~65535))
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの状態取得のための検索要求受け付けに使用する,監視先の組み込みDBサーバ上のポート番号を指定します。
- 監視先の組み込みDBサーバ側に,次の環境が両方とも設置されている場合に指定します。
- 接続する組み込みDBサーバのシステム定義pd_service_portオペランドで指定した値を指定してください。pd_service_portオペランドについては,監視先にJP1/AJS3 - Managerを使用している場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1」を,Version8のJP1/AJS2 - Manager を使用している場合は,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 設計・運用ガイド」を参照してください。
- 注意事項
- 監視先がクラスタ運用をしていて,実行系,待機系のシステム定義のpd_service_portオペランドでそれぞれ異なるポート番号を指定している場合,待機系のクライアント接続用ポート番号も一緒に指定してください。ポート番号については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
- PDSERVICEGRP=ajs2
- ajs2を指定します。
- 監視先の組み込みDBサーバ側に,次の環境が両方とも設置されている場合に指定します。
- PDSRVTYPE={WS|PC}
- 監視先の組み込みDBサーバのサーバ種別を指定します。
- WS
- 監視先の組み込みDBサーバがHP-UX,Solaris,AIXで稼働する場合に指定します。
- PC
- 監視先の組み込みDBサーバがLinuxまたはWindowsで稼働する場合に指定します。
- PDCLTRCVPORT=クライアントの受信ポート番号
- ~〈符号なし整数〉((5001~65535))
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの状態取得時に監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBサーバからの検索結果データ受信に使用するJP1/AJS3 - Web Operation Assistantサーバ上のポート番号を指定します。
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistant側に,次の環境が設置されている場合に指定します。
- 注意事項
- 複数の監視先スケジューラーサービスに対して同時に状態取得する場合,各監視先で設定した値が重複しないようにポート番号を指定してください。
- OSが自動的に割り当てるポート番号の範囲に含まれないポート番号を指定してください。なお,OSが自動的に割り当てるポート番号の範囲は,OSごとに異なります。
- ほかのプログラムが使用していないポート番号を指定してください。
- ポート番号については,「付録C ポート番号一覧」を参照してください。
- PDCLTRCVADDR={クライアントのIPアドレス|クライアントのホスト名}
- ~〈符号なし整数〉または〈識別子〉((最大256バイト))
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistantの状態取得時に監視先スケジューラーサービスで使用している組み込みDBサーバからの検索結果データ受信に使用するJP1/AJS3 - Web Operation AssistantホストのIPアドレスまたはホスト名を指定します。ホスト名にはFQDN形式のホスト名も指定できます。
- JP1/AJS3 - Web Operation Assistant側に,次の環境が設置されている場合に指定します。
- IPアドレス
- バイトごとにピリオドで区切られた10進数で指定します。
- (指定例)PDCLTRCVADDR=172.18.131.34
- FQDN
- FQDNとは,ホスト名とドメイン名とを,ピリオドで結んだ名称のことをいいます。
- (指定例)PDCLTRCVADDR=host1.soft.hitachi.co.jp
- 注意事項
- この環境変数に不正なIPアドレスまたはホスト名を指定した場合,状態取得時に組み込みDBサーバからの応答が受け付けられないため,5分間のタイマー監視後にKAVI3250-Eのエラーとなります。