Hitachi

JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編)


6.6.1 業務を集中監視する場合のユーザー管理の検討項目

JP1/AJS3 Consoleを使用して業務を集中監視するためには,JP1/Baseのユーザー管理機能(ユーザー認証,ユーザーマッピング)を使った次の設定が必要です。

JP1/Baseのユーザー管理機能の詳細については,マニュアル「JP1/Base 運用ガイド」のユーザー管理機能の設定の章を参照してください。

ログインに必要な条件と状態監視に必要な条件を次に示します。これらの条件を満たすようなユーザーや権限を検討してください。

〈この項の構成〉

(1) ログインに必要な条件

JP1/AJS3 Consoleでは,JP1/AJS3 Console ViewからJP1/AJS3 Console Managerホストへログインする際にJP1/Baseのユーザー認証機能を使用しています。

JP1/AJS3 Consoleでは,業務を監視するための[メインスコープ]ウィンドウを接続先のJP1/AJS3 Console Managerホスト上でJP1ユーザーごとに保持し,それぞれの定義内容(監視対象)を管理します。不正なユーザーからこれらへのアクセスを防止するため,ログイン処理を実行してユーザー認証を受けます。

ログインするJP1ユーザーは,ログイン先のJP1/AJS3 Console Managerホストが参照する認証サーバで認証されます。

JP1/AJS3 Console ViewからJP1/AJS3 Console Managerホストへログインするために必要な条件を次に示します。

図6‒13 ログインに必要な条件

[図データ]

  1. JP1/AJS3 Console Managerホストで,JP1/AJS3 - Manager(JP1/AJS3 Console Manager)ホストが参照する認証サーバが設定されている。

  2. JP1/AJS3 - Manager(JP1/AJS3 Console Manager)ホストが参照する認証サーバで,ログインするJP1ユーザーが登録されている。

[メインスコープ]ウィンドウ上の定義内容は,JP1ユーザーごとに個別に保持されるため,JP1権限レベルの設定は不要です。

(2) 業務の状態監視に必要な条件

JP1/AJS3 Consoleでは,JP1/AJS3上の業務を監視するためにユーザーマッピング機能を使用しています。

JP1/AJS3 Console ManagerにログインしたすべてのJP1ユーザーがJP1/AJS3 Console Agent(JP1/AJS3 - Manager)ホスト上の業務を参照・操作できるのは問題があります。したがって,JP1/AJS3 Console Agentホスト上で業務を監視するJP1ユーザーに対してOSユーザーをマッピングし,JP1/AJS3 Console ManagerにログインしたJP1ユーザーの業務へのアクセス権限を管理します。

なお,このアクセス権限は,JP1/AJS3 Console Agentホストが参照する認証サーバで設定されているJP1権限レベルに従います。また,実際の業務の監視はOSユーザーが実行するため,JP1/AJS3 Console Agentホストに対してもOSユーザーがマッピングされている必要があります。

JP1/AJS3上の業務を監視するために必要な条件を次に示します。

図6‒14 状態監視に必要な条件

[図データ]

  1. JP1/AJS3 Console Agentホストが参照する認証サーバで,JP1/AJS3 Console Manager上のJP1ユーザーを使って業務を監視するJP1ユーザーが登録されている。

  2. JP1/AJS3 Console Agentホストで,業務を監視するJP1ユーザーにOSユーザーがユーザーマッピングされている(サーバホスト名にJP1/AJS3 Console Managerホスト名が指定されている)。

  3. JP1/AJS3 Console Agentホスト上で,業務を監視するJP1ユーザーに上記2の設定でプライマリーOSユーザーに指定されているOSユーザーがユーザーマッピングされている(サーバホスト名にJP1/AJS3 Console Agent(自ホスト)ホスト名が指定されている)。

  4. 業務を監視するJP1ユーザーが,監視対象の業務の参照権限(JP1_AJS_Guest権限以上)を持っている。

補足事項

(3) ユーザーマッピングの定義例

ユーザーマッピングの定義例を次に示します。

図6‒15 ユーザーマッピングの定義例

[図データ]

JP1/AJS3 Console Viewは,JP1ユーザー(jp1user1)でJP1/AJS3 Console Managerホスト(hostA)にログインします。JP1/AJS3 Console Managerホスト(hostA)は,ログインしたJP1ユーザー(jp1user1)を使って業務の状態を監視するようJP1/AJS3 Console Agentホスト(hostB)に指示を出します。JP1/AJS3 Console Agentホスト(hostB)では,JP1/AJS3 Console Managerホスト(hostA)からのJP1ユーザー(jp1user1)にマッピングされたOSユーザー(osuser1)の権限,およびJP1ユーザー(jp1user1)のJP1アクセス権限で業務の状態を監視します。