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JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


4.3.6 ジョブの実行に関するオプションについて検討する

ジョブを実行するときに,オプションとして設定できる項目の検討について説明します。運用する環境に合わせて設定を検討してください。

〈この項の構成〉

(1) ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する

JP1/AJS3のインストールパスがジョブの実行先エージェントホストごとに異なる運用をする場合,またはジョブの実行先エージェントホストでJP1/AJS3のインストールパスが環境変数PATHに定義されていない場合,ジョブの実行先エージェントホストでインストールパスを変数として定義すると,インストール先を意識しないでジョブを実行できます。

ジョブとして実行する実行ファイルの保存先が,あるエージェントホストではCドライブ,あるエージェントホストではDドライブというように,異なる環境でJP1/AJS3を運用する場合は,ジョブ実行時のワークパスを変数として定義することを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.2.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.2.1 ジョブ実行時のワークパスを変数として定義する」(UNIXの場合)を参照してください。

(2) ジョブをロングファイル名で実行させる(Windows限定)

ジョブ実行時,ジョブの実行ファイルの名称は,通常,NTFS(NT File System)およびFAT(File Allocation Table)ボリューム上のファイル用に生成されたショートファイル名に変換されます。ジョブの実行ファイルをショートファイル名に変換しないでロングファイル名で実行したい場合は,このオプションを有効にすることを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.2.15 ジョブをロングファイル名で実行するための設定」を参照してください。

(3) 転送元ファイルの検索パスを定義する

JP1/AJS3では,ジョブを実行するために必要なテキストファイルをマネージャーホストからエージェントホストに転送して,ジョブを実行できます。例えば,転送ファイルには,実行ファイルの環境(パスなど)を定義した設定ファイル(.iniファイル)などを転送できます。

マネージャーホストからエージェントホストに転送するファイル名を指定する場合,あらかじめ検索するパスを定義しておけば,そのパスに転送するファイルがあるかを探し,あればそのファイルが転送ファイルになります。

転送するファイルのパスを省略して定義したい運用をする場合に,このオプションを有効にすることを推奨します。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 6.2.2 転送元ファイルの検索パスを定義する」(Windowsの場合)またはマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.2.2 転送元ファイルの検索パスを定義する」(UNIXの場合)を参照してください。

(4) エージェントのパイプ通信タイムアウト値を設定する(UNIX限定)

ジョブ実行制御のエージェントプロセス間通信でパイプ通信のタイムアウトエラーが発生することがあります。その原因として,次のことが考えられます。

これらの発生条件が解消されないでパイプ通信のタイムアウトエラーが頻繁に発生するような状況が考えられる場合は,エージェントプロセスが実行されるホスト上のパイプ通信タイムアウト時間を長めに変更して運用することを推奨します。

注意事項

パイプ通信タイムアウト時間に長い時間を設定すると,ジョブの障害検知が遅くなることがあるため注意してください。

設定方法の詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 構築ガイド1 15.2.15 エージェントのパイプ通信タイムアウト値の変更」を参照してください。