Hitachi

JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(システム構築編)


3.2.1 ネットワーク上を流れるデータ量を見積もる

次のデータ量の見積もりについて説明します。

〈この項の構成〉

(1) JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量を見積もる

ジョブの実行と,実行結果の転送に関するデータについて見積もります。

JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

なお,キューレスジョブを使用する場合も同様のデータ量を見積もってください。

表3‒4 JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のデータ量の見積もり

情報の種類

1ジョブ当たりの転送データ量の見積もり(単位:バイト)

ジョブの実行要求転送

ジョブネットから実行する場合

2,300

+ UNIX/PCジョブ定義情報で定義した内容※1

+(8*指定した環境変数の数

+ ユニット完全名長*2

+ エージェントホスト名サイズ*2

+ マネージャーホスト名サイズ*3

+ 転送ファイルのサイズ※2

jpqjobsubコマンドから実行する場合

2,300

+ jpqjobsubコマンドの各オプションとオプションに指定した値の合計サイズ

+(8*指定した環境変数の数

+ エージェントホスト名サイズ*2

+ マネージャーホスト名サイズ*3

+ 転送ファイルのサイズ※2

ジョブの結果転送

600

+ マネージャーホスト名サイズ

+ エージェントホスト名サイズ

+ 結果ファイル(標準出力,標準エラー出力)のサイズ※3

イベントジョブの

実行要求転送

最小:256

最大:25,600

イベントジョブの

結果転送

最小:512

最大:7,168

注※1

UNIX/PCジョブ定義情報で定義した内容については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス1 2. コマンド ajsprint」,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 コマンドリファレンス2 4.2.6 UNIX/PCジョブ定義情報の記述方法」を参照してください。

また,該当ジョブにイベントジョブで受信した情報を引き継ぐ場合には,上記の値にマクロ変数のサイズを追加してください。各イベントジョブで引き継ぐ情報のサイズについては,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3 設計ガイド(業務設計編) 付録B イベントジョブで引き継ぐ情報」を参照してください。

注※2

転送ファイルのサイズの見積もり式は次のとおりです。

ファイル数
 Σ(ファイル名長ファイルサイズ+(12*ファイル行数)+100)
注※3

結果ファイルのサイズの見積もり式は次のとおりです。

ファイル数
 Σ(結果ファイルサイズ+(12*ファイル行数)+116)

また,上記以外に障害が発生しているエージェントホストを監視したり,実行登録したジョブをポーリング監視したりする場合にも,JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間でデータのやり取りが発生します。これらの1回のポーリング当たりのデータ量を次に示します。ただし,キューレスジョブの場合は,ポーリング監視は行われません。

表3‒5 JP1/AJS3 - ManagerとJP1/AJS3 - Agent間のポーリング監視でのデータ量の見積もり

情報の種類

1回のポーリング当たりの転送データ量の見積もり(単位:バイト)

障害中のエージェントホストの状態確認要求転送

300

実行中ジョブの状態確認要求転送

350 + エージェントホスト名サイズ

(2) JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量を見積もる

ジョブネットの定義などに関するデータ量を見積もります。操作のための通信などは,データサイズが比較的小さいため,ここでは見積もりません。

JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もりを次の表に示します。

表3‒6 JP1/AJS3 - ViewとJP1/AJS3 - Manager間のデータ量の見積もり

表示ウィンドウ

転送データ量の見積もり(単位:バイト)

JP1/AJS3 - View(メイン画面)

ユニット数*500

JP1/AJS3 - View(サマリー監視画面)

全スケジュール数※1*400

ジョブネットエディタ

ユニット数*250 + 関連線の数*50

ジョブネットモニタ

ユニット数*300 + 関連線の数*50

デイリースケジュール,またはマンスリースケジュール

全スケジュール数※1,※2*150

検索

検索結果数*450

注※1

ルートジョブネット下のすべてのユニットの,実行予定および実行結果の数です。

操作対象がジョブグループの場合は,ジョブグループ直下のルートジョブネット下の,すべてのユニットの実行予定および実行結果の数です。

注※2

[マンスリースケジュール]ウィンドウで未登録ユニットの実行スケジュールを表示する場合は,未登録ユニットのスケジュール数も含みます。

データ量の見積もり例を次に示します。

JP1/AJS3 - Viewは,指定された間隔で自動的にJP1/AJS3 - Managerから情報を取得します(デフォルトは[ジョブネットモニタ]ウィンドウでは30秒,その他のウィンドウでは300秒です。30秒から設定できます)。ネットワークを流れるデータ量を見積もる必要がある場合には,JP1/AJS3 - Viewの更新間隔と,それぞれのウィンドウに必要なデータサイズから算出します。

(3) JP1/AJS3 Console ViewとJP1/AJS3 Console Manager間のデータ量を見積もる

JP1/AJS3 Console ViewとJP1/AJS3 Console Manager間のデータ量の見積もりについて説明します。

表3‒7 JP1/AJS3 Console ViewとJP1/AJS3 Console Manager間のデータ量の見積もり

見積もるデータ量の種類

見積もり(単位:バイト)

AJS3ユニット監視オブジェクトを定義(新規作成,更新)する,または定義情報を表示する際のデータ量

250 + (監視先ホスト名に指定したホスト名長 + AJS3ユニット監視オブジェクトに指定したユニット完全名長)

複数のオブジェクトをコピーして貼り付けする際のデータ量

貼り付けするオブジェクト数*150

複数のオブジェクトを削除する際のデータ量

削除するオブジェクト数*100

画面を表示する際のデータ量

定義されている監視オブジェクト数*200 + 100

注※

指定文字列の中に「"」や「#」がある場合は2バイトとして見積もってください。