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JP1 Version 10 JP1/Automatic Job Management System 3 導入ガイド


10.4 ホストリンクジョブネット

メインフレームのジョブスケジューラーがJP1/AJS2 for Mainframeと連携している場合,メインフレームのジョブネットからJP1/AJS3との連携に必要な部分を切り取ったものをJP1/AJS2 for Mainframe上でネットグループとして扱うことができます。ネットグループは,運用に応じてメインフレームのジョブネットを選択するスコープの役割を持ちます。ホストリンクジョブネットは,さらにこのJP1/AJS2 for Mainframeのネットグループをリンクさせるユニットになります。

メインフレームのジョブネットとJP1/AJS2 for Mainframeのネットグループ,JP1/AJS3のホストリンクジョブネットの関係を次に示します。

図10‒23 ホストリンクジョブネットとメインフレームのジョブネットの階層関係

[図データ]

ホストリンクジョブネットを利用すると,JP1/AJS2 for Mainframeのネットグループを介してメインフレーム側のジョブネットを透過的に扱うことができるため,メインフレーム側のジョブネットの一部をホストリンクジョブネットとしてJP1/AJS3上のジョブネットに定義し,JP1/AJS3からメインフレーム側のジョブネットやジョブを監視したり,開始・終了を制御したりできます。ただし,メインフレームのジョブネットはメインフレーム上で管理されており,メインフレームのジョブスケジューラーによってスケジューリングされているため,JP1/AJS3上でスケジュールに関する設定はできません。したがって,ホストリンクジョブネットは,すでにメインフレームのジョブスケジューラーで構築されている運用内容を監視したり,部分的な実行順序と連携したりする場合の使用に限ります。また,メインフレームのジョブネットやジョブを操作するには,メインフレーム側でコマンドを実行する必要があります。JP1/AJS3でメインフレーム側のジョブを制御したい場合は,JP1/OJEを利用した,QUEUEジョブでの運用構築を行ってください。

なお,JP1/AJS2 - View 06-00でホストリンクジョブネットを表示させた場合,ホストリンクジョブネットはジョブネットとして表示されますが,操作しないでください。ホストリンクジョブネットを操作する場合は,バージョン06-51以降のJP1/AJS - Viewで操作してください。

ホストリンクジョブネットの詳細については,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 メインフレーム 運用・操作編」,およびマニュアル「JP1/Automatic Job Management System 2 メインフレーム リファレンス編」を参照してください。