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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.11.17 仮想サーバのOS初期設定&IPアドレス設定(Linux)

機能

VMware vSphere環境の仮想サーバ(Linux)に対してOSの初期設定(コンピュータ名,タイムゾーン),およびIPアドレス設定を行います。

新規作成された仮想サーバを起動して,OSの初期化とカスタマイズ処理を行います。

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・ESXサーバ

 VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESX(またはVMware ESX Server)によって管理されている仮想サーバです。

仮想サーバは最大4個までIPアドレスを設定することができます。1個目のIPアドレス(管理用)には,デプロイした仮想サーバを管理するためのIPアドレスを設定してください。2〜4個目のIPアドレス(2個目用)・IPアドレス(3個目用)・IPアドレス(4個目用)については,管理用・業務用IPアドレスをユーザーの運用に合わせて設定してください。仮想サーバが持つNICの数によってIPアドレスの設定順序は次のようになります。

・仮想サーバがNICを1個持つ場合

NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたIPアドレスを設定します。その他のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。

・仮想サーバがNICを2個以上持つ場合

NICには,IPアドレス(管理用)>IPアドレス(2個目用)>IPアドレス(3個目用)>IPアドレス(4個目用)の順でIPアドレスを設定します。IPアドレスの指定に空きがある場合,詰めて設定します。例えば,指定するIPアドレスがIPアドレス(管理用),IPアドレス(2個目用),IPアドレス(4個目用)の場合(IPアドレス(3個目用)がない場合),IPアドレス(4個目用)は仮想マシンの3つ目のNICに設定します。入力したIPアドレスの数が仮想サーバが持つNICの数より多い場合,超えた分のIPアドレスは破棄されますのでご注意ください。

DNSサーバのIPアドレスはNICごとではなく,仮想サーバに対して設定されます。仮想サーバには,DNSサーバのIPアドレス(管理用)>DNSサーバのIPアドレス(2個目用)>DNSサーバのIPアドレス(3個目用)>DNSサーバのIPアドレス(4個目用)の順で最初に指定されていたDNSサーバのIPアドレスを設定します。

指定可能なタイムゾーンは次のとおりです。

  America/Adak

  America/Anchorage

  America/Boise

  America/Chicago

  America/Denver

  America/Detroit

  America/Indiana/Indianapolis

  America/Indiana/Knox

  America/Indiana/Marengo

  America/Indiana/Petersburg

  America/Indiana/Tell_City

  America/Indiana/Vevay

  America/Indiana/Vincennes

  America/Indiana/Winamac

  America/Juneau

  America/Kentucky/Monticello

  America/Los_Angeles

  America/LouisVille

  America/Menominee

  America/Monterrey

  America/Montevideo

  America/New_York

  America/Nome

  America/North_Dakota/Beulah

  America/North_Dakota/Center

  America/North_Dakota/New_Salem

  America/Phoenix

  America/Shiprock

  America/Tijuana

  America/Vancouver

  America/Yakutat

  Asia/Chongqing

  Asia/Hong_Kong

  Asia/Kolkata

  Asia/Macau

  Asia/Shanghai

  Asia/Singapore

  Asia/Tokyo

  Etc/UTC

  Europe/London

  Pacific/Honolulu

指定がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。このため,タイムゾーンプロパティのリストに設定したい値が存在しない場合は,事前にテンプレートにタイムゾーンを設定してください。

利用場面

Linuxの仮想サーバを作成する場合に利用できます。部品vsphereCreateVMの実行後に呼び出すことで,OSの初期設定を行うことができます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 10-12以降

【実行対象システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)ESXサーバの前提製品

 ・VMware vSphere ESXi 6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)(vCenter4.1以降。vCenter4.0では未サポート)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)(vCenter4.1以降。vCenter4.0では未サポート)

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がVMware vCenter Serverで管理されていること。

(2)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)上の設定に関する条件

 ・データストアが登録済みであること。

 ・ポートグループが設定済みであること。仮想サーバに設定するポートグループは,標準仮想スイッチ(vNetwork 標準スイッチ/vSphere 標準スイッチ)を使ったネットワーク上のポートグループを指定してください。

(3)仮想サーバに関する条件

 ・VMware Toolsがインストール済みであること。

 ・リモートコマンドが実行可能な設定であること(仮想サーバにおいてSSHが有効になっていること)。

 ・NICが設定してあること(最大4個まで)。

(4)仮想サーバに関する条件

 ・同一のvCenterの管理下で,仮想サーバ名が重複しないこと。

【実行対象サーバ内前提製品】

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

注意事項

(1)作成する仮想サーバがLinuxの場合,ドメイン名,DNSサフィックスが必須となります。指定がない場合,"localdomain"が設定されます。

(2)IPアドレス,サブネットマスク,デフォルトゲートウェイは,3つの情報を同時に指定してください。どれかの指定がない場合,3つとも設定は行われません。

(3)OS情報取得の繰り返し回数の指定がない場合,"72"が設定されます。

(4)OS情報取得の繰り返し実行間隔の指定がない場合,"5"が設定されます。

(5)仮想サーバのOSに設定するIPアドレスについて,IPアドレスとして設定できない値は入力しないでください。例えば,ネットワークアドレスやブロードキャストアドレス,「0.0.0.0」や「255.255.255.255」などの特殊なアドレスは指定できません。入力した場合,仮想サーバのデプロイはエラーとなります。また,IPアドレス(管理用)には,JP1/AOサーバと通信できるIPアドレスを入力してください。正しいアドレスであっても,デプロイに失敗するおそれがあります。

(6)IPアドレスは「機能」に記載のとおり設定されますが,仮想サーバのOSにNICを設定した順番によっては,意図どおりIPアドレスが設定されない場合があるため,仮想サーバ作成後はIPアドレスが意図どおり設定されているか確認してください。もし設定されていない場合は,手動で変更してください。

(7)Linuxのデプロイを行う場合,テンプレートOSのrootパスワードはLinux.adminPasswordプロパティで指定可能な文字で設定してください。

(8)仮想サーバに設定するIPアドレスは,他のサーバと重複しないようにしてください。他のサーバとIPアドレスが重複していると,仮想サーバのNICが無効状態となり,タスクが異常終了します。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

システム管理者ロール

バージョン

01.12.00

カテゴリ

VirtualMachine/vSphere

タスクログに表示される部品の名称

vsphereSetOsinfoLin

戻り値

戻り値

説明

0

正常

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

28

異常(ネットワーク起動不正) 電源起動後のネットワーク起動確認不可

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

VMware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

common.computerName

コンピュータ名/ホスト名

OSのコンピュータ名(ホスト名)を指定します。Windowsの場合,最大15文字まで,Linuxの場合,最大63文字まで指定します。

− 

入力

○ 

OS.ipAddressMan

IPアドレス(VM1個目用)

仮想サーバに設定する1個目のIPアドレスを指定します。

IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMaskMan

サブネットマスク(VM1個目用)

仮想サーバに設定する1個目のサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGWMan

デフォルトゲートウェイ(VM1個目用)

仮想サーバに設定する1個目のデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dnsMan

DNSサーバのIPアドレス(VM1個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress2

IPアドレス(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask2

サブネットマスク(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW2

デフォルトゲートウェイ(2個目用)

仮想サーバのOSが認識する2個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns2

DNSサーバのIPアドレス(2個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dnsSuffix

DNS サフィックス名

DNSサフィックス名を指定します(Linuxの場合だけ)。入力がない場合,"localdomain"が設定されます。

− 

入力

△ 

OS.workgroupNameDomainName

ドメイン名

仮想サーバが所属するドメイン名を指定します。

− 

入力

△ 

Linux.adminPassword

管理者権限を持つOSユーザーのパスワード :Linux固有

OS設定の確認をするための管理者権限を持つOSユーザーのパスワードを設定します。作成するOSがLinuxの場合に必ず指定します。

− 

入力

○ 

VMware.checkOSInitCount

OS情報取得の繰り返し回数

OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の繰り返し回数を指定します。OS情報取得の実行間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。

72

入力

△ 

VMware.checkOSInitInterval

OS情報取得の実行間隔

OS初期設定の完了確認のため,OS情報を取得する際の実行間隔を分単位で指定します。

5

入力

△ 

VMware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

443

入力

△ 

VMware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

https

入力

○ 

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

OS.timeZone

タイムゾーン

仮想サーバのOSに設定するタイムゾーンを指定します。入力がない場合,テンプレートのタイムゾーンが使用されます。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress3

IPアドレス(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask3

サブネットマスク(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW3

デフォルトゲートウェイ(3個目用)

仮想サーバのOSが認識する3個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns3

DNSサーバのIPアドレス(3個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.ipAddress4

IPアドレス(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.subnetMask4

サブネットマスク(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するサブネットマスクを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.defaultGW4

デフォルトゲートウェイ(4個目用)

仮想サーバのOSが認識する4個目のNICに設定するデフォルトゲートウェイを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

OS.dns4

DNSサーバのIPアドレス(4個目用)

仮想サーバに設定するDNSサーバのIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

△ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△ 

common.flag2IPsSetup

仮想サーバに2つのIPアドレスを設定したかどうか

仮想サーバに複数IPアドレスを設定したとき(TRUE),それ以外のとき(FALSE)を格納するプロパティです。

− 

出力

○