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JP1 Version 10 JP1/Automatic Operation サービステンプレートリファレンス


5.11.11 仮想サーバへの仮想ディスク追加

機能

VMware vSphere環境における仮想サーバに仮想ディスクを追加します。

追加した仮想ディスクは,次のどちらかの方法でSCSIコントローラに接続します。

・既存のSCSIコントローラに接続する

 SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にfalseを指定した場合,既存のSCSIコントローラに接続します。

 仮想ディスクを接続するSCSIコントローラを指定するときは,SCSIコントローラ名(VMware.attachedScsiControllerNameプロパティ)を指定してください。

 SCSIコントローラ名の指定を省略した場合,任意のSCSIコントローラに仮想ディスクを接続します。

・新規にSCSIコントローラを追加し,追加したSCSIコントローラに接続する

 SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定した場合,新規にSCSIコントローラを追加し,追加したSCSIコントローラに接続します。

 この場合,次のプロパティをどちらも指定してください。

  - SCSIバスの共有(VMware.scsiBusSharingModeプロパティ)

  - SCSIコントローラタイプ(VMware.scsiControllerTypeプロパティ)

この部品が前提とするサーバを次に示します。

・vCenterサーバ

 VMware vCenter Serverがインストールされているサーバです。

・vCenter操作サーバ(実行対象サーバ)

 VMware vSphere PowerCLIがインストールされているサーバです。JP1/AOによってこのサーバに部品が転送され,実行されます。

・仮想サーバ

 vCenterサーバおよびVMware vSphere ESXによって管理されている仮想サーバです。

・データストア名(VMware.dataStoreNameプロパティ)について次に示します。

仮想ディスクを作成するデータストアの名称を指定します。

RDMディスクを作成する場合は,マッピングファイルの格納先データストアを指定します。

・仮想ディスクの容量(VMware.vHardDiskCapacityプロパティ)について次に示します。

作成する仮想ディスクの容量(単位:GB)を指定します。仮想ディスクの種別がFlatの場合,必ず指定してください。

RDMディスクを作成する場合は,このプロパティを指定する必要はありません。

・仮想ディスクの種別(VMware.vHardDiskTypeプロパティ)について次に示します。

作成する仮想ディスクの種別をRawVirtual,RawPhysical,Flatのどれかで指定します。指定を省略した場合,仮想ディスクの種別はFlatになります。

RDMディスクを仮想モードで接続する場合はRawVirtualを,RDMディスクを物理モードで接続する場合はRawPhysicalを,仮想ディスクを接続する場合はFlatを指定してください。

利用場面

仮想サーバの新規構築時やディスク増設時など,仮想サーバにデータディスクを追加する場合に使用できます。

前提条件

【システム内前提製品】/【実行対象システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。

【システム内前提製品】

 JP1/Automatic Operation 10-52以降

【実行対象システム内前提製品】

(1)vCenterサーバの前提製品

 ・VMware vCenter Server 6.0,5.5,5.1,5.0,4.1,4.0

(2)仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)

 ・VMware vSphere ESXi 6.0,5.5,5.1,5.0 またはVMware ESX Server 4.1,4.0

(3)仮想サーバの前提OS

vCenterサーバの前提製品/仮想サーバを管理するVMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)/vCenter操作サーバの前提製品がサポートする構成の範囲で,次のOSがサポート範囲です。

 ・Windows Server 2003,Standard Edition/Enterprise Edition (x86/x64) SP1以降,Windows Server 2003 R2,Standard Edition/Enterprise Edition (x86/x64)

 ・Windows Server 2008 Standard/Enterprise (x86/x64),Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

 ・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)

 ・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)

【実行対象システム内前提製品の使用条件】

(1)仮想ディスクの追加対象となる仮想サーバの電源がOFFになっていること。

(2)VMware vSphere ESXi(またはVMware ESX Server)がVMware vCenter Serverで管理されていること。

(3)仮想サーバ名はvCenterサーバ内で一意になっていること。

(4)対象となる仮想サーバに,VMwareToolsがインストールされていること。

【実行対象サーバ内前提製品】

 ・VMware vSphere PowerCLI 6.0 Release1,5.8 Release1,5.5 Release2,5.5 Release1,5.1 Release2,5.0

【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】

 ・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter

 ・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter

注意事項

(1)この部品のプロパティには「"」(ダブルクォーテーション)および「'」(シングルクォーテーション)を含む文字列は指定しないでください。

(2)仮想サーバに追加した仮想ディスクの初期化は行いません。必要に応じて仮想サーバのOSにログインし,ディスクの初期化を実行してください。

(3)VMware vSphere PowerCLIのバージョンが5.1 Release2未満の場合,仮想ディスクのフォーマット種別(VMware.vDiskStorageFormatプロパティ)に"EagerZeroedThick"は指定できません。指定した場合,この部品は異常終了します。

(4)SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定した場合,SCSIバスの共有(VMware.scsiBusSharingModeプロパティ)とSCSIコントローラタイプ(VMware.scsiControllerTypeプロパティ)を両方とも指定してください。どれか1つでも指定しない場合,この部品は異常終了します。

(5)SCSIコントローラの追加要否(VMware.createScsiControllerプロパティ)にtrueを指定し,戻り値27で部品が異常終了した場合,任意のSCSIコントローラに接続された仮想ディスクが作成されているおそれがあります。その場合,タスクログのエラーメッセージに従い原因を取り除いたあと,仮想ディスクを削除し,再度部品を実行してください。なお,仮想ディスクの削除が必要な場合は,タスクログにKNAE06478-Eのメッセージが出力されます。

(6)この部品を同一の仮想サーバに対し,複数同時に実行しないでください。同時に実行した場合,この部品は異常終了するか,仮想ディスク名(VMware.createdVHardDiskNameプロパティ),SCSIコントローラ名(VMware.connectedScsiConNameプロパティ)に不正な値が格納されるおそれがあります。

実行権限

(1)VMware vCenter Serverに接続するユーザーに,次の権限が必要です。

対象とする仮想サーバに対して「新規ディスクの追加/既存ディスクの追加」の権限を持つロール,またはシステム管理者ロール

バージョン

01.53.00

カテゴリ

VirtualMachine/vSphere

タスクログに表示される部品の名称

vsphereAddVDisk

戻り値

戻り値

説明

0

正常

21

異常(環境不正) コマンドが見つからない(部品スクリプトでエラーを検知)

23

異常(環境不正) 前提環境不正

27

異常(エラー内容はタスクログで確認)

41

異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知)

プロパティ一覧

プロパティ一覧を次の表に示します。

プロパティキー

プロパティ名

説明

デフォルト値

入出力種別

必須区分

VMware.vCenterServerName

vCenterサーバ名

VMware vCenter Serverのホスト名,またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

VMware.userName

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名

VMware vCenter Serverに接続するためのユーザー名を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.password

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワード

VMware vCenter Serverに接続するためのパスワードを指定します。

− 

入力

○ 

VMware.portNumber

VMware vCenter Server接続用ポート番号

VMware vCenter Serverに接続するためのポート番号(VMware vCenter ServerのWebサービス用)を指定します。指定しなかった場合には,VMware vCenter Serverで設定されているデフォルト値で接続します。

443

入力

△ 

VMware.protocol

VMware vCenter Server接続用プロトコル

VMware vCenter Serverに接続するためのプロトコルを指定します。

https

入力

○ 

VMware.vmName

仮想サーバ名

仮想サーバの名称を指定します(VMware vCenter Serverにおける仮想サーバの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。

− 

入力

○ 

VMware.dataStoreName

データストア名

データストアの名称を指定します。

− 

入力

○ 

VMware.vHardDiskCapacity

仮想ディスクの容量

作成する仮想ディスクの容量(単位:GB)を整数値で指定します。

− 

入力

△ 

VMware.vHardDiskType

仮想ディスクの種別

作成する仮想ディスクの種別をRawVirtual, RawPhysical, Flatのどれかで指定します。

− 

入力

△ 

VMware.deviceName

LUNのデバイス名

仮想ディスクを作成するLUNのデバイス名を指定します。仮想ディスクの種別でRawVirtualまたはRawPhysicalを選択した場合だけ指定します(例:/vmfs/devices/disks/naa.XXX)。

− 

入力

△ 

VMware.vDiskStorageFormat

仮想ディスクのフォーマット種別

仮想ディスクのフォーマット種別を指定します。指定可能な値は,Thin,Thick,EagerZeroedThickです。仮想ディスクをシンプロビジョニングでフォーマットする場合はThinを,シックプロビジョニング(Lazy Zeroed)でフォーマットする場合はThickを,シックプロビジョニング(Eager Zeroed)でフォーマットする場合はEagerZeroedThickを指定してください。このプロパティは仮想ディスクの種別がFlatのときだけ指定してください。

− 

入力

△ 

VMware.attachedScsiControllerName

SCSIコントローラ名

仮想ディスクを接続するSCSIコントローラ名を指定してください(例:SCSI コントローラ X)。省略した場合,仮想ディスクは任意のSCSIコントローラに接続されます。SCSIコントローラの追加要否にtrueを指定する場合,このプロパティの指定は無視されます。

− 

入力

△ 

VMware.createScsiController

SCSIコントローラの追加要否

作成する仮想ディスクに対し,新規にSCSIコントローラを割り当てるか否かを指定します。新規にSCSIコントローラを追加する場合はtrueを,追加しない場合はfalseを指定してください。このプロパティを指定する場合は,SCSIバスの共有およびSCSIコントローラタイプも必ず併せて指定してください。

false

入力

○ 

VMware.scsiBusSharingMode

SCSIバスの共有

SCSIコントローラのバス共有方式を指定します。指定可能な値は,NoSharing,Virtual,Physicalです。SCSI接続されている仮想ディスクを仮想サーバ間で共有しない場合はNoSharingを,同じESXサーバ上の仮想サーバ間で共有する場合はVirtualを,すべてのESXサーバ上の仮想サーバ間で共有する場合はPhysicalを指定してください。

− 

入力

△ 

VMware.scsiControllerType

SCSIコントローラタイプ

SCSIコントローラのタイプを指定します。指定可能な値は,VirtualLsiLogicSAS,VirtualLsiLogic,ParaVirtual,VirtualBusLogicです。タイプを"LSI Logic SAS"にする場合はVirtualLsiLogicSASを,"LSI Logic パラレル"にする場合はVirtualLsiLogicを,"VMware 準仮想化"にする場合はParaVirtualを,"BusLogic パラレル"にする場合はVirtualBusLogicを指定してください。

− 

入力

△ 

plugin.destinationHost

実行対象サーバのホスト名

この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。

− 

入力

○ 

common.returnValue

部品の戻り値

この部品の戻り値が格納されます。

− 

出力

△ 

VMware.createdVHardDiskName

仮想ディスク名

新規に追加した仮想ディスクの名前が格納されます。

− 

出力

△ 

VMware.connectedScsiConName

SCSIコントローラ名

新規に追加した仮想ディスクと接続するSCSIコントローラの名前が格納されます。

− 

出力

△