5.10.1 仮想サーバの作成
機能
OpenStack管理下のKVM環境で,イメージからインスタンスの起動をします。
このドキュメント内で使用しているOpenStackに関する用語は,OpenStackのDashboardで使用されている表示名です。OpenStackに関する用語を次に示します。
・Identity
IdentityまたはKeyStoneと記載されています。
・インスタンスタイプ
インスタンスタイプまたはフレーバーと記載されています。
・プロジェクト
プロジェクトまたはテナントと記載されています。
この部品が前提とするサーバを次に示します。
・OpenStackサーバ
OpenStackがインストールされているサーバです。
・KVMサーバ
Kernel-based Virtual Machineがインストールされているサーバです。
・OpenStack操作サーバ
OpenStackサーバにREST-APIを実行するサーバです。
・インスタンス
OpenStackサーバおよびKVMによって管理されているインスタンスです。一般的な仮想サーバのことです。
利用場面
この部品は,openstack環境でインスタンスを起動する際に使用できます。次の部品とあわせて実行することで,インスタンスのOS初期設定まで実施できます。
・osSetLinuxInfo
前提条件
【システム内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品】/【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 10-50以降
【実行対象サーバ内前提製品】
(1)OpenStackサーバの前提製品
・OpenStack
(2)インスタンスを管理するKVMサーバ
・Kernel-based Virtual Machine
(3)OpenStack操作サーバ
・Microsoft .Net Framework 3.5以降
(4)インスタンスの前提OS
・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)
・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)
【実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
ただし,Server Coreインストール環境は除く。
【実行対象システム内前提製品の使用条件】
(1)OpenStackサーバ上の設定に関する条件
・インスタンスが接続するネットワークのサブネットの設定がDHCP有効で,IPアドレスが動的に割り当てられるようになっていること。
・インスタンスの起動に使用するイメージが作成済みであること。
・インスタンスの起動に使用するインスタンスタイプが作成済みであること。
・インスタンスの起動に使用するネットワークが作成済みであること。
・イメージ名がテナント内で一意であること。
・インスタンスタイプ名がテナント内で一意であること。
・ネットワーク名がテナント内で一意であること。
(2)インスタンスの起動に使用するイメージに関する条件
・エージェントレス接続が可能な設定であること。
・ファイアーウォールがICMP(ECHO)応答を許可していること。
(3)インスタンスに関する条件
・同一テナント内でインスタンス名が重複しないこと。
注意事項
(1)インスタンスの起動中は,当該インスタンスを操作しないでください。インスタンスの起動に失敗するおそれがあります。OpenStackサーバからも直接操作をしないでください。
(2)インスタンスに対してFloating IPアドレスを設定したい場合は,openstack.floatingIpOptionプロパティの選択リストで"yes"を選択し,openstack.floatingIpAddressプロパティにFloating IPアドレスを指定してください。openstack.floatingIpOptionプロパティの選択リストで"yes"を選択し,openstack.floatingIpAddressプロパティにFloating IPの指定が無い場合,openstack.networkNameExtプロパティで指定したネットワークのFloating IPアドレスプールから最初に取得できたFloating IPアドレスを設定します。
(3)JP1/AOサーバとの通信に外部ネットワークを使用する場合は,openstack.floatingIpOptionプロパティの選択リストで"yes"を選択してください。"no"を選択した場合,JP1/AOサーバからインスタンスにアクセスできないで,タスクが異常終了します。
(4)openstack.floatingIpOptionプロパティの選択リストで"yes"を選択した場合は,openstack.networkNameExtプロパティを設定してください。openstack.networkNameExtプロパティが省略された場合は,Floating IPアドレスを取得する外部ネットワークが特定できないで,タスクが異常終了します。
(5)openstack.securityGroupNameプロパティを省略した場合,セキュリティグループ"default"が設定されます。
(6)openstack.protocolプロパティの選択リストで"https"を選択した場合に,OpenStackサーバの証明書がパブリック証明書でない場合,証明書の信頼性が確認できないため,タスクが異常終了します。
実行権限
(1)OpenStackサーバにログインするユーザーに次の権限が必要です。
admin権限
バージョン
01.12.00
カテゴリ
VirtualMachine/Openstack
タスクログに表示される部品の名称
openstackCreateVM
戻り値
戻り値 |
説明 |
---|---|
23 |
異常(環境不正) 前提環境不正 |
27 |
異常(エラー内容はタスクログで確認) |
41 |
異常(部品内でエラーを検知) プロパティ未入力(部品スクリプトでエラーを検知) |
プロパティ一覧
プロパティ一覧を次の表に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
デフォルト値 |
入出力種別 |
必須区分 |
---|---|---|---|---|---|
plugin.destinationHost |
実行対象サーバのホスト名 |
この部品を実行するサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.identityServerHostName |
Identityサーバのホスト名 |
Identityサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.userName |
Identityサーバにログインするためのユーザー名 |
Identityサーバにログインするためのユーザー名を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.password |
Identityサーバにログインするためのパスワード |
Identityサーバにログインするためのパスワードを指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.protocol |
Identityサーバ接続用プロトコル |
Identityサーバに接続するためのプロトコルを指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.portNumber |
Identityサーバ接続用ポート番号 |
Identityサーバに接続するためのポート番号を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.projectName |
プロジェクト名 |
インスタンスを起動させるプロジェクトの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.instanceName |
インスタンス名 |
インスタンスの名称を指定します(OpenStackにおけるインスタンスの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.imageName |
イメージ名 |
イメージの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.instanceTypeName |
インスタンスタイプ名 |
インスタンスタイプの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.keyPairName |
キーペア名 |
キーペアの名称を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
openstack.securityGroupName |
セキュリティグループ名 |
セキュリティグループの名称を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
openstack.networkNameMng |
ネットワーク名(管理用) |
インスタンスに設定する管理用のネットワークの名称を指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.networkNameBiz |
ネットワーク名(業務用) |
インスタンスに設定する業務用のネットワークの名称を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
openstack.floatingIpOption |
Floating IPアドレス設定の有無 |
インスタンスにFloating IPアドレスの割り当てを行うかを指定します。Floating IPアドレスを割り当てる場合はyes,割り当てない場合はnoを選択します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.networkNameExt |
ネットワーク名(外部接続用) |
Floating IPアドレスを取得する外部ネットワークの名称を指定します。 |
− |
入力 |
△ |
openstack.floatingIpAddress |
Floating IPアドレス |
インスタンスに割り当てるFloating IPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
− |
入力 |
△ |
openstack.checkInstanceStateCount |
インスタンスの起動完了の確認回数 |
インスタンスの起動を確認する際の,インスタンスの起動状態の確認回数を指定します。インスタンスの起動状態の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.checkInstanceStateInterval |
インスタンスの起動完了の確認間隔 |
インスタンスの起動を確認する際の,インスタンスの起動状態の確認間隔を秒単位で指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.checkOSStateWaittime |
OS起動待ち時間 |
OSの起動を確認する際の,起動待ち時間を秒単位で指定します。 |
− |
入力 |
○ |
openstack.ipAddressMng |
IPアドレス(管理用) |
インスタンスの管理用ネットワークに割り当てられたIPアドレスを格納します。 |
− |
出力 |
△ |
openstack.ipAddressBiz |
IPアドレス(業務用) |
インスタンスの業務用ネットワークに割り当てられたIPアドレスを格納します。 |
− |
出力 |
△ |
openstack.floatingIpAddressWork |
Floating IPアドレス |
インスタンスに割り当てられたFloating IPアドレスを格納します。 |
− |
出力 |
△ |
openstack.instanceHostName |
インスタンスのホスト名 |
インスタンスのホスト名が格納されるワークプロパティです。 |
− |
出力 |
△ |
common.flag2IPsSetup |
インスタンスに2つのIPアドレスを設定したかどうか |
インスタンスに2つIPアドレスを設定したとき(TRUE),それ以外のとき(FALSE)を格納するプロパティです。 |
− |
出力 |
△ |
common.returnValue |
部品の戻り値 |
この部品の戻り値が格納されます。 |
− |
出力 |
△ |