3.14.2 仮想サーバの追加(仮想ディスク)
機能
このサービステンプレートは,OpenStack管理下のKVM環境で,インスタンスにボリュームを追加します。
このドキュメント内で使用しているOpenStackに関する用語は,OpenStackのDashboardで使用されている表示名です。OpenStackに関する用語を次に示します。
・Identity
IdentityまたはKeyStoneと記載されています。
・プロジェクト
プロジェクトまたはテナントと記載されています。
・ボリューム
ボリュームまたはブロックストレージと記載されています。
このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。
・OpenStackサーバ
OpenStackがインストールされているサーバです。
・KVMサーバ
Kernel-based Virtual Machineがインストールされているサーバです。
・OpenStack操作サーバ
OpenStackサーバにREST-APIを実行するサーバです。
・インスタンス
OpenStackサーバおよびKVMによって管理されているインスタンスです。一般的な仮想サーバのことです。
・ボリューム
Cinderによって管理されているボリュームです。
処理の概要を次に示します。
(1)オプションとしてボリュームを作成できます。
ボリュームを作成する場合,ボリューム名,容量を設定します。また,オプションとして説明,種別を設定できます。
(2)インスタンスにボリュームを接続します。
インスタンス名,ボリューム名を設定します。オプションとしてデバイス名を設定できます。
プロパティ設定の留意点を次に示します。
(1)ボリュームを新規作成する際には,openstack.checkVolumeCreationIntervalプロパティに指定した秒数待ってボリュームの状態を確認する動作を,openstack.checkVolumeCreationCountプロパティに指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。
(2)ボリュームをインスタンスに接続する際には,openstack.checkVolumeAttachmentIntervalプロパティに指定した秒数待ってボリュームの状態を確認する動作を,openstack.checkVolumeAttachmentCountプロパティに指定した回数繰り返します。各プロパティの値は,利用している環境に合わせて調整してください。
前提条件
【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品】/【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 10-50以降
【サービステンプレート実行システム内前提製品】
(1)OpenStackサーバの前提製品
・OpenStack
(2)インスタンスを管理するKVMサーバ
・Kernel-based Virtual Machine
(3)OpenStack操作サーバ
・Microsoft .Net Framework 3.5以降
【サービステンプレート実行システム内前提製品の稼働OS】
(1)インスタンスの前提OS
・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)
・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)
(2)OpenStack操作サーバの前提OS
・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
ただし,Server Coreインストール環境は除く。
【サービステンプレート実行システム内前提製品の使用条件】
(1)インスタンスに関する条件
・同一プロジェクト内でインスタンス名が重複しないこと。
(2)ボリュームに関する条件
・同一プロジェクト内でボリューム名が重複しないこと。
(3)ボリューム種別に関する条件
・ボリューム種別がOpenStack環境に設定済みであること。
注意事項
(1)openstack.createVolumeEnabledプロパティに"yes"を設定した場合,openstack.volumeCapacityプロパティもあわせて設定してください。openstack.volumeCapacityプロパティを省略すると,タスクが異常終了します。
(2)入力プロパティで指定する文字列の最大長は,OpenStackに登録できる最大長と異なる場合があります。OpenStackに登録できる最大長を超える長さの文字列を指定した場合,OpenStackには登録できる最大長までの文字列が登録されます。
(3)openstack.deviceNameプロパティを省略した場合,インスタンスのゲストOSのデフォルトデバイスにマッピングします。
実行権限
(1)OpenStackサーバにログインするユーザーに次の権限が必要です。
admin権限
バージョン
01.13.00
カテゴリ
VM_Operations/Configuration/OpenStack
プロパティ一覧
プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。
プロパティグループ |
説明 |
初期表示 |
---|---|---|
クラウド基盤環境情報 |
OpenStackの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
インスタンス情報 |
インスタンスの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
ボリューム情報 |
インスタンスに追加するボリュームの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
実行時オプション |
ボリュームを追加する際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。 |
表示されません。 |
[サービス設定]ダイアログボックスに表示されるプロパティの一覧を次に示します。
- (凡例)
-
○:プロパティの指定は必須です。
△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
openstack.targetHost |
OpenStack操作サーバのホスト名 |
OpenStack操作サーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.identityServerHostName |
Identityサーバのホスト名 |
Identityサーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.userName |
Identityサーバにログインするためのユーザー名 |
Identityサーバにログインするためのユーザー名を指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.password |
Identityサーバにログインするためのパスワード |
Identityサーバにログインするためのパスワードを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.protocol |
Identityサーバ接続用プロトコル |
Identityサーバに接続するためのプロトコルを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.portNumber |
Identityサーバ接続用ポート番号 |
Identityサーバに接続するためのポート番号を指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
クラウド基盤環境情報 |
openstack.projectName |
プロジェクト名 |
プロジェクトの名称を指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
インスタンス情報 |
openstack.createVolumeEnabled |
ボリューム作成の要否 |
ボリュームを新規に作成するかどうかを指定します。「no」を選択した場合,既存のボリュームを使用します。 |
入力 |
無効 |
○ |
ボリューム情報 |
openstack.checkVolumeCreationCount |
ボリュームの作成完了の確認回数 |
ボリュームが作成されたことを確認する際の,確認回数を指定します。ボリュームの作成完了の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
openstack.checkVolumeCreationInterval |
ボリュームの作成完了の確認間隔 |
ボリュームが作成されたことを確認する際の,確認間隔を秒単位で指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
openstack.checkVolumeAttachmentCount |
ボリュームの接続完了の確認回数 |
ボリュームが接続されたことを確認する際の,確認回数を指定します。ボリュームの接続完了の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
openstack.checkVolumeAttachmentInterval |
ボリュームの接続完了の確認間隔 |
ボリュームが接続されたことを確認する際の,確認間隔を秒単位で指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
[サービス設定]ダイアログボックスおよび[サービス実行]ダイアログボックスに表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
openstack.instanceName |
インスタンス名 |
インスタンスの名称を指定します(OpenStackにおけるインスタンスの表示名称です。OS上のホスト名ではありません)。 |
入力 |
無効 |
○ |
インスタンス情報 |
openstack.volumeName |
ボリューム名 |
インスタンスに接続するボリュームの名称を指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
ボリューム情報 |
openstack.volumeDescription |
ボリューム説明 |
ボリュームの説明を指定します。ボリュームを作成しない場合は指定しても無視されます。 |
入力 |
無効 |
△ |
ボリューム情報 |
openstack.volumeType |
ボリューム種別 |
ボリュームの種別を指定します。OpenStack環境に設定されている種別を指定してください。ボリュームを作成しない場合は指定しても無視されます。 |
入力 |
無効 |
△ |
ボリューム情報 |
openstack.volumeCapacity |
ボリューム容量 (GB) |
ボリュームの容量(単位:GB)を指定します。ボリュームを作成する場合は必須です。ボリュームを作成しない場合は指定しても無視されます。 |
入力 |
無効 |
△ |
ボリューム情報 |
openstack.deviceName |
デバイス名 |
インスタンスに接続するボリュームをマッピングするデバイスを指定します。デバイスはゲストOSのdevディレクトリ配下が相当し,例えば"vda"にマッピングする場合は"/dev/vda"と指定します。 |
入力 |
無効 |
△ |
ボリューム情報 |
[タスク詳細]ダイアログボックスにだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
---|---|---|---|---|
openstack.attachedDeviceName |
接続デバイス名 |
ボリュームを接続したデバイス名が格納されます。 |
出力 |
無効 |
[サービス設定]ダイアログボックスに表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
openstack.targetHost |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
openstack.identityServerHostName |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
openstack.userName |
64文字以内の半角英数字。 |
openstack.password |
256文字以内の半角英数字。 |
openstack.protocol |
次の値のどれかを選択する。 http,https |
openstack.portNumber |
1〜65535の整数値。 |
openstack.projectName |
80文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
openstack.createVolumeEnabled |
次の値のどれかを選択する。 yes,no |
openstack.checkVolumeCreationCount |
1〜2147483647の整数値。 |
openstack.checkVolumeCreationInterval |
1〜60の整数値。 |
openstack.checkVolumeAttachmentCount |
1〜2147483647の整数値。 |
openstack.checkVolumeAttachmentInterval |
1〜60の整数値。 |
[サービス設定]ダイアログボックスおよび[サービス実行]ダイアログボックスに表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
openstack.instanceName |
80文字以内の文字列。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
openstack.volumeName |
255文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
openstack.volumeDescription |
1024文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
openstack.volumeType |
255文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
openstack.volumeCapacity |
1〜2147483647の整数値。 |
openstack.deviceName |
255文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,「<」,「>」,「|」,「;」,「&」,「'」,「"」,「*」,「?」,「[」,「]」,「`」,「%」,「¥」を除く。 |
フロー仕様詳細
フロー仕様詳細を次の表に示します。
階層 |
[タスク詳細]ダイアログボックスでの表示名 |
ステップ名 |
部品 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
部品名 |
バージョン |
説明 |
エラー時の回復方法 |
|||
1 |
ボリューム作成の要否判定 |
ボリューム作成の要否判定 |
値判定分岐部品 |
01.10.00 |
ボリュームを作成するかを判定します。 |
− |
2 |
ボリュームの作成 |
ボリュームの作成 |
ボリュームの作成 |
01.13.00 |
ボリュームを作成します。 |
タスクログを確認し,エラーの原因を取り除いたあと,このサービスを再実行してください。 指定したボリュームが作成されている場合は,ボリュームを削除したあと,このサービスを再実行してください。 |
3 |
ボリュームの接続 |
ボリュームの接続 |
ボリュームの接続 |
01.13.00 |
インスタンスにボリュームを接続します。 |
タスクログを確認し,エラーの原因を取り除いてください。もしこのサービスでボリュームを作成した場合は,作成されたボリュームを削除してください。そのあと,このサービスを再実行してください。 |