3.11.1 仮想サーバの追加(デプロイ)
機能
このサービステンプレートは,Amazon EC2環境でインスタンスを起動します。オプションとして,起動したインスタンスを停止することができます。
このサービステンプレートが前提とするサーバを次に示します。
・AWS操作サーバ(実行対象サーバ)
AWS Tools for Windows PowerShell(以降,「AWS Tools」と呼ぶ)がインストールされているサーバです。本製品によってこのサーバに部品が転送され,実行されます。
・インスタンス
Amazon EC2環境の仮想ホストのことで,一般的な仮想サーバのことです。
処理の概要を次に示します。
(1) インスタンスを起動します。
AMI ID(aws.amiIdプロパティ),インスタンスタイプ(aws.instanceTypeプロパティ)を設定します。また,オプションとしてキーペア名(aws.keyPairNameプロパティ),セキュリティグループID(aws.securityGroupIdプロパティ),サブネットID(1個目用)(aws.subnetId1プロパティ),プライベートIPアドレス(1個目用)(aws.privateIpAddress1プロパティ)を設定できます。
(2) サブネットID(2個目用)(aws.subnetId2プロパティ)を指定した場合,起動したインスタンスに対してネットワークインターフェイスが追加され,2個目のプライベートIPアドレスが割り当てられます。
2個目のプライベートIPアドレスはサブネットID(2個目用)に指定したサブネットの範囲内で自動的に割り当てられますが,プライベートIPアドレス(2個目用)(aws.privateIpAddress2プロパティ)を指定した場合は指定した値が割り当てられます。
(3) インスタンス停止の要否(aws.stopInstanceEnabledプロパティ)に"yes"を指定した場合,起動したインスタンスを停止します。
プロパティ設定の留意点を次に示します。
(1) キーペア名(aws.keyPairNameプロパティ)を省略した場合,インスタンスにキーペアが設定されません。
(2) セキュリティグループID(aws.securityGroupIdプロパティ)を省略した場合,デフォルトのセキュリティグループIDが設定されます。
(3) サブネットID(1個目用)(aws.subnetId1プロパティ)を省略した場合,デフォルトのサブネットIDが設定されます。
(4) プライベートIPアドレス(1個目用)(aws.privateIpAddress1プロパティ)を省略した場合,サブネットID(1個目用)に指定したサブネットの範囲内で自動的にIPアドレスが割り当てられます。
(5) サブネットID(2個目用)(aws.subnetId2プロパティ)を指定して,かつプライベートIPアドレス(2個目用)(aws.privateIpAddress2プロパティ)を省略した場合,サブネットID(2個目用)に指定したサブネットの範囲内で自動的にIPアドレスが割り当てられます。
前提条件
【システム内前提製品】/【サービステンプレート実行対象サーバ内前提製品】/【サービステンプレート実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】/【サービステンプレート実行対象システム内前提製品】の最新のサポート状況については,リリースノートを参照してください。
【システム内前提製品】
JP1/Automatic Operation 10-52以降
【サービステンプレート実行対象サーバ内前提製品】
・AWS Tools for Windows PowerShell
・Microsoft .Net Framework 3.5以降
【サービステンプレート実行対象サーバ内前提製品の稼働OS】
・Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
ただし,Server Coreインストール環境は除く。
【サービステンプレート実行対象システム内前提製品】
(1) インスタンスの前提OS
・Windows Server 2008 Standard/Enterprise (x86/x64),Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise/Datacenter
・Windows Server 2012 Standard/Datacenter,Windows Server 2012 R2 Standard/Datacenter
・Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 (x86),Red Hat Enterprise Linux 5 Advanced Platform (AMD/Intel 64),Red Hat Enterprise Linux 5 (AMD/Intel 64)
・Red Hat Enterprise Linux Server 6 (32-bit x86),Red Hat Enterprise Linux Server 6 (64-bit x86_64)
【サービステンプレート実行対象システム内前提製品の使用条件】
(1) Amazon EC2環境の設定に関する条件
・インスタンスの起動に使用するAMIが作成済みであること。
(2) 本製品に関する条件
・このサービスを実行する場合,エージェントレス接続先として実行対象サーバを設定する必要があります。実行対象サーバとしてローカルサーバを使用する場合,"localhost"で解決されるループバックアドレスを設定する必要があります。
注意事項
(1) 次に示すIPアドレスには,使用中や範囲外のIPアドレスを指定しないでください。指定した場合,タスクが異常終了します。
・プライベートIPアドレス(1個目用)(aws.privateIpAddress1プロパティ)
・プライベートIPアドレス(2個目用)(aws.privateIpAddress2プロパティ)
(2) インスタンスの起動(/awsCreateVMステップ)が戻り値1で異常終了した場合,起動したインスタンスは削除されずに残ります。また,戻り値2で異常終了した場合は,起動したインスタンスに加えて,作成したネットワークインターフェイスも残ります。
実行権限
(1) AWSにログインするIAMユーザーが,次に示すアクションを行えるようにポリシー設定されている必要があります。
・インスタンスの作成,停止および状態取得
・ネットワークインターフェイスの作成,接続および状態取得
バージョン
01.54.00
カテゴリ
VM_Operations/Configuration/AWS
プロパティ一覧
プロパティに設定されているプロパティグループの一覧を次に示します。
プロパティグループ |
説明 |
初期表示 |
---|---|---|
仮想システム環境情報 |
AWSの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
インスタンス情報 |
起動するインスタンスの情報を指定してください。 |
表示されます。 |
実行時オプション |
インスタンスの起動および停止を行う際の状態確認に関するプロパティです。必要に応じて変更してください。 |
表示されません。 |
[サービス設定]ダイアログボックスに表示されるプロパティの一覧を次に示します。
- (凡例)
-
○:プロパティの指定は必須です。
△:プロパティの指定は省略可能です。ただし,ほかのプロパティの指定内容によっては,指定が必須になります。各プロパティの「説明」を確認してください。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
aws.targetHost |
AWS操作サーバのホスト名 |
AWS操作サーバのホスト名またはIPアドレスを指定します。IPv6アドレスには対応していません。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
aws.accessKeyId |
アクセスキーID |
AWSに接続するためのアクセスキーIDを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
aws.secretAccessKey |
シークレットアクセスキー |
AWSに接続するためのシークレットアクセスキーを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
aws.region |
リージョン |
接続先となるAWSのリージョンを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
仮想システム環境情報 |
aws.checkInstanceEnabledCount |
インスタンスの起動完了の確認回数 |
インスタンスが起動されたことを確認する際の確認回数を指定します。インスタンスの起動完了の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。このプロパティは,ネットワークインターフェイスの追加が完了したか確認する際も使用します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
aws.checkInstanceEnabledInterval |
インスタンスの起動完了の確認間隔 |
インスタンスが起動されたことを確認する際の確認間隔を秒単位で指定します。このプロパティは,ネットワークインターフェイスの追加が完了したか確認する際も使用します。 |
入力 |
無効 |
○ |
実行時オプション |
aws.stopInstanceEnabled |
インスタンス停止の要否 |
起動したインスタンスを停止するかどうかを指定します。「yes」を選択した場合,起動したインスタンスを停止します。 |
入力 |
無効 |
○ |
インスタンス情報 |
aws.checkInstanceDisabledCount |
インスタンスの停止完了の確認回数 |
インスタンスが停止されたことを確認する際の確認回数を指定します。インスタンスの停止完了の確認間隔と組み合わせて最大待ち時間となります。インスタンス停止の要否に「yes」を指定した場合は必ず指定してください。 |
入力 |
無効 |
△ |
実行時オプション |
aws.checkInstanceDisabledInterval |
インスタンスの停止完了の確認間隔 |
インスタンスが停止されたことを確認する際の確認間隔を秒単位で指定します。インスタンス停止の要否に「yes」を指定した場合は必ず指定してください。 |
入力 |
無効 |
△ |
実行時オプション |
[サービス設定]ダイアログボックスおよび[サービス実行]ダイアログボックスに表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
必須区分 |
プロパティグループ |
---|---|---|---|---|---|---|
aws.amiId |
AMI ID |
インスタンスの起動に使用するAMIのIDを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
インスタンス情報 |
aws.instanceType |
インスタンスタイプ |
インスタンスの起動に使用するインスタンスタイプを指定します。 |
入力 |
無効 |
○ |
インスタンス情報 |
aws.keyPairName |
キーペア名 |
インスタンスで使用するキーペアの名称を指定します。省略した場合は,インスタンスにキーペア名は設定されません。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
aws.securityGroupId |
セキュリティグループID |
インスタンスを関連付けるセキュリティグループのIDを指定します。省略した場合は,デフォルトのセキュリティグループに関連付けられます。複数のセキュリティグループを指定する場合は,コンマ区切りで指定してください。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
aws.subnetId1 |
サブネットID(1個目用) |
インスタンスに割り当てるプライベートIPアドレス(1個目)の範囲を示すサブネットのIDを指定します。省略した場合は,デフォルトのサブネットが割り当てられます。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
aws.privateIpAddress1 |
プライベートIPアドレス(1個目用) |
インスタンスに割り当てるプライベートIPアドレス(1個目)を指定します。IPv6アドレスには対応していません。省略した場合は,サブネットID(1個目用)に指定したサブネットの範囲内で自動的にIPアドレスが割り当てられます。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
aws.subnetId2 |
サブネットID(2個目用) |
インスタンスに割り当てるプライベートIPアドレス(2個目)の範囲を示すサブネットのIDを指定します。2個目のIPアドレスを設定する場合は必ず指定してください。省略した場合は,2個目のIPアドレスは設定されません。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
aws.privateIpAddress2 |
プライベートIPアドレス(2個目用) |
インスタンスに割り当てるプライベートIPアドレス(2個目)を指定します。IPv6アドレスには対応していません。サブネットID(2個目用)を指定した場合に有効になります。サブネットID(2個目用)を指定した時にこのプロパティを省略した場合は,サブネットID(2個目用)に指定したサブネットの範囲内で自動的にIPアドレスが割り当てられます。 |
入力 |
無効 |
△ |
インスタンス情報 |
[タスク詳細]ダイアログボックスにだけ表示されるプロパティの一覧を次に示します。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
---|---|---|---|---|
aws.instanceIdOutput |
インスタンスID |
インスタンスのIDが格納されます。 |
出力 |
無効 |
aws.instanceIPaddress |
インスタンスのIPアドレス |
インスタンスのIPアドレスが格納されます。インスタンスに複数のIPアドレスが設定されている場合には,コンマ区切りで出力されます。 |
出力 |
無効 |
aws.networkInterfaceId |
ネットワークインターフェイスID |
サブネットID(2個目用)を指定した場合に,インスタンスに追加したネットワークインターフェイスのIDが格納されます。 |
出力 |
無効 |
処理で値を引き継ぐためのワーク用変数として使用するプロパティの一覧を次に示します。このプロパティは,タスクログにだけ表示されます。
プロパティキー |
プロパティ名 |
説明 |
入出力種別 |
共有設定 |
---|---|---|---|---|
aws.instanceIdInheritance |
インスタンスID(後続ステップ引き継ぎ用) |
インスタンスのIDが格納されます。後続ステップへの引き継ぎに使用します。 |
変数 |
無効 |
[サービス設定]ダイアログボックスに表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
aws.targetHost |
256文字以内の半角英数字および「.」,「-」。 |
aws.accessKeyId |
64文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,ただし「<」,「>」,「|」,「"」,「'」,「;」,「&」を除く。 |
aws.secretAccessKey |
128文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,ただし「<」,「>」,「|」,「"」,「'」,「;」,「&」を除く。 |
aws.region |
32文字以内の半角英数字および「-」。 |
aws.checkInstanceEnabledCount |
1〜2147483647の整数値。 |
aws.checkInstanceEnabledInterval |
1〜60の整数値。 |
aws.stopInstanceEnabled |
次の値のどれかを選択する。 yes,no |
aws.checkInstanceDisabledCount |
1〜2147483647の整数値。 |
aws.checkInstanceDisabledInterval |
1〜60の整数値。 |
[サービス設定]ダイアログボックスおよび[サービス実行]ダイアログボックスに表示されるプロパティの入力制限を次に示します。
プロパティキー |
入力可能文字 |
---|---|
aws.amiId |
32文字以内の半角英数字および「-」。 |
aws.instanceType |
32文字以内の半角英数字および「.」。 |
aws.keyPairName |
255文字以内の半角英数字および半角記号。ただし,ただし「<」,「>」,「|」,「"」,「'」,「;」,「&」を除く。 |
aws.securityGroupId |
256文字以内の半角英数字および「-」,「,」。 |
aws.subnetId1 |
32文字以内の半角英数字および「-」。 |
aws.privateIpAddress1 |
15文字以内の半角数字および「.」。 |
aws.subnetId2 |
32文字以内の半角英数字および「-」。 |
aws.privateIpAddress2 |
15文字以内の半角数字および「.」。 |
フロー仕様詳細
フロー仕様詳細を次の表に示します。
階層 |
[タスク詳細]ダイアログボックスでの表示名 |
ステップ名 |
部品 |
|||
---|---|---|---|---|---|---|
部品名 |
バージョン |
説明 |
エラー時の回復方法 |
|||
1 |
インスタンスの起動 |
インスタンスの起動 |
仮想サーバの作成 |
01.54.00 |
Amazon EC2環境で,仮想サーバを作成(Amazon EC2では,インスタンスの起動という)します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,サービスを再実行して下さい。 |
2 |
インスタンス停止の要否確認 |
インスタンス停止の要否確認 |
値判定分岐部品 |
01.10.00 |
起動したインスタンスを停止するかを判定します。 |
− |
3 |
インスタンスの停止 |
インスタンスの停止 |
仮想サーバのシャットダウン |
01.54.00 |
Amazon EC2環境で,仮想サーバをシャットダウン(Amazon EC2では,インスタンスの停止という)します。 |
エラーの原因を取り除いたあと,このステップから実行してください。 |