IBM WebSphere MQ(シングルインスタンスのIBM WebSphere MQ)をHAクラスタシステムで運用すると,障害発生時にフェールオーバーすることができ,可用性が向上します。
IBM WebSphere MQをHAクラスタシステムで運用する場合,一般的には,実行系ノードと待機系ノードの両方で同じIBM WebSphere MQのインスタンスが実行できる環境を構築し,IBM WebSphere MQのデータ(データファイル,構成ファイル,ログファイルなど)一式を共有ディスクに格納した構成にします。なお,HAクラスタシステム上でIBM WebSphere MQを運用する場合,一般的にはクラスタソフトからIBM WebSphere MQを制御するためのソリューション製品を使用します。
クラスタシステムでのIBM WebSphere MQの構成や運用方法は,システムによって異なる場合があります。
PFM - Agent for IBM WebSphere MQは,HAクラスタシステムで運用でき,クラスタ構成のIBM WebSphere MQ を監視できます。HAクラスタシステムでPFM - Agent for IBM WebSphere MQを運用する場合は,次の図のような構成で運用します。
図4-1 HAクラスタシステムでのPFM - Agent for IBM WebSphere MQの構成例
図4-1に示すように,PFM - Agent for IBM WebSphere MQはクラスタ構成のIBM WebSphere MQと同じ論理ホスト環境で動作し,IBM WebSphere MQを監視します。障害発生時はIBM WebSphere MQのフェールオーバーに連動してPFM - Agent for IBM WebSphere MQもフェールオーバーし,監視を継続できます。
また,共有ディスクに定義情報やパフォーマンス情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。1つの論理ホストに複数のPerformance Managementのプログラムがある場合は,それぞれが同じ共有ディレクトリを使います。
1つのノードでPFM - Agent for IBM WebSphere MQを複数実行できます。クラスタ構成のIBM WebSphere MQが複数ある構成(アクティブ・アクティブ構成)の場合,それぞれの論理ホスト環境で,PFM - Agent for IBM WebSphere MQを実行してください。それぞれのPFM - Agent for IBM WebSphere MQは独立して動作し,別々にフェールオーバーできます。