3.1.2 インストールとセットアップの前に

PFM - Agent for IBM WebSphere MQをインストールおよびセットアップする前に確認しておくことを説明します。

<この項の構成>
(1) 前提OS
(2) ネットワークの環境設定
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
(4) 前提プログラム
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(6) 障害発生時の資料採取の準備.
(7) 注意事項

(1) 前提OS

PFM - Agent for IBM WebSphere MQが動作するOSを次に示します。

(2) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

(a) IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

(b) ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表3-1 デフォルトのポート番号とPerformance Managementプログラムのサービス(UNIXの場合)

サービス説明サービス名パラメーターポート番号備考
サービス構成情報管理機能Name Serverjp1pcnsvr22285PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能NNM Object Managerjp1pcovsvr22292PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャーとオブジェクトマネージャーの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能Status Serverjp1pcstatsvr22350PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
JP1/ITSLM連携機能JP1/ITSLM20905JP1/ITSLMで設定されるポート番号。
(凡例)
-:なし

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(3) インストールに必要なOSユーザー権限について

PFM - Agent for IBM WebSphere MQをインストールするときは,必ず,スーパーユーザー権限(*)を持つアカウントで実行してください。

注意
*:mqmグループに属する必要があります。

(4) 前提プログラム

ここでは,PFM - Agent for IBM WebSphere MQをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成図を次に示します。

図3-2 プログラムの構成図

[図データ]

(a) 監視対象プログラム

PFM - Agent for IBM WebSphere MQの監視対象プログラムを次に示します。

これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for IBM WebSphere MQと同一ホストにインストールする必要があります。

(b) Performance Managementプログラム

監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは1つだけでかまいません。

ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。

また,PFM - Agent for IBM WebSphere MQを使ってIBM WebSphere MQの稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。

(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「4. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(6) 障害発生時の資料採取の準備.

トラブルが発生した場合に調査資料として,コアダンプファイルが必要になることがあります。コアダンプファイルの出力はユーザーの環境設定に依存するため,次に示す設定を確認しておいてください。

コアダンプファイルのサイズ設定
コアダンプファイルの最大サイズは,rootユーザーのコアダンプファイルのサイズ設定(ulimit -c)によって制限されます。次のようにスクリプトを設定してください。

ulimit -c unlimited

この設定が,ご使用のマシンのセキュリティポリシーに反する場合は,これらのスクリプトの設定を次のようにコメント行にしてください。

# ulimit -c unlimited

注意
コメント行にした場合,プロセスで発生したセグメンテーション障害やバス障害などのコアダンプファイルの出力契機に,コアダンプが出力されないため,調査できないおそれがあります。

(7) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

(a) 環境変数に関する注意事項

Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

(c) バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップについての詳細は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。

(d) その他の注意事項