4.3.2 インストールとセットアップの前に

インストールおよびセットアップを開始する前に前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for IBM WebSphere MQのセットアップに必要な情報
(3) PFM - Agent for IBM WebSphere MQで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
(4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

(1) 前提条件

PFM - Agent for IBM WebSphere MQをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

(d) IPv6を使用する場合の設定

Performance Managementでは,ネットワーク構成がIPv4環境だけでなくIPv6環境にも対応しています。そのため,IPv4環境とIPv6環境が混在するネットワーク構成でもPerformance Managementを運用できます。

PFM - Agent for IBM WebSphere MQでは,PFM - ManagerとIPv6で通信できます。ただし,PFM - Agent for IBM WebSphere MQが導入されているホストのOSがWindows Server 2008 R2,かつPFM - Managerが導入されているホストのOSがWindows Server 2008 R2またはLinuxの場合に限ります。IPv4環境とIPv6環境での通信の適用範囲については,「付録L IPv4環境とIPv6環境での通信について」を参照してください。

IPv6で通信する場合,PFM - ManagerホストとPFM - AgentホストのそれぞれでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。この設定はjpcconf ipv6 enableコマンドで実行しますが,コマンドの実行要否は次のとおりです。

jpcconf ipv6 enableコマンドの実行が必要なケース
  • それぞれのホストで,IPv4環境からIPv6環境に変更する場合
  • IPv4環境とIPv6環境が共存していて,PFM - ManagerをIPv4環境からIPv6環境に変更する場合
jpcconf ipv6 enableコマンドの実行が不要なケース
  • それぞれのホストが,すでにIPv6環境である場合
  • IPv4環境とIPv6環境が共存していて,PFM - ManagerがIPv6環境である場合

jpcconf ipv6 enableコマンドの実行例を次に示します。

jpcconf ipv6 enable

jpcconf ipv6 enableコマンドは,実行系および待機系のそれぞれで実行してください。

jpcconf ipv6 enableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。また,jpcconf ipv6 enableコマンドを実行する条件やタイミングについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPv6環境が含まれる場合のネットワーク構成例について説明している章を参照してください。

なお,PFM - Agent for IBM WebSphere MQとPFM - ManagerをIPv6で通信する場合,名前解決できるホスト名を指定してください。

PFM - Agent for IBM WebSphere MQとPFM - Managerとの通信は,解決できるIPアドレスで通信します。また,PFM - Agent for IBM WebSphere MQとPFM - Managerとの通信では,IPv4とIPv6が共存した環境の場合,解決できるIPアドレスで通信に失敗したとき,別のIPアドレスで通信することはありません。

例えば,IPv4で接続に失敗した場合,IPv6でリトライすることはありません。また,IPv6で接続に失敗した場合に,IPv4でリトライすることもありません。事前に接続できることを確認してください。

(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for IBM WebSphere MQのセットアップに必要な情報

論理ホスト運用するPFM - Agent for IBM WebSphere MQをセットアップするには,通常のPFM - Agent for IBM WebSphere MQのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の表の情報が必要です。

表4-2 論理ホスト運用のPFM - Agent for IBM WebSphere MQのセットアップに必要な情報

項目
論理ホスト名jp1-halora
論理IPアドレス172.16.92.100
共有ディスクS:¥jp1

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのフォルダを使用します。

共有ディスクに必要な容量については,「付録A システム見積もり」を参照してください。

(3) PFM - Agent for IBM WebSphere MQで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

PFM - Agent for IBM WebSphere MQを論理ホスト運用するシステム構成の場合,PFM - Agent for IBM WebSphere MQの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。

PFM - Agent for IBM WebSphere MQの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,PFM - Agent for IBM WebSphere MQが監視対象としている同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与えるおそれがあります。

通常は,PFM - Agent for IBM WebSphere MQに異常が発生しても,IBM WebSphere MQの動作に影響がないように,次のどちらかのようにクラスタソフトで設定することをお勧めします。

(4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

論理ホスト運用のPFM - Agent for IBM WebSphere MQをバージョンアップする場合は,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。