4.3.2 インストールを始める前に

インストールおよびセットアップを開始する前の前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for Exchange Serverのセットアップに必要な情報
(3) PFM - Agent for Exchange Serverで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

(1) 前提条件

PFM - Agent for Exchange Serverをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

また,次に示すエラー通知の抑止を設定してください。

Windows Server 2003の場合にワトソン博士によるエラー通知を抑止する(実行系・待機系)
ワトソン博士でアプリケーションエラーのメッセージボックスが表示されると,フェールオーバーできないおそれがあるため,メッセージボックスによるエラーの通知を抑止する必要があります。
エラーの通知を抑止すると,アプリケーションエラーが発生した際の情報取得に影響が出る場合があるため注意してください。
  1. ワトソン博士の設定を有効にするため,コマンドプロンプトで「drwtsn32 -i」を入力する。
    ワトソン博士が既定のアプリケーションデバッガとしてインストールされます。
  2. スタートメニューから[ファイル名を指定して実行]を選択する。
  3. テキストボックスに「drwtsn32」と入力し,[OK]ボタンをクリックする。
  4. ワトソン博士のダイアログボックスで[メッセージボックスによる通知]のチェックを外す。
  5. [OK]ボタンをクリックする。
Microsoftへのエラー報告を抑止する(実行系・待機系)
Windowsでは,アプリケーションエラーが発生すると,Microsoftへエラーを報告するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスが表示されるとフェールオーバーできないおそれがあるため,エラー報告を抑止する必要があります。
Windows Server 2003の場合
  1. [コントロールパネル]の「システム」を選択する。
  2. [システムのプロパティ]ダイアログボックスの[詳細設定]タブの[エラー報告]ボタンをクリックする。
  3. [エラー報告]ダイアログボックスで「エラー報告を無効にする」のラジオボタンを選択したあと,[重大なエラーが発生した場合は通知する]のチェックを外す。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
Windows Server 2008の場合
  1. [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[アクションセンター]-[メンテナンス]を選択する。
  2. [問題のレポートの解決策を確認]で[設定]をクリックする。
  3. [報告された問題の解決策をいつ確認するかを選択します]ダイアログボックスで,[解決策を確認しない]を選択する。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
Windows Server 2012の場合
  1. [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[アクションセンター]-[メンテナンス]を選択する。
  2. [問題のレポートの解決策を確認]で[設定]をクリックする。
  3. [Windows エラー報告の構成]ダイアログボックスで,[レポートを送信せず,この確認画面も今後表示しません]を選択する。
  4. [OK]ボタンをクリックする。
(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

なお,Storeデータベースについては格納先を変更して,共有ディスク上のほかのディレクトリに格納できます。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

注意
  • 論理ホスト名に,物理ホスト名(hostnameコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなる可能性があります。
  • 論理ホスト名に使用できる文字は,1~32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。
    / ¥ : ; * ? ' " < > | & = ,
  • 論理ホスト名には,"localhost",IPアドレス,"-"から始まるホスト名を指定できません。

(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for Exchange Serverのセットアップに必要な情報

論理ホスト運用するPFM - Agent for Exchange Serverをセットアップするには,通常のPFM - Agent for Exchange Serverのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の表の情報が必要です。

表4-2 論理ホスト運用のPFM - Agent for Exchange Serverのセットアップに必要な情報

項目
論理ホスト名jp1-halsr
論理IPアドレス172.16.92.100
共有ディスクS:¥jp1

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。

共有ディスクに必要な容量については,「付録A 構築前のシステム見積もり」を参照してください。

(3) PFM - Agent for Exchange Serverで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

PFM - Agent for Exchange Serverを論理ホスト運用するシステム構成の場合,PFM - Agent for Exchange Serverの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。

PFM - Agent for Exchange Serverの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与える可能性があります。

通常は,PFM - Agent for Exchange Serverに異常が発生しても,同じ論理ホストで運用しているシステムの動作に影響がないように,次のどちらかのようにクラスタソフトで設定することをお勧めします。