1.3.3 定義例
監視するリソースごとに,監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。定義例の見方を次に示します。
-
定義例の■と□は,PFM - Web Consoleのチェックボックスを示しています。
-
定義例の■は,PFM - Web Consoleでの設定で,チェックすることを示しています。また,□は,PFM - Web Consoleでの設定で,チェックしないことを示しています。
-
定義例の「dummy」はユーザーがシステム環境に応じて変更する文字列です。その他の定義内容については,必要に応じて変更してください。
-
定義例の発生頻度(例:[ 3 ]回しきい値超過/[ 5 ]インターバル中)は,システム環境によって異なります。発生頻度の定義内容は,必要に応じて変更してください。例えば,システム環境で処理が集中する時間帯が2分以上で継続的な高負荷状態であるとします。このとき,収集間隔が60秒であれば,5回中2回までは許容範囲であり,3回以上で継続的な高負荷状態であるといえます。よって,発生頻度には「[ 3 ]回しきい値超過/[ 5 ]インターバル中」と設定します。
(1) データベース
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
データベースキャッシュの使用率を監視する監視テンプレートのアラーム
表1‒8 データベースに関連する監視テンプレートのアラーム 監視テンプレートのアラーム
使用レコード
使用フィールド
異常条件
警告条件
値の見方
DbCacheEntries Usage
PI_PI
DbCache Entries Usage
> 80
> 65
データベースキャッシュの使用率(%)が継続して高い場合,もしくはピーク時にキャッシュを使い切っている場合,ディスクアクセスが発生し,パフォーマンスが低下するおそれがある。
この場合,データベースキャッシュの値を大きくするなどの対策が必要となる。
アラームの設定内容については,「7. 監視テンプレート」を参照してください。
-
データベースに関連する監視テンプレートのレポート
表1‒9 データベースに関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
DataDirectory Drive Usage Trend (Multi-Agent)
最近1か月間の複数システムのデータディレクトリの使用率(日単位)。
DbCache Usage Status
現在のデータベースキャッシュ使用率(分単位)。
Database Cache Detail
現在のデータベースキャッシュ詳細情報(分単位)。
DbCache Usage Status Summary
最近1時間のデータベースキャッシュ使用率の要約(分単位)。
Database Access Status - Top 10 Databases
アクセスが多かったデータベースの上位10個。※
Database Note Count Status - Top 10 Database
文書数の多いデータベースの上位10個。
Database Size Status - Top 10 Databases
サイズの大きいデータベースの上位10個。
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
データディレクトリの使用率を監視するアラーム
表1‒10 データディレクトリの使用率を監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(3.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
DataDirectory Usage
メッセージテキスト
%CVS1
□値の存在を監視するアラーム
□チェックしない
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
□チェックしない
[ 1 ]回しきい値超過/[ 1 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PI_PI
フィールド
異常条件:
Disk Datadir Drive Usage > "90"
条件
異常値
警告値
警告条件:
Disk Datadir Drive Usage > "80"
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
PI_PIの履歴レポートを指定する。
(2) ユーザー
監視テンプレートの定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
ログインユーザー数を監視する監視テンプレートのアラーム
表1‒11 ユーザーに関連する監視テンプレートのアラーム 監視テンプレートアラーム
使用レコード
使用フィールド
異常条件
警告条件
値の見方
Login Users
PI_PI
Users
> 300
> 240
Lotus Dominoが許容しているユーザー数以上のアクセスが同時に発生すると,急激なパフォーマンス低下の原因となるおそれがある。
この場合,1サーバ当たりのアクセスユーザー数を調整するため,サーバを分割するなどの対策が必要となる。
アラームの設定内容については,「7. 監視テンプレート」を参照してください。
-
ユーザーに関連する監視テンプレートのレポート
表1‒12 ユーザーに関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
Login Users Status Trend (Multi-Agent)
最近1か月間の複数システムのログインユーザー数(日単位)。
Login Users Status (Multi-Agent)
最近24時間の複数システムのログインユーザー数(時単位)。
Login Users Status
現在のログインユーザー数(分単位)。
Login Users Status Summary
最近1時間のログインユーザー数(分単位)。
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(3) メール
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
デッドメール・滞留メールを監視する監視テンプレートのアラーム
表1‒13 メールに関連する監視テンプレートのアラーム 監視テンプレートアラーム
使用レコード
使用フィールド
異常条件
警告条件
値の見方
Mail Dead Custom
PI_PI
Mail Dead UserCustom
>= 5
>= 1
配信不能状態となったメールがメールボックス内に発生しているおそれがある。
ネットワーク設定,接続文書の見直し,無効なユーザー設定が残っていないか確認するなどの対策が必要となる。
Mail Waiting Custom
PI_PI
Mail Waiting UserCustom
>= 5
>= 1
配信されるべきメールがキューの中に滞留し,メール配信が行われなくなっているおそれがある。
ネットワーク設定,接続文書の見直し,無効なユーザー設定が残っていないか確認するなどの対策が必要となる。ウィルスチェックソフトなどの不具合で発生することもあるため,ウィルスチェックソフト動作の確認も必要。
デッドメール,滞留メールになったと判定するまでの時間(分)は,PFM - Agent for Dominoのプロパティ「Minutes for remaining mail」「Minutes for dead mail」の設定に従います。値を変更したい場合は,PFM - Web ConsoleからPFM - Agent for Dominoのプロパティ値を変更してください。
アラームの設定内容については,「7. 監視テンプレート」を参照してください。
-
メールに関連する監視テンプレートのレポート
表1‒14 メールに関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
Mail Delivery Status Trend (Multi-Agent)
最近1か月間の複数システムのメール配信数(日単位)。
Dead Mail Status (Multi-Agent)
最近24時間の複数システムのデッドメール発生数(時単位)。
Waiting Mail Status (Multi-Agent)
最近24時間の複数システムの滞留メール発生数(時単位)。
Mail Delivery Status
現在のメール配信数(分単位)。
Mail Deliveries Detail
現在のメール配信数詳細情報(分単位)。
Dead Mail Status Summary
最近1時間のデッドメール発生数(分単位)。
Waiting Mail Status Summary
最近1時間の滞留メール発生数(分単位)。
Expired Mail Status - Top 10 Databases
期間超過しているメール文書が多いデータベースの上位10個。※1 ※2
Mail Database Size Status - Top 10 Databases
メールデータベースの中でサイズの大きいデータベースの上位10個。※3
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
配信エラーとなったメール数を監視したい
表1‒15 配信エラーとなったメール数を監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(3.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
Mail Total Failures
メッセージテキスト
Mail Total Failures is %CVS1
□ 値の存在を監視するアラーム
□チェックしない
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
□チェックしない
[ 1 ]回しきい値超過/[ 1 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PI_PIML
フィールド
異常条件:
TotFailures < "10"※1
条件
異常値
警告値
警告条件:
TotFailures < "5"※1
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
PI_PIMLの履歴レポートを指定する。※2
(4) メモリー
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
メモリーに関連する監視テンプレートのアラーム
表1‒16 メモリーに関連する監視テンプレートのアラーム 監視テンプレートアラーム
使用レコード
使用フィールド
異常条件
警告条件
値の見方
Mem Alloc Kbytes
PI_PI
Mem Alloc Kbytes
> 256000
(キロバイト)
> 128000
(キロバイト)
Lotus Dominoの使用するメモリー数が高くなり,メモリー不足になっているおそれがある。
この場合,物理メモリーを増強する,Lotus Domino上で起動するサーバタスク数を減らす,Lotus Dominoのサーバを複数のマシンに分割するなどの対策が必要となる。
アラームの設定内容については,「7. 監視テンプレート」を参照してください。
-
メモリーに関連する監視テンプレートのレポート
表1‒17 メモリーに関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
Domino Memory Status Trend (Multi-Agent)
最近1か月間の複数システムのメモリー使用量(日単位)。
Domino Memory Status
現在のメモリー使用量(分単位)。
Domino Memory Status Summary
最近1時間のメモリー使用量(分単位)。
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
メモリーの空き容量を監視するアラーム
表1‒18 メモリーの空き容量を監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(3.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
Mem Free Kbytes
メッセージテキスト
Mem Free Kbytes is %CVS1
□ 値の存在を監視するアラーム
□チェックしない
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
■チェックする
[ 3 ]回しきい値超過/[ 5 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PI_PI
フィールド
異常条件:
Mem Free Kbytes < "物理メモリーの10%+仮想メモリー容量程度を設定する"※
条件
異常値
警告値
警告条件:
Mem Free Kbytes < "物理メモリーの30%+仮想メモリー容量程度を設定する"※
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
Reports/Domino/Troubleshooting/Recent Past/Domino Memory Status Summary
(5) 複製
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
複製に関連する監視テンプレートのアラーム
表1‒19 複製に関連する監視テンプレートのアラーム 監視テンプレートアラーム
使用レコード
使用フィールド
異常条件
警告条件
値の見方
Repl Cluster Failed
PI_PI
Repl Cluster Failed
> 3
> 1
Lotus Dominoのクラスタ間でデータベースの複製に失敗しているおそれがある。
この場合,ネットワーク設定,接続文書,複製の設定に関する見直しなどの対策が必要となる。
アラームの設定内容については,「7. 監視テンプレート」を参照してください。
-
複製に関連する監視テンプレートのレポート
表1‒20 複製に関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
Replication Status Trend (Multi-Agent)
最近1か月間の複数システムの複製数,およびエラー数(日単位)。
Replication Status
現在の複製数,およびエラー数(分単位)。
Cluster Replication Detail
現在の複製詳細情報(分単位)。
Replication Status Summary
最近1時間の複製数,およびエラー数(分単位)。
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
複製のエラーを監視したい
表1‒21 複製のエラーを監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(3.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
Repl Failed
メッセージテキスト
Repl Failed is %CVS1
□ 値の存在を監視するアラーム
□チェックしない
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
□チェックしない
[ 1 ]回しきい値超過/[ 1 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PI_PI
フィールド
異常条件:
Repl Failed > "3"※
条件
異常値
警告値
警告条件:
Repl Failed > "1"※
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
PI_PIの履歴レポートを表示する。
(6) ヘルスチェック
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
ヘルスチェックに関連する監視テンプレートのアラーム
なし
-
ヘルスチェックに関連する監視テンプレートのレポート
表1‒22 ヘルスチェックに関連する監視テンプレートのレポート レポート名
表示する情報
Health Check Status (4.0)
現在のサーバタスク稼働状況(分単位)。
レポートの設定内容については「7. 監視テンプレート」を参照してください。
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
サーバタスク稼働状況を監視するアラーム
表1‒23 サーバタスク稼働状況を監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(4.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
Server Task Down
メッセージテキスト
%CVS1 is down
□値の存在を監視するアラーム
□チェックしない
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
■チェックする ※1
[ 3 ]回しきい値超過/[ 3 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PI_PIHC
フィールド
異常条件:
Check Name <> "dummy"※2 ※3 ※4 ※5
AND ResponseTime < "0"
条件
異常値
警告値
警告条件:
Check Name <> "dummy"※2 ※3 ※4 ※5
AND ResponseTime < "0"
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
PI_PIHCの履歴レポートを指定する。※6
-
サーバタスクダウンを自動復旧するアラームアクション定義
表1‒24 サーバタスクダウンを自動復旧するアラームアクション定義例 項目
内容
実行するアクション
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
■
■
□
SNMP
□
□
□
コマンド定義
コマンド名
"c:\program files\hitachi\jp1pc\agtl\agent\notesrestart.exe" ※1
アクションハンドラ
LOCAL
コマンド引数
"c:\lotus\domino 300 600"※2
- 注意
-
「notesrestart」コマンドを使用する場合,OSとLotus Dominoの組み合わせによって,事前に次の環境設定が必要です。
<OSがWindowsの場合>
- R5シリーズ以前を使用している場合
-
-
ドミノプログラムディレクトリにあるqnc.exeを実行する。
-
「Options」の「Visual Notification」をオフに設定する。
-
- R6シリーズ以降をご使用の場合
-
環境設定は特に必要ありません。
<OSがUNIX(AIX,Solaris)の場合>
-
rootユーザーで,ドミノディレクトリを環境変数(NOTESDIR)に設定する。
Bシェルを使用する場合の設定例を次に示します。
NOTESDIR=/opt/lotus
export NOTESDIR
-
rootユーザーで,ドミノプログラムディレクトリを環境変数(Notes_ExecDirectory)に設定する。
Bシェルを使用する場合の設定例を次に示します。
・AIXの場合
Notes_ExecDirectory=/opt/lotus/notes/latest/ibmpow
export Notes_ExecDirectory
・Solarisの場合
Notes_ExecDirectory=/opt/lotus/notes/latest/sunspa
export Notes_ExecDirectory
(7) Notesログ監視
監視テンプレート,および監視テンプレート以外の定義例について説明します。
(a) 監視テンプレート
-
Notesログ監視に関連する監視テンプレートのアラーム
なし
-
Notesログ監視に関連する監視テンプレートのレポート
なし
(b) 監視テンプレート以外の定義例
-
Notesログに特定のメッセージが出力されたことを監視するアラーム
表1‒25 Notesログに特定のメッセージが出力されたことを監視する定義例 項目
内容
全般
プロダクト
Domino(4.0)
アラームテーブル名
Alarm Example
アラーム名
Error Message Output
メッセージテキスト
%CVS1
□値の存在を監視するアラーム
■チェックする※1 ※2
高度な設定
□ アラームを有効にする
■チェックする
□ 常にアラーム通知する
□チェックしない
□ すべてのデータを評価する
□チェックしない
監視時刻範囲
□ 常に監視する
■チェックする
開始
−
終了
−
発生頻度
□ 発生頻度を満たした時にアラーム通知する
□チェックしない
[ 1 ]回しきい値超過/[ 1 ]インターバル中
アラーム条件式
レコード
PL_PLNL※3
フィールド
Message Text
値
[ERROR]※4
実行するアクション
任意で設定してください
異常
警告
正常
Eメール
□
□
□
コマンド
□
□
□
SNMP
□
□
□
表示するレポート
[ ]
PL_PLNLの履歴レポートを指定する。※5