ここでは,クラスタシステムでPFM - Agent for JP1/AJS3を運用する場合の構成について説明します。クラスタシステムの概要,およびPerformance Managementシステムをクラスタシステムで運用する場合のシステム構成については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。
なお,この章で,単に「クラスタシステム」と記述している場合は,HAクラスタシステムのことを指します。
JP1/AJS3またはJP1/AJS2をHAクラスタシステムで運用すると,障害発生時にフェールオーバーでき,可用性が向上します。
JP1/AJS3またはJP1/AJS2をHAクラスタシステムで運用する場合,一般的には,実行系ノードと待機系ノードの両方で同じ,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerが実行できる環境を構築し,JP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerのデータ(データファイル,構成ファイル,ログファイルなど)一式を共有ディスクに格納した構成にします。なお,HAクラスタシステム上でJP1/AJS3またはJP1/AJS2を運用する場合,一般的にはクラスタソフトからJP1/AJS3 - ManagerまたはJP1/AJS2 - Managerを制御するためのソリューション製品を使用します。また,クラスタシステムでのJP1/AJS3またはJP1/AJS2の構成や運用方法については,システムによって異なる場合があります。
PFM - Agent for JP1/AJS3は,HAクラスタシステムで運用でき,クラスタ構成のJP1/AJS3またはJP1/AJS2を監視できます。HAクラスタシステムでPFM - Agent for JP1/AJS3を運用する場合は,次の図のような構成で運用します。
図4-1 HAクラスタシステムでのPFM - Agent for JP1/AJS3の構成例
図4-1に示すように,PFM - Agent for JP1/AJS3はクラスタ構成のJP1/AJS3またはJP1/AJS2と同じ論理ホスト環境で動作し,JP1/AJS3またはJP1/AJS2を監視します。障害発生時はJP1/AJS3またはJP1/AJS2のフェールオーバーに連動してPFM - Agent for JP1/AJS3もフェールオーバーし,監視を継続できます。
また,共有ディスクに定義情報やパフォーマンス情報を格納し,フェールオーバー時に引き継ぎます。1つの論理ホストに複数のPerformance Managementのプログラムがある場合は,それぞれが同じ共有ディレクトリを使います。
1つのノードでPFM - Agent for JP1/AJS3を複数実行できます。クラスタ構成のJP1/AJS3またはJP1/AJS2が複数ある構成(アクティブ・アクティブ構成)の場合,それぞれの論理ホスト環境で,PFM - Agent for JP1/AJS3を実行してください。それぞれのPFM - Agent for JP1/AJS3は独立して動作し,別々にフェールオーバーできます。
また,PFM -Agent for JP1/AJS3 は物理ホストと論理ホストのJP1/AJS3またはJP1/AJS2を同時に監視できます。それぞれのホスト環境で,PFM -Agent for JP1/AJS3を実行してください。それぞれのPFM -Agent for JP1/AJS3は独立して動作します。