3.7.2 Storeバージョン2.0への移行

Storeデータベースの保存形式には,バージョン1.0と2.0の2種類あります。Storeバージョン2.0の詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」を参照してください。

Storeバージョン2.0は,PFM - BaseまたはPFM - Managerのバージョン08-10以降の環境に,08-10以降のPFM - Agent for JP1/AJS2,または09-00以降のPFM - Agent for JP1/AJS3を新規インストールした場合にデフォルトで利用できます。それ以外の場合は,Storeバージョン1.0形式のままとなっているため,セットアップコマンドによってStoreバージョン2.0に移行してください。

何らかの理由によってStoreバージョン1.0に戻す必要がある場合は,Storeバージョン2.0のアンセットアップを行ってください。

インストール条件に対応するStoreバージョン2.0の利用可否と利用手順を次の表に示します。

表3-6 Storeバージョン2.0の利用可否および利用手順

インストール条件Storeバージョン2.0の利用可否Storeバージョン2.0の利用手順
インストール済みのPFM - Base,またはPFM - ManagerのバージョンPFM - Agentのインストール方法
08-10より前上書きインストール利用できないPFM - Base,または,PFM - Managerを08-10以降にバージョンアップ後,セットアップコマンドを実行
新規インストール
08-10以降上書きインストールセットアップ後利用できるセットアップコマンドを実行
新規インストール利用できる設定不要
<この項の構成>
(1) Storeバージョン2.0のセットアップ
(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ
(3) 注意事項

(1) Storeバージョン2.0のセットアップ

Storeバージョン2.0へ移行する場合のセットアップ手順について説明します。

  1. システムリソース見積もりと保存期間の設定
    Storeバージョン2.0導入に必要なシステムリソースが,実行環境に適しているかどうかを確認してください。必要なシステムリソースを次に示します。
    • ディスク容量
    • ファイル数
    • 1プロセスがオープンするファイル数
    これらの値は保存期間の設定によって調節できます。実行環境の保有しているリソースを考慮して保存期間を設定してください。システムリソースの見積もりについては,リリースノートを参照してください。
  2. ディレクトリの設定
    Storeバージョン2.0に移行する場合に,Storeバージョン1.0でのディレクトリ設定では,Agent Storeサービスが起動しないことがあります。このため,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を見直す必要があります。Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定はjpcconf db define(jpcdbctrl config)コマンドを使用して表示・変更できます。
    Storeバージョン2.0は,Storeデータベースの保存先ディレクトリやバックアップ先ディレクトリの最大長がStoreバージョン1.0と異なります。Storeバージョン1.0でディレクトリの設定を相対パスに変更している場合,絶対パスに変換した値がStoreバージョン2.0でのディレクトリ最大長の条件を満たしているか確認してください。Storeバージョン2.0のディレクトリ最大長は214バイトです。ディレクトリ最大長の条件を満たしていない場合は,Agent Storeサービスが使用するディレクトリの設定を変更したあと,手順3以降に進んでください。
  3. セットアップコマンドの実行
    Storeバージョン2.0に移行するため,次のコマンドを実行します。

    jpcconf db vrset -ver 2.0 -key ajs3(jpcdbctrl setup -key agtj)

    jpcconf db vrset -ver 2.0(jpcdbctrl setup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。
  4. 保存期間の設定
    手順1の見積もり時に設計した保存期間を設定してください。Agent Storeサービスを起動して,PFM - Web Consoleで設定してください。

(2) Storeバージョン2.0のアンセットアップ

Storeバージョン2.0はjpcconf db vrset -ver 1.0(jpcdbctrl unsetup)コマンドを使用してアンセットアップします。Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,Storeデータベースのデータはすべて初期化され,Storeバージョン1.0に戻ります。

jpcconf db vrset (jpcdbctrl unsetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。

(3) 注意事項

移行についての注意事項を次に示します。

(a) Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に移行する場合

Storeバージョン1.0からStoreバージョン2.0に変更した場合,PIレコードタイプのレコードは変更前と変更後でデータの内容は変わりません。

(b) Storeバージョン2.0からStoreバージョン1.0に戻す場合

Storeバージョン2.0をアンセットアップすると,データは初期化されます。このため,Storeバージョン1.0に変更する前に,jpctool db dump(jpcctrl dump)コマンドでStoreバージョン2.0の情報を出力してください。