インスタンス環境の設定では,次の項目を実施します。複数のインスタンス環境を設定する場合は,この手順を繰り返し実施します。
インスタンス環境の設定は,システムマネジャが稼働するホストで実施してください。なお,システムマネジャが稼働していないホストではインスタンス環境の設定は実施しないでください。
設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。HiRDBのインスタンス情報の詳細については,HiRDBのマニュアルを参照してください。
表3-4 PFM - Agent for HiRDBのインスタンス情報
項目 | 説明 | 設定できる値 | デフォルト値 |
---|
PDDIR | 監視対象のHiRDBシステムのシステムマネジャを含むHiRDBユニットのHiRDB運用ディレクトリのパス(環境変数PDDIRの値)。 | 200バイト以内のパス名 | なし |
PDCONFPATH | 監視対象のHiRDBシステムのシステムマネジャを含むHiRDBユニットの環境変数PDCONFPATHの値。 「PDDIRの値/conf」が設定されます。 | 512バイト以内のパス名 |
HiRDB_user | DBA権限を持つHiRDB認可識別子。大文字と小文字を区別する場合は全体を"(引用符)で囲んでください。囲まなければすべて大文字として扱われます。 | 10バイト以内の文字列 |
HiRDB_password | HiRDB_userに対応するパスワード。大文字と小文字を区別する場合は全体を"(引用符)で囲んでください。囲まなければすべて大文字として扱われます。 | 32バイト以内の文字列 |
LANG | インスタンスが動作するときに使用する文字コードの値。PFMで指定できるLANG値の中からHiRDBシステムで使用しているLANG値を指定します。 | 256バイト以内の文字列 |
HiRDB_admin | HiRDB管理者。 | 8バイト以内の文字列 |
Store Version※ | Storeバージョン。 | {1.0|2.0} | 2.0 |
- 注※
- PFM - Agent for HiRDBと同一ホスト上のPFM - ManagerまたはPFM - Baseが08-10以降で,初めてインスタンス環境を設定する場合に必要です。
インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。
- サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを実行する。
例えば,PFM - Agent for HiRDBのインスタンス名HRD1のインスタンス環境を構築する場合,次のように指定してコマンドを実行します。
jpcconf inst setup -key HiRDB -inst HRD1
(jpcinssetup agtb -inst HRD1)
agtb:HiRDBエージェントを示します。
jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」を参照してください。
- HiRDBのインスタンス情報を設定する。
表3-4に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略できません。
すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したインスタンス情報を変更したい場合は,再度jpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「3.7.3 インスタンス環境の更新」を参照してください。
構築されるインスタンス環境を次に示します。
- インスタンス環境のディレクトリ構成
次のディレクトリ下にインスタンス環境が構築されます。
物理ホストの場合:/opt/jp1pc/agtb
論理ホストの場合:環境ディレクトリ※/agtb
- 注※
- 環境ディレクトリとは,論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリです。
構築されるインスタンス環境のディレクトリ構成を次の表に示します。
表3-5 インスタンス環境のディレクトリ構成
ディレクトリ名・ファイル名 | 説明 |
---|
agent | インスタンス名 | jpcagt.ini | Agent Collectorサービス起動情報ファイル |
jpcagt.ini.model※ | Agent Collectorサービス起動情報ファイルのモデルファイル |
jpcagtbdef.ini | インスタンス設定ファイル |
jpcagtbdef.ini.model※ | インスタンス設定ファイルのモデルファイル |
inssetup | インスタンス設定用スクリプトファイル |
log | ログファイル格納ディレクトリ |
store | インスタンス名 | jpcsto.ini | Agent Storeサービス起動情報ファイル |
jpcsto.ini.model※ | Agent Storeサービス起動情報ファイルの初期化用ファイル |
*.DAT | データモデル定義ファイル |
dump | エクスポート先ディレクトリ |
backup | バックアップ先ディレクトリ |
log | ログファイル格納ディレクトリ |
partial | 標準のデータベース部分バックアップ先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
import | 標準のデータベースインポート先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
STPD | PDレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
STPI | PIレコードタイプのパフォーマンスデータ格納先ディレクトリ(Storeバージョン2.0の場合) |
- 注※
- インスタンス環境を構築する前の時点の設定値に戻したいときに使います。
- インスタンス環境のサービスID
インスタンス環境のサービスIDは次のようになります。
プロダクトID 機能ID インスタンス番号 インスタンス名 [ホスト名]
PFM - Agent for HiRDBの場合,インスタンス名にはjpcconf inst setup(jpcinssetup)コマンドで指定したインスタンス名が表示されます。
サービスIDについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,付録を参照してください。
- <この項の構成>
- (1) インスタンス設定ファイルを作成する
インスタンス設定ファイル(/opt/jp1pc/agtb/agent/インスタンス名/jpcagtbdef.ini)に次の構成および情報を設定します。
- HiRDB/パラレルサーバの構成
- システムマネジャが稼働しないホストに関する情報
- PD_ROT1,PD_ROT2レコードの収集に関する情報
- PI_RDST,PI_RDDSレコード収集時の収集対象RDエリアに関する情報
- PI_FSSTレコード,PI_SSYSレコード,PI_RDFLレコードおよびPI_RDFSレコード収集時のリモート実行に関する情報
- PI_SSYSレコード,PI_RDFLレコードおよびPI_RDFSレコード収集時に関する情報
- PFM-Agent for HiRDBがレコードを収集する上での共通機能オプション情報
なお,インスタンスを作成すると,jpcagtbdef.iniファイルは初期化されます。
インスタンス設定ファイルのフォーマットを次の図に示します。
図3-5 インスタンス設定ファイルjpcagtbdef.iniのフォーマット(UNIXの場合)
![[図データ]](figure/zub03s05.gif)
- 注意
- jpcagtbdef.iniファイルの中で「=」の左右に指定する文字列の両端には,余分な文字(空白文字,引用符など)を挿入しないでください。
- PDDIRセクション
ユニット名とPDDIRを指定します。次の条件をすべて満たす場合は,該当するユニットにPDDIRを設定してください。
- PI_FSST,PI_SSYS,PI_RDFL,またはPI_RDFSレコードを収集する場合
- HiRDBシステム共通定義ファイル(pdsysファイル)のpdunitオペランドに-dオプションの指定がない場合
この指定がない場合,ユニットに存在するサーバの作業表用HiRDBファイルシステム領域の情報や統計情報を収集しません。
PDDIRセクションに設定するラベルと値を次に示します。
表3-6 PDDIRセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
ユニット識別子 | 「ユニット識別子」で示されるHiRDBユニットの環境変数PDDIRの値を指定する。 |
- PDCONFPATHセクション
ユニット名とPDCONFPATHを指定します。PI_FSST,PI_SSYS,PI_RDFL,またはPI_RDFSレコードを収集する場合に必要です。
この指定がない場合,ユニットに存在するサーバの作業表用HiRDBファイルシステム領域の情報や統計情報を収集しません。
PDCONFPATHセクションに設定するラベルと値を次に示します。
表3-7 PDCONFPATHセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
ユニット識別子 | 「ユニット識別子」で示されるHiRDBユニットの環境変数PDCONFPATHの値を指定する。 |
- ROT1_Optionsセクション
PD_ROT1_Optionsセクションには,PD_ROT1収集時に実行する,pddbst -k predコマンドのコマンドオプションを指定します。省略すると,監視期間または基準定義ファイルが指定されていない状態の情報が収集されます。
表3-8 PD_ROT1セクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
Option_c | pddbst -k pred コマンドの-cオプションに使用する「基準値定義ファイル」の絶対パス(590バイト以内)を指定する。 |
Option_R | pddbst -k pred コマンドの-Rオプションに使用する「監視期間」および「メンテナンス延長期間」を指定する。 |
- ROT2_Optionsセクション
PD_ROT2_Optionsセクションには,PD_ROT2収集時に実行する,pddbst -k predコマンドのコマンドオプションを指定します。省略すると,監視期間または基準定義ファイルが指定されていない状態の情報が収集されます。
表3-9 PD_ROT2セクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
Option_c | pddbst -k pred コマンドの-cオプションに使用する「基準値定義ファイル」の絶対パス(590バイト以内)を指定する。 |
Option_R | pddbst -k pred コマンドの-Rオプションに使用する「監視期間」および「メンテナンス延長期間」を指定する。 |
- RDST_RDAREAセクション
RDST_RDAREAセクションには,PI_RDSTレコード収集時にデータ収集したいRDエリア名を,コンマ区切りで指定します。指定したRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
HiRDBのpddblsコマンドと同様に,RDエリア名はRDエリア名一括指定ができます。
RDエリア名一括指定については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
RDエリア名は重複して指定できません。RDエリア名を重複指定した場合,重複排除をしたRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
例えば,RDST_RDAREAセクションにRDエリア名を指定する場合は次のようになります。
- HiRDB環境のRDエリアの構成:
RDMAST,RDDIRT,RDDICT,RDDATA10,RDDATA20,RDDATA30,RDINDX10,RDINDX20,RDINDX30
- RDST_RDAREAセクションの指定:
[RDST_RDAREA]
RDAREA_NAME=RDMAST,RDDATA10,RDDATA*,*RDDATA*
- PI_RDSTレコードで収集対象となるRDエリア:
RDMAST,RDDATA10,RDDATA20,RDDATA30
- 注意
- RDエリア名はアポストロフィ('),引用符("),エスケープ文字+引用符(¥")などの区切り文字を指定しないでください。
- RDエリア名の前方および後方に空白文字を含むRDエリアについては,動作が保証されません。
- RDAREA_NAMEラベルに値を指定していない場合は,すべてのRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
- RDAREA_NAMEラベルの一部の指定に誤りがある場合は,正しく設定されたRDエリアに関するパフォーマンスデータだけが収集されます。
表3-10 RDST_RDAREAセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
RDAREA_NAME | PI_RDSTレコード収集時にデータを収集したいRDエリア名をコンマ区切りで指定する。設定できるサイズはラベル名(RDAREA_NAME)を含む8,192バイト以内。 |
- RDDS_RDAREAセクション
RDDS_RDAREAセクションには,PI_RDDSレコード収集時にデータ収集したいRDエリア名を,コンマ区切りで指定します。指定したRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
HiRDBのpddblsコマンドと同様に,RDエリア名はRDエリア名一括指定ができます。
RDエリア名一括指定については,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。
RDエリア名は重複して指定できません。RDエリア名を重複指定した場合,重複排除をしたRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
例えば,RDDS_RDAREAセクションにRDエリア名を指定する場合は次のようになります。
- HiRDB環境のRDエリアの構成:
RDMAST,RDDIRT,RDDICT,RDDATA10,RDDATA20,RDDATA30,RDINDX10,RDINDX20,RDINDX30
- RDDS_RDAREAセクションの指定:
[RDDS_RDAREA]
RDAREA_NAME=RDMAST,RDDATA10,RDDATA*,*RDDATA*
- PI_RDDSレコードで収集対象となるRDエリア:
RDMAST,RDDATA10,RDDATA20,RDDATA30
- 注意
- RDエリア名はアポストロフィ('),引用符("),エスケープ文字+引用符(¥")などの区切り文字を指定しないでください。
- RDエリア名の前方および後方に空白文字を含むRDエリアについては,動作が保証されません。
- RDAREA_NAMEラベルに値を指定していない場合は,すべてのRDエリアに関するパフォーマンスデータが収集されます。
- RDAREA_NAMEラベルの一部の指定に誤りがある場合は,正しく設定されたRDエリアに関するパフォーマンスデータだけが収集されます。
表3-11 RDDS_RDAREAセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
RDAREA_NAME | PI_RDDSレコード収集時にデータを収集したいRDエリア名をコンマ区切りで指定する。設定できるサイズはラベル名(RDAREA_NAME)を含む8,192バイト以内。 |
- REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクション
HiRDB/パラレルサーバで,稼働しているHiRDBユニットのパフォーマンスデータだけを取得するときに,「SETTING=ON」を指定します。デフォルトは指定なしです。
「SETTING=ON」を指定すると,HiRDBのシステムマネジャが存在するホストからほかのホストに対して,パフォーマンスデータを取得するコマンドがリモート実行されます。パフォーマンスデータの取得がシステムマネジャの稼働が前提となるため,ネットワークとログの容量の負荷を軽減できます。
指定を省略すると,システムマネジャが停止している場合でも,HiRDB/パラレルサーバを構成する各サーバのパフォーマンスデータが取得されます。システムマネジャが停止していても,ほかのHiRDBサーバのパフォーマンスデータを継続して取得できますが,ネットワークとログの容量の負荷が高くなることがあります。
このセクションは,インスタンス単位に設定できますが,レコード単位には設定できません。
レコードの種類によってリモート実行する判断方法が異なります。REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションに設定するラベルと値を次の表に示します。
表3-12 REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
SETTING | PI_FSSTレコード収集時に,ユニットのステータスがACTIVEであるホストに対してだけリモート実行する場合に「ON」と指定する。 コマンドを実行できない状態(pdls -d svrコマンドの実行結果がKFPS01853-W)のホストには,リモート実行されません。 |
PI_SSYS,PI_RDFLおよびPI_RDFSレコード収集時に,pdls -d stjコマンドの実行結果から,統計情報の取得状況が判明しているユニットが存在するホストに対してだけリモート実行する場合に,「ON」と指定する。 |
HiRDBの状態(pdls -d svrコマンドの実行結果)およびREMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションの設定と,リモート実行されるかどうかの関係を次の表に示します。
表3-13 HiRDBの状態およびREMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションの設定とリモート実行有無の関係
システムマネジャのホスト | システムマネジャ以外のホスト | REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITY | リモート実行有無 |
---|
コマンド実行可(KFPS01853-Wが出力されない) | ACTIVE | SETTING=ON | ○ |
上記以外(指定なしも含む) | ○ |
上記以外 | SETTING=ON | × |
上記以外(指定なしも含む) | ○ |
コマンド実行不可(KFPS01853-Wが出力される) | ACTIVE | SETTING=ON | × |
上記以外(指定なしも含む) | ○ |
上記以外 | SETTING=ON | × |
上記以外(指定なしも含む) | ○ |
- (凡例)
- ○:リモート実行します
- ×:リモート実行しません
REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションの設定内容のメリットおよびデメリットを次の表に示します。
表3-14 REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITYセクションの設定内容のメリットおよびデメリット
REMOTE_OPERATION_FOR_ACTIVITY | メリット | デメリット |
---|
SETTING=ON | PFM - Agent for HiRDBが実行するリモート実行で,ネットワーク障害などによって不要な負荷が掛からない(ただし,HiRDBサーバのユニット間通信の監視で起こるタイムラグによるステータス誤認識を除く)。 | システムマネジャが停止していると,ユニット全体のパフォーマンスデータが収集されない。 また,システムマネジャが稼働していて,システムマネジャ以外のユニットが停止している場合,そのシステムマネジャ以外のユニットに対するパフォーマンスデータは収集されない。 |
上記以外(指定なしも含む) | HiRDB/パラレルサーバ内のシステムマネジャが停止していても,ユニット全体のパフォーマンスデータが収集される。 | PFM - Agent for HiRDBが実行するリモート実行で,ネットワーク障害などによって不要な負荷が掛かることがある。 |
- NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクション
PFM-Agent for HiRDBは,システムの稼働に関する統計情報(sys統計情報)やデータベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報(fil統計情報)を取得するため,pdstjsyncコマンドを実行します。pdstjsyncコマンドには,コマンド実行時点でのsys統計情報の取得を抑止し,指定した時間間隔でだけsys統計情報を取得するオプション(-mオプション)があります。-mオプションを省略すると,指定した時間間隔とは別に,コマンド実行時点のsys統計情報が取得され,異なる時間間隔のsys統計情報が混在することがあります。そのため,PFM-Agent for HiRDBは-mオプション付きの動作で統計情報を取得しています。
ただし,pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしていないHiRDBを使用する場合は,上記の統計情報の混在が起こります。この混在を防止するため,pdstjsyncコマンドの実行を抑止する場合に,NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションに「SETTING=ON」と指定します。指定すると,PI_SSYSレコード,PI_RDFLレコードおよびPI_RDFSレコード収集時に,pdstjsyncコマンドの実行による異なる時間間隔のsys統計情報の混在を防止できます。
NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションは,-mオプションをサポートしていないHiRDB用の指定であるため,pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしているHiRDBの場合,NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションの指定値は無視されます。
pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしていないHiRDBの場合,「SETTING=ON」以外の値を指定すると,エラーメッセージが出力されますが,指定は無視され処理は続行されます。
このセクションは,インスタンス単位に設定できますが,レコード単位には設定できません。
NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションに設定するラベルと値を次の表に示します。
表3-15 NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 |
---|
SETTING | PI_SSYSレコード,PI_RDFLレコードおよびPI_RDFSレコード収集時に,pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしていないHiRDBを使用していて,pdstjsyncコマンドを実行したくない場合に,「ON」と指定する。 |
NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションには,SETTING=ONの指定を推奨します。なお,使用するHiRDBのバージョンとNOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションの設定によって,pdstjsyncコマンドの実行有無が変わります。その内容を次の表に示します。
表3-16 HiRDBのバージョンでのpdstjsyncコマンド実行有無
推奨順 | HiRDBのバージョン | NOT_EXECUTE_PDSTJSYNC | pdstjsyncコマンド実行有無 |
---|
1 | pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしているバージョンのHiRDB | SETTING=ON | ◎ |
上記以外(指定なしも含む) | ◎ |
2 | pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしていないバージョンのHiRDB | SETTING=ON | × |
3 | 上記以外(指定なしも含む) | ○※ |
- (凡例)
- ◎:pdstjsyncコマンドの-mオプションを実行します
- ○:pdstjsyncコマンドを実行します
- ×:pdstjsyncコマンドを実行しません
- 注※
指定に誤りがある場合だけ,エラーメッセージが出力されます。
pdstjsyncコマンドの-mオプションをサポートしていないHiRDBの場合の,NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションの指定内容のメリットおよびデメリットを次の表に示します。
表3-17 NOT_EXECUTE_PDSTJSYNCセクションの指定内容のメリットおよびデメリット(pdstjsyncコマンド -mオプション未サポートのHiRDBの場合)
NOT_EXECUTE_PDSTJSYNC | メリット | デメリット |
---|
SETTING=ON | HiRDBのsys統計情報を出力する時間間隔以外にsys統計情報が出力されない。 | 収集契機が直近の,HiRDBのsys統計情報およびfil統計情報を収集できない。 |
上記以外(指定なしも含む) | 収集契機が直近の,HiRDBのsys統計情報およびfil統計情報を収集できる。 | HiRDBのsys統計情報を出力する時間間隔以外にもsys統計情報が出力される。 |
- COMMON_OPTIONセクション
COMMON_OPTIONセクションには,PFM-Agent for HiRDBがレコードを収集する上での共通機能オプションを指定します。
表3-18 COMMON_OPTIONセクションに設定するラベルと値
ラベル | 値 | 機能 |
---|
OPTIMIZE_LEVEL※ | 0 | 共通機能オプションが無効になる(デフォルト(指定なしも含む))。 |
1 | RDエリア数が1,000個以上のHiRDB環境にで,PI_RDST,PI_RDDSレコードの収集時間の短縮を見込むことができるグローバルバッファ名取得処理高速化オプションが有効になる。本機能はRDエリア数にだけ依存し,グローバルバッファ数には依存しない。なお,インスタンス単位の設定となり,レコード単位の設定はできない。 |
上記以外 | KAVF15068-Wメッセージを出力し,0を指定した場合と同じになる。 |
- 注※
- OPTIMIZE_LEVELの値には半角数字を指定してください。