4.3.1 クラスタシステムでのインストールとセットアップの前に確認すること(Windowsの場合)

インストールおよびセットアップを開始する前提条件,必要な情報,および注意事項について説明します。

<この項の構成>
(1) 前提条件
(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBのセットアップに必要な情報
(3) PFM - Agent for HiRDBで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項
(4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

(1) 前提条件

PFM - Agent for HiRDBをクラスタシステムで使用する場合,次に示す前提条件があります。

(a) クラスタシステム

次の条件が整っていることを確認してください。

注意
  • ワトソン博士でアプリケーションエラーのメッセージボックスが表示されると,フェールオーバーできないおそれがあるため,メッセージボックスによるエラーの通知を抑止する必要があります。抑止手順については,OSのマニュアルを参照してください。なお,エラーの通知を抑止すると,アプリケーションエラーが発生した際の情報取得に影響が出る場合があるため注意してください。
  • Windows Server 2003およびWindows Server 2008では,アプリケーションエラーが発生すると,Microsoftへエラーを報告するダイアログボックスが表示されます。このダイアログボックスが表示されるとフェールオーバーできないおそれがあるため,エラー報告を抑止する必要があります。抑止手順については,OSのマニュアルを参照してください。
(b) 共有ディスク

次の条件が整っていることを確認してください。

(c) 論理ホスト名,論理IPアドレス

次の条件が整っていることを確認してください。

注意
  • 論理ホスト名に,物理ホスト名(hostnameコマンドで表示されるホスト名)を指定しないでください。正常に通信処理がされなくなるおそれがあります。
  • 論理ホスト名に使用できる文字は,1~32バイトの半角英数字です。次の記号および空白文字は指定できません。
    / ¥ : ; * ? ' " < > | & = , .
  • 論理ホスト名には,「localhost」,IPアドレス,「-」から始まるホスト名を指定できません。

(2) 論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBのセットアップに必要な情報

論理ホスト運用するPFM - Agent for HiRDBをセットアップするには,通常のPFM - Agent for HiRDBのセットアップで必要になる環境情報に加えて,次の表の情報が必要です。

表4-2 論理ホスト運用のPFM - Agent for HiRDBのセットアップに必要な情報

項目
論理ホスト名jp1-ha1hrd
論理IPアドレス172.16.92.100
共有ディスクS:¥jp1

なお,1つの論理ホストで論理ホスト運用するPerformance Managementのプログラムが複数ある場合も,同じ共有ディスクのディレクトリを使用します。

共有ディスクに必要な容量については,「付録A システム見積もり」を参照してください。

(3) PFM - Agent for HiRDBで論理ホストをフェールオーバーさせる場合の注意事項

PFM - Agent for HiRDBを論理ホスト運用するシステム構成の場合,PFM - Agent for HiRDBの障害によって論理ホスト全体をフェールオーバーさせるかどうかを検討してください。

PFM - Agent for HiRDBの障害で論理ホスト全体をフェールオーバーさせると,PFM - Agent for HiRDBが監視対象としている同じ論理ホストで運用する業務アプリケーションもフェールオーバーすることになり,業務に影響を与えるおそれがあります。

通常は,PFM - Agent for HiRDBに異常が発生しても,HiRDBの動作に影響がないように,次のどちらかのようにクラスタソフトで設定することをお勧めします。

(4) 論理ホスト運用時のバージョンアップに関する注意事項

論理ホスト運用のPFM - Agent for HiRDBをバージョンアップする場合は,実行系ノードまたは待機系ノードのどちらか一方で,共有ディスクをオンラインにする必要があります。