2.1.2 インストールとセットアップの前に

PFM - Agent for Microsoft SQL Serverをインストールおよびセットアップをする前に確認しておくことを説明します。

<この項の構成>
(1) 前提OS
(2) ネットワークの環境設定
(3) インストールに必要なOSユーザー権限について
(4) 前提プログラム
(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて
(6) 注意事項

(1) 前提OS

PFM - Agent for Microsoft SQL Serverが動作するOSを次に示します。

注※
Windows Server 2003 (x64)および64ビット版のWindows Server 2008は,WOW64上で動作します。

(2) ネットワークの環境設定

Performance Managementが動作するためのネットワーク環境について説明します。

(a) IPアドレスの設定

PFM - Agentのホストは,ホスト名でIPアドレスを解決できる環境を設定してください。IPアドレスを解決できない環境では,PFM - Agentは起動できません。

監視ホスト名(Performance Managementシステムのホスト名として使用する名前)には,実ホスト名またはエイリアス名を使用できます。

監視ホスト名の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

なお,監視対象とのIPアドレス解決には,jpchostsファイルに設定したIPアドレスは使用されません。

ホスト名とIPアドレスは,次のどれかの方法で設定してください。

PFM - ManagerとPFM - Agent for Microsoft SQL ServerをIPv6で通信する場合,PFM - ManagerホストとPFM - AgentホストのそれぞれでIPv6の利用設定を有効にする必要があります。この設定はjpcconf ipv6 enableコマンドで実行しますが,コマンドの実行要否は次のとおりです。

jpcconf ipv6 enableコマンドの実行が必要なケース
  • それぞれのホストで,IPv4環境からIPv6環境に変更する場合
  • IPv4環境とIPv6環境が共存していて,PFM - ManagerをIPv4環境からIPv6環境に変更する場合
jpcconf ipv6 enableコマンドの実行が不要なケース
  • それぞれのホストが,すでにIPv6環境である場合
  • IPv4環境とIPv6環境が共存していて,PFM - ManagerがIPv6環境である場合

jpcconf ipv6 enableコマンドの実行例を次に示します。

jpcconf ipv6 enable

jpcconf ipv6 enableコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。また,jpcconf ipv6 enableコマンドを実行する条件やタイミングについては,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のIPv6環境が含まれる場合のネットワーク構成例について説明している章を参照してください。

なお,PFM - Agent for Microsoft SQL Serverと監視対象ホストをIPv6で通信する場合,名前解決できる監視対象ホスト名を指定してください。

PFM - Agent for Microsoft SQL Serverと監視対象との通信は,解決できるIPアドレスで通信します。また,PFM - Agent for Microsoft SQL Serverと監視対象との通信では,IPv4とIPv6が共存した環境の場合,解決できるIPアドレスで通信に失敗したとき,別のIPアドレスで通信することはありません。

例えば,IPv4で接続に失敗した場合,IPv6でリトライすることはありません。また,IPv6で接続に失敗した場合に,IPv4でリトライすることもありません。事前に接続できることを確認してください。

(b) ポート番号の設定

Performance Managementプログラムのサービスは,デフォルトで次の表に示すポート番号が割り当てられています。これ以外のサービスまたはプログラムに対しては,サービスを起動するたびに,そのときシステムで使用されていないポート番号が自動的に割り当てられます。また,ファイアウォール環境で,Performance Managementを使用するときは,ポート番号を固定してください。ポート番号の固定の手順は,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」のインストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

表2-1 各サービスのデフォルトのポート番号

機能サービス名パラメーターポート番号備考
サービス構成情報管理機能Name Serverjp1pcnsvr22285PFM - ManagerのName Serverサービスで使用されるポート番号。Performance Managementのすべてのホストで設定される。
NNM連携機能NNM Object Managerjp1pcovsvr22292PFM - ManagerおよびPFM - BaseのNNM連携機能で,マップマネージャとオブジェクトマネージャの間の通信で使用されるポート番号。PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
サービス状態管理機能Status Serverjp1pcstatsvr22350PFM - ManagerおよびPFM - BaseのStatus Serverサービスで使用されるポート番号。
PFM - ManagerおよびPFM - Baseがインストールされているホストで設定される。
JP1/ITSLM連携機能JP1/ITSLM20905JP1/ITSLMで設定されるポート番号。
(凡例)
-:該当しません

これらのPFM - Agentが使用するポート番号で通信できるように,ネットワークを設定してください。

(3) インストールに必要なOSユーザー権限について

PFM - Agent for Microsoft SQL Serverをインストールするときは,必ず,ローカルホストのOSのAdministrator権限を持つアカウントで実行してください。

(4) 前提プログラム

ここでは,PFM - Agent for Microsoft SQL Serverをインストールする場合に必要な前提プログラムを説明します。プログラムの構成を次に示します。

図2-2 プログラムの構成

[図データ]

(a) 監視対象プログラム

PFM - Agent for Microsoft SQL Serverの監視対象プログラムを次に示します。

Windows Server 2003の場合
  • Microsoft SQL Server 2005 Enterprise Edition
  • Microsoft SQL Server 2005 Standard Edition
  • Microsoft SQL Server 2008 Enterprise
  • Microsoft SQL Server 2008 Standard
  • Microsoft SQL Server 2008 R2 Enterprise
  • Microsoft SQL Server 2008 R2 Standard
Windows Server 2008の場合
  • Microsoft SQL Server 2005 Enterprise Edition(Service Pack2以降)
  • Microsoft SQL Server 2005 Standard Edition(Service Pack2以降)
  • Microsoft SQL Server 2008 Enterprise Edition
  • Microsoft SQL Server 2008 Standard Edition
  • Microsoft SQL Server 2008 R2 Enterprise
  • Microsoft SQL Server 2008 R2 Standard
  • Microsoft SQL Server 2012 Enterprise
  • Microsoft SQL Server 2012 Business Intelligence
  • Microsoft SQL Server 2012 Standard

これらの監視対象プログラムは,PFM - Agent for Microsoft SQL Serverと同一ホストにインストールする必要があります。

(b) Performance Managementプログラム

監視エージェントには,PFM - AgentとPFM - Baseをインストールします。PFM - BaseはPFM - Agentの前提プログラムです。同一ホストに複数のPFM - Agentをインストールする場合でも,PFM - Baseは1つだけでかまいません。

ただし,PFM - ManagerとPFM - Agentを同一ホストにインストールする場合,PFM - Baseは不要です。

また,PFM - Agent for Microsoft SQL Serverを使ってMicrosoft SQL Serverの稼働監視を行うためには,PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleが必要です。

(5) クラスタシステムでのインストールとセットアップについて

クラスタシステムでのインストールとセットアップは,前提となるネットワーク環境やプログラム構成が,通常の構成のセットアップとは異なります。また,実行系ノードと待機系ノードでの作業が必要になります。詳細については,「3. クラスタシステムでの運用」を参照してください。

(6) 注意事項

ここでは,Performance Managementをインストールおよびセットアップするときの注意事項を説明します。

(a) 環境変数に関する注意事項

Performance ManagementではJPC_HOSTNAMEを環境変数として使用しているため,ユーザー独自に環境変数として設定しないでください。設定した場合は,Performance Managementが正しく動作しません。

(b) 同一ホストにPerformance Managementプログラムを複数インストール,セットアップするときの注意事項

Performance Managementは,同一ホストにPFM - Manager,PFM - Web Console,およびPFM - Agentをインストールすることもできます。その場合の注意事項を次に示します。

(c) バージョンアップの注意事項

古いバージョンのPFM - Agentからバージョンアップする場合の注意事項を次に示します。

なお,バージョンアップの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の付録を参照してください。

(d) その他の注意事項