ユーザー作成データのファイル形式について説明します。パフォーマンスデータを収集するユーザーコマンドでは,この形式に従ってテキスト出力するようにしてください。
ユーザー作成データのファイルに出力する情報として,プロダクト情報セクションとデータセクションがあります。プロダクト情報セクションとデータセクションは,ユーザー作成データのファイルごとに作成してください。ユーザー作成データの構成例を次の図に示します。
図6-4 ユーザー作成データの構成例
製品名と,ユーザー作成データのファイル形式のバージョンを設定するセクションです。これらは固定値です。プロダクト情報セクションは内部機能で使用され,ユーザーレコードには格納されません。
形式を次に示します。
Product Name=PFM-Agent for Platform (UNIX)
FormVer=0001
パフォーマンスデータの情報を設定するセクションです。この情報は,プロダクト情報セクションの下に指定します。データセクションは,オプションヘッダー部とデータ部で構成されます。
1行目はオプションヘッダー行です。フィールドオプションを1バイト以上のスペースまたはタブで区切ります。フィールドオプションは,ユーザーレコードのフィールドに対応します。
tt ks ki l ・・・
オプションと,対応するレコードのフィールド名を次の表に示します。「フィールド数」列のフィールド数を上限にそのオプションを複数指定できます。例えば,PI_UPIレコードでフィールドオプションに「ss」を複数指定する場合,項番10の「PI_UPI」列に「4」と表記されているので,PI_UPIレコードでは「ss ss ss ss」のように4個まで「ss」を指定できます。
表6-27 データセクションで指定するオプションと対応するフィールド
項番 | オプション名 | フィールド名 | 値の説明 | フィールド数(合計) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
PD_UPD(17) | PD_UPDB(34) | PI_UPI(23) | PI_UPIB(49) | ||||
1 | tt | Trans Type | トランザクションタイプ。このオプションは必ず指定する。※1 サイズ:1~19バイト | 1 | 1 | 1 | 1 |
2 | ki | Trans Data Key | 数値型のトランザクションキー。kiまたはksのどちらかを必ず指定する。両方指定することもできる。 タイプ:ulong 指定できる文字:数値および記号(+) | 1 | 1 | 1 | 1 |
3 | ks | Trans String Key | 文字列型のトランザクションキー。kiまたはksのどちらかを必ず指定する。両方指定することもできる。※1 サイズ:1~19バイト | 1 | 1 | 1 | 1 |
4 | f | User Float | 浮動小数点数※2 タイプ:double | 2 | 5 | 2 | 5 |
5 | fr※3 | User Float Roll | 累積値の浮動小数点数※2 タイプ:double | - | - | 2 | 5 |
6 | l | User Long | 符号つきlong タイプ:long 指定できる文字:数値および記号(- +) | 2 | 5 | 2 | 5 |
7 | lr※3 | User Long Roll | 累積値の符号つきlong タイプ:long 指定できる文字:数値および記号(- +) | - | - | 2 | 5 |
8 | sl | User String(64) | 長い文字列※1 サイズ:1~63バイト + NULL | 1 | 5 | 1 | 5 |
9 | sm | User String(32) | 中間の長さの文字列※1 サイズ:1~31バイト + NULL | 2 | 5 | 2 | 5 |
10 | ss | User String(16) | 短い文字列※1 サイズ:1~15バイト + NULL | 4 | 5 | 4 | 5 |
11 | t | User Time | 時刻(time_t型) 次の形式で指定する。 YYYY/MM/DD,hh:mm:ss jpcuserコマンドを実行するマシンのLocalTimeを設定する。 | 1 | 1 | 1 | 1 |
12 | u | User Unsigned Long | 符号なしlong タイプ:ulong 指定できる文字:数値および記号(+) | 2 | 5 | 2 | 5 |
13 | ur※3 | User Unsigned Long Roll | 累積値の符号なしlong タイプ:ulong 指定できる文字:数値および記号(+) | - | - | 2 | 5 |
なお,ユーザー作成データに複数のフィールドオプションを指定した場合は,ユーザーレコードの対象フィールドの連番順に割り当てられます。
例えば,PI_UPIBレコードでフィールドオプションに「lr」を3個指定する場合は,「lr lr lr」と指定します。この場合,「lr」はそれぞれ次のフィールドに割り当てられます。
また,「sl lr sl lr lr」のように指定した場合は,それぞれ次のフィールドに割り当てられます。
2行目以降はデータ行です。データ行には,オプションヘッダー部に指定したフィールドオプションに対応するように,パフォーマンスデータそのものを指定します。各カラムは,1バイト以上のスペースまたはタブで区切ります。
データの並び順は,必ずフィールドオプションの型に合わせてください。
例えば,フィールドオプションに「tt ks lr lr ss ss」と指定した場合,次のデータの並び順では,すべての行がエラーとなります。
TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 5 "LISTENING COUNT=" 2
TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 3 "LISTENING COUNT=" 1
TCP jp1host "ESTABLISHD COUNT=" 3 "LISTENING COUNT=" 2
3列目と6列目のフィールドオプションとデータの型が一致していないことがエラーの原因です。