6.4.6 ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのデバッグログの参照

デバッグログとは,ユーザー作成データの内容が正しいかどうかを確認するためのログファイルです。デバッグログを出力する場合には,jpcuserコマンドに-debug 1,または-debug 2オプションを指定して実行してください。

デバッグログファイルには,ユーザー作成データのデータ行ごとにOK(成功),NG(失敗),WG(警告)などのチェック結果が出力されます。デバッグログにNG(失敗)やWG(警告)が出力された場合,ユーザー作成データが不正であると考えられます。ユーザー作成データを出力したユーザーコマンドを見直し,「6.4.5 ユーザー作成データのファイル形式」に従った形式で出力されるように修正してください。

デバッグログファイルの出力先を次に示します。

/opt/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/debug/jpcuser_dbg_{01|02|03|04|05}.log

次に,デバッグログファイルの形式と見方について説明します。

<この項の構成>
(1) デバッグログファイルの形式
(2) デバッグログファイルの出力例

(1) デバッグログファイルの形式

デバッグログファイルには4つのセクションがあります。

チェック結果はユーザー作成データのデータ行ごとに出力されます。各項目はコンマで区切ります。

出力される項目を次の表に示します。

表6-28 デバッグログファイルに出力される項目

項番セクション項目説明
1プロダクト情報製品名称Product Name=PFM-Agent for Platform (UNIX)PFM - Agentの製品名称。
2フォーマットバージョンFormVer=0001ユーザー作成データのフォーマットバージョン。
3jpcuserコマンドの実行日時,プロセスID実行日時YYYY/MM/DD hh:mm:ssYYYY:年
MM:月
DD:日
hh:時
mm:分
ss:秒
4プロセスIDPID=xxxxjpcuserコマンドのプロセスID。
5ヘッダー行ヘッダー(例)PD_UPDレコードの場合
LineNumber,Result,APITime,Recordtype,Transactiontype,t,ks,ki,L1,L2,UL1,UL2,F1,F2,SS1,SS2,SS3,SS4,SM1,SM2,SL1
デバッグログのヘッダー。
ヘッダー名は,ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名と対応している。対応については「表6-29」を参照。
なお,ヘッダー項目は格納するユーザーレコードによって異なる。
6チェック結果ユーザー作成データファイル名(例)File=/opt/jp1pc/agtu/agent/jpcuser/sample_01.txt読み込んだユーザー作成データファイル名を,ユーザーが指定したパスで出力する。
7警告・エラーメッセージKAVFxxxxx-x後続するレコードの警告・エラー内容を出力する。1つのレコードに複数の誤りがある場合は,その数だけ警告やエラーを出力する。
8行番号数値ユーザー作成データ内の行番号。
9結果OK成功。
ユーザー作成データの該当行に問題がなく,レコードを変換した。
10WG警告。
ユーザー作成データの該当行に誤りがあるが,レコードを処理した。
あわせて警告メッセージを出力する。
11NG失敗。
ユーザー作成データの該当行に誤りがあり,レコードを変換しなかった。
失敗した原因によって,警告メッセージが表示され処理が続行される場合と,エラーメッセージが表示され処理が中断する場合がある。
12BL空行。
ユーザー作成データの該当行が空行であることを示し,無視する。
13データデータユーザー作成データの該当行の内容。
数値フィールドに指定がない場合は0を出力する。
文字列フィールドに指定がない場合は空白("")を出力する。

デバッグログファイルに出力されるヘッダー行とユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプション,およびフィールド名の関係を次の表に示します。

表6-29 デバッグログのヘッダー行と,フィールドオプションおよびフィールドとの対応

項番デバッグログのヘッダー行の表示ユーザー作成データファイルのオプションヘッダー行で指定するフィールドオプションフィールド名
(PFM - View名)
説明
1Line Numberデータの行番号
2Resultデータのチェック結果
3API TimeCollect Timeデータが変換された時間
4Record typeRecord Typeレコード種別
5Transaction typettTrans Typeトランザクションタイプ
6ttUser Time 1時間値
7ksksTrans String Key文字列型のトランザクションキー
8kikiTrans Data Key数値型のトランザクションキー
9L1lUser Long 1long型整数値
10L2lUser Long 2long型整数値
11L3lUser Long 3long型整数値
12L4lUser Long 4long型整数値
13L5lUser Long 5long型整数値
14L1RlrUser Long Roll 1蓄積されたlong型整数値
15L2RlrUser Long Roll 2蓄積されたlong型整数値
16L3RlrUser Long Roll 3蓄積されたlong型整数値
17L4RlrUser Long Roll 4蓄積されたlong型整数値
18L5RlrUser Long Roll 5蓄積されたlong型整数値
19UL1uUser Unsigned Long 1unsigned long型整数値
20UL2uUser Unsigned Long 2unsigned long型整数値
21UL3uUser Unsigned Long 3unsigned long型整数値
22UL4uUser Unsigned Long 4unsigned long型整数値
23UL5uUser Unsigned Long 5unsigned long型整数値
24UL1RurUser Unsigned Long Roll 1蓄積されたunsigned long型整数値
25UL2RurUser Unsigned Long Roll 2蓄積されたunsigned long型整数値
26UL3RurUser Unsigned Long Roll 3蓄積されたunsigned long型整数値
27UL4RurUser Unsigned Long Roll 4蓄積されたunsigned long型整数値
28UL5RurUser Unsigned Long Roll 5蓄積されたunsigned long型整数値
29F1fUser Float 1浮動小数点値
30F2fUser Float 2浮動小数点値
31F3fUser Float 3浮動小数点値
32F4fUser Float 4浮動小数点値
33F5fUser Float 5浮動小数点値
34F1RfrUser Float Roll 1蓄積された浮動小数点値
35F2RfrUser Float Roll 2蓄積された浮動小数点値
36F3RfrUser Float Roll 3蓄積された浮動小数点値
37F4RfrUser Float Roll 4蓄積された浮動小数点値
38F5RfrUser Float Roll 5蓄積された浮動小数点値
39SS1ssUser String 1サイズ16の文字列
40SS2ssUser String 2サイズ16の文字列
41SS3ssUser String 3サイズ16の文字列
42SS4ssUser String 4サイズ16の文字列
43SS5ssUser String 5サイズ16の文字列
44SM1smPD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 5
PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 6
サイズ32の文字列
45SM2smPD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 6
PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 7
サイズ32の文字列
46SM3smUser String 8サイズ32の文字列
47SM4smUser String 9サイズ32の文字列
48SM5smUser String 10サイズ32の文字列
49SL1slPD_UPD,PI_UPIレコードではUser String 7
PD_UPDB,PI_UPIBレコードではUser String 11
サイズ64の文字列
50SL2slUser String 12サイズ64の文字列
51SL3slUser String 13サイズ64の文字列
52SL4slUser String 14サイズ64の文字列
53SL5slUser String 15サイズ64の文字列
(凡例)
-:該当しない。

(2) デバッグログファイルの出力例

デバッグログファイルの出力例を次の図に示します。

図6-5 デバッグログファイルの出力例

[図データ]

図中の番号に沿って説明します。

  1. この行は,ヘッダー行を示しています。
  2. 読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。
  3. この行から,ユーザー作成データのチェック結果が出力されます。先頭の「4」は,ユーザー作成データファイルの行数です。ユーザー作成データファイルは,1行目が製品情報,2行目がバージョン情報,3行目がオプションヘッダー行となっているため,通常は「4」から始まります。チェック結果が問題なければ,「Result」に「OK」が出力されます。
  4. 読み込んだユーザー作成データのファイル名が,ユーザーが指定したパスで表示されています。
  5. この行は,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。設定された「t」の値(2007/02/24,10:10:010)が,指定のフォーマットと合っていないため警告となり,図中(7)に該当する行の「t」が「n/a」になっています。
  6. この行も同じく,sample_02.txtの4行目に警告が発生していることを示しています。「ss」が規定バイト数の15バイトを超えているため警告が出力され,図中(7)に該当する行の「SS1」が「abcdefghijklmno」になっています。
  7. 図中(5)と(6)の警告が発生しているため,4行目のチェック結果「Result」に「WG」が出力されています。
  8. この行は,5行目と6行目が,空白であることを示しています。
  9. この行は,7行目で警告が発生していることを示しています。設定された「ks」が規定の19バイトを超えているため,警告が出力されています。
  10. ユーザー作成データファイルの7行目のユニークキーである「ks」が誤っているためこのデータは使用できず,「Result」が「NG」になっています。ユニークキーである「Transaction type」,「ks」,「ki」が不正なレコードは処理されません。