7.2.1 セットアップやサービスの起動について
セットアップやサービスの起動に関するトラブルの対処方法を次に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) Performance Managementのプログラムのサービスが起動しない
Performance Managementのプログラムのサービスが起動しないと考えられる要因およびその対処方法を次に示します。
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PFM - Managerが停止している
PFM - ManagerとPFM - RM for Virtual Machineが同じホストにある場合,PFM - Managerが停止していると,PFM - RM for Virtual Machineサービスは起動できません。PFM - Managerサービスが起動されているか確認してください。PFM - Managerサービスが起動されていない場合は,起動してください。サービスの起動方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
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Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している
Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合,Performance Managementのプログラムのサービスは起動できません。デフォルトでは,ポート番号は自動的に割り当てられるため,ポート番号が重複することはありません。Performance Managementのセットアップ時にPerformance Managementのプログラムのサービスに対して固定のポート番号を設定している場合は,ポート番号の設定を確認してください。Performance Managementのプログラムの複数のサービスに対して同一のポート番号を設定している場合は,異なるポート番号を設定し直してください。ポート番号の設定については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
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Storeデータベースの格納フォルダの設定に誤りがある
次のフォルダを,アクセスできないフォルダまたは存在しないフォルダに設定していると,Remote Monitor Storeサービスは起動できません。フォルダ名や属性の設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
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Storeデータベースの格納先フォルダ
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Storeデータベースのバックアップフォルダ
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Storeデータベースの部分バックアップフォルダ
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Storeデータベースのエクスポート先フォルダ
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Storeデータベースのインポート先フォルダ
また,これらのフォルダを複数のRemote Monitor Storeサービスに対して設定していると,Remote Monitor Storeサービスは起動できません。フォルダ設定を見直し,誤りがあれば修正してください。
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指定された方法以外の方法でマシンのホスト名を変更した
マシンのホスト名の変更方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。指定された方法以外の方法でホスト名を変更した場合,Performance Managementのプログラムのサービスが起動しないことがあります。
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Windowsでjpcspm startコマンドを実行した場合,「Windowsのサービスコントロールマネージャーでエラーが発生しました」というエラーメッセージが出力され,サービスの起動に失敗することがあります。この現象が発生した場合,jpcspm startコマンドを再実行してください。頻繁に同じ現象が発生する場合は,jpcspm startコマンド実行時にサービス起動処理がリトライされる間隔および回数を,jpccomm.iniファイルを編集して変更してください。リトライ間隔およびリトライ回数を変更する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。
(2) サービスの起動要求をしてからサービスが起動するまで時間が掛かる
jpcspm startコマンドを実行してから,または[サービス]アイコンでサービスを開始してから,実際にサービスが起動するまで時間が掛かることがあります。次の要因で時間が掛かっている場合,2回目の起動時からはサービスの起動までに掛かる時間が短縮されます。
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スタンドアロンモードで起動する場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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システム停止時にサービスを自動で停止させる設定をしないで,システムを再起動してサービスを起動すると,Storeデータベースのインデックスが再構築される場合があります。この場合,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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インスタンスを新規に追加したあとサービスを起動すると,初回起動時だけStoreデータベースのインデックスが作成されます。そのため,サービスが起動するまでに時間が掛かることがあります。
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電源切断などによってStoreサービスが正常な終了処理を行えなかったときは,再起動時にStoreデータベースのインデックスが再構築されるため,Storeサービスの起動に時間が掛かることがあります。
(3) Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,別のプログラムがサービスを開始したとき,通信が正しく実行されない
Performance Managementのプログラムのサービスを停止した直後に,このサービスが使用していたポート番号で,ほかのプログラムがサービスを開始した場合,通信が正しく実行されないことがあります。この現象を回避するために,次のどちらかの設定をしてください。
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Performance Managementのプログラムのサービスに割り当てるポート番号を固定する
Performance Managementのプログラムの各サービスに対して,固定のポート番号を割り当てて運用してください。ポート番号の設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
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TCP_TIMEWAIT値を設定する
TCP_TIMEWAIT値で接続待ち時間をデフォルト値に設定してください。デフォルト値は,次のとおりです。
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Windows Server 2003,Windows Server 2008,Windows Server 2012の場合:2分
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(4) 「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあとMaster StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが停止する
Storeデータベースが使用しているディスクに十分な空き容量がない場合,Storeデータベースへのデータの格納が中断されます。この場合,「ディスク容量が不足しています」というメッセージが出力されたあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが停止します。
このメッセージが表示された場合,次のどちらかの対処をしてください。
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十分なディスク容量を確保する
Storeデータベースのディスク占有量を見積もり,Storeデータベースの格納先を十分な容量があるディスクに変更してください。Storeデータベースのディスク占有量を見積もる方法については,「付録A システム見積もり」を参照してください。Storeデータベースの格納先を変更する方法については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
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Storeデータベースの保存条件を変更する
Storeデータベースの保存条件を変更し,Storeデータベースのデータ量の上限値を調整してください。Storeデータベースの保存条件を変更する方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,稼働監視データの管理について説明している章を参照してください。
これらの対処を実施したあともMaster StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスが起動されない場合,Storeデータベースに回復できない論理矛盾が発生しています。この場合,バックアップデータからStoreデータベースをリストアしたあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスを起動してください。利用できるバックアップデータが存在しない場合は,Storeデータベースを初期化したあと,Master StoreサービスまたはRemote Monitor Storeサービスを起動してください。Storeデータベースを初期化するには,Storeデータベースの格納先フォルダにある次のファイルをすべて削除してください。
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拡張子が.DBであるファイル
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拡張子が.IDXであるファイル
Storeデータベースの格納先フォルダについては,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
(5) PFM - RMのRemote Monitor Collectorサービスが起動しない
PFM - RMホストがWindowsの場合,PFM - RMの起動時にRemote Monitor Collectorサービスの起動に失敗して,Windowsの再起動時,Windowsイベントログに,次のどちらかのメッセージが出力されることがあります。
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「サービス名サービスは起動時に停止しました。」
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「サービス名サービスは開始時にハングしました。」
この現象は,Windowsのサービスコントロールマネージャのタイムアウトによって発生するため,PFM - Managerへの通信負荷が高く,PFM - Managerからの応答に時間が掛かるときに発生しやすくなります。次の条件にすべて該当する場合に発生します。
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JP1/PFM - Managerへの通信負荷が高い
例えば,多数のPFM - RMの起動処理が同時に実行されている場合などが該当します。
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PFM - RMの各サービスについて,Windowsの[サービス]アプレットでスタートアップ種別が「自動」に設定されている
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OSを再起動する
この現象を回避するためには,次のどちらかの設定をして運用してください。
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OSの再起動と同時にサービスを起動する場合,Windowsのサービスコントロールマネージャから起動するのではなく,jpcspm startコマンドを実行して起動する
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PFM - RMホストで次の設定を行って,PFM - RMの起動時間を短縮する
この設定で,PFM - RMのサービスの起動時に,PFM - Managerに接続できない場合の再接続処理が短縮されます。この場合,PFM - RMのサービスがスタンドアロンモードで起動する確率が高くなります。
PFM - RMの起動時間を短縮するには,起動情報ファイル(jpccomm.ini)の[Agent Collector x Section]※および[Agent Store x Section]※の「NS Init Retry Count」ラベルを,「NS Init Retry Count =2」から「NS Init Retry Count =1」に変更します。
- 注※
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「x」には,PFM - RMのプロダクトIDが入ります。プロダクトIDについては,「付録B 識別子一覧」を参照してください。同一ホスト上にPFM - RMが複数インストールされている場合は,それぞれのプロダクトIDごとに「NS Init Retry Count」ラベルの値を設定してください。
起動情報ファイル(jpccomm.ini)の格納先は,次のとおりです。
- PFM - RMホストが物理ホストの場合
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インストール先フォルダ\jpccomm.ini
- PFM - RMホストが論理ホストの場合
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環境ディレクトリ※\jp1pc\jpccomm.ini
- 注※
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論理ホスト作成時に指定した共有ディスク上のディレクトリを示します。