ここでは,クラスタシステムでPerformance Managementを運用するための,セットアップについて説明します。
クラスタシステムで運用する場合,実行系ノードと待機系ノードをそれぞれセットアップする必要があります。実行系ノード,待機系ノードの順にセットアップしてください。
は実行系ノードで行う項目を,
は待機系ノードで行う項目を示します。また,
は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のセットアップ項目を示します。
PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RMを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があります。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があるのは次の場合です。
登録はPFM - Manager上およびPFM - Web Console上で実施します。手順は非クラスタシステムの場合と同じです。
手順については,「2.1.4(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録」を参照してください。
共有ディスクがオンラインになっていることを確認します。共有ディスクがオンラインになっていない場合は,クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャの操作などで,共有ディスクをオンラインにしてください。
jpcconf ha setupコマンドを実行して論理ホスト環境を作成します。コマンドを実行すると,共有ディスクに必要なデータがコピーされ,論理ホスト用の定義を設定されて,論理ホスト環境が作成されます。
手順を次に示します。
jpcconf ha setup -key RMSQL -lhost jp1-halSQL -d S:¥jp1
jpcconf ha list -key all
jpcconf mgrhost defineコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを管理するPFM - Managerを設定します。
jpcconf mgrhost define -host jp1-hal -lhost jp1-halSQL
jpcconf inst setupコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス環境を設定します。
設定手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。ただし,クラスタシステムの場合,jpcconf inst setupコマンドの実行時に,「-lhost」で論理ホスト名を指定する必要があります。
クラスタシステムの場合のjpcconf inst setupコマンドの指定方法を次に示します。
jpcconf inst setup -key RMSQL -lhost 論理ホスト名 -inst インスタンス名 |
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf inst setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
なお,エージェントログの出力先フォルダ(LOG_PATHの値)には,共有ディスク上のパスを指定してください。
このほかの設定内容,および手順については,「2.1.4(2) インスタンス環境の設定」を参照してください。
jpcconf target setupコマンドを実行して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象ホストの情報を設定します。
設定手順は,非クラスタシステムの場合と同じです。ただし,クラスタシステムの場合,jpcconf target setupコマンドの実行時に,「-lhost」で論理ホスト名を指定する必要があります。
クラスタシステムの場合のjpcconf target setupコマンドの指定方法を次に示します。
jpcconf target setup -key RMSQL -inst インスタンス名 -target 監視対象名 -lhost 論理ホスト名 |
ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf target setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf target setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。
設定内容,および手順については,「2.1.4(2)(b) 監視対象を設定する」を参照してください。
また,Windows認証を使用する場合の設定については,「2.1.4(2)(c) Windows認証を使用する場合の設定」を,Microsoft SQL Serverのログインの権限については,「2.1.4(2)(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限」を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL ServerがMicrosoft SQL Serverからデータベースの名称とサイズの一覧を取得するためのストアドプロシージャを登録します。
設定手順は非クラスタシステムの場合と同じです。詳細は,「2.1.4(3) ストアドプロシージャの登録」を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverのほかに,同じ論理ホストにセットアップするPFM - ManagerやPFM - RMがある場合は,この段階でセットアップしてください。
セットアップ手順については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章,または各PFM - RMマニュアルの,クラスタシステムでの運用について説明している章を参照してください。
Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて,変更する場合にだけ必要な設定です。
ネットワークの設定では次の2つの項目を設定できます。
Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2個使用されます。このファイルサイズを変更したい場合にだけ,必要な設定です。
詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のフォルダを変更したい場合にだけ必要な設定です。
設定方法については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。
アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。
設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの論理ホスト環境が作成できたら,環境定義をファイルにエクスポートします。エクスポートでは,その論理ホストにセットアップされているPerformance Managementのプログラムの定義情報を一括してファイル出力します。同じ論理ホストにほかのPerformance Managementのプログラムをセットアップする場合は,セットアップが一とおり済んだあとにエクスポートしてください。
論理ホスト環境定義をエクスポートする手順を次に示します。
jpcconf ha export -f lhostexp.txt
「(13) 論理ホスト環境定義ファイルのエクスポート」でエクスポートした論理ホスト環境定義ファイルを,実行系ノードから待機系ノードにコピーします。
クラスタソフトからの操作やボリュームマネージャの操作などで,共有ディスクをオフラインにして,作業を終了します。なお,その共有ディスクを続けて使用する場合は,オフラインにする必要はありません。
実行系ノードからコピーしたエクスポートファイルを,待機系ノードにインポートします。
実行系ノードで作成した論理ホストのPerformance Managementのプログラムを,待機系ノードで実行するための設定には,jpcconf ha importコマンドを使用します。1つの論理ホストに複数のPerformance Managementのプログラムがセットアップされている場合は,一括してインポートされます。
なお,このコマンドを実行するときには,共有ディスクをオンラインにしておく必要はありません。
jpcconf ha import -f lhostexp.txt
jpcconf ha list -key all
Performance Managementのプログラムを論理ホスト環境で運用する場合は,クラスタソフトに登録して,クラスタソフトからの制御でPerformance Managementのプログラムを起動したり停止したりするように環境設定します。
クラスタソフトへPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する方法は,クラスタソフトのマニュアルを参照してください。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverをクラスタソフトに登録するときの設定内容を,Windows MSCSに登録する項目を例として説明します。
PFM - RM for Microsoft SQL Serverの場合,次の表のサービスをクラスタに登録します。
表3-3 クラスタソフトに登録するPFM - RM for Microsoft SQL Serverのサービス
項番 | 名前 | サービス名 | 依存関係 |
---|---|---|---|
1 | PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名 [LHOST] | JP1PCAGT_4S_インスタンス名 [LHOST] |
|
2 | PFM - RM for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名 [LHOST] | JP1PCAGT_4A_インスタンス名 [LHOST] | 項番1のクラスタリソース |
3 | PFM - Action Handler [LHOST] | JP1PCMGR_PH [LHOST] |
|
[LHOST]の部分は,論理ホスト名に置き換えてください。インスタンス名がSQL1,論理ホスト名がjp1-halSQLの場合,サービスの名前は「PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server SQL1 [jp1-halSQL]」,サービス名は「JP1PCAGT_4S_SQL1 [jp1-halSQL]」のようになります。
MSCSの場合は,これらのサービスをMSCSのリソースとして登録します。各リソースの設定は次のようにします。下記の[ ]は,MSCSの設定項目です。
クラスタソフトからの操作で,Performance Managementのプログラムの起動および停止を各ノードで実行し,正常に動作することを確認してください。
Performance Managementのプログラムのセットアップ終了後,PFM - Web Consoleから,運用に合わせて監視対象の稼働状況についてのレポートを表示できるようにしたり,監視対象で問題が発生したときにユーザーに通知できるようにしたりするために,Performance Managementのプログラムの環境を設定します。
Performance Managementのプログラムの環境設定方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,クラスタシステムでの構築と運用について説明している章を参照してください。