2.1.4 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップ手順

ここでは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを運用するための,セットアップについて説明します。

[図データ]は使用する環境によって必要になるセットアップ項目,またはデフォルトの設定を変更する場合のオプションのセットアップ項目を示します。

<この項の構成>
(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録
(2) インスタンス環境の設定
(3) ストアドプロシージャの登録
(4) ネットワークの設定
(5) ログのファイルサイズ変更
(6) パフォーマンスデータの格納先の変更
(7) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの接続先PFM - Managerの設定
(8) 動作ログ出力の設定

(1) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録

PFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleを使ってPFM - RM for Microsoft SQL Serverを一元管理するために,PFM - ManagerおよびPFM - Web ConsoleにPFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があります。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverを登録する必要があるのは次の場合です。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverのデータモデルのバージョンについては,「付録H バージョン互換」を参照してください。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録の流れを次に示します。

図2-4 PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録の流れ

[図データ]

注意
  • PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録は,インスタンス環境を設定する前に実施してください。
  • すでにPFM - RM for Microsoft SQL Serverの情報が登録されているPerformance Managementシステムに,新たに同じバージョンのPFM - RM for Microsoft SQL Serverを追加した場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverの登録は必要ありません。
  • バージョンが異なるPFM - RM for Microsoft SQL Serverを,異なるホストにインストールする場合,古いバージョン,新しいバージョンの順でセットアップしてください。
  • PFM - Managerと同じホストにPFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールした場合,jpcconf agent setupコマンドが自動的に実行されます。共通メッセージログに「KAVE05908-I エージェント追加セットアップは正常に終了しました」と出力されるので,結果を確認してください。コマンドが正しく実行されていない場合は,コマンドを実行し直してください。コマンドの実行方法については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」の,コマンドの章を参照してください。
  • Microsoft SQL Serverのメモリー設定で,最小クエリメモリーの値を初期設定の1,024キロバイトより低く設定しないでください。低く設定した場合,Microsoft SQL Serverに対するクエリーが失敗し,データ収集ができなくなります。
  • PFM - RM for Microsoft SQL Serverの情報を登録する作業では,PFM - Web Consoleの[レポート階層]画面および[アラーム階層]画面に「RM SQLServer」という名前のフォルダが作成されます。[レポート階層]画面で,すでに独自に「RM SQLServer」という名前のフォルダまたはファイルを作成していた場合には,名前を変更してから作業を始めてください。
(a) PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルをコピーする

PFM - RM for Microsoft SQL Serverをインストールしたホスト(PFM - RMホスト)にあるセットアップファイルをPFM - ManagerおよびPFM - Web Consoleをインストールしたホストにコピーします。手順を次に示します。

  1. PFM - Web Consoleが起動されている場合は,停止する。
  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルをバイナリーモードでコピーする。
    ファイルが格納されている場所およびファイルをコピーする場所を次の表に示します。

    表2-2 コピーするセットアップファイル

    PFM - RM for Microsoft SQL Serverの
    セットアップファイル
    コピー先
    PFMプログラム名OSコピー先フォルダ
    インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt4w.EXEPFM - ManagerWindowsPFM - Managerのインストール先フォルダ¥setup¥
    インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt4u.ZUNIX/opt/jp1pc/setup/
    インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt4w.EXEPFM - Web ConsoleWindowsPFM - Web Consoleのインストール先フォルダ¥setup¥
    インストール先フォルダ¥setup¥jpcagt4u.ZUNIX/opt/jp1pcwebcon/setup/
(b) PFM - Managerホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - ManagerでPFM - RM for Microsoft SQL Serverをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcconf agent setup -key RMSQL

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf agent setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf agent setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

注意
コマンドを実行するローカルホストのPerformance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止していない状態でjpcconf agent setupコマンドを実行した場合,エラーが発生することがあります。その場合は,Performance Managementのプログラムおよびサービスが完全に停止したことを確認したあと,再度jpcconf agent setupコマンドを実行してください。

PFM - ManagerホストにあるPFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルは,この作業が終了したあと,削除してもかまいません。

(c) PFM - Web Consoleホストでセットアップコマンドを実行する

PFM - Web ConsoleでPFM - RM for Microsoft SQL Serverをセットアップするための次のコマンドを実行します。

jpcwagtsetup

PFM - Web ConsoleホストにあるPFM - RM for Microsoft SQL Serverのセットアップファイルは,この作業が終了したあと削除してもかまいません。

(2) インスタンス環境の設定

PFM - RM for Microsoft SQL Serverでは,インスタンス環境および監視対象の設定が必要です。インスタンス環境の設定と監視対象の設定は1対1の関係です。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverでは,1つのインスタンス環境に定義できる監視対象は1つだけです。複数のインスタンス環境および監視対象を設定する場合は,次の手順を繰り返し実施します。

例えば,3つのMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視したい場合は,インスタンス環境および監視対象の設定を3つそれぞれについて実施します。

複数のインスタンス環境を作成する場合,インスタンス数の目安は,システム構成に依存しますが,3~5インスタンスです。収集するレコードを減らしたり,収集間隔を広げたりすることでインスタンス数を増やすことができます。運用前に十分に検証してください。

インスタンス環境設定時の注意事項
  • 監視対象となるMicrosoft SQL Serverインスタンスについて,次の設定をあらかじめ実施する必要があります。設定の方法については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
  • リモート接続を許可する。
    Microsoft SQL ServerのSQL Server Management Studioなどから設定します。
  • プロトコルの設定でTCP/IPまたは名前付きパイプを有効にしておく。
    Microsoft SQL ServerのSQL Server構成マネージャなどから設定します。
  • インスタンス環境の設定で指定した値が不正でも,インスタンス環境の生成コマンドは正常に終了します。しかし,不正な設定のままレコードの収集を開始すると,パフォーマンスデータが収集されません。パフォーマンスデータが収集されない場合の対策については,「7.2.5(3) PFM - RMを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。

インスタンス環境および監視対象の設定方法について次に示します。

(a) インスタンス情報を設定する

PFM - RM for Microsoft SQL Serverで監視するMicrosoft SQL Serverのインスタンス情報を設定します。インスタンス情報の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定するインスタンス情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2-3 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス情報

項目説明設定できる値デフォルト値
LOG_PATH※1エージェントログの出力先フォルダ(絶対パス)。245バイト以内の半角文字列。
ただし,次の文字は指定できない。
  • タブ
  • 次の記号
    「/」「:」「,」「;」「*」「?」「"」「<」「>」「|」
インストール先フォルダ¥agt4¥agent¥インスタンス名¥log
LOG_SIZEエージェントログの1ファイルの最大サイズ。※21~32(単位:メガバイト)。
ただし,推奨は16以上。
16
注※1
エージェントログの出力先フォルダをデフォルト値以外に変更する場合は,書き込みアクセス許可のあるフォルダを指定してください。
Windows Server 2008の場合,WRPによるリソース保護が有効になっているフォルダの下位にあるリソースは,削除および変更できません。WRPが設定されているフォルダの下位に,エージェントログの出力先フォルダを設定しないでください。
注※2
エージェントログは,1インスタンスにつき最大4ファイルが採取されます。LOG_SIZEの値は,次の条件を満たすことを確認して指定してください(LOG_PATHがデフォルトの場合を含む)。

LOG_PATHに指定したドライブの空き容量(メガバイト) > LOG_SIZEの値×4

ハードディスクに十分な空き容量がない場合,エージェントログの採取エラーとなります。エージェントログについては「7.3 ログ情報」を参照してください。


注意
インスタンス環境を設定していない場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverのサービスを起動できません。

インスタンス環境を構築するには,jpcconf inst setupコマンドを使用します。インスタンス環境の構築手順を次に示します。

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf inst setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf inst setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  1. サービスキーおよびインスタンス名を指定して,jpcconf inst setupコマンドを実行する。
    次のように指定してコマンドを実行します。

    jpcconf inst setup -key RMSQL -inst インスタンス名

  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverのインスタンス情報を設定する。
    表2-3に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,インスタンス環境が構築されます。構築時に入力したエージェントログ出力先,またはエージェントログファイルサイズを変更したい場合は,再度jpcconf inst setupコマンドを実行し,インスタンス環境を更新してください。インスタンス環境の更新については,「2.4.3 インスタンス環境の更新の設定」を参照してください。

構築されるインスタンス環境を次に示します。

(b) 監視対象を設定する

「(a) インスタンス情報を設定する」で設定したインスタンスに,監視対象ホストの情報を設定します。監視対象の設定は,PFM - RMホストで実施します。

設定する情報を次の表に示します。セットアップの操作を始める前に,次の情報をあらかじめ確認してください。

表2-5 PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象の情報

項目説明設定できる値デフォルト値
TARGET_HOST監視対象となるMicrosoft SQL Serverが稼働しているホスト名。論理ホストの場合は,論理ホスト名。1~32バイトの半角英数字およびハイフン(-)だけ使用できる。ただし,「-」から始まる名前は指定できない。
インスタンス内でユニークである必要がある。※1
SQL_INSTANCE監視対象となるMicrosoft SQL Serverのインスタンス名。Microsoft SQL Serverのインストール方法によって,指定するインスタンス名は異なる。
既定インストールした場合:
「default」
インスタンス名を付与してインストールした場合:
付与したインスタンス名
default
SQL_USER※2SQL Server認証に使用するMicrosoft SQL Serverのユーザー名。「sa」と同等の権限を持つユーザーアカウント(固定サーバロールsysadminメンバーアカウント)。
上記以外のアカウントを用意する場合は,「(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限」を参照のこと。
sa
SQL_PASSWORD※2SQL Server認証に使用するMicrosoft SQL Serverのユーザーのパスワード。SQL_USERに対応するパスワード。
TIMEOUTデータベースアクセス時のクエリータイムアウト時間を秒単位で指定する。1~3600(単位:秒)。60
LOGIN_TIMEOUTデータベースへの接続タイムアウト時間を秒単位で指定する。1~3600(単位:秒)。20
DB_FREE_PERC_OPTION※3,※4PD_DSレコードのFree %フィールドがマイナス値になる場合の動作を指定する。{Y|N}
「Y」を指定した場合,DB_FREE_PERC_NUMBERで指定した値を設定する。
「N」を指定した場合,Free %フィールドにマイナス値がそのまま設定される。
Y
DB_FREE_PERC_NUMBER※4,※5PD_DSレコードのFree %フィールドがマイナス値になった場合に置き換える値を指定する。DB_FREE_PERC_OPTIONで「Y」を指定した場合だけ有効。-1~9990
LIMIT_PD_LD_NUMBER※6PD_LDレコードの最大収集件数を指定する。0~900,000
0を指定した場合,上限を設定しないですべてのデータを収集する。
0
(凡例)
-:なし
注※1
「All」はグループエージェント用の予約語のため使用できません。
注※2
SQL_USERに指定するMicrosoft SQL Serverのユーザー名によって,Microsoft SQL Serverの認証方法が次の表のように異なります。
Microsoft SQL Serverのインストール方法,インスタンス情報,およびユーザー認証の詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

表2-6 SQL_USERに指定するユーザー名ごとのMicrosoft SQL Serverの認証方法

SQL_USERの指定値SQL_PASSWORDの指定値認証方法
saユーザー「sa」のパスワードSQL Server認証
指定しない(パスワードを設定していない場合)
任意の半角文字列指定したユーザーのパスワード
指定しない(パスワードを設定していない場合)
半角スペース1文字不要(入力しても無視される)Windows認証

なお,「Windows認証」は,PFM-RM for Microsoft SQL Serverサービスのアカウントで実施します。

注※3
Microsoft SQL Serverのデータの遅延割り当てによって,パフォーマンスデータへの値の反映がすぐに実行されないことがあります。このため,PD_DSレコードのFree %フィールドの値がマイナスになる場合があります。この場合に値を置き換えるかどうかを指定します。
注※4
Free %フィールドの値を置き換えた場合,エージェントログにKAVL19847-Iメッセージが出力されます。
注※5
Free %フィールドをアラーム条件に使用している場合は,運用環境に合わせて値を設定してください。
・アラームを発生させる場合
 異常条件,または警告条件のしきい値を超過するように値を設定する。
・アラームを発生させない場合
 異常条件,または警告条件のしきい値を超過しないように値を設定する。
注※6
Microsoft SQL Serverで,大量のトランザクションやロックアクセスが発生している稼働状況でLock Detail(PD_LD)レコードの収集を行うと次のような事象が発生することがあります。
・Storeデータベースの容量が増加する。
・収集に時間がかかり,収集が完了するまで他のレコードの収集がスキップされる。
・メモリを多く消費する。
例えば,Microsoft SQL Serverのデータベースをバックアップする場合に,ロック数が一時的に増加するようなときは,Lock Detail(PD_LD)レコードで上限値を設定することでシステムの負荷を軽減できます。
設定する値は,通常の運用で発生するロック数の最大値よりも大きい値にしてください。ロック数は次のどちらかで確認することができます。
・エージェントログの通常ログで確認する。
 次のメッセージで確認できます。
 KAVL19807-I Getting record ended = LD -> Storing started [ count = レコード数 ]
・SQL文を実行して現在のロック数を確認する。
 「付録A.4 レコードのインスタンス数の算出方法」の表A-1にある,PD_LDの算出方法に記載しているSQL文を実行することでロック数を確認できます。

注意
  • 監視対象の設定で指定した値が不正な場合でも,監視対象の生成コマンドは正常に終了します。ただし,レコードの収集を開始してもパフォーマンスデータは収集されません。パフォーマンスデータが収集されない場合の対策については,「7.2.5(3) PFM - RMを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。
  • 複数のPFM - RM for Microsoft SQL Serverで同じMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視しないでください。
  • PFM - RM for Microsoft SQL ServerとPFM - Agent for Microsoft SQL Serverで同じMicrosoft SQL Serverのインスタンスを監視しないでください。
  • 監視対象となるMicrosoft SQL Serverインスタンスのホストにファイアウォールが設定されている場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverからの接続が拒否されないように設定してください。詳細についてはMicrosoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

監視対象の環境を構築するには,jpcconf target setupコマンドを使用します。監視対象の環境の構築手順を次に示します。

ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf target setupコマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf target setupコマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

  1. サービスキー,インスタンス名,および監視対象名を指定して,jpcconf target setupコマンドを実行する。
    コマンドの形式を次に示します。

    jpcconf target setup -key RMSQL -inst インスタンス名 -target 監視対象名

  2. PFM - RM for Microsoft SQL Serverの監視対象の情報を設定する。
    表2-5に示した項目を,コマンドの指示に従って入力してください。各項目とも省略はできません。デフォルトで表示されている値を入力値とする場合は,リターンキーだけを押してください。

すべての入力が終了すると,監視対象の環境が構築されます。構築時に入力した監視対象の情報を変更したい場合は,再度jpcconf target setupコマンドを実行して,監視対象の環境を更新してください。監視対象の環境の更新については,「2.4.2 監視対象の更新の設定」を参照してください。

設定した一部の情報は,PFM - Web Consoleのプロパティ編集で変更できます。プロパティ編集で変更できる情報の詳細については,「付録E.3 リモートエージェントとグループエージェントのプロパティ一覧」を参照してください。

構築される監視対象の環境を次に示します。

なお,監視対象の設定で追加されるサービスIDは次のようになります。

(c)  Windows認証を使用する場合の設定

インスタンス環境構築時にPFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントは,「ローカルシステムアカウント」で作成されます。監視対象ホストの設定のSQL_USER項目でWindows認証を選択した場合,PFM - RM for Microsoft SQL Serverサービスのログインアカウントを監視対象ホストのMicrosoft SQL Serverに接続可能であり,監視対象ホストに,サービスとしてログインできるアカウントに変更する必要があります。監視対象ホストのMicrosoft SQL Serverにログインできることを確認するには,Microsoft SQL Serverに付属するManagement Studioやsqlcmdコマンドを使用する方法などがあります。詳細については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。

アカウントの変更は,次の手順で行います。
  • Windowsの[スタート]メニューから表示される[管理ツール]-[サービス]を選択し,[サービス]画面を表示します。
  • [サービス]画面でPFM - RM for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名の[プロパティ]を表示します。
  • [ログオン]タブの「アカウント」を選択し,アカウントとパスワードを入力します。

詳細については,OSのマニュアルを参照してください。

注意
PFM - RM Store for Microsoft(R) SQL Server インスタンス名のアカウントの変更は不要のため変更しないでください。
(d) Microsoft SQL Serverのログインの権限

Microsoft SQL Serverを運用するには,特定のMicrosoft SQL Server Databaseの権限を持つログイン(データベースユーザー)が必要です。

PFM - RM for Microsoft SQL Serverが,Microsoft SQL Server Databaseから性能情報を取得するには,各データベースのsysfilesシステムテーブルへのSELECT権限が必要です。

取得するレコードに応じた権限を設定して,PFM - RM for Microsoft SQL Serverを運用してください。PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得時に必要な権限を次の表に示します。

表2-8 PFM - RM for Microsoft SQL Serverのレコード取得時に必要な権限

レコードレコード取得時に必要な権限
  • Server Detail (PD)
  • Database Detail (PD_DD)
  • Database Space Detail (PD_DS)
  • Server Space Detail (PD_SS)
  • Server Space Interval (PI_SI)
  • Config Detail (PD_CD)
  • Lock Detail (PD_LD)
  • Server Locks Detail (PD_LOCK)
  • Process Detail (PD_PDET)
  • Global Server Summary (PI)
  • Server Overview (PI_SERV)
  • Transaction Log Overview (PI_TLOG)
  • Global Server Summary 2(PI_PI2)
  • Server Overview 2(PI_SRV2)
レコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限(詳細は表2-9を参照)

レコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限を次の表に示します。

表2-9 レコード取得時に使用するオブジェクトごとに必要な権限

レコード使用するオブジェクトレコード取得時に必要な権限
PD_CDsp_configureログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sp_configureへのEXEC権限を設定しておく必要があります。
PD,PI,PI_PI2@@から始まるスカラ関数すべてのユーザーが実行できます。
PD,PD_DD,PD_DS,PD_SS,PI_SImaster..sysdatabasesログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sysdatabasesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
sp_databasesログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sp_databasesへのEXEC権限を設定しておく必要があります。ただし,この項目は,sp_inst.sqlスクリプトを実行していない場合だけに有効です。
R4QHITACHIPROCSPDATABASESログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,R4QHITACHIPROCSPDATABASESがあります。ただし,この項目は,sp_inst.sqlスクリプトを実行している場合だけに有効です。
master.dbo.spt_valuesログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,spt_valuesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*..sysindexesログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,sysindexesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*.sys.indexesログインに対するすべてのデータベースでのユーザー(ミラーリング構成での監視をする場合は,ミラーリング構成のデータベースでのユーザーを含む)に,sys.indexesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
DBCC SQLPERF(LOGSPACE)すべてのユーザーが実行できます。
サーバへのVIEW SERVER STATE権限を設定しておく必要があります。
msdb.dbo.backupsetログインに対するmsdbデータベースでのユーザーに,backupsetへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*..sysarticlesログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,sysarticlesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*..syspublicationsログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,syspublicationsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*..syssubscriptionsログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,syssubscriptionsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD,
PD_DD,PD_LD,PD_LOCK
master..sysprocessesログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sysprocessesへのSELECT権限とサーバへのVIEW SERVER STATE権限を設定しておく必要があります。
master..sysloginsログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sysloginsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
master..sysusersログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sysusersへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD,PD_DD,PD_LD,PD_LOCK,PD_PDETmaster..syslockinfoログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,syslockinfoへのSELECT権限とサーバへのVIEW SERVER STATE権限を設定しておく必要があります。
*..sysobjectsログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,sysobjectsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD,PI,PI_SERV,PI_PI2,PI_SRV2master..sysperfinfoログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sysperfinfoへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD_DD,PD_DS,PD_SS,PI_SI*..sysfilesログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,sysfilesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD_DS,PD_SS,PI_SI*.sys.allocation_unitsログインに対するすべてのデータベースでのユーザー(ミラーリング構成での監視をする場合は,ミラーリング構成のデータベースでのユーザーを含む)に,sys.allocation_unitsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*.sys.partitionsログインに対するすべてのデータベースでのユーザー(ミラーリング構成での監視をする場合は,ミラーリング構成のデータベースでのユーザーを含む)に,sys.partitionsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
*.sys.internal_tablesログインに対するすべてのデータベースでのユーザー(ミラーリング構成での監視をする場合は,ミラーリング構成のデータベースでのユーザーを含む)に,sys.internal_tablesへのSELECT権限を設定しておく必要があります。
PD,
PI,
PI_SERV,PI_PI2,PI_SRV2
DBCC SQLPERF(IOSTATS)すべてのユーザーが実行できます。
DBCC SQLPERF(LRUSTATS)
DBCC SQLPERF(NETSTATS)
DBCC SQLPERF(RASTATS)
PI_TLOGDBCC SQLPERF(LOGSPACE)すべてのユーザーが実行できます。
サーバへのVIEW SERVER STATE権限を設定しておく必要があります。
PD_LDmaster.sys.dm_tran.locksログインに対するmasterデータベースでのユーザーに,sys.dm_tran_locksへのSELECT権限とサーバへのVIEW SERVER STATE権限を設定しておく必要があります。
*.sys.all_objectsログインに対するすべてのデータベースでのユーザーに,sys.all_objectsへのSELECT権限を設定しておく必要があります。

(3) ストアドプロシージャの登録[図データ]

インスタンス内のデータベースが2テラバイト以上の場合,ストアドプロシージャが登録されていないと,PFM - RM for Microsoft SQL Serverによる情報の取得が失敗します。

監視対象のMicrosoft SQL Serverインスタンスのmasterデータベースに,次に示すストアドプロシージャを登録します。

登録は監視対象となるMicrosoft SQL Serverが稼働しているホストで実施します。

PFM - RMホストにMicrosoft SQL Serverがインストールされている場合には,osqlユーティリティまたは,sqlcmdユーティリティで監視対象となるMicrosoft SQL Serverに登録します。

R4QHITACHIPROCSPDATABASESは,PFM - RM for Microsoft SQL Serverが提供しているsp_rist.sqlスクリプトを実行して登録できます。sqlcmdユーティリティを使用する場合の登録手順を次に示します。

  1. Microsoft SQL Serverのsqlcmdユーティリティが実行できる環境を設定する。
    sqlcmdユーティリティはMicrosoftが提供しています。Microsoft SQL Serverの環境設定については,Microsoft SQL Serverのマニュアルを参照してください。
  2. sp_rist.sqlスクリプトの格納先フォルダに移動する。
    格納先フォルダを次に示します。

    インストール先フォルダ¥agt4¥sql

  3. 監視対象のMicrosoft SQL Serverを指定して,スクリプトを実行する。
    sp_rist.sqlスクリプトの実行方法は,監視するMicrosoft SQL Serverのインスタンスの種類,およびMicrosoft SQL Serverへ接続する際の認証方法によって異なります。それぞれの場合の実行方法は次のとおりです。
    • Microsoft SQL Serverが既定のインスタンスの場合
      認証方法sp_rist.sqlスクリプトの実行方法
      SQL Server認証sqlcmd -S ホスト名 -U ユーザー名 -P パスワード -d master -i sp_rist.sql
      Windows認証sqlcmd -S ホスト名 -E -d master -i sp_rist.sql
    • Microsoft SQL Serverが名前付きインスタンスの場合
      認証方法sp_rist.sqlスクリプトの実行方法
      SQL Server認証sqlcmd -S ホスト名¥インスタンス名 -U ユーザー名 -P パスワード -d master -i sp_rist.sql
      Windows認証sqlcmd -S ホスト名¥インスタンス名 -E -d master -i sp_rist.sql
      注※
      指定する内容は次のとおりです。
      ホスト名 : 監視対象のMicrosoft SQL Serverが稼働しているホスト名。
      インスタンス名 : 監視対象のMicrosoft SQL Serverのインスタンス名。
      ユーザー名 : saまたはsaと同等の権限を持つユーザーアカウント(固定サーバロールsysadminメンバーアカウント)
      パスワード : 指定したユーザー名に対応するパスワード

R4QHITACHIPROCSPDATABASESの削除手順については,「付録I ストアドプロシージャの削除」を参照してください。

(4) ネットワークの設定[図データ]

Performance Managementを使用するネットワーク構成に応じて行う設定です。

ネットワークの設定には次の2つの項目があります。

(5) ログのファイルサイズ変更[図データ]

Performance Managementの稼働状況を,Performance Management独自のログファイルに出力します。このログファイルを「共通メッセージログ」と呼びます。共通メッセージログは,デフォルトで2,048キロバイトのファイルが2ファイル使用されます。このファイルサイズを変更したい場合に必要な設定です。

詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management 設計・構築ガイド」の,インストールとセットアップについて説明している章を参照してください。

(6) パフォーマンスデータの格納先の変更[図データ]

PFM - RM for Microsoft SQL Serverで管理されるパフォーマンスデータを格納するデータベースの保存先,バックアップ先,エクスポート先,またはインポート先のフォルダを変更したい場合に必要な設定です。

パフォーマンスデータは,デフォルトでは次の場所に保存されます。

注意
論理ホストで運用する場合のデフォルトの保存先については,「インストール先フォルダ」を「環境フォルダ¥jp1pc」に読み替えてください。

詳細については,「2.4.1 パフォーマンスデータの格納先の変更」を参照してください。

(7) PFM - RM for Microsoft SQL Serverの接続先PFM - Managerの設定

PFM - RM for Microsoft SQL Serverがインストールされているホストで,そのPFM - RM for Microsoft SQL Serverを管理するPFM - Managerを設定します。接続先のPFM - Managerを設定するには,jpcconf mgrhost defineコマンドを使用します。

注意
  • 同一ホスト上に,複数のPFM - RMがインストールされている場合でも,接続先に指定できるPFM - Managerは,1つだけです。PFM - RMごとに異なるPFM - Managerを接続先に設定することはできません。
  • PFM - RM for Microsoft SQL ServerとPFM - Managerが同じホストにインストールされている場合,接続先PFM - ManagerはローカルホストのPFM - Managerとなります。この場合,接続先のPFM - ManagerをほかのPFM - Managerに変更できません。
  • セットアップを実施する前に,ローカルホストでPerformance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,すべて停止してください。サービスの停止方法については,マニュアル「JP1/Performance Management 運用ガイド」の,Performance Managementの起動と停止について説明している章を参照してください。

手順を次に示します。

  1. Performance Managementのプログラムおよびサービスを停止する。
    jpcconf mgrhost defineコマンド実行時に,Performance Managementのプログラムおよびサービスが起動されている場合は,停止を問い合わせるメッセージが表示されます。
  2. 接続先のPFM - Managerホストのホスト名を指定して,jpcconf mgrhost defineコマンドを実行する。
    例えば,接続先のPFM - Managerがホストhost01上にある場合,次のように指定します。

    jpcconf mgrhost define -host host01

    ここでは,対話形式の実行例を示していますが,jpcconf mgrhost define コマンドは非対話形式でも実行できます。jpcconf mgrhost define コマンドの詳細については,マニュアル「JP1/Performance Management リファレンス」のコマンドについて説明している章を参照してください。

(8) 動作ログ出力の設定[図データ]

アラーム発生時に動作ログを出力したい場合に必要な設定です。動作ログとは,システム負荷などのしきい値オーバーに関するアラーム機能と連動して出力される履歴情報です。

設定方法については,「付録J 動作ログの出力」を参照してください。