レコードの注意事項
レコードを収集する場合の注意事項を次に示します。
パフォーマンスデータ収集前の注意事項
パフォーマンスデータ収集前の注意事項について次に示します。
- レジストリの変更について
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この注意事項は,Windows固有のものです。
PFM - RM for Platformは,OSが提供する標準的な方法で設定された環境での動作だけをサポート対象としています。
Microsoftのサポート技術情報で公開されている情報でも,レジストリエディターでレジストリ情報を直接編集するなど,OSに対して特殊な設定をしている場合,パフォーマンスデータが正しく収集できないことがあります。
- 履歴データの収集について
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PFM - RM for Platformでは,レコードごとに,インスタンス内のすべての監視対象の履歴データ,またはグループエージェントで集約された履歴データが,同じデータファイルに格納されます。各データファイルのサイズの上限は2GBのため,インスタンス内に多数の監視対象がある場合,またはレコードのインスタンス数が多い場合,履歴データがStoreデータベースに格納できなくなることがあります。
特に,グループエージェントで集約された履歴データは,データファイルを圧迫するおそれがあります。そのため,グループエージェントで監視する場合は,履歴による監視ではなく,リアルタイムによる監視を推奨します。
履歴による監視をする場合は,データファイルのサイズが2GBを超えないように,インスタンス内の監視対象数を減らすか,LOGIFを使用してStoreデータベースに格納するデータを抑える必要があります。
Storeデータベースのディスク占有量を見積もる方法については,「付録A 構築前のシステム見積もり」を参照してください。
レコードのインスタンスの識別に関する注意事項
レコードのインスタンスの識別に関する注意事項について次に示します。
- インスタンスがユニークに識別されないとき
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この注意事項は,監視対象ホストがWindowsの場合に固有のものです。
PFM - RM for Platformは,一定間隔でOSの最新情報を参照し,パフォーマンスデータを収集しています。レコードのフィールドが,OSから取得した情報でレコードのインスタンスをユニークに識別できない場合,次に示すフィールドの末尾に項番「#n」(n=1,2,3・・・)が付きます。
レコード名
フィールド名
Network Interface Overview(PI_NET)
Interface(INTERFACE)
監視対象ホストのシステムリソースを変更するときの注意事項
監視対象ホストのシステムリソースを変更する場合の注意事項を次に示します。
- システムリソースの変更前後のパフォーマンスデータについて
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監視対象ホストのシステムリソースを変更した場合,変更前と変更後とのパフォーマンスデータとの連続性はありません。したがって,変更前と変更後のパフォーマンスデータを,別のパフォーマンスデータとして扱う必要があります。
各レコードの注意事項
- インスタンス名が「_Total」で示されるレコードのデータ値について
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複数インスタンスレコードのうち,インスタンス名が「_Total」で示されるレコードのデータ値には,すべてのインスタンスの合計値や平均値が収集されます。また,収集間隔中にインスタンス環境が変更された場合,値が一致しない場合があります。
- データモデルで定義されたデータ型以上の値について
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PFM - RM for Platformでは,データモデルで定義されたデータ型以上の値は扱えません。データモデルで定義されたデータ型以上の値が収集された場合,正確な値が表示されないことがあります。
- レコードが生成されないとき
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ODBCキーフィールドで定義されたフィールドに格納するパフォーマンスデータを,PFM - RM for Platformが収集できない場合は,レコードが生成されません。
- 初回収集時にパフォーマンスデータが収集されないフィールドについて
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PDレコード以外のレコードでは,初回収集時にパフォーマンスデータが収集されないフィールドが存在します。これらのフィールドでは,2回目以降の収集時にパフォーマンスデータが収集されます。
- 仮想化機能特有の動作によってパフォーマンスデータが正確に取得できないとき
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時間のジャンプなどの仮想化機能特有の動作によって,パフォーマンスデータが正確に取得できないことがあります。
- AIXの監視対象ホストからパフォーマンスデータが正確に取得できないとき
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PFM - RM for Platformのインスタンスの設定が次のすべての条件に一致する場合,パフォーマンス情報が正しく収集できないことがあります。
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監視対象ホストにAIXのホストが設定されている
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監視対象ホストのiostatカーネルパラメータがfalseに設定されている
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監視対象ホストでsarコマンドが実行されている
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インスタンスのStd_CategoryプロパティまたはDisk_Categoryプロパティに「Y」が指定されている
また,監視対象ホストでPFM - Agent for Platformが稼働している場合,インスタンスの設定が次のすべての条件に一致するときは,パフォーマンス情報が正しく収集できないおそれがあります。
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監視対象ホストにAIXのホストが設定されている
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監視対象ホストのiostatカーネルパラメータがfalseに設定されている
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監視対象ホストで稼働しているPFM - Agent for Platformの[Agent Configuration]−[sar Command Monitoring]プロパティに「Yes」が設定されている
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インスタンスのStd_CategoryプロパティまたはDisk_Categoryプロパティに「Y」が指定されている
Std_Categoryプロパティに「Y」が指定されている場合は,CPUに関するパフォーマンス情報収集できないときがあります。Disk_Categoryプロパティに「Y」が指定されている場合は,ディスクに関するパフォーマンス情報が収集できないときがあります。
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- ディスクデバイスの変更によってパフォーマンスデータが正確に取得できないとき
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システムの変更などによって,ディスクデバイス名が指すディスクデバイスが変更された場合は,ディスクデバイス名が同じでも,システムの変更前と変更後でパフォーマンス情報の継続性が失われます。
- マウントしているリモートファイルシステムの状態によってパフォーマンスデータが正確に取得できないとき
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PFM - RM for Platformは,マウントしているリモートファイルシステムの情報が参照できる状態(dfコマンドが正常に実行できる状態)で運用してください。マウントしているリモートファイルシステムが応答を返さない状態で,インスタンスのDisk_Categoryプロパティが「Y」に設定されていると,Remote Agentサービスがパフォーマンスデータを正確に収集できません。この場合の回復手順については,「9.2.5(3) PFM - RM for Platformを起動してもパフォーマンスデータが収集されない」を参照してください。